第十ニ夜:決意の日
「紅き翼 、ですか?」
床に膝をつき、臣下の礼を取る青年──セクンドゥム。白い学生服の様な物を着て、左半分が逆立った白い髪が特徴的な青年だ。
セクンドゥムの前に立つのは、黒いローブを着た人物、造物主 。
「そうだ。彼らに接触するのが、今回のお前の役目だ」
「しかし、何故彼らに?」
「奴等、どうにもAKUMAの存在を知っている。元帥と接触もしているようだしな。ならば、利用できるだろう」
実際問題、戦力が圧倒的に足りていない。
いくら造物主の使徒達が強いと言っても、AKUMAのLv3は現在のナギとほぼ同レベルの実力を持つ──それも、相当数の数の暴力には逆らう事が出来ない。
あっという間にやられると言う事は無いだろうが、勝てない事は明白だ。
千年伯爵の実力も未知数。不確定要素も多い。例えば、AKUMAの最終形態などがその典型的な例だろう。
エクソシストがAKUMAや伯爵に対して抗う力を持っているとしても、百九しか無いイノセンスをすべて集めきれている訳でも無いし、持っているイノセンスが全て適合者を見つけきれている訳でも無い。
圧倒的に不利だ。
だが──否、だからこそ、造物主はAKUMAに対してイノセンス無しで戦える力を持つ、紅き翼と接触を求める。
「先日のグレートブリッジ戦。恐らく、今までにない位の死者が出た。落としたのも紅き翼だが、彼等は大規模殲滅呪文で殺すのではなく、軍の起点となる司令官を捕縛して回っていた。死者がAKUMAになると言う事を知っていなければ恐らくはやらない事だろう。大規模殲滅呪文を使えば、それだけ早く勝てるのだからな」
と言っても、紅き翼が死者を零で抑えられた訳では無い。道中少なからず殺してしまう人物もいたし、二次被害で死亡した者もいただろう。
「だが、彼等は死者をむやみに増やそうとはしなかった。聞けば、ジャック・ラカン等も最初はとっとと殺そうとしていたようだが、味方でそれを止めたようだ」
「……なるほど。伯爵に対しての戦力増強ですね」
「奴の実力は未知数だからな。私でも勝てるかは分からない」
イノセンスに選ばれなかった造物主。彼が伯爵と戦っても勝てないと言う事は、恐らく自身が一番良く分かっている。
自身の作った世界が、異常の存在に荒らされる。これは、造物主にとって何よりの屈辱だろう。
「……それに、気になる事もある」
「気になる事、とは?」
「AKUMAを使役している人間がいる、という情報だ。普通ならありえない事の筈なのだが、留意しておけ」
「御意に」
「それと、デュナミスも連れて行け。何があるか分からんからな。常に二人一組での行動を心がけるようにとも、紅き翼の連中には伝えろ」
それだけ伝え、セクンドゥムに背を向けて歩きだした。
黒いローブを着て仮面を付けた男、デュナミスが柱の陰から現れ、視線が合う。
「奴等がどこにいるかは知っているのか?」
「恐らく、今はメガロメセンブリアへの道中だ。先日元国際捜査官だったガトウ・カグラ・ヴァンデンバーグが紅き翼の仲間になっている」
地図を取り出し、赤い油性ペンで大体の予想を付ける。
「連絡を傍受した所、どうにも彼等はオスティアの姫君と接触するつもりらしい」
「ふむ。戦争を止める為に、とでも思っているのだろうが、難しい事だと分からんのか」
「それでもやろうとするのが彼らなのだろう。やる気は認めるがな」
この大分裂戦争は『完全なる世界 』が起こした戦争では無い。千年伯爵の起こした戦争だ。
その配下はほぼ全ての国家に入り込んでいる筈で、戦争を終わらせようと思うならそれらすべてを排除しなければならない。
恐らくは全てAKUMAの擬態なのだろう。とは思っているが、伯爵に協力する人間である"協力者 "という存在もいる。
そいつらも、いずれ全て駆逐しなければな。とセクンドゥムは心の中で呟く。
「グレートブリッジ戦の後、シルチス亜大陸の辺りに派兵された筈だ。その後一旦オスティアへ向かっている筈だから……速度も考えて、恐らくはこの辺りだろう」
デュナミスは丸く円を描き、範囲を示す。
「……ふむ。丁度エルファンハフトの辺りで合流できるか」
「合流と言っても、彼らは私達の事をしらんだろうがな」
デュナミスは仮面の下で軽く笑いながら、そう呟きを洩らす。
「そうと決まればさっさと動くぞ。出来るだけ速い方が良い」
「うむ、そうだな。彼等はバカの様に速い。もしかすると合流できずに素通りされるかも知れんからな」
「なら余計に急ぐ。主の命令だ、速いに越した事はあるまい」
デュナミスの言葉を聞き、地図を再度確認して道筋を決め、仕舞う。
