三度目の正直の投稿。
何回も消したりあげたりを繰り返して本当にすいません
このようなことはもうないように気をつけます
吸血鬼騒動
side エヴァ
学園長からの依頼を受けてから一週間が経過し、今の麻帆良学園都市には『桜通りの吸血鬼』の噂であふれている
私は今日も桜通りで獲物を待っているとクラスメイトの本屋とか呼ばれている娘が変な歌を口ずさみながら
こちらへと歩いてきた
「ちょうどいい、今日はあいつにするか」
私は今日の標的を決め闇の中から姿を表し
「くくく、お前の血を貰うぞ」
本屋の首筋に牙をたてようとした時
「僕の生徒に何をしてるんですかーーーーー!!魔法の射手・戒めの風矢!!」
ネギがこちらに来ていた
「やれやれ、ようやく釣れたか。氷盾」
ネギの魔法が飛んでくるが私も盾を張ることでそれを防ぐ
(魔法の構成は甘すぎるが込められている魔力だけは凄いな、さすがは『英雄の息子』ということか)
「くっ、防がれた。あなたは何者ですか!?」
ネギがお決まりのようにこちらの正体を尋ねてくる、本来なら答えずに退却もしくは戦闘に入るのだが
今回は依頼の関係上ばらさなければならない
私は闇から街灯の元へと出ていく
「こんばんわ、ネギ先生」
「え?あなたは僕のクラスのエヴァンジェリンさん!?」
「そういうことだ」
「何故こんなことをするんですか!?あなたも魔法使いなら魔法を良い事に使ってください!!」
イライラするな、この魔法使い=正義を信じ切ってる奴の相手は
「ふん、魔法使いが全て良い奴とは思わない事だ、世の中には悪い魔法使いもいるんだよ。氷結 武装解除!!」
「あぅっ」
ネギは私の魔法を防げずに杖を吹き飛ばされる
その間に私は撤退を開始する。まぁ今は顔見せのつもりだったしな
私が闇の中へと移動するときに後ろからクラスメイトの神楽坂 明日菜と近衞 このかが向かってきていた
ネギの注意はその時完全に私から外れたので私は移動を開始し大橋の方へと向かう
大橋には茶々丸が既に待機していた、先程が顔見せならば今度の戦いは従者とは何かを見せるものだ
まったくムラサメとの旅行のためとはいえ何故私がここまでサービスしなければならんのだ
「マスター、センサーに反応。ネギ先生です」
「ふん、来たか。茶々丸予定通りに」
「はい」
会話を終えると同時にネギが大橋へと到着し、こちらを確認すると早速魔法を唱えようとするがそうはさせない
「茶々丸」
「はい、マスター」
茶々丸に指示を出し詠唱の邪魔をさせる
その間に私はネギに近づきその首筋に牙をたてようとした時
「ネギになにしてんのよーーーー!!」
横合いから思いっきり飛び蹴りをお見舞いされる
「ぷえらっ」
なんなんだ?何故障壁を無視して私に蹴りを入れられるんだ?
ちっ、神楽坂にこんな能力があるなど聞いていないぞ!!
まぁいい、イレギュラーな事態は起きたが今回はここまでで十分だろう
「茶々丸、撤退だ」
「はい、マスター」
「じゃあな、正義の魔法使いさん?夜道には気をつけろよ」
一応、恐怖も植え付けておく
これで心が折れたならそこまでだ
さて、ムラサメの所に行ってご飯でも食べていくか
side ネギ
昨日は大変だった
まさか近頃噂になっていた吸血鬼の正体が僕のクラスのエヴァンジェリンさんと絡繰さんだったなんて………
しかも僕の魔法は簡単に防がれるし、大橋では魔法の詠唱すらさせて貰えなかった
「ネギ……ネギ!!」
あぁ〜〜〜どうすれば!!
