就活が思った以上に大変です。私は何社受けるんでしょうね……。
さて、愚痴はさておき、感想返しをば。
>御剣澄和さん
年齢の方は自己紹介の時に使うやり方でやってみたんですが……失敗だったでしょうか。
あ、呼び名の方は実はわざとです。もういっつも主人公が錯乱してるようにしか見えないのでいいかな、と(←作者が言うな)本音さんだってその程度の無邪気な毒はあっていいんじゃないかと思う今日この頃。
>柿崎~さん
一応そうなってるんですが、どうもアニメを見た限りヴァルキリーってのはVF-1以降の可変戦闘機(ケーニッヒモンスターなどの爆撃機は除く)全体の愛称にもなってるみたいなんですよね。それぞれのペットネームは勿論ありますが、プラモデルの紹介のときとかも「VF-25 メサイアバルキリー」という感じになってました。
>藤堂アリスさん
東京こうていわ!
そのうち黒色破壊光線砲とかマクスウェルの光槍とかを和人が作るかもしれません(嘘)
ここ恋とポケロリはある程度読んでます。というかポケロリは多少関わってますし。がをられはアニメ化という話もありますし読んでみたいのですが……。
四十話
俺は今日も一仕事終わって、夕食ヘ行こうとしていた。
「やほー」
その道の途中で挨拶してきたのは会長だった。
「あの子の機体ちゃんと出来てる?」
「一応機密なんですが………。まあ順調ですよ、このまま行けば普通にキャノンボール・ファストは間に合いますね」
「私の機体データ、やっぱりいらなかった?」
「ええ、大丈夫ですよ。依頼のあった倉持技研の関係もあって白式からもデータをとってますし」
一夏が「???」という表情でデータ取りに付き合ってたのが印象的だった。
「簪の方もあなたの手を借りずに頑張るって感じでしたよ」
「うー、でも……」
「そろそろ妹離れしたらどうですか? アイツだって必死で頑張ってるんですから」
「……うん。そうかも、ね………」
いまいち歯切れがよろしくない。まあいいや、俺が深く関わりすぎても良くないだろう。簪に対しても同じ対応だし。
「じゃあ俺はこれで」
「がんばってねー」
この会話を見る視線があった事に俺はついぞ気がつかなかった。
「おはよー」
「……おはよう」
「じゃあ、始めるか」
「う、うん。よろ、しく」
簪、何か妙に嬉しそうな……?
『はい、またフラグ立てましたね』
「いやいや、一夏じゃあるまいし。そんなパタパタ立ててたまるか」
どこかで誰かがくしゃみをした気がしたが、そんなものは知らん。
とはいえそろそろ佳境。機体が完成して、後はVFからIS用に書き換えたマルチロックオンシステムとそのミサイルの制御機構がどうにかなれば、あとは俺の作った高機動パッケージの調整だけだ。
「うん、システムの所でミスはないな。前みたいに装備側でのミスとかはないか?」
「だいじょうぶだよぉ。わたしも確認したし〜」
のほほんさんの補足に「なら安心だ」と頷く。
「じゃあアリーナで試験運用と練習な。的は用意してあるから」
「的……?」
「ああ、非常に優秀な、動く的だ」
その名も、織斑一夏という。
ところ変わって第一アリーナ。
「という訳で、がんばれ」
「何を!?」
叫ぶ一夏を尻目に、人見知りなせいか少し引き気味な簪に説明をする。
「こいつが標的。ISの一点じゃなくて多数の場所をロックすること、AIによるミサイルの動きが単調じゃないことを確認する。その上で、……ここが普通のVFのシステムと違うんだが、自分でミサイルの軌道に介入してみる。速度が違うからBT
「う、うん」
簪が頷く。若干ぶつぶつと何やらうわごとを呟く一夏に怯えているみたいなので、安心させるべく微笑みかけてみる。
「ただ今回は練習だから、こいつは攻撃してこない。ひたすら避けて撃ち落とすだけだ」
「え!? なんか俺の行動を勝手に決めてないか!?」
「一夏ちょっとうるさい、静かにしろ。………だから、とりあえずは制御に専念しろ。攻撃の対応はそれからだ」
「わ、わかった」
「ああ、相手を気にして遠慮をする必要はないぞ。思いっきりやれ」
「うん。が、頑張る……」
ぎこちなくだが笑顔を見せてくれたので、とりあえずこっちは大丈夫だろう。
さて、いつもと同じく一夏を騙そ……もとい、説得しよう。
「少し悪寒がするんだけど……」
「風邪か。温かくして寝ろよ?……訓練終わってから」
「やっぱりやるんかい!」
「……はあ、だからお前は一夏なんだよ」
「意味が分かんねえよ!」
どうやら錯乱しているようだ。やれやれ。もう少し説得するか。
「普段のお前はそうじゃないだろう? 女の子が困っているのを助けるためになら(そしてその後フラグを立てるためになら)なんだってやる男じゃないか。今回も頑張れよ」