造物主にとって敵ならば、セクンドゥムにとっても同様に敵なのだから。
●
連合領から外れているが、比較的連合に近い位置にあるとされる国境線上の国、エルファンハフト。
連合にも帝国にも属さない故か、魔法世界の中でも治安はよく、比較的安全な街だ。
その一つの宿の中、夜も更けて、ナギ達紅き翼は全員が集まっていた。
「……今日一日中、誰かつけまわしてたよな」
ナギは水を飲みながら言う。
「ああ。気配を消す気も無かったような感じだ。何が目的なんだろうな」
詠春が刀の手入れをしながら言う。
「喧嘩なら手っ取り早く俺が受けてやるんだがなぁ」
ラカンがベッドに寝転んだまま言う。
「そんな戦闘狂な考えをする奴はこの辺にはおらん」
ゼクトがベッドの上に座ったまま言う。
「撒きはしましたが、また見つかる可能性も高いですね」
アルが椅子に座ったまま、水をコップに注ぎつつ言う。
「だが、俺達としても移動は急がなきゃならん。会わせたい人がいるしな」
ガトウが扉を開けて、たばこを吸いつつ入ってきて言う。その後ろにはタカミチもいる。
「会わせたい人か。我等も会わねばならん者達がいる」
扉の前でデュナミスが言う。
「そうかぁ……」
……………………。
『誰だお前!!?』
「おお!? ノリツッコミとは分かっているではないか」
咄嗟に戦闘態勢に入る紅き翼の面々。その中でデュナミスは戦闘態勢を取らず、笑う。
人をおちょくる様に笑いながら、黒いローブを着た怪しい姿のデュナミスは椅子に座り、落ち着く様に告げた。
「誰のせいでこうなったと思ってやがる?」
「ふむ、誰だ? こんな事をしたのは」
「おい、コイツムカつくから殴っていいか?」
ナギとラカンが拳を構え、それをアルとゼクトが押さえる。戦闘が目的では無い様だと判断したが故だ。
「しかし、どうやって入って来たんだ? 転移魔法も阻害される様に結界張ったんじゃ無かったのかよ」
「確かに張った筈なんじゃがのう。効果はちゃんと発動しておる様じゃが、どうやって入った?」
「む? それは簡単だ。ガトウ・カグラ・ヴァンデンバーグが入る際にドアの間をすり抜けただけの事」
「ガトウ……」
全員から視線を送られ、凹むガトウ。全員に気付かれずにそれが出来ると言う時点で、既に人間離れしているがそれは置いておくとして。
まぁそれはそれとして、とデュナミスは前置きし、
「私はお前達紅き翼に用があって来た……ああ、戦闘が目的では無い。話し合いだ」
「話し合い? 何のだよ」
「それは──」
「デュゥゥゥゥゥゥゥナァァァァァァァァミスゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」
誰かがドアを派手にけっ飛ばし、押される形でドアごと窓を割って外へと放り出される形になったデュナミス。
その間にいた数名はそのドアを避け、デュナミスは壁をブチ抜いて落ちて行った。
「貴様、あれほど二人一組で動く様にと言われたのを忘れたか全裸め!」
セクンゥドゥムが怒鳴りながら部屋に入って、部屋の中を見渡す。デュナミスがいない事を確認し。
「……これは失礼。お見苦しい所をお見せした。私の名はセクンドゥム。紅き翼で相違無いな?」
小さく一礼し、確認を取る。恙無 く認識阻害の結界を幾重にもかける。
「……ええ、確かに私達は紅き翼ですが」
事態の急展開についていけない者が数名。それらを全て無視し、アルとセクンドゥムが話しだす。
「私と……非常に不本意ながら、あの黒いのも私の仲間でね。我々はとある御方から、君達に接触するように言われてきた」
「私達に接触を? 誰がですか?」
眉をひそめながら、警戒心を持って質問する。今紅き翼の面々を負っているとなれば、相手は大体想像がつく。
「失礼ながら、それは話せない。我々に確実に協力してもらえる事を取りつけてから明かす様に言われているのでな」
「協力ですか……して、それは?」
一拍置き、セクンドゥムが口を開いた。
「それは──」
「──千年伯爵との戦いだ」
壊れた壁から、デュナミスがよじ登ってきた。服は多少汚れているものの、怪我は無い様だ。その事に舌打ちをし、セクンドゥムはデュナミスへ声をかけた。
「チッ、死ななかったか……無事か。探したぞ、デュナミス」
「前半を声に出さなかったらお前に攻撃しようと思わなかっただろうな」
「ほう、私と戦うか? アーウェルンクスシリーズとして、別シリーズのお前よりも性能の高い私と?」
二人の間に殺伐とした気がぶつかり合い、魔力が高まって行く。
そして、二人が構えて動こうとした所で。
