第七百二十三話
「こうやって上から見てると砲撃戦ってゲームみたいだよねー」
「あ、確かに――あれ?そう考えればもしかして――」
それは大気圏に駐留している母艦級から地上を観測していたプルシリーズの気づきから戦場が変貌する。
その気付きはなんのことはないもの、教育課程で学んでいたつもりであった地上戦の知識の1つであった。
しかし、人生経験も実戦経験も少ないプルシリーズが多く、地上戦の経験は誤差の範疇でしかない。そもそも砲戦フレームそのものが生まれて間もないのだから戦術が固まっていないのも無理はない。
そして能力に差があれど、感性は似通っており、その気付きはすぐに共有されると同時にすぐに反映された。
結果――
「第102、115、148砲撃小隊全滅!」
「補給拠点と補給ルートが集中砲火を受けています!迎撃が間に合いません!」
「ちっ、意味のわからん精度の砲撃の次は兵站潰しとはやってくれる。しかも、攻撃されているのは隠蔽しているはずの重要拠点と補給ルートか」
(普通なら内通者を疑うところだが、このタイミングで方針を変更したということは今なにかに気づいたということだろう。でなければ最初から狙われているはずだ)
砲撃戦の要は円滑な弾薬供給にある。誘導弾が無力化されている現状では数撃ちゃ当たるの精神で撃ち続ける。そうするためには豊富な弾薬が不可欠。
もちろんガンタンクそのものにも砲弾が搭載されているが消費されるスピードからすると心許ない。
「敵は少数、弾幕は薄い。拠点に近い砲撃小隊を迎撃に回せ、拠点から離れている部隊も拠点周辺に集めろ」
精確な情報を手に入れていないが数は上回り、物資量も負けていないという自負が連邦軍にはある。元々砲撃のみによる攻撃など時間稼ぎのために過ぎないが、更に消極的な行動へと方針変換した。
持久戦が主目的である以上、戦果よりも被害を抑えることを優先と指示を出す。
