就職して研修受けてました。もう少しで終わりますが、新しいことをするのが楽しいときも辛いときもあるということをひしひしと感じる日々であります。
そんななかで、夢のお告げ的サムシングがあったので急に速度を上げて書きました。
………碧銀の髪に隠れた瞳に光がなかった、と言えば察して頂けるでしょうか。
こいつ直接脳内に……!
ちょっと短いです。
>羊羽様
感想ありがとうございます。
そうですね、男のライバルが女というのはアリではありますが、やっぱり男の方が熱くなりやすいし、しやすいというのもあります。最終的に成長した二人はどのような戦いをするんでしょうか………。
>ジム3様
感想ありがとうございます。
なのは→魔力を上げて魔砲で殴ろう
リヴァ→技術を上げて魔弾で殴ろう
ゲームのキャラのビルドとかだとダメージディーラーとバッファーというかデバッファーになるんでしょうか。差がヤバい。
大丈夫です、今回はその分レーヴェが活躍しますから。
>紫音様
感想ありがとうございます。
そこまでやりこむ気力はありませんでした………。
最初にやったのがPSのコレクションで、終わり次第次いってたので。もはや懐かしい。
4はマザーボムとかスカルミリョーネとかカイナッツォとか割と最初で躓いてた気がします。
………ちなみにコレクション最後の6は全員にアルテマ覚えさせようとしている間に心が折れました。
その62 VS.抜けば花散る焔の刃
『さあて、いよいよDSAA男子部門、予選最終戦です!』
相変わらず実況がうるさい。
「相手は抜刀の使い手だ。ミカヤちゃんとは流派が違うらしいが、それでも一撃の速度、威力は凄まじいものがある。……大丈夫なのか?」
「手は用意してある。……勝つにせよ、負けるにせよ、ファーストラウンドでケリはつく」
ノーヴェの質問に淡々と答える。負けるなんて口にしてはいるが、もとより敗北するつもりは欠片も無い。
「手があるってホントなの? 前みたいに危険なのじゃ、無いよね?」
「まあ、多分な。抜刀術は確かに強いよ。でも崩す手段は何パターンもある」
心配そうなヴィヴィオに頷いてみせる。
「頑張ってね!」
「応援、してるから」
「ああ」
ヴィヴィオとミウラ、二人からの励ましに一言とともにただ頷いて、舞台に上がった。
目の前に立つのは黒髪の男。和服めいた道着を纏い、長い髪を紐で一本にまとめたその様は若武者という表現がふさわしいか。
確か、名は
「君の試合、見ていたよ。その年齢でどれだけの修練を積んできたのか分からない……。だが僕も厳しい修練を耐え抜いたんだ。勝たせてもらうよ」
「そうですか。こっちも負ける気はありません」
長い台詞を一蹴する。
師匠曰く。抜刀居合とは、完全な『攻めの防御』である。後の先を取った上での迎撃に特化することで、結界にも例えられる堅牢さと斬撃速度、そして凄まじい威力を両立させており、剣術の完成形の一つと言うものもいる。
そしてその対策は主に三つ。
一、抜刀居合の射程外から一方的に攻撃。
二、先の先。相手が抜ききる前に斬る。
三、後の後の先。踏み込んで誘った相手の攻撃を躱して斬る。
例外として装甲に任せて強引に突破という手もあるにはあるし、『炸牙』『空牙』などと呼ばれる、抜刀と同時に斬撃を飛ばす技を使うものには一つ目の手が通じないなどの条件もあるけれど、一対一でハンデなども無い場合、基本はこの三つの手が存在する。
さて、自分を顧みると、拳銃が一丁だけで攻撃しても火力的に足りるかは怪しい。勿論跳弾射撃で裏をかくことも不可能ではないが一度見せた技だ。対策されていると思ってかかった方がいいだろう。その点から一つ目はちょっと物足りない。
二つ目は短距離転移を予選で使うのは避けたい以上、ソニックムーブ、ブリッツアクション等で突撃するしかない。が、その程度ならいくらでも練習しているはず。勝算は限りなくゼロに近い。
そうなると選択肢として取るのは三つ目になる。
タイミングは非常にシビア。相手が練習しているであろう「見切り」を騙すか、斬撃の軌道を読んで回避しなければならない。
ついでに言うと、読まれていると警戒度が上がり更に困る。
ならば、俺が真に取るべき選択肢は……。
『試合開始!』
ゴングが鳴ると同時に、右手で持った拳銃を連射。難なく全て撃ち落とされる。
けどそれはあくまで時間稼ぎに過ぎない。
「我は鋼なり、鋼故に怯まず、鋼故に惑わず、一度敵に逢うては一切合財の躊躇なく、これを討ち滅ぼす凶器なり」
限定化された鉄血転化を発動した俺は、剣一本を左手に構え、銃を投げつけながら突撃を敢行する。
