エピローグが完成したので投稿します。
これにて樹木の王は完結となります。今まで本当にありがとうございました。
長々とした感想は下で書くのでまずはお楽しみください
エピローグ
ムラサメが封印されてから2カ月
「ふぉぉぉっ、いくらなんでも多すぎるぞ!!」
近右衛門は目の前に大量に積まれた書類と戦っていた
この書類は麻帆良学園学園長の仕事ではなく関東魔法協会理事長のとしての仕事だった
ムラサメと樹獣によるメガロメセンブリアへの侵攻、それの後処理だった
ムラサメが封印され、樹獣達が樹となった事で事態は取りあえず一段落となったのだが、
問題はそこからだった
メガロメセンブリア内において、代行者が封印されている今のうちに破壊するべきでは、
という意見が出てきたのだ
近右衛門やタカミチと言ったムラサメを知る人物は破壊する前に、何故侵攻が開始されたのかを
調べるべきだと主張した
この意見も当初は通りそうになかったのだが、この意見にヘラス帝国第三皇女テオドラと英雄ジャック・ラカンが賛同した事により、まずは調査が行われる事となった
そして、まずは調査をするべきと言った人物等が大樹へと派遣された
大樹に赴いた彼等を迎えたのはエヴァンジェリンと綾瀬夕映、茶々丸、チャチャゼロ、ストルズだった
彼女等はこちらの姿を確認するやいなや戦闘態勢を取ったが、こちらに戦闘の意思は無い事を告げると、ある程度の警戒は残したが、話を聞く姿勢を作ってくれた
近右衛門が何故ムラサメはああなったのかを聞くと、エヴァンジェリンの顔に怒りが浮かんだ
「ムラサメがどうして暴走したかだと? メガロメセンブリアの馬鹿共のせいだ!!」
夕映がなんとかエヴァンジェリンを落ち着かせ、話を聞くと
メガロメセンブリア上層部が極秘裏に開発していた『除草剤』の事
それを使い、代行者や自然を無差別破壊しようとしていた事
ムラサメはそれを破壊しようとしたのだが、爆発した『除草剤』によって暴走した、とのことだった
「むぅ、それが真実ならば非は明らかなんじゃが……」
「……参ったの。それが真実であるという証拠がなければいくら妾達でも……」
近右衛門とテオドラが頭を悩ましていると
「証拠ならばあります。少々お待ち下さい」
茶々丸がそう言い、少しの間動かなくなる
そして、近くの壁に目を向ける
「何をするつもりなんだい?」
「私はガイノイドです。私が見た物はすべてメモリーに保存されていきます。
故に、メモリー内から探し出せればもう一度その光景を映し出す事は出来ます」
そう言って、壁に映し出されたのはメガロメセンブリア上層部が『除草剤』を作っている光景
自らの欲望を声高らかに話している光景
そして、『除草剤』を爆発させる光景が映し出された
「学園長、これは」
「うむ、これならば証拠としても十分じゃろうて。それにしてもここまで腐っておったか」
「それで機械の嬢ちゃん。これを抽出することはできねぇのか?」
「可能です。しばらくお待ちください」
茶々丸により渡された映像を手に近右衛門達はメガロメセンブリアに戻り、
この映像を議会において映した
この事実により、メガロメセンブリアは代行者破壊どころではくなり、
自らを見直さなくてはならなくなったのだった
メガロメセンブリア内部調査はクルト・ゲーデルとタカミチ主導により行われ、
その結果、数多の議員が『除草剤』計画に出資しているのが判明した
クルトはこれをメガロメセンブリア市民に公表した
これにより、市民の怒りは代行者ではなく、議員に向けられた
名前を公表された議員は全員議員を辞める事となり、新たな議員を選出する必要が出てきた
しかし、選出するのにも時間がかかる
そのため、臨時の議長を立てる必要が出てきた
そこで白羽の矢が立ったのが近右衛門であった
しかし、近右衛門には関東魔法協会理事としての仕事もあるため断ろうとしたが
「大丈夫です。貴方なら両方出来ます」
とクルトに太鼓判を押され、泣くなく両方の仕事を引き受ける事となったのだった
「だからってこれは多すぎるわーーー!! はぁ、タカミチ君、少し代わってくれんかの」
「嫌です」
「少しは老体を労わって欲しいのぅ」
「僕を瞬殺できる人間が老体とか言わないでください」
「「………………」」
しばし、学園長室に緊張感が漂うが近右衛門が力を抜き、椅子にもたれかかり、天井を見ながら呟いた
「……ムラサメ殿はいつ目覚めるのかのぅ」
「さぁ。ですが、気がついたら近くにいる気がしますね」
「じゃな。はぁ、フグ鯨のヒレ酒が飲みたい」
「僕も飲みたいです。まぁ待ちましょう」
「そうじゃな」
