かつてはにじファンで連載させていただきました。
閉鎖に伴いこちらで改訂版を連載させてもらいます
地上には多くの道がある。けれど、最後の一歩は自分一人で歩かねばならない。
ドイツ小説家ヘルマン・ヘッセより
人生には多くの道がある
それは、とても長くそして果てしなく広い
どの道も暗く容易に一歩を踏み出せぬ
しかし人は歩く。
その一歩がその人の成長の一歩である。
世の中には、矛盾が多い
努力した者が必ず報われるとは限らない
不良がすべて悪いやつとも限らない
いい奴だっているし
優等生の中にも屑はいる。
強面の人が怖いとも限らない
ニコニコと優しい顔をした詐欺師だっている。
なんで世の中はこんなに変わっているのだろうか?
* * *
毎朝眠いのに起きて学校へ行く
授業をだらだらと受け。
そして帰宅。
そんな、普段となにも変わらぬ日常・・・・・・
しかし、今日は何かがちがった。そう・・何かが・・・・・
「んっ・・・・
今は5:26か」
(めずらしいな、こんなスッと目覚めるなんて、俺が・・・・)
玖楼は寝起きでまだ覚醒していない意識の中そう思った。
普段なら2つ上の兄が
「さっさと、起きねぇとまた遅刻するぞ?」
と言われて慌てて起きるのに、今朝は違った。
そしてふとカーテンを開けて朝日を見たいと思った。
(おかしいな?普段の俺なら2度寝→熟睡→遅刻なのに)
とアホなことを思いつつカーテンを開けた
そして朝日を見ているとTVで占いでも見るかと思った
(あれ?なんか今日おかしいかな俺・・・)
今さら思うとなんか違和感がある
今まで神社でおみくじなんか買ったことはない
受験の時だってお守りを持たせようとしてきた母に
「受験は学力と実力で勝負すんの。
運試しじゃないんだよ」
と言うくらいだし
むしろ神なんてもんは信じない。
そして、TVを見ていると
「さっさと・・ってめずらしいな
おれが起こさなくても起きれたのか」
とめちゃくちゃ失礼なことを言われた
(くそなんか腹立つ)
とイライラしながら1階におりた
朝食を食べようとしたら
先に食べている父が急にこう言った
「オマエもそろそろ遊んでないで自分の将来を
真剣に考えろ。
オマエも政仁(兄)のように大学に行くんだろ?
だったらどこの進学校へ行くつもりだ?」
俺はそう言われながらも、黙々と朝食を食べた
(俺だって悩んでるよ、
でも、やりたいことが見つからねぇんだよ)
そんなことを考えていると
父は仕事へ行ってしまった
さて俺もやることねぇーし学校にでも行くかな?
* * *
そういやまだ自己紹介してなかったし一応ここで自己紹介しとくか
俺高校二年生で
2-2 NO,13 鈴木玖楼
身長178cm 体重64kg 両利き 視力・聴力どちらもA
文理科の料理研究部
えっ?女子みたい?
いや、でも男でも料理できなきゃ困るでしょ?普通
結構楽しいし・・・・
話戻すからな?
さてあれから、20分後
俺は学校に着いて2-2の教室へ入った瞬間
幼馴染の悠斗に話しかけられた
「おっ、今日は早いな珍しく『珍しくは余計だ』
まっ、そう言いなさんな、そんなことより
オマエ今日、暇?」
『はぁ?なんだよ急に?』
と俺は困惑した顔で聞いた
「いやさ、今日、隣町で祭りあってさ
いっしょに行こうと思ってな」
(なんだ、そんなことか
祭りか・・
ひさしぶりに行くのもいいかな・・・
それに断ると、こいつメンドくさいからな・・・・・)
「いいな、ひさしぶりに行くか」
と俺は言った
「さすがクーちゃん分かって・『その呼び方やめろ気色悪い、
じゃ、5:30役場で集合な』
とそろそろチャイムが鳴りそうなので
俺はそこで会話を打ち切った
時は流れて ~5:30~
俺は集合場所に行ったが悠斗はまだ来てなかった
十五分後
(あの野郎、まだ来ねぇのか)
しょうがない、そろそろ行くか
祭りの会場を歩いていると屋台から
こんな声が聞こえた
「兄ちゃん惜しかったね」
『ちくしょう、もう一度だ』
(あの馬鹿・・・・
人の話も聞かず先に来てやがったな・・・・)
そう思い、金魚すくいに熱中している馬鹿を後ろから殴った
『痛ってぇ』
「てめぇ、こんなところでなにしてやがる?」
『何って・・・金魚すくい』
おれは本気であきれたのだった
てめー時間守れよ!!
と言う叫び声が会場に木霊したのだった。
* * *
そんなこんなで馬鹿(悠斗)を捕獲した。
「で?いくら使った、金魚すくいに?」
俺は疑問に思い聞いた
『・・・・・・・・・三千円』
と悠斗はぽっそりつぶやいた。
はっ?今こいつなんつった?
三千円?金魚すくいに?
馬鹿か?馬鹿なのか?こいつは?
それで0匹って・・・・・・・・
「はぁ~」
おれはため息をついてこう言った
「で?どれがいいの?」
その瞬間悠斗は目を輝かせ
『こいつ!!』と黒いデメキンを指差した
・・・なんか哀れだな・・・・・
その後俺が黒デメキンをGETし
それを今こいつ(悠斗)が持ってる
なんか、すげぇうれしそう
・・・いや金魚じゃなくてこいつが・・・・
その後おれは悠斗と別れ家に帰ろうとした。
「今、何時だろ?」
PM19:46
やばいな、バレたら補導+説教(父)
地獄だな
そう思いながら走り出した
おっとそういやこっちに近道あったな
そう思いおれは信号を渡ろうとしたその時、
交差点にすごいスピードで車が突っ込んできた
撥ねられるその瞬間俺は運転手と目が合った
あれは・・・そう・・・酔っ払いの目だった。
そうして、おれの意識はとんだのだった。