『Blitz Action』
「愚かな! その程度見切れるぞ!」
あっさりと投げつけられた銃を避けた、敵の刃がひらめく。
速度から射程内に来るタイミングも予測し、必殺の一閃が放たれる。
その斬撃は確かに俺の
「残念、そいつはダミーです」
「幻術だと……っ!? いや、しかしこれは!?」
クロスオーバーステップというものをご存知だろうか。
バスケットボールやアメリカンフットボールで使うフェイントのための緩急走法のひとつである。
足の機動速度は上げたまま歩幅をがくんと縮めることで、実質的な速度は低下し、相手は相対距離を見誤る。これは早ければ早いほど効果を発揮する。これをブリッツアクションにより動きが高速化した状態で使用した。
そこに、本来の実質速度通りに動いた幻影を突っ込ませることで、一撃目の斬撃を完全回避。
なお、アイツとの戦いで使った前後の切り返しは、今回の戦いの場合は隙が大きくなる可能性があったから却下した。
つまり、狙ったのは二つ目と見せかけての三つ目。
最初に一つ目が聞かないことを確認し、焦って二つ目に走ったと見せかければ、騙すのはそう難しいことでもない。
右手で
その狙い通り、確かに関節を外すことが出来た。ついでに肋骨もへし折った上で。
「げ、は……!」
LP15000→12000
クラッシュエミュレート:左肩関節完全脱臼、左肋骨3~5番単純骨折
僅かでも反撃をしようと、敵が右手で持った刀が迫るのに対し、俺は左の剣で根元を押さえ込む。
そのまま相手の懐に潜り込み、右腕全体で相手の右の上腕を掴み、思い切り引っ張ると同時に右足でちょうど後ろにある敵の右脛に蹴りを入れる。たちまち彼は体勢を崩し、
ごきり、と鈍い音。右肩の関節も外した。
「ぐ……っ!」
LP12000→10000
クラッシュエミュレート:右肩関節完全脱臼
嵌められる可能性もあるにはあるので、関節は破壊するのが一番なんだが、筋力的には劣るし、こういうときの破壊の仕方が分からなかったから外すにとどめた。
澄んだ金属音を立てて、刀が手から滑り落ちる。
外された両腕をだらんと垂らしたまま、呆然とする剣士の首筋に俺は剣を突きつけた。
「ギブアップした方がいいと思いますが。たとえ続けたとしても、ここから先はただのワンサイドゲームです」
今までの試合を見た限り、治癒魔法に優れている様子も無い。外された両腕を嵌め直すのは相当な難事。ラウンドが終わればある程度ダメージは回復するが、そこに至るまでの時間は、今の状態のこの人なら10回は血祭りに上げることが出来そうなほどに長い。
クラッシュエミュレートで両腕を破壊された時点で、この人はどうしようもなく詰んでいるのだ。
「………そうだな。私の……負けだ」
その一言で、勝敗は決した。
「我は戦の終わりを告げる、我は人なり」
不完全型「鉄血転化」を解いた瞬間、実況の叫びが響いた。
『初出場のレオンハルト選手、本戦出場決定! なんと情け容赦なく、激しい攻撃! 11歳とはとても思えません!』
「………余計なお世話だ」
実際、精神年齢は11歳じゃないがな。
内心で言い返しつつも少しだけ感慨深くなる。
これで、本戦出場決定だ。
騙しの手品だ!
という訳で相性というかレーヴェのやり口に引っかかって珍しくあっさり敗北した敵キャラ情報をどうぞ。
age 17
IH出場履歴4回
最高戦績:都市本戦第11位
得意なのは抜刀術。レーヴェに放とうとしてたのはその技の一つ、抜刀・
技を終えてから技名を言う派なので言えないまま終わりました。闇の炎に抱かれて馬鹿なっ!みたいな感じです。ちょっと違うか。
名前の由来は冲方丁先生の「スプライトシュピーゲル」より、MSS要撃小隊フォイエル・スプライト(なぜか漢字が書けない)の一角、乙・アリステル・シュナイダーと、おなじみ「零の軌跡」ならびに「碧の軌跡」より「風の剣聖」アリオス・マクレイン。
全く出せなかった乙要素は次回の大会であるかもしれません。同じ焔の剣つながりであの悪党の終の秘剣が(
なお、抜刀で有名な十字傷とか、某マフィアの野球少年は出せませんでした。初見で二段構えとか斬撃飛ばしとかやられてたら今のレーヴェだと、あるとわかってても転移なしではかなり厳しいです。
虚刀による抜刀への解答だけだと面白くない、かといって転移もつまらない、真剣白羽取りはリスクが高い、ということで抜刀対策にちょっと苦心しました。
某アメフト漫画読んで思いついたのは秘密。
次回から本戦です!研修終わった後忙しいかもですが書き続けますよ!(必死)