「ネギ!!!」
「え?明日菜さん、どうしたんですか?」
「どうしたんですか?じゃないわよ。さっきからずっと呼んでいるんだから反応くらいしなさいよ」
「す、すいません。考え事をしていたもので………」
僕がそう言うと明日菜さんの顔が曇る
「昨日の事?」
「はい、まさか犯人が」
「エヴァンジェリンさんと絡繰さんだったなんてね、あの二人とは余り話した事は無いけどクラスメイトが犯人っていうのは」
「それに僕は手も足も出せませんでした。これからどうすれば………」
「あぁもう!!いつまでもウジウジしてるんじゃないわよ!!いつまでも昨日の事を考えてないで次に勝つための事でも
考えなさい!!」
「明日菜さん………」
でも勝つための事なんてどうすれば………
エヴァンジェリンさんと僕の間には力量の差がありすぎる
僕がまた考え始めた時
「兄貴、兄貴、ネギの兄貴」
どこからか僕を呼ぶ声がする
声の主を探すが周りには明日菜さん以外いない
「こっちですぜ、兄貴」
そういって下をみるとそこには
「カモ君!?」
「へへへ、お久しぶりですぜ兄貴」
「なに?この喋るオコジョ」
そうだった、明日菜さんは知らないんだった
「明日菜さん、彼は僕の知り合いでアルベール・カモミールっていってオコジョ妖精なんです」
「そういうことでさぁ、まぁカモって呼んで下せぇ」
「ふーん、で?なんでここにいるのよ」
「……そ、それより兄貴、何かお困りの様で」
「う、うん」
「なら俺っちが知恵を貸しやす。話してくだせぇ」
カモ君に促されるままに僕は昨日の事とこれからどうするかを悩んでいることを話した
するとカモ君は
「だったら相手をこっちと同じ条件にすればいいんです」
と言ってきた
「同じ条件?」
「そうです、あっちにはおそらくだが従者が居るんだ。それだけで数は不利ですぜ。だったら相手の数を減らせばいいんです」
「でもカモ君どうやって?力量の差は歴然なんだよ?」
「なぁに、不意打ちでも何でもやりゃあいいんですよ」
「えぇ!!それは……」
「そうよ!!それに一応はクラスメイトなのよ!?クラスメイトを不意打ちで倒すなんて………」
「じゃあ他に方法はあるんですかい?」
「それは………」
「じゃあ決まりですぜ。早速その従者?を探しましょう」
カモ君はそう言って歩き出す
「う、うん。明日菜さん行きましょう」
「………悪いけど私は行かないわ」
「えっ!?どうしてですか!?」
「確かにエヴァンジェリンさん達は悪い事をしているのかもしれない。でもね、それでも私はクラスメイトを不意打ちしてでも
倒したいと思わないの」
「で、でもこのままじゃあ」
「もう一つ、ネギあんたの目指す『立派な魔法使い』は正義のためなら不意打ちでもなんでもするの?」
明日菜さんの言葉が僕の胸に刺さる
そうだ、僕は『立派な魔法使い』になるためにここに来てるんだ
なのに、今僕は何をしようとしてるんだろう
「おっと、姉さんこれ以上兄貴を迷わせないで下せぇ」
「カモ君?」
「兄貴、ここで兄貴がやらなきゃこれから先もっと被害が出るかも知れないんですぜ?それに話を聞いた限り兄貴とその吸血鬼
の間には力量差がありすぎやす。だったらこれしか手は無いんですぜ?」
「このオコジョ、何ネギを唆してるのよ!!」
「うぅぅ」
僕はどうすればいいんだろう………
「兄貴、いいんですかい?ここで迷えばさらに被害者が出るかも知れないんですぜ?それを止めるのが『立派な魔法使い』って
奴じゃなにんですか?」
うぅぅぅぅ
「ネギ!!!」
「………ごめんなさい、明日菜さん。僕はそれでもやります」
「〜〜〜〜〜っ。もういいわ!!好きにしなさい!!あんたがそんな奴だなんて知らなかった!!もうあんたの事なんて知らない!!」
明日菜さんはそういうと走って行ってしまいました
「明日菜さん…………」
「兄貴、あんな女のことは放っておいてその従者を探しましょうぜ」
「う、うん」
side 明日菜
ネギの奴!!あんなオコジョの言う事をホイホイ聞いちゃって!!
本当にクラスメイトを不意打ちするのかしら
ううん、あいつがどうなろうと私にはもう関係が無いわ
そうよ、関係無いんだから!!
そんな私の目に入って来たのは買い物袋をさげて歩いている絡繰さんとその後をつけてるネギの姿だった
私は関係ない、そう思っていたのに足は自然とネギ達を追ってしまう
絡繰さんは本当に悪人なんだろうか?
これが私が今抱いてる正直な気持ちだ
帰る途中に困っている人がいれば率先して助けている
そして今は大量の野良猫達にご飯をあげている
その時の絡繰さんはとっても優しい笑顔をしていた
(へぇ、絡繰さんってあんな顔できるんだ……。なんだか良い人みたいだから今度話しかけてみようかな)
私がそんな事を考えていた時、ネギが絡繰さんの死角となる場所で魔法の詠唱をしているのが目に入ってしまった
(あの馬鹿!!本当にやる気なの!?)