「其処までです。暴れるなら外でやってください。それより、さっきの事です。──千年伯爵との戦いと言う事、詳しく話して貰えますか?」
「これは失敬──我々は千年伯爵を倒し、世界に平和をもたらす為に戦っている。君達にはそれを手伝って貰いたい」
デュナミスとセクンドゥムの間にあった殺伐とした気は消え去り、またも一礼して続きを話しだす。
先程までの空気は何処へやら、セクンドゥムとデュナミスもまた真剣な様子で言葉を待つ。これは主より下された命令だ。故に、確実性を持って達成しなければならない。
「どういう事だよ。AKUMAとの戦いの事か?」
凍結 状態から解凍 したナギが、質問をする。
質問に対し、セクンドゥムが一度頷いて答えた。
「そうだな。基本的にはそれが中心となる。千年伯爵の手駒であり、世界各地に潜んでいる倒すべき敵──これらを駆逐するのが、我々の仕事だ」
「我等はエクソシストと協力……と言うより、情報があっても人数が足りない際に任務をこなしていた。AKUMAの存在を知っているものでなければ、協力は仰げない」
如何に実力があろうと、その存在は闇の奥底に隠されている。世界の表舞台に引き摺り出すには、その存在は余りに凶悪過ぎる。
混乱は免れない。だからこそ、数少ない同士に成れる者は貴重だ。
「だから、AKUMAの存在を知っている私達に接触してきたのか?」
「Exactly 」
詠春の問いに対し、セクンドゥムは簡潔に答えた。
知らねば対処できない。だが、知らせてしまえば経済が崩壊する。故に知る者しか行動できない。歯痒いばかりだ。
「ガトウ・カグラ・ヴァンデンバーグ。お前は何か分かったのではないか?」
「ガトウでいい……俺とタカミチの調査結果では、確かに誰かが裏で糸を引いていた。だが、それは貴族であったり政治家だったりで、千年伯爵なんて人物は一回もでてきていない」
「だろうな。あの男がそう簡単に自分の事をばらす筈がない。我々とてあの男の事は全く持って分かっていない」
一度接触した事がある。だが、その際には直ぐに逃げられたし、大した情報も得られなかった。
「いつからいるのかも、どうやって生まれたのかも、何もかもが謎。分かっているのは、奴の目的──世界を滅ぼそうとしているということぐらいだ」
お手上げだとばかりにデュナミスは首を横に振り、肩を竦 める。
「……唯、最近気になっている情報がある」
「気になっている情報?」
「ああ、我が主もそれは伝えるようにと言われた。──人間が、AKUMAを使役していたらしい」
その言葉に、全員が戸惑う。
AKUMAとは、人類をターゲットにした殺人兵器。それを、よりにもよって人間が使役している 。
本来ならばあり得ない事だ。無理に使役しようとすれば、殺されてしまうのがオチだろう。
「不確定情報でもある。だが、留意しておく様にとの事だ。出来れば二人一組で移動する様にとも言っていた」
「ハッ、俺達は最強だぜ? 何体来ようと全部叩き潰してやるだけだ!」
「ジャック、そいつは無理だ」
ラカンの威勢のいい言葉を、本来ならば賛同すると思っていたナギが反対の意を示す。
強烈な違和感を感じ取りながらも、自信を持った声でナギへと話しだした。
「ああ? 弱気になってどうするよ。Lv2までなら俺らはかなりの数を壊して来たぜ? Lv3はお前等が戦った事あるって言ってたが、具体的には聞いてねぇ。どうだったんだ、楽勝か?」
「いいや、一歩間違えば殺されてたな」
「……マジか?」
冷静なナギの言葉に、冷水でも掛けられたかのようにラカンの顔が引きしまる。幾度の戦場を超えた経験は伊達では無く、その貫録は正に熟練の戦闘者を思わせる。
ラカンが考えている強さと、ナギの知っている強さにズレが存在しているのだ。ここで知れた事は、ラカンにとって幸運と呼ぶべきだろうか。
「……実際、どれくらいの強さだったんだ?」
「『千の雷』で破壊できる。ただ、当てるまでが問題だった。相手が一体だったから勝てたって見方もできるな。相手が二体だったら、俺も負けてたと思うぜ」
魔法を使う隙を見せない。Lv2まではともかく、3からは別格だ。
機動力、攻撃力、防御力。装甲はそこらの魔法使いの張る障壁より余程硬質で、その拳は中級魔法にさえ匹敵する。
それ以上のLvのAKUMAなど、戦いたくも無い。
イノセンスと適合出来れば話は別なのだろうが、生憎と各国を回って適合できるイノセンスがあるか探す事も出来ないし、そもそも適合できるかさえ分からない。
