アンケート回答ありがとうございました!
訓練相手は箒、楯無さん一人プレイで決定しました!楯無さんの方はもしもっといい方法思いついたら若干変更かかるかもしれません。
さて、今回は、閑話でもないのに何故かネタまみれ。
それでは、原作では書かれなかった始業式の日をどうぞ。
二十一話
ここはエアフォース・ツー。副大統領が普通乗るはずの超高級機体。というか、副大統領が日本に向かうのに便乗している。……優遇されてるなあ、俺。
飛行機の移動もそろそろ終わりが見え、もうすぐ着陸だそうだ。備え付けられていたモニターでゲームをピコピコとやっていると、その画面がいきなり掻き消えた。
「は? え、何? どうしたんですか?」
周りにいるボディガードさん達に訊いてみるが気まずそうな顔をしてそっぽを向くばかりだ。副大統領も苦笑いを浮かべるばかり。
しょうがないので、脇に置いてあるアイスティーをストローで飲み始める。
と、全てのモニターから声が響く。俺の顔が大画面に映った。
『臨時ニュースです! たった今、アメリカ政府が二人目の男子IS操縦者が見つかったと発表しました! なんと、あの天才、カズト・サクライ博士のようです! 博士自身の意向もあり、彼はIS学園にこれから向かうことが決定しているようです』
「ブホッ!グフ、ゲフ、ゲフォェッ!」
鼻からアイスティーが吹き出た。しばし鼻の痛みに悶絶する。
……ちなみに吹き出た先に副大統領の顔があった。本人は苦笑している……というか同情のまなざしを向けてきているので大丈夫だろうが。
悲惨な様相になった俺はティッシュを探し、顔を拭き終わった後、即座に大統領に通信。
「なんでこのタイミングなんですか! 鼻から紅茶を吹き出しちゃったじゃないですか! あらかじめ教えてくださいよ!」
大統領は気まずそうに苦笑した。
『あ、あはは、ご、ごめんなさい。向こうについてからになると『どうして隠していたのか』って他国にいろいろ言われるもの。だから今のうちに発表してデータだけ出すことにしたの。また研究機関巡るのはいやでしょ?』
「じゃあなんで隠してたんですか!?」
首をひねりつつ大統領は答える。
『………サプライズ?』
「なんでだぁ!いや確かにびっくりしましたけど!」
『まあ過ぎたことは気にしないの。これから出ると言った以上、マスコミも空港を張るのに時間がかかるはずだわ。そのまま始業式に行ってね』
「……了解しました」
しぶしぶ頷き、俺は準備を始めた。と、エーネが渋い顔の俺に声をかける。
『前途多難ですね』
「ああ、そうだな、全くだ」
『………あなたのハーレム生活は』
「ハーレム言うな! お前が多難のうちの一つ目になりそうだよ!」
………本気で大丈夫なのか、転生して初めての高校生活。
………とはいえ、このまま普通に転校の挨拶というのは、なんと言うか、
「ふむ……」
『………またろくでもないことになりそうですね……』
エーネの嘆息をよそに、俺は、『面白い転校』を考え始めた。
Side 織斑一夏
九月二日。
朝の臨時ニュースの時、俺達は朝食を食べていた。
と、食堂のモニターが切り替わる。大画面には懐かしい顔が写っていた。
『臨時ニュースです! たった今、アメリカ政府が二人目の男子IS操縦者が見つかったと発表しました! なんと、あの天才、桜井和人博士のようです! 博士自身の意向もあり、彼はIS学園にこれから向かうことが決定しているようです』
「ブホッ!グフ、ゲフ、ゲフォェッ!」
『ぇぇぇえええええええええええええ!!!!』
思わず飲んでいたみそ汁が吹き出た。むせて悶絶する。鼻にも詰まって痛い。同時にそこにいた女子連中が同時に驚愕の大声を上げた。耳も痛い。
「っきゃあ! 何するのさ、一夏!」
どうやら吹き出たみそ汁が正面にいたシャルにかかってしまったようだ。
「げほ、すまん、シャル」
「……まあ、わからないでも無いからいいけどね」
シャルが胸の部分についたみそ汁をティッシュで拭き取りながら苦笑する。
「ああ、そうだな。私も何か飲んでいる途中だったら同じようなことになっていただろう」
「うん、あたしもそうかも」
「「えっ………」」
箒と鈴が頷くのを見てその向かいにいるセシリアとラウラが逃げ腰になった。
「何をしている! 今日は授業は無いとはいえ、始業式だ! 驚くのはわかるが、さっさと食べ終わらせろ!」