ネギの顔はどうみても迷ってる顔だった
しかし肩に乗っているオコジョが横で発破をかけている
私は無意識に飛び出し
「ネギーーーーー!!駄目ーーーーーーーーーーーーーー!!!」
叫んでた
ネギは私の声に驚きこちらを向くがその時に集中力が途切れたのか魔法は暴走し光の矢が絡繰さんに向かっていく
絡繰さんは私の声で気付いたのだが遅すぎた
彼女に光の矢が当たり彼女の左腕の一部が吹き飛んでいた
「ネギ!!あんた、自分がなにをやったのか分かってるの!!??」
「え、あ、ぼ、僕は」
ネギは何かをつぶやくと走って逃げてしまった
私はネギを追いたかったが絡繰さんを放っておくわけにもいかない
「絡繰さん、大丈夫!?」
「神楽坂さん、大丈夫です。かすり傷なので」
「どこがかすり傷よ!!左腕が………。そうだ病院!!」
「神楽坂さん、私はロボットです。それに壊れたのは腕ですから直ぐに治ります」
絡繰さんはそういうと道端に置いていた買い物袋を持つとどこかへ歩いて行った
「ちょっと、絡繰さん!!」
絡繰さんの移動速度は速く、すぐに見失ってしまった
「………ネギでも探すか、あいつまたウジウジしてそうだし」
side ムラサメ
家でエヴァとのんびりしていた俺たちの元に茶々丸が襲われたという情報が入って来た
俺たちは急ぎ茶々丸のメンテナンスを請け負っている葉加瀬と超の元へと急ぐ
「茶々丸、無事か!?」
「マスター、ムラサメさん」
研究所に入った俺達を迎えたのは何事も無かったかのように修理を受けていた茶々丸だった
「茶々丸、何があったんだ?」
俺が茶々丸に尋ねると
「完全に油断していた所をネギ先生に襲撃されました」
ネギだと?あの餓鬼か
「なんにせよ茶々丸、お前が無事でよかった」
「ムラサメさん、心配していただきありがとうございます」
「気にするな。家族を心配するのは当然だ」
「家族………」
茶々丸は何かを考えているようだが俺はやらねばならない事が出来た
「エヴァ、すまんが用事が出来た。茶々丸の事を頼む」
「え、ムラサメ!待て!!」
エヴァは何か言いかけていたが俺はその言葉を最後まで聞く事は無かった
俺の心は今、怒りで煮えたぎっていたからだ
待ってろ、クソ餓鬼
side ネギ
あそこから逃げ出した僕は今、森の中で一人悩んでいた
茶々丸さんに怪我を負わせてしまった
僕が撃った魔法で自分の生徒に怪我を負わせてしまった
自分でやったこととはいえ、いややったからこそ、その罪の意識は重く僕にのしかかる
明日菜さんは止めろ、って言ってくれたのに………
「兄貴、何をしょげてるんですか、従者は倒したんですぜ、後は吸血鬼だけじゃないですか」
「カモ君、でも僕は………」
僕がそれでも戸惑っていた時
「ほぅ、茶々丸の次はエヴァを襲う算段か?クソ餓鬼」
声が響いた
「誰でぇ!!」
カモ君が声のした方に叫ぶ
すると一人の男性が姿を現した
「俺か?俺は茶々丸たちの家族だ」
絡繰さん達の家族………
「その家族とやらが何の用でぇ!!」
「何の用か、だと?決まってるだろう報復だ」
彼がそういった瞬間にありえないレベルの殺気が僕等に叩きつけられる
「ひっ」
膝が震える
喉が渇く
カモ君の方を見てみると彼は気絶していた
「さて覚悟はいいか?クソ餓鬼」
彼がこちらに向かって歩みを進める
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
僕はがむしゃらに魔法を放つ
side ムラサメ
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
クソ餓鬼がこちらに向かって魔法を放ってくるがどれも狙いが甘い
難なく防ぎ、クソ餓鬼の前に立ち横ッ面を思い切り殴りつける
「がっ」
クソ餓鬼は障壁を張っていたようだが関係がない
殴られて吹っ飛んだクソ餓鬼に追い打ちをかける
まずはストンピング、音からしてアバラが何本か逝ったようだが関係ない
クソ餓鬼はなんとか逃れようとする
が
そうはさせない、俺はクソ餓鬼の左腕を抑え思いっきり踏み砕く
「っあぁあぁっぁっぁぁぁぁあ!!」
次に右腕を踏み砕く
クソ餓鬼はもう反抗しようとかいう思いはないようだった
ただ痛みで叫ぶだけだった
「ちっ、何なんだお前は、覚悟もない、ただ状況に流され行動を起こし、その結果自分の行動を後悔する。
見ていて不愉快だ。もういいお前はここで死ね」
俺が拳をクソ餓鬼の頭に振り落とそうとした時
「そこまでにしてはくれませんか?ムラサメさん」
どこからかタカミチが現れた
「タカミチか、邪魔するな」
「そうはいかないんですよ、彼を殺させる訳にはいかない」
「「…………」」
沈黙が続く
先に折れたのは
「ちっいいだろう、俺はそのガキにまったくと言って良いほど興味がない。いや見ていて不愉快だ。金輪際俺の家族に干渉しないなら
見逃してやる」
「ありがとう、心に留めておくよ」
タカミチはそう言うとクソ餓鬼を背負って消えていく
・・・・・・・・エヴァ達の所に帰るか
どうでしたか?御仕置きが短いかもしれませんが御容赦ください
次回は日常編というかなんというかを書くつもりです