「……まぁ、その辺の話は自分たちでして欲しい。返事は明日正午までこの町の南出入り口の場所にいるから、其処に来て貰いたい」
一晩ゆっくり考えさせた方がいい。セクンドゥムはそう判断した。
どの道紅き翼にとってこの協定は不利な事は無い。時たまある、AKUMAの情報を頼りに破壊に動いて貰うだけだ。
必要であればエクソシストにも連絡を入れるし、造物主の使徒達も動く。
明日の朝にはこの町にプリームムとアダドー、アートゥルも来て合流する手筈になっている。その後、またAKUMAの掃討だ。
「行くぞ、デュナミス」
「ああ。……ではな。ゆっくり考えろ。この協定がお前達にとってどういう意味を持つのかをな」
二人は破壊した壁から降りて、何処かへと移動した。直後、外側から使われた魔法によって壁がひとりでに修復されていく。
影を使った魔法らしいが、それに対して何か言う者は、この場にはいなかった。
「……どういう意味を持つのか、か」
戦いを選ぶと言う事は、狙われ続けると言う事でもある。
一般人よりも優先度を高く設定され、より確実にAKUMAは殺しにやって来るだろう。戦場では殺し殺されは基本だが、それが日常まで及ぶとなっては話が違う。
ストレスやフラストレーションは溜まり、狙われ続けるが故に満足な人生を送れなくなる可能性もある。
それでも戦い続ける人生を選ぶと言うのなら、人生を甘く見ているか、戦い続ける事を本気で決めた者だけだ。
「なぁ、みんなはどうしたい?」
「……あなたらしくないですね、ナギ」
「……まぁな。分かってるんだよ、それ位。でもな、アレはヤバイ。人を殺す為の存在だ。……俺達が壊さなかったら、他の誰かが壊してくれるかもしれない。そう考えちまう時もある」
存在自体が害悪。故に、人間は相対する事で本能的な恐怖を感じてしまうのだ。
あの中には魂が囚われている。死ねば、自分もああなってしまうのではないか──と。
「その可能性もあるじゃろうな。じゃが、壊されるとは限らんぞ?」
「ああ、その間に、そのAKUMAは一体どれだけの人を殺すんだろうって考えると……多分、俺は壊せる時に壊さなかった事を後悔する」
自分の拳を見つめ、力を入れてギュッと握る。
決意し、決心し、決定し、決行する。
「俺達『紅き翼 』は──千年伯爵と戦う為に、あいつ等と協定を結ぶ」
その言葉に、他の全員が笑みを浮かべる。それでこそお前だ、と言わんばかりに。
●
翌朝、南出入り口。
そこでセクンドゥムはプリームム達と合流し、今後の事を話しあっていた。この後、エクソシスト数名とも合流する予定だ。アリシアと言う局長は知っているようだが、上層部は完全なる世界とエクソシストが繋がっていると知らない。
そこへ、ナギ達『紅き翼』が現れる。時間は正午までと言っていた。なら、それ以前ならばいつでもいいのだろう。そう判断して。
「覚悟は決まったか? ナギ・スプリングフィールド」
「ああ、────俺達『紅き翼』は、お前等と協定を結んで千年伯爵と戦う」
右手を出し、証とばかりに握手を求める。
セクンドゥムはそれに応じ、ナギの目を見て握手した。
「さて、今後の事だが──ッ!?」
「どうした、セクンドゥム」
プリームムが固まったセクンドゥムに声をかける。だが、セクンドゥムはそれに答えず、一つの方向を指差す。
その先には、一人の男。
黒く長いシルクハットに、肥満体形。大きく開いた口に、かぼちゃの頭がついた傘。
「千年──伯爵──!」
「何!?」
ナギが振り向き、その視線の先を見た。
プリームム達が殺気を込めて送っていた事に気付いたのか、こちらを見る。隣には、小さい身長で白銀の髪、青い服を着た女の子がいる。
顔はよく見えないが、伯爵の傍にいて歩いている所を見ると、関係者ではある様だと判断する。
「あれが────俺達の、最後の敵────」
●
「おや、あれは……ふむ。エコー、先に帰っていなさイ」
「伯爵様はどうされるのですか?」
「吾輩は少し遊んで帰りますヨ。そう伝えておきなさイ」
「了解しました」
伯爵が何か言う前に、エコーと呼ばれた少女は方舟の中に入って行った。
紅き翼達との距離はおよそ六十メートル。会話が聞かれていた心配は無い筈だ。
伯爵は少し呆然としてから、まぁいいでしょウ、と気を取り直してナギ達の方を向く。彼等としては、ここで戦う訳にはいかないだろう。
場所を移動しなければと、笑いながら考える。
あとがき
ちょくちょく加筆修正しながら投稿してます。
何と言うか、書きたいのか書きたく無いのかよく分かんない状況です(え
……大戦編はナギ達主人公じゃないかと勘繰ってしまうんですよねぇ。