「「「「「「はい!」」」」」」
千冬ね……じゃなかった、織斑先生の声に、俺達は急いで喰い終わらせた。
始業式で校長先生等の長い話が終わった後、教室に戻る。今後の授業の説明をするためだそうだ。
……にしてもカズもここに来るのか。あいつは女子ばっかって言う状況に俺よりも慣れてるから大丈夫だろ。多分。
あいつが夏休み中こっちに来れなかったのもその辺りの事情が関わっているのかもしれない。
と、教室のドアが開いた。山田先生が入ってくる。
「今日から二学期です。明日には早くもISの実戦訓練も開始します。皆さん二学期もよろしくお願いします」
『よろしくお願いしまーす!』
皆が唱和する。それに対し山田先生は居心地悪そうにえへへと笑い、
「では早速今後の予定について話したいと思うのですが……、その前に、転校生を紹介します。入ってきてください」
……このタイミングってことはやっぱり……
入って来たのは予想通りである意味予想外の人物だった。
カズだ。親友の桜井和人だ。確かにそう断言できる。が、どこかおかしい。
よく見た結果、俺は納得した。
(いつの間に
「では、自己紹介をお願いします」
山田先生の声にカズは頷き、
「ぼくが天才の和人くんだよ、はろー。終わり」
束さんそっくりの声で束さんそっくりの自己紹介をした後、くるりんと回ってみせる。
ピシリ、と世界が凍るのを俺は感じた。横を見ると自己紹介の元となった存在の妹は頭を抱えて突っ伏している。
ああ、そういや、同じような真似、子供の頃もしてたっけ………。声真似とか超得意だったな。無駄に。
「うん? 少し自己紹介が足りなかったかな? 好きなのは砲撃、得意な技はディバインバスタブッ!」
最後まで言い切る前に飛来した出席簿に和人は発言を封じられた。当然千冬姉である。
ていうかディバインバスタブってなんだ。そもそも『神聖なバスタブ』って技なのか? 場所なんじゃ……。
「束の真似なんぞせず、さっさと自己紹介をしろ」
「わかったよちーちゃん」
バシン!
「織斑先生と呼べ」
そう言われた直後にカズは起き上がり、ツインテールのゴムをとって、がらりと声を変えた。今回も聞き覚えのある……というかいつも聞いてる声のような気が………。
「さて、私が諸君と二年と少しではあるがともに学ぶことになった桜井和人だ。諸君とともにこの地獄を生き抜いていくのが私の仕事だ。解ったら返事をしろ。解らなくても返事をしろ。私の言葉には返事をしろ……グハッ!」
バシーン!
「誰が私の真似をしろと言った」
ああ、やっぱり。
というか、
(なんで千冬姉の最初の自己紹介のセリフ知ってるんだ……?)
皆が同じ疑問を浮かべたような表情をしていた。
二撃目にも怯まずどうにか立ち直ったカズは、またもや声を変えた。今回もやっぱり聞き覚えのある声………
「桜井和人です。…………以上です」
(……って、俺じゃねえか!)
バシーン!!
「織斑の真似ならいいというわけではない!」
惨劇……じゃない、三撃目にさすがにもんどりうって倒れたものの、カズは起き上がりつつ涙目で反論した。
「何するんだ千冬姉!」
ブチッ。
とうとう、千冬姉の頭で何かが切れる音が聞こえた。……やり過ぎだぞ、カズ。お前、死んだな。短い間だったがお前はいい親友だった。
「私を……!」
バシン!!
そして、ついに………、
「姉と………!」
バシン!!!
出席簿、その禁断の力……面ではなく線が……
「呼ぶなぁ!」
ズバシーン!!!!
解放される!
「ちょ、それ、中の人すら違……ギャァアアアア!」
三連撃、さらに続く追撃に、
今度こそ、カズは、沈んだ………。
………中の人ってなんだ?
「織斑先生だ、馬鹿者!」
Side end
うん、閑話の浸食が進んでいますね。こんな本編で大丈夫か?
え、声真似スキル? たった今思いつきました。エーネのフォローを受けてるんでしょう、多分。
さて、もひとつアンケート。
ヒロイン今のところナタルさんと簪さんは決定済みですが、他にヒロインを加えるかどうか迷っています。
ちなみに、候補としては
山田先生
のほほんさん
を考えてます。さすがに両方はきついので、どちらか一人を推してあげてくださいな。現在何票とかのノリで来週の本編直前までアンケートをやらせて頂きます。
次回は再び閑話!