第1話 プロローグ
「ここは何処だ……?」
四方八方全てが真っ白な空間。
そんな中にただ1人いる自分。
「とりあえず現状を確認するか」
今日は仕事を終えて、妻と子供と夕飯を食べに出かけ……。
そこまでしか記憶がないな。
はてはて、ボケるにはまだ早いつもりなんだが、30歳になると多少は老化が起きるものかな?
「申し訳ないがお主は死んでしまったのじゃ」
真っ白な空間に俺だけだったはずだが、いつの間にやら爺さんが現れた?
そして俺が死んだとな?
「意外と落ち着いておるのぉ」
「状況が分からない時にパニックになるのは得策ではない。俺は常日頃から現場ではそう心がけて来た」
これは俺が消防職員として頭に常に入れている事だ。頭はクールに心はホットにってな。
「まぁ、落ち着いているのはありがたい。状況を説明しようと思うが良いかな?」
「爺さんが何者だかわからんが了解した。出来れば妻と子供の事を最優先に教えて貰えると助かる」
そう俺が伝えると爺さんは俯き悲しそうな顔を一瞬したが、すぐに顔をあげ説明を始める。
「自分で言うのもなんだが、ワシは神じゃ。そして、先程伝えたようにお主は死んでしまった。死因はトラックが歩道に突っ込んできた交通事故じゃ。そして、妻と子供も一緒に死んでしまった」
「なぜ2人ともここにはいない?」
とりあえず周りを見渡すが2人はいない。死亡するほどの高エネルギーの交通事故なのに、自分の体は五体満足なのも気になるところだが……。
「実はこの交通事故は神のミスにより起きてしまったものなのじゃ。そのため、お主には転生してもらう事となる。既に妻と子供は転生し、違う世界で生活を始めておるぞ」
転生? いや、それよりも違う世界だと?
「生き返るのではなく転生と言う事は人生のやり直しと言う事までは分かるが、違う世界とはなんだ?2人とはもう会えないのか?」
「すまんのぉ。ミスで死んでしまうと輪廻転生で回せる魂ではなくなってしまうので、最低でも別の世界での転生となってしまうのじゃ。そしてその世界も無数にあり、その中でランダムに回さざるを得ない。ただし、転生の際、知識や記憶を引き継ぎ、願い事を叶える形で新たに能力などを持ち生まれてもらう訳じゃ」
「だいたいは理解した。大人しく消滅させてはくれなそうだということも。しかし、別に他人に叶えてもらう願いなんてないんだが……」
そう言うと神は困り顔になる。そんなに困るような事言ったかな?
「ミスで死なせてしまったものなので、願いは言ってもらわんと困るのぉ。」
「んー、それなら全盛期の伝説を持つ、日本人メジャーリーガーのスペックが欲しい」
死ぬ前まではサッカーファンでサッカーを子供の頃からやっていたから、今度の人生では野球をやってみたいと思ったから、とりあえずメジャーリーガーのスペックがあれば楽しむ分には苦労しないだろう。
(全盛期の伝説を持つ、日本人メジャーリーがのスペックじゃと? 細かいものが分からんから、ここは神の検索エンジンGodgleで検索をして調べよう……。まずは検索キーワードに「全盛期の伝説」と入れて……お、出た出た。ふむふむ……。こ、これは……神をも恐れぬ願いを言う男だな。しかし、ワシも神の端くれ! 全力でその願いを叶えてやろう)
「あい、分かった。その願い叶えよう!」
何を悩んでいたのか分からないが、とりあえず叶えてもらえる願いらしいな。 野球やるのが楽しみだ。
「それではその扉より先に進むが良い。そこでお主は新たなる人生を歩むことになる。今の世界とは別の世界じゃ、今までにない体験もするかもしれぬが、くれぐれも気を付けるが良い」
そう言うと空間に扉が現れる。さて、ここに居座っても申し訳ないから出て行くとするか。
「世話になったな。それじゃ、また死んだらな……」
扉を開くと光が広がって……。
淡々と書いたけど、こんなテンプレのままで良かったのだろうか……?
ちなみにGoogleで「全盛期の伝説」を検索すると、神の見たものが出ます。
詳しく知りたい方はご確認願います。
また、活動報告に同様のものを書いてありますので、それで確認してください。
笑う覚悟をしておいてくださいよ……。