伯爵達の暗躍は原作入ってからになりますので、まだ詰まんないという部分も多いかと思いますが、よろしくお願いします。
ってか、この辺俺も書いてて面白くないから遅いんだろうか(おい
「
床に膝をつき、臣下の礼を取る青年──セクンドゥム。白い学生服の様な物を着て、左半分が逆立った白い髪が特徴的な青年だ。
セクンドゥムの前に立つのは、黒いローブを着た人物、
「そうだ。彼らに接触するのが、今回のお前の役目だ」
「しかし、何故彼らに?」
「奴等、どうにもAKUMAの存在を知っている。元帥と接触もしているようだしな。ならば、利用できるだろう」
実際問題、戦力が圧倒的に足りていない。
いくら造物主の使徒達が強いと言っても、AKUMAのLv3は現在のナギとほぼ同レベルの実力を持つ──それも、相当数の数の暴力には逆らう事が出来ない。
あっという間にやられると言う事は無いだろうが、勝てない事は明白だ。
千年伯爵の実力も未知数。不確定要素も多い。例えば、AKUMAの最終形態などがその典型的な例だろう。
エクソシストがAKUMAや伯爵に対して抗う力を持っているとしても、百九しか無いイノセンスをすべて集めきれている訳でも無いし、持っているイノセンスが全て適合者を見つけきれている訳でも無い。
圧倒的に不利だ。
だが──否、だからこそ、造物主はAKUMAに対してイノセンス無しで戦える力を持つ、紅き翼と接触を求める。
「先日のグレートブリッジ戦。恐らく、今までにない位の死者が出た。落としたのも紅き翼だが、彼等は大規模殲滅呪文で殺すのではなく、軍の起点となる司令官を捕縛して回っていた。死者がAKUMAになると言う事を知っていなければ恐らくはやらない事だろう。大規模殲滅呪文を使えば、それだけ早く勝てるのだからな」
と言っても、紅き翼が死者を零で抑えられた訳では無い。道中少なからず殺してしまう人物もいたし、二次被害で死亡した者もいただろう。
「だが、彼等は死者をむやみに増やそうとはしなかった。聞けば、ジャック・ラカン等も最初はとっとと殺そうとしていたようだが、味方でそれを止めたようだ」
「……なるほど。伯爵に対しての戦力増強ですね」
「奴の実力は未知数だからな。私でも勝てるかは分からない」
イノセンスに選ばれなかった造物主。彼が伯爵と戦っても勝てないと言う事は、恐らく自身が一番良く分かっている。
自身の作った世界が、異常の存在に荒らされる。これは、造物主にとって何よりの屈辱だろう。
「……それに、気になる事もある」
「気になる事、とは?」
「AKUMAを使役している人間がいる、という情報だ。普通ならありえない事の筈なのだが、留意しておけ」
「御意に」
「それと、デュナミスも連れて行け。何があるか分からんからな。常に二人一組での行動を心がけるようにとも、紅き翼の連中には伝えろ」
それだけ伝え、セクンドゥムに背を向けて歩きだした。
黒いローブを着て仮面を付けた男、デュナミスが柱の陰から現れ、視線が合う。
「奴等がどこにいるかは知っているのか?」
「恐らく、今はメガロメセンブリアへの道中だ。先日元国際捜査官だったガトウ・カグラ・ヴァンデンバーグが紅き翼の仲間になっている」
地図を取り出し、赤い油性ペンで大体の予想を付ける。
「連絡を傍受した所、どうにも彼等はオスティアの姫君と接触するつもりらしい」
「ふむ。戦争を止める為に、とでも思っているのだろうが、難しい事だと分からんのか」
「それでもやろうとするのが彼らなのだろう。やる気は認めるがな」
この大分裂戦争は『
その配下はほぼ全ての国家に入り込んでいる筈で、戦争を終わらせようと思うならそれらすべてを排除しなければならない。
恐らくは全てAKUMAの擬態なのだろう。とは思っているが、伯爵に協力する人間である"
そいつらも、いずれ全て駆逐しなければな。とセクンドゥムは心の中で呟く。
「グレートブリッジ戦の後、シルチス亜大陸の辺りに派兵された筈だ。その後一旦オスティアへ向かっている筈だから……速度も考えて、恐らくはこの辺りだろう」
デュナミスは丸く円を描き、範囲を示す。
「……ふむ。丁度エルファンハフトの辺りで合流できるか」
「合流と言っても、彼らは私達の事をしらんだろうがな」
デュナミスは仮面の下で軽く笑いながら、そう呟きを洩らす。
「そうと決まればさっさと動くぞ。出来るだけ速い方が良い」
「うむ、そうだな。彼等はバカの様に速い。もしかすると合流できずに素通りされるかも知れんからな」
「なら余計に急ぐ。主の命令だ、速いに越した事はあるまい」
