さて、今回はやりすぎちゃいました。その一言に尽きます。
作者の名前の由来ネタが二つほど出てくるかと。
閑話 影響5-4
「さっきの装置はなぁ! 『
「く、白式がないか……なら、仕方ないな」
白式をオータムに奪われた一夏はごそごそと懐からあるものを取り出した。ISスーツなのに取り出す懐があるのかというのはツッコんではならない。
「あ? ISもなしでどうにかなると思ってるのかぁ?」
「
懐から取り出したのは…………「B」と白文字で大きく書かれている黒い正統派の
「………なんだそりゃ」
「ブルマだ」
「なんでブルマなのかって聞いてるんだよ! ちっ、もういい、死ね!」
オータムが銃口を向けたとき、一夏は厳かに言った。
「変………態っ!」
「な、なにっ!?」
直後一夏は光に包まれ、その光が消えたとき………
ところ変わって一方その頃。
「ごめん、鈴ちゃん達は私と一緒に一夏くんの救出に向かってくれる? ISが奪われているかもしれないの」
「……ISが奪われている、ですか?」
楯無の言葉に箒と鈴が若干怯えた表情を見せた。ただ、それは一夏の危機を心配していると言った感じではなかったが。
「ええ、そうなると非常に不利に………」
「「え、遠慮しますっ!」」
遠慮とかそう言う問題ではないのだが、幼なじみは口を揃えた。
「大丈夫です、あいつならISなしでも何とかなるように和人からあるものを渡されていますから!」
「え? あるものって………?」
「あーいえ、とにかく大丈夫ですから!」
楯無が戸惑うレベルで必死で行きたがらない二人。
「そう? でも私は念のために行くつもりなんだけど………」
「「やめた方が良いです」」
本気で幼なじみのシンクロ率がとんでもないことになっていた。
「大丈夫です、和人がきっと援護に行ってますから」
「ええ、だから心配はいりません。……………むしろ襲撃犯の精神が心配なことに…………」
「そ、そう? なら敵の追加要員が学園に入ってこないか警戒してて。私は撃退後の追撃に回るから。あ、シャルロットさんにも伝えといてね」
「「了解です」」
楯無が首をひねりながらも自分を納得させて立ち去ったところで、幼なじみ二人は肩を寄せ合ってひそひそ話を開始した。
「ねえ。多分一夏は………
「ああ。しかも和人も混ざれば使うだろう。アレは本当に犯罪者撃退の時のみしか使用できないからな」
「そもそも犯罪っていうか、いろいろとアウトだしね。なんで私、あんなのに惚れてるんだろ………」
「私も強くそう思った。犯人に深く同情する」
普通同情の余地がないような敵のはずなのに、二人の幼なじみにそのように合掌させる古くからの恐るべき兵器とは…………一体何か。
その答えがまさに更衣室で示されようとしていた。
光が収まったときそこには奇妙な人影があった。
頭の部分には「B」の白文字が書かれた黒のブルマを装着し、その下は……
「ゼンラーマン・ブルマ! ただいま参上!」
「へ、変態だぁあああ!」
一夏………否、ゼンラーマン・ブルマが名乗った瞬間にオータムは絶叫した。
さっき変態と自分で言っていたのでブルマは何も気にしていない。
「ふ、来い、我が固有武装『タスラム』よ!」
ブルマを着けた
無数の
「なんでフォークなんだよ!?」
「フォークではない、タスラムだ!」
あえて言うならTVアニメ化記念である。
その直後い……もとい、ブルマは旋風脚のように跳躍し、足を広げて体を回転させ……その勢いに乗せてタスラムを投擲。
ISの絶対防御をぶち抜いて装甲に突き刺さった。
「な、なんだそりゃ………シールドエネルギーが一気に減ったぞ!?」
「これぞタスラムを使った第一の奥義『
そもそも紅茶を溶かすためにかき混ぜるのはフォークではなくスプーンだが、そこは気にしてはならない。
「ふざけんな………ISは最強の兵器だぞ、変質者の放つフォークなんぞに負けてたまるかぁ!」
絶叫とともに機関銃を放つが全てギリギリで回避される。
「ふ、ペンデュラムが私に危機を教えてくれるのだ!」
もはやどうしようもない。
「そもそも顔がブルマで覆われて見えないはずなのになんで見えてるんだよ!?」
「暗視機構付きだ。他にもハイパーセンサーなどが付いているぞ」