そして学園長室に書類に判を押す音が再び響き始めた
ネギは溜息をついていた
彼は代行者と樹獣達の侵攻を眺める事しか出来なかったのを気にしていた
それだけならばここまで沈まないのだが、つい先日発表された代行者暴走の真実が彼を
凹ませていた
「はぁ」
ネギは何回目か分からない溜息をついた
すると
「あぁ、もう! うっとうしいのよ!!」
彼の頭に明日菜の拳骨が落ちた
「な、なにするんですか! 明日菜さん!!」
「いつまで凹んでるのよ」
「だって、メガロメセンブリアが原因だったなんて……」
「それはショックかもしれないけどアンタ言ってたじゃない。メガロメセンブリアが決めた立派な魔法使いじゃなくて本当の意味での立派な魔法使いになるって。だったらメガロメセンブリアの事なんて気にせずに進みなさいよ」
明日菜の言葉にネギは涙ぐんでいた
「……明日菜さん」
「なぁんて、偉そうな事言っちゃたけど私はよく分からないだけなんだけどね」
「僕の感動を返して下さい。……でも、ありがとうございます」
「うん」
「せっちゃん、明日菜達帰って来たみたいやね」
「はい、怪我はないようで良かったです」
「せやね。……せっちゃん、うちはこれからどうすればいいかな?」
「どう、とは?」
「うん、うちはコッチに残る事を選んだやろ? それは鈴さんの言った事が頭に残ってるからや。
やから行かんかった。でも、そこで終わりにしちゃ駄目やよ思うんや。鈴さんの言った未来にしない為にはどうすればいいと思う?」
木乃香の問いに刹那は答えられなかった
木乃香が悩んでいるように刹那もまた悩んでいたからだ
だが、これだけは言える
「私はお嬢様に付いて行きます。私はお嬢様が進む道を行きましょう。
そして障害となる物が現れれば全力を持ってそれを排除します。ですから、お嬢様は
自身の考えたままに進んでください」
「せっちゃん、ありがとう」
「いえ、私はお嬢様の護衛ですから」
「友達でもあるやろ?」
「……はい」
刹那の答えに満足したのか木乃香は頷いた
「じゃあ、行こか」
「どこへですか?」
「おじいちゃんの所。うちはまず色々な事を知らなあかん、やから聞きにいくんや」
「そうですね。お供します」
造物主はフェイトからの報告を聞くと、視線を上に向けながら話す
「大地創造は眠りについた、という事か」
「はい、その通りです」
「ふむ。ならば計画の発動は少し見合わせねばな」
造物主の言葉にデュナミスが反応する
「何故ですか? 既に準備の大半は終わっています」
「デュナミス、我らの計画は一度魔法世界を無に還す事だ。今それを行えば大地創造の眠る大樹も消すこととなる」
「構わないのでは? 消すと言っても楽園に先にいくだけなのですから」
「確かに。だが、大地創造は眠りについているがその眷属は違う。眷属は大地創造を守るために大樹となっているに過ぎん。お前はあれら眷属全てを相手にしながら計画を十全に遂行できるか? あれには我の『掟』は通用せんのだぞ?」
デュナミスも流石に樹獣を相手にしながらは難しいと判断したのか、大人しく引き下がった
「わかりました。ですが、大地創造が目覚めるまで待つとなると、いつになるのでしょうな。
私は生きていない気がします」
「デュナミス、それはないと思うよ」
「む? どういう事だテルティウムよ」
「…彼は、ムラサメは存外早く目覚める、そんな気がするだけだよ」
「ただの勘、か」
「そうだね。でも、どこか確信があるよ。……それに早く目覚めて貰わなくちゃ僕が困る。
彼のコーヒーが長い間飲めなくなるのは嫌だからね」
デュナミスはそう言ったフェイトを少し驚いた様子で見る
「テルティウム、少し変わったか?」
「どうだろうね……」
「大地創造、やはり面白いな。人形であったテルティウムに影響を与えるとは。
それでこそ我が同胞。我もお前の覚醒を待つとしよう。……まだ酒を酌み交わしていないしな」
造物主の最後の呟きはデュナミスとフェイトの会話に紛れ、消えていった
「調〜、いい加減布団から出てきなよ」
「そうよ、いつまでも引きこもってないで」
「うぅ、放っておいてください。ムラサメ様がぁ、ムラサメ様〜〜〜」
調はムラサメが封印されてから落ち込み、布団に引きこもってしまった
「大丈夫だよ。だってあの代行者なんだよ? 生きてるって」
「そうそう。それにフェイト様が一目置いてるんだよ?」
焔と暦が励ますが、調は何も言わない
彼女はムラサメによってネットワークに接続できるようになったため、
自然達の意思が悲しんでいるのに気付いていた
「はぁ。焔、暦、もうしばらくそっとしておいてあげましょう」