デュナミスの言葉を聞き、地図を再度確認して道筋を決め、仕舞う。
造物主にとって敵ならば、セクンドゥムにとっても同様に敵なのだから。
●
連合領から外れているが、比較的連合に近い位置にあるとされる国境線上の国、エルファンハフト。
連合にも帝国にも属さない故か、魔法世界の中でも治安はよく、比較的安全な街だ。
その一つの宿の中、夜も更けて、ナギ達紅き翼は全員が集まっていた。
「……今日一日中、誰かつけまわしてたよな」
ナギは水を飲みながら言う。
「ああ。気配を消す気も無かったような感じだ。何が目的なんだろうな」
詠春が刀の手入れをしながら言う。
「喧嘩なら手っ取り早く俺が受けてやるんだがなぁ」
ラカンがベッドに寝転んだまま言う。
「そんな戦闘狂な考えをする奴はこの辺にはおらん」
ゼクトがベッドの上に座ったまま言う。
「撒きはしましたが、また見つかる可能性も高いですね」
アルが椅子に座ったまま、水をコップに注ぎつつ言う。
「だが、俺達としても移動は急がなきゃならん。会わせたい人がいるしな」
ガトウが扉を開けて、たばこを吸いつつ入ってきて言う。その後ろにはタカミチもいる。
「会わせたい人か。我等も会わねばならん者達がいる」
扉の前でデュナミスが言う。
「そうかぁ……」
……………………。
『誰だお前!!?』
「おお!? ノリツッコミとは分かっているではないか」
咄嗟に戦闘態勢に入る紅き翼の面々。その中でデュナミスは戦闘態勢を取らず、笑う。
人をおちょくる様に笑いながら、黒いローブを着た怪しい姿のデュナミスは椅子に座り、落ち着く様に告げた。
「誰のせいでこうなったと思ってやがる?」
「ふむ、誰だ? こんな事をしたのは」
「おい、コイツムカつくから殴っていいか?」
ナギとラカンが拳を構え、それをアルとゼクトが押さえる。戦闘が目的では無い様だと判断したが故だ。
「しかし、どうやって入って来たんだ? 転移魔法も阻害される様に結界張ったんじゃ無かったのかよ」
「確かに張った筈なんじゃがのう。効果はちゃんと発動しておる様じゃが、どうやって入った?」
「む? それは簡単だ。ガトウ・カグラ・ヴァンデンバーグが入る際にドアの間をすり抜けただけの事」
「ガトウ……」
全員から視線を送られ、凹むガトウ。全員に気付かれずにそれが出来ると言う時点で、既に人間離れしているがそれは置いておくとして。
まぁそれはそれとして、とデュナミスは前置きし、
「私はお前達紅き翼に用があって来た……ああ、戦闘が目的では無い。話し合いだ」
「話し合い? 何のだよ」
「それは──」
「デュゥゥゥゥゥゥゥナァァァァァァァァミスゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」
誰かがドアを派手にけっ飛ばし、押される形でドアごと窓を割って外へと放り出される形になったデュナミス。
その間にいた数名はそのドアを避け、デュナミスは壁をブチ抜いて落ちて行った。
「貴様、あれほど二人一組で動く様にと言われたのを忘れたか全裸め!」
セクンゥドゥムが怒鳴りながら部屋に入って、部屋の中を見渡す。デュナミスがいない事を確認し。
「……これは失礼。お見苦しい所をお見せした。私の名はセクンドゥム。紅き翼で相違無いな?」
小さく一礼し、確認を取る。
「……ええ、確かに私達は紅き翼ですが」
事態の急展開についていけない者が数名。それらを全て無視し、アルとセクンドゥムが話しだす。
「私と……非常に不本意ながら、あの黒いのも私の仲間でね。我々はとある御方から、君達に接触するように言われてきた」
「私達に接触を? 誰がですか?」
眉をひそめながら、警戒心を持って質問する。今紅き翼の面々を負っているとなれば、相手は大体想像がつく。
「失礼ながら、それは話せない。我々に確実に協力してもらえる事を取りつけてから明かす様に言われているのでな」
「協力ですか……して、それは?」
一拍置き、セクンドゥムが口を開いた。
「それは──」
「──千年伯爵との戦いだ」
壊れた壁から、デュナミスがよじ登ってきた。服は多少汚れているものの、怪我は無い様だ。その事に舌打ちをし、セクンドゥムはデュナミスへ声をかけた。
「チッ、死ななかったか……無事か。探したぞ、デュナミス」
「前半を声に出さなかったらお前に攻撃しようと思わなかっただろうな」
「ほう、私と戦うか? アーウェルンクスシリーズとして、別シリーズのお前よりも性能の高い私と?」
二人の間に殺伐とした気がぶつかり合い、魔力が高まって行く。
そして、二人が構えて動こうとした所で。
