第3話 握撃!?
いやー、前回の最後は取り乱しました。
なんて言うか自分のことが良く分からないって怖いものですよね。
もしかして俺は異常なんだろうかと思っちゃいましたからね。
まぁ、転生した時点で異常なんでしょうけど……。
とりあえず自分が何なのか、これが転生の特典なのか検証する必要があるな。
そんなことをしながらあっと言う間に3歳になりました。
2年間で分かったことですが、俺が異常なほど身体スペックが高いようです。
しかも、現段階でも鍛えれば鍛えるほどにものすごいスピードで成長していくようだ。
3年間鍛えた握力は既にとんでもないことになり、500円硬貨を指でひん曲げ、重ねたトランプの一部だけを千切るほどになってしまった……。
これ、全力で握ったら人の腕とか大変なことになりそうだね。
両親とボール遊びとかしたんだけど、本当に加減しないとまずい。
既にビニールボールで出せる速度じゃない球を投げられるようにすぐなってしまいましたからね。
手加減しても山なりに父親のところまでボールが飛ぶので、両親が喜んで子供用のグローブなどをネット通販で探しているのには思わず苦笑い。
まぁ、今世では野球をやりたいと思っていたから、早くからバットやグローブが買ってもらえるのは嬉しいな。
さて、舌足らずなりに会話がある程度できる3歳になったから、色々な練習をやれるように公園ソロデビューを狙うぞ!
丁度家から数分のところに海鳴臨海公園と言うところがあるしね。
どうせすぐにはソロデビュー出来ないんだろうから、幼稚園が始まるまではこの公園で母親と遊ぼうっと。
3歳の4月になると幼稚園に入園。
うーん、流石にここで他の子と比べてしまうと、俺が成熟し過ぎているな……。
この子達と上手くやっていけるのだろうか?
とりあえず頑張ります!
……やっぱり無理だ。
この年齢の子供達は会話にならない。
せめて5歳にならないとダメだよ。
男の子よりは女の子の方が会話とか早いんだけど、それでも結構ツライものがあるね。
幼稚園でもトレーニングを欠かさずやってるのが1番楽しいわ。
そんな事ばかりしていたら、あまり仲の良いお友達が出来ない……。
両親や先生に心配掛けない様に仲良くはしているんだけど、後一歩が踏み込めないんだよね。
社会人になる前に人間関係で悩まされるとは思わなかったよ。
幼稚園でストレスが溜まるので、毎日幼稚園が終わると公園で遊ぶ。
実は遊具で遊びつつトレーニングをしているだけなんだけどさ。
母親はのほほんとしているから、トレーニングとは思ってないだろう。
むしろ井戸端会議でこっち見てない気もするけどさ。
ある意味1人で好きに出来ているから目標は達成かな?
4歳の誕生日に父親が野球用品一式を買って来てくれた!
それも一流メーカーのMIZUMOだよ。
有名メジャーリーガーも愛用していたぐらいだから良い物だよね。
高かっただろうに……。
「たっちゃんはオモチャやお菓子を欲しがらないから、興味のある物を買ってあげるのは苦じゃないのよ」
「タローが野球に興味を示しているのは分かってたから、これぐらい良いんだよ。このまま好きで続けられるなら、7歳になったらリトルリーグに入ろうな」
「まあ、それなら将来はメジャーリーガーね」
「母さんは気が早いなー。その前には日本の球団だろー」
「「あっはっはっは」」
2人して楽しそうに笑いながら話してる。
なんて優しい両親なんだろうね。
もっと良い子にしてよーっと。
今日はこの野球道具が嬉しいから抱いて寝るぞ!