「栞、でも」
「今の調には何をいっても無理よ。それよりもサボの方をなんとかしなくちゃ。
サボも大地創造が封印されてから、元気が無くなっちゃたんだから」
「う、うん」
その時だった
彼女達の足元を何かが高速で駆けて行った
「あれ? 今のってサボ?」
「急に元気になったね。何かあったのかな」
続いて、ガバッと調の布団がめくられた
「調?」
「ムラサメ様が!!」
「はい? 大地創造がどうしたの?」
「自然が、大地が喜びの声を上げてる!!」
「「「「はい?」」」」
時を同じくして、麻帆良学園にある世界樹が一際強く輝いた
「ムラサメさん、早く起きませんかね」
「トイウカ、イツマデコノ大樹ノ中デ過ゴスンダヨ。暇ダ」
「姉さん、だからと言って通りすがりの旅人を襲わないでください」
「暇ナンダヨ!!」
「うるさいぞ、お前達。静かにせんか」
エヴァンジェリンがそう言った時、大樹と成った樹獣達が吼え始めた
「何事ですか!?」
「ナンダ、ナニガ起キルンダ!?」
「マスター!」
「これは、まさか。ジガン、コラン、ヨルン!」
『オキル』
『目覚メル』
『オハヨウ』
ジガン達は口ぐちにそう言う
それに伴い、樹獣の吠え声が大きくなっていく
そして
「うるせぇぞ。余りにもうるせぇから起きちまったじゃねぇか」
「あ、あ。起きてくれた」
「……ケケ、オハヨウッテカ?」
「おはようございます」
「馬鹿者、違うだろう。……お帰り、ムラサメ」
「おぅ。ただいま」
5月から連載を始めて現在12月。約7ヶ月の連載でした。初の投稿という事でなれない所や、矛盾、色々とありましたがなんとか完結までいけました。ネギまという二次創作ではよく扱われる作品をやれ、自分の妄想や想像をこれでもかというくらい書けて満足です。終わり方に納得のいかない方は当然いらっしゃるでしょうが、
これが私の書きたかった終わりです。今まで本当にありがとうございました。
皆さんからの感想やアドバイスがなければここまで書けませんでした。
本当にありがとうございました。これからもネタを思いつけばちょくちょくと番外は投稿すると思いますので、その時はよろしくお願いします。
最後なので少しおまけを
「もしもムラサメが聖杯に呼ばれたのなら・・・・」
深く雪が積もる森の奥に城が立っていた。その城に近づくものはなく、不気味な雰囲気を醸し出していた。そんな城の中で一人の少女が何かの儀式を行っていた。
「__________________________。汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」
少女が詠唱を終えると、眼前に描かれた魔法陣の中から一人の男が現れた
「サーヴァント『代行者』聖杯に呼ばれて来た。お嬢が俺のマスターか?」
真名 ムラサメ イツキ
性別 男
身長・体重 180㎝・70㎏
クラス 代行者(世界樹)
属性 中立・中庸
特技 農作業・品種改良
好き 大地・自然・人をおちょくること
嫌い 自然を汚す全て
天敵 ランサー「クーフーリン」の宝具『ゲイボルグ』
理由は下記参照
クラススキル
イレギュラーの為不明。というか思いつかんかった
保有スキル
農作業A
樹獣召喚B
身体強化B
再生力A
能力値
マスター イリヤ
筋力A+
魔力B
耐久値C
幸運B
敏捷B
宝具
大地の心臓 A
樹獣 B
??? A+
心臓にある大地の種を破壊されない限り復活する。そのため心臓を確実に穿つゲイボルグとの相性は最悪。ただ、持ち主であるクーフーリンとは馬が合いそう
うん、書いてみたかっただけです。
さて、樹木の王も完結となったので次回作アンケートを打ち切ります。
まぁ、結果としてはコードギアスが一番となりましたので、まずはこれを書きたいと思います。少しだけ、予告というかなんというかを書きたいと思います。
まぁ、これはまだ考え中なので内容は大幅に変わるかもしれませんので・・・・・・
強国ブリタニアにおける最強の騎士、ナイトオブワンには一人の義息子がいた。
彼は身の丈は2m程、体はくまなく鍛えられていた。髪は獅子を思わせるようで、
目は猛禽類を彷彿とさせた。その武は義父に並ぶとも称される。まさに、武の申し子であった。ただ、彼には欠点があった。それは・・・・・
「今度こそ死ねよや、親父ぃぃぃ!!」
「10年早い! そしていい加減に礼儀を覚えんか! このバカ息子がぁ!!」
礼儀が著しく欠けていることだった。
そんな彼のあだ名は・・・・・・・
「ブリタニアの猛獣」
コードギアス『猛き獣(仮)』お楽しみに!!
それではみなさん、よいお年を