「其処までです。暴れるなら外でやってください。それより、さっきの事です。──千年伯爵との戦いと言う事、詳しく話して貰えますか?」
「これは失敬──我々は千年伯爵を倒し、世界に平和をもたらす為に戦っている。君達にはそれを手伝って貰いたい」
デュナミスとセクンドゥムの間にあった殺伐とした気は消え去り、またも一礼して続きを話しだす。
先程までの空気は何処へやら、セクンドゥムとデュナミスもまた真剣な様子で言葉を待つ。これは主より下された命令だ。故に、確実性を持って達成しなければならない。
「どういう事だよ。AKUMAとの戦いの事か?」
質問に対し、セクンドゥムが一度頷いて答えた。
「そうだな。基本的にはそれが中心となる。千年伯爵の手駒であり、世界各地に潜んでいる倒すべき敵──これらを駆逐するのが、我々の仕事だ」
「我等はエクソシストと協力……と言うより、情報があっても人数が足りない際に任務をこなしていた。AKUMAの存在を知っているものでなければ、協力は仰げない」
如何に実力があろうと、その存在は闇の奥底に隠されている。世界の表舞台に引き摺り出すには、その存在は余りに凶悪過ぎる。
混乱は免れない。だからこそ、数少ない同士に成れる者は貴重だ。
「だから、AKUMAの存在を知っている私達に接触してきたのか?」
「
詠春の問いに対し、セクンドゥムは簡潔に答えた。
知らねば対処できない。だが、知らせてしまえば経済が崩壊する。故に知る者しか行動できない。歯痒いばかりだ。
「ガトウ・カグラ・ヴァンデンバーグ。お前は何か分かったのではないか?」
「ガトウでいい……俺とタカミチの調査結果では、確かに誰かが裏で糸を引いていた。だが、それは貴族であったり政治家だったりで、千年伯爵なんて人物は一回もでてきていない」
「だろうな。あの男がそう簡単に自分の事をばらす筈がない。我々とてあの男の事は全く持って分かっていない」
一度接触した事がある。だが、その際には直ぐに逃げられたし、大した情報も得られなかった。
「いつからいるのかも、どうやって生まれたのかも、何もかもが謎。分かっているのは、奴の目的──世界を滅ぼそうとしているということぐらいだ」
お手上げだとばかりにデュナミスは首を横に振り、肩を
「……唯、最近気になっている情報がある」
「気になっている情報?」
「ああ、我が主もそれは伝えるようにと言われた。──人間が、AKUMAを使役していたらしい」
その言葉に、全員が戸惑う。
AKUMAとは、人類をターゲットにした殺人兵器。それを、よりにもよって
本来ならばあり得ない事だ。無理に使役しようとすれば、殺されてしまうのがオチだろう。
「不確定情報でもある。だが、留意しておく様にとの事だ。出来れば二人一組で移動する様にとも言っていた」
「ハッ、俺達は最強だぜ? 何体来ようと全部叩き潰してやるだけだ!」
「ジャック、そいつは無理だ」
ラカンの威勢のいい言葉を、本来ならば賛同すると思っていたナギが反対の意を示す。
強烈な違和感を感じ取りながらも、自信を持った声でナギへと話しだした。
「ああ? 弱気になってどうするよ。Lv2までなら俺らはかなりの数を壊して来たぜ? Lv3はお前等が戦った事あるって言ってたが、具体的には聞いてねぇ。どうだったんだ、楽勝か?」
「いいや、一歩間違えば殺されてたな」
「……マジか?」
冷静なナギの言葉に、冷水でも掛けられたかのようにラカンの顔が引きしまる。幾度の戦場を超えた経験は伊達では無く、その貫録は正に熟練の戦闘者を思わせる。
ラカンが考えている強さと、ナギの知っている強さにズレが存在しているのだ。ここで知れた事は、ラカンにとって幸運と呼ぶべきだろうか。
「……実際、どれくらいの強さだったんだ?」
「『千の雷』で破壊できる。ただ、当てるまでが問題だった。相手が一体だったから勝てたって見方もできるな。相手が二体だったら、俺も負けてたと思うぜ」
魔法を使う隙を見せない。Lv2まではともかく、3からは別格だ。
機動力、攻撃力、防御力。装甲はそこらの魔法使いの張る障壁より余程硬質で、その拳は中級魔法にさえ匹敵する。
それ以上のLvのAKUMAなど、戦いたくも無い。
イノセンスと適合出来れば話は別なのだろうが、生憎と各国を回って適合できるイノセンスがあるか探す事も出来ないし、そもそも適合できるかさえ分からない。
「……まぁ、その辺の話は自分たちでして欲しい。返事は明日正午までこの町の南出入り口の場所にいるから、其処に来て貰いたい」
一晩ゆっくり考えさせた方がいい。セクンドゥムはそう判断した。
