第五歩
side 零
突然だが転生者を見分ける方法はいくらか存在する。
これは俺がモブと転生者を見分けるために身につけたものだ。
ひとつは容姿が俺のようにイケメンであること。
馬鹿な奴の場合はほかのアニメのキャラの姿そのままに転生してくる奴もいるからまるわかりだ。
もうひとつになのは達への態度でわかる。
なのは達はもう俺にメロメロのはずだからなびくことはないだろうが、それをわかっていないのか明らかに俺のものという風に接する奴がいる。
そして、明らかに離れようとしてるやつもいる。
この二種類はほぼ間違いなく転生者だ。
後者はほっといてもいい。
なぜならそういう奴は大概は技術チート系だからだ。
しかしうざいのは前者だ。
今まで確認したのは3人。
おそらくこの世界での安全を優先したのか予想していたよりずっと少なく、なぜか後者より圧倒的に少ない。
無印とAsであらかたそう関わらないように脅かしておいたが他にいないとは限らないのだ。
なぜならまだstrikersが残っている。
それに物語のない今のうちにおれから奪おうとしてくるような奴もいないとも限らないのだ。
ほかの見分け方では目立たないようになのか、本当に頭が並みなのか成績は可もなく不可もない位置にいる。
それを踏まえて今俺は少し判断に困っている存在がいる。
『鈴木裕也』
こいつは容姿は整っているがイケメンかと言われれば、YesとNoでわかれそうな中途半端な容姿。
成績はトップであるということも調べて分かっている。
そして俺の中で一番分からなくさせるものがある。
それはなのはを見たときの眼だ。
確かに創作物とかではなのはは魔王と呼ばれていたりする。
それを踏まえても恐がりすぎだ。
こいつの帰宅後は調べるためにサーチャーを飛ばしても見たが、家に帰った後は普通に勉強して、ダーツをしていた。
その後も買い物に出かけて特典能力を一度も使うことはなかった。
そこでなんだかばからしくなって俺は監視を止めた。
実のところ監視を止めたのは自分の中である仮説がたったからでもある。
『鈴木裕也は、なのはのファンクラブによって何かされたモブではないか』
実際にファンクラブというものはヒロイン全員に存在している。
もちろん俺にもあるが。
その会員の中には少々過激な行動をとる奴がいてもおかしくはない。
その考えてこいつの行動を思い返す。
……これはダーツが趣味なモブ感がひしひしと感じられる。
これは警告しといた方がいいのか?
わからない。
一応警戒はしておくにこしたことはないが、こいつはよくて技術チート系の後者だろう。
どっちにしろ俺の敵ではなさそうだ。
ちなみに教室内にも設定上はほかの転生者が存在はします。
しかし、おそらく登場はしません。