「なんでそんなに無駄に高性能なんだぁ!」
作った人間がバグっているからとしか言いようがない。あらゆる意味で世界最高品質、最高価格のブルマだった。
ただでさえ混沌としている中に更なる混沌が現れる。
「助けにきたぞ、一夏、いやブルマよ!」
「ああ、助かる、カズ、いや
桜井和人、開発者にして第二のゼンラーの登場だった。同姓のとあるヒーローとは全くの無関係であることはご理解いただきたいところである。
「おい、待て、まさか………」
「変態っ!」
「やっぱりかぁ!」
心の折れかけたオータムはだんだんと悟りつつあった。これはもうどうしようもない。そもそも襲撃したのが失敗だったのだと。
予想通り、和人は光に包まれ、その後現れたのは頭に被った「S」の白文字が付いた黒のスパッツ以外一糸まとわぬナニカだった。
スパッツの足の部分が途中で折れてウサ耳のようになっているのがチャームポイントらしい。
「ゼンラーマン・スパッツ、ただいま見参!」
「俺達は二人で二人の………」
「「ゼンラーマン・ダブルだ!」」
「二人で二人のままならただのコンビだろうがっ!」
声を合わせた口上にオータムは我慢できずにツッコミを入れた。
「ふ、私も固有武装を出そうか」
「今度はスプーンか、そうなのか」
残念。大はずれだった。
腕の中に現れたのは巨大な兵器……ライフル、対戦車砲、大剣を組み合わせた特殊な武器だった。「カノン」とは微妙に違う、無骨なそれをか……もとい、スパッツは構えた。
「なんだそりゃあ!」
さっきとは微妙に意味が違う。予想外にまともな武器で驚いているのだ。
その問いに対するスパッツの答えは簡潔だった。
「『名状しがたいヴァールのようなもの』だ」
「名状できてるじゃねえか!」
繰り返すが、TVアニメ化記念である。ついでに言うとリメイク版発売記念でもある。何がとは言わないが。
「もうやめてくれよ、アタシのSAN値は0寸前なんだよ………IS返すから」
途切れることなく続く精神攻撃にもはや涙まじりのオータムが白式のコアをブルマに返す。
ブルマがそれに触れると………
白式は空気を読んだのか、コアが消えると同時にブルマは白い装甲に覆われ、零落白夜の光が
しかし下は何も着けていないままだ。
そして、ブルマは万感を込めて一言。
「だが断る!」
「ふざけんなぁああああああ! 使い手が変態ならISも変態かぁああああああ!」
オータムの中で完全に何かが崩壊した。
「やるぞ、相棒」
「おお! 必殺、俺達の必殺技…………パート2ダッシュ!」
「
ブルマが星のように無数のフォークを召喚し、スパッツが漆黒の謎のエネルギーを溜め込んだ砲口を向ける。
その輝きはまるで冥き夜空の流星雨。
一つ一つが強大な力を持つそれらが一斉に放たれたとき、ISは崩壊を起こしていた。
余談だが、SAN値がほぼ完全に0になった彼女は、もはや生存本能の赴くままに全力で逃走した。ラウラ達の襲撃も「あんな
そしてさらに余談であるが………
「ふう、今回はこの二つ
「ああ、『G』………ガーターベルトも『U』……アンダースコートも使わずに済んだ」
「こっちも『C』……コルセットや『T』……タンガを使わなかった」
「また来て奴らがISを使えない状況にした時は……」
「これらに頼るしかないかもな………」
『………これほど恐ろしい下着の会話はありませんね』
厳しい表情で語り合う二人であった。
後日、緊急時かつ周囲に人が少ない時以外の使用を厳禁されたのは言うまでもないことである。
ガイアパンツ………それは人々の下着への欲望を詰め込んだ究極の下着にしてアンチIS兵器。
女性IS操縦者の精神に激しくダメージを与え、なおかつ固有武装である程度の戦闘も可能というバグ装備。空を飛ぶのは難しいが閉鎖空間では精神ダメージも含めれば互角の戦いも場合によっては可能。
さて、そんなわけでごめんなさいでした。あくまでネタなので規制をギリギリですり抜けてると信じたいところです。
結構昔、感想で出ていたゼンラーマンネタを入れてみました。変な風に混ざりました。
ちなみにあの下着、AtoZ全て設定してる訳じゃありません。ノリです。
………オータムが可哀想になる話って実は結構レアじゃないかと思ったり。