どの道紅き翼にとってこの協定は不利な事は無い。時たまある、AKUMAの情報を頼りに破壊に動いて貰うだけだ。
必要であればエクソシストにも連絡を入れるし、造物主の使徒達も動く。
明日の朝にはこの町にプリームムとアダドー、アートゥルも来て合流する手筈になっている。その後、またAKUMAの掃討だ。
「行くぞ、デュナミス」
「ああ。……ではな。ゆっくり考えろ。この協定がお前達にとってどういう意味を持つのかをな」
二人は破壊した壁から降りて、何処かへと移動した。直後、外側から使われた魔法によって壁がひとりでに修復されていく。
影を使った魔法らしいが、それに対して何か言う者は、この場にはいなかった。
「……どういう意味を持つのか、か」
戦いを選ぶと言う事は、狙われ続けると言う事でもある。
一般人よりも優先度を高く設定され、より確実にAKUMAは殺しにやって来るだろう。戦場では殺し殺されは基本だが、それが日常まで及ぶとなっては話が違う。
ストレスやフラストレーションは溜まり、狙われ続けるが故に満足な人生を送れなくなる可能性もある。
それでも戦い続ける人生を選ぶと言うのなら、人生を甘く見ているか、戦い続ける事を本気で決めた者だけだ。
「なぁ、みんなはどうしたい?」
「……あなたらしくないですね、ナギ」
「……まぁな。分かってるんだよ、それ位。でもな、アレはヤバイ。人を殺す為の存在だ。……俺達が壊さなかったら、他の誰かが壊してくれるかもしれない。そう考えちまう時もある」
存在自体が害悪。故に、人間は相対する事で本能的な恐怖を感じてしまうのだ。
あの中には魂が囚われている。死ねば、自分もああなってしまうのではないか──と。
「その可能性もあるじゃろうな。じゃが、壊されるとは限らんぞ?」
「ああ、その間に、そのAKUMAは一体どれだけの人を殺すんだろうって考えると……多分、俺は壊せる時に壊さなかった事を後悔する」
自分の拳を見つめ、力を入れてギュッと握る。
決意し、決心し、決定し、決行する。
「俺達『
その言葉に、他の全員が笑みを浮かべる。それでこそお前だ、と言わんばかりに。
●
翌朝、南出入り口。
そこでセクンドゥムはプリームム達と合流し、今後の事を話しあっていた。この後、エクソシスト数名とも合流する予定だ。アリシアと言う局長は知っているようだが、上層部は完全なる世界とエクソシストが繋がっていると知らない。
そこへ、ナギ達『紅き翼』が現れる。時間は正午までと言っていた。なら、それ以前ならばいつでもいいのだろう。そう判断して。
「覚悟は決まったか? ナギ・スプリングフィールド」
「ああ、────俺達『紅き翼』は、お前等と協定を結んで千年伯爵と戦う」
右手を出し、証とばかりに握手を求める。
セクンドゥムはそれに応じ、ナギの目を見て握手した。
「さて、今後の事だが──ッ!?」
「どうした、セクンドゥム」
プリームムが固まったセクンドゥムに声をかける。だが、セクンドゥムはそれに答えず、一つの方向を指差す。
その先には、一人の男。
黒く長いシルクハットに、肥満体形。大きく開いた口に、かぼちゃの頭がついた傘。
「千年──伯爵──!」
「何!?」
ナギが振り向き、その視線の先を見た。
プリームム達が殺気を込めて送っていた事に気付いたのか、こちらを見る。隣には、小さい身長で白銀の髪、青い服を着た女の子がいる。
顔はよく見えないが、伯爵の傍にいて歩いている所を見ると、関係者ではある様だと判断する。
「あれが────俺達の、最後の敵────」
●
「おや、あれは……ふむ。エコー、先に帰っていなさイ」
「伯爵様はどうされるのですか?」
「吾輩は少し遊んで帰りますヨ。そう伝えておきなさイ」
「了解しました」
伯爵が何か言う前に、エコーと呼ばれた少女は方舟の中に入って行った。
紅き翼達との距離はおよそ六十メートル。会話が聞かれていた心配は無い筈だ。
伯爵は少し呆然としてから、まぁいいでしょウ、と気を取り直してナギ達の方を向く。彼等としては、ここで戦う訳にはいかないだろう。
場所を移動しなければと、笑いながら考える。
あとがき
ちょくちょく加筆修正しながら投稿してます。
何と言うか、書きたいのか書きたく無いのかよく分かんない状況です(え
……大戦編はナギ達主人公じゃないかと勘繰ってしまうんですよねぇ。
伯爵達の暗躍は原作入ってからになりますので、まだ詰まんないという部分も多いかと思いますが、よろしくお願いします。
ってか、この辺俺も書いてて面白くないから遅いんだろうか(おい