「なんか余計な言葉が混じっていなかったか!? そもそもそれならお前がやれば良いだろ! 担当して、付き合いが長いのはお前だし!」
「なんで俺がそんな大変なことを」
「おい、今本音が出たぞ」
「ああいや、幻聴だろ。というかのほほんさんならさっきからそこにいるだろ」
「そうじゃねえよ! 今のほほんさんの話しはしてねえ! どうやったらそんな話の流れになるんだよ!?」
思いっきりすっとぼけた。「よんだ〜?」いや、呼んでないよ本音さん。
ジト目で一夏が睨むのに対して言葉を重ねる。
「何より、これはお前のためでもあるんだぞ、一夏」
「は!? ひたすらミサイルを防ぐだけのことが?」
「ああそうだ、お前がこれから更に強くなるための訓練なんだ」
「ならお前もやれば良いじゃないか!」
「いーや、これは機体の特性の問題なんだよ」
喚く一夏に対し、真摯に見えるように目力を込めて見据えつつ話しかける。
「一夏、お前よく考えろ。雪羅でエネルギー攻撃の大部分は無効化出来る。けどミサイルとかの実体弾はやっぱりダメージがくる……つーかシールドエネルギーの消費が酷いんだろ?」
「そ、そりゃまあ……」
「つまり、これはチャンスなんだ、実体弾にボコボコにされるただの一夏から華麗に避けて撃ち落とせるネオ・一夏になるための!」
「お、おお!」
「3Dの弾幕ゲーだと思えば対したことはない、ミサイルをひたすら避けて、撃ち落とせ!」
「………わかった、俺は頑張ってネオ・一夏になる!」
……ちょろすぎる気がしてならない。
これが幼い頃から施してきた教育(洗脳)の成果かと、勇んで
『もう完璧に私達の玩具ですよね、彼』
「『私達』って……俺、お前、後は……会長か。千冬さんは……ああ、遊ぶのにはほぼ関係ないか。比率どうする?」
『1:8:1に決まっているでしょう。ココでのいじりのトップは私です』
「いやいや、開発者超えるとかないだろ。6:3:1だ。時折お互い協力してる分もあるからこれでいいだろ」
『あら、少なすぎるわよ。私の分をもうちょっと増やしてくれないと。もっとイロイロやりたいし』
「『どうして話の内容がわかったんですか?』」
『何故なら私は、IS学園生徒会長だからよ!』
突如送られてきた映像付きの通信で豊かな胸を張る会長。画面に「ドン!」という効果音を文字で表示するあたり、中々に手が込んでいる。
どこの大統領ですか。いや、実際ウチの大統領もいつぞや言い切ってたけど。
「いやしかし、これまで育ててきた俺の苦労がですね……」
「でも、ここでいじる時にうまく対応して、様々なイベントをやってる私の成果も評価して……」
(((((……………………一夏(さん)は、私(わたくし)(あたし)(僕)が守らなくては!)))))
俺達の持ち分の交渉を聞いて、顔を引きつらせながらそんな決意をしている少女達がいた。
だが、彼女達はまだ漠然としか理解していなかった。一夏をいじる時、言うまでもなく自分たちも否応なく巻き込まれる運命にあるのだと。
「じゃあ、始めるぞ。準備は良いか?」
『おう!』
『うん……!』
「よし、訓練開始!」
直後、無数の噴射炎と共にミサイルが空に浮かぶ白いヒトガタへと殺到した。
『え、うわちょ、ま…………ぎゃああああああああああああああろっぷ!』
どこぞの炎の馬の鳴き真似をしながら飛び回る白式を、雲霞のごとくひしめくミサイルが追い回す。
…………空から気絶した男が墜落するまであと7分。
「斬っても避けても防いでも、撃ち落としても次がくる。囲まれて逃げ出して、逃げ出した先でも包囲されているというあの絶望感は尋常じゃない」
と、のちに一夏は震えながら語った。ちょっとトラウマになったらしく、『やめろ、くるなクルナくるなああああああ!』なんて途中から頭を抱えて叫んでいたけど多分大丈夫、アイツの精神はこんなことで折れるほど弱くはない。俺達による鍛え方は半端じゃないからな。
だが、これによって一夏がネオ・一夏になれたのかどうかは………まあ、いいや。どうでも。
「しかしまあ、あそこらへんが限度だよな」
『あれ以上やっていたら、ミサイルを受けることに快感を覚えるようになっていたかもしれませんね』
「エムに目覚めるのを見ても良いが、そうなると後が面白くなくなるんだよなー。いじり甲斐が無くなってしまう」
『ギリギリをつくのが大事ですよね』
この時、とある秘密結社の構成員である一人の少女がくしゃみをしたかどうかは………定かではない。
という訳でいよいよもうすぐキャノンボール・ファスト。若干原作と違いますがそこが転可クオリティ。多分。
シリアス回になったらいいな!
……どうせ閑話で台無しになるけどね!