最終話・ツアイツ君のお気楽極楽転生らいふ?(後編)
こんにちは!
ツアイツです。
午後はイザベラと2人で新しい……
実は僕達が一緒に暮らそうと買った郊外の屋敷の周りが、空前絶後の開発を遂げている区画の視察です。
最初は郊外で長閑な場所だったのです。
しかし……
「巨乳派教祖とその奥方様方が暮らす場所!
ならば此処は巨乳の聖地となるのです。
いや、しなければならないのです!」
「変態と言う紳士達の集い・男の浪漫本ファンクラブ本部を建てましょう!
此処が新たな性癖の発信地となるのです」
「イザベラ公式ファンクラブ本部も建てねばなるまい。
古臭い劇場などでなく、コンサート会場を!」
これにより、貧巨乳派連合本部に関連施設の新築ラッシュが始まった。
都市区画整理を近代日本で学んだ僕が、必然的に取り纏めをしなければならなくなったけど……
「ツアイツと私の関連施設だけで、街が出来るとは驚きだよ!」
全くその通りです。
この街の区画構成は……
通称「巨乳神殿」
これは僕達の屋敷だ。
厳選された巨乳美女・美少女が暮らす館。
何故か購入時の面影も無い程、改修されてしまった。
最奥のプライベートスペース以外は、本当に神殿みたいな造りだ。
「貧巨乳連合本部」
教祖及び教団最高幹部が常駐し、関連事業の殆どの本部を集めた。
此処は関連グッズの直売所や、オークション会場も備えている。
あとはカタログ掲載のフィギュアが、全て展示してあるスペースが有る。
等身大とか問題有りで非売品のフィギュアも此処で公開している。
ファンは実物を見て購入出来る仕組みだ。
「公式ファンクラブ本部」
主にイザベラ隊・ツンデレプリンセス隊及び蒼い髪の乙女隊。
それと竜騎士団が主体となった護衛組織本部。
何故か、ガリア王国両用艦隊司令部も隣接している。
彼らは主に僕達の護衛や、この街の警備に当たっている。
「ガリア国立図書館」
まんま現代の漫画喫茶をパクりました。
有料の個室スペースを貸し出し、男の漫画本を読めるようにしました。
併設で喫茶コーナーも有ります。
巨乳美女・美少女にメイドの格好でウェイトレスをさせてます。
現代のメイド喫茶ですね。
これは幾つかのメイド作品のコスチュームを日替わりで着せてます。
ある程度お金が有っても、メイドまでは雇えない平民達や、そこまで裕福で無く可愛いメイドが居ない下級貴族達に大人気。
現代でも定番のオムライスにケチャップで文字を書くアレ!
マナーに煩い貴族達だが、マナーに煩くないお店でしか出来ないアレ!
大好評です。
最後に、最近始めたエステ関連の施設。
「美乳の館」
これは、公開した巨乳プログラムを始め美肌効果の有るエステ関連のサービスが受けられます。
男性ばかりを優遇しては不満が募りますから……
まだ上級貴族のご婦人方がメインですが、プラン内容をランク別にしてリーズナブルなコースもご用意。
メインは巨乳化コースとアンチエイジングコース。
どちらも凄い反響でした。
しかし、効果を実感してしまうと継続的にサービスを受けなければならなくなる……
ある意味、蟻地獄の様な酷いシステム。
これらの施設の周りには、ここで働く人々の居住スペースを割り振り、彼らの生活必需品を商う商店街も出来ています。
そしてグルリと城壁で囲んだこの街を誰が言い始めたのか
「漢達の夢と浪漫の理想郷」
と言われてます。
正式名称は未だ無いのですが……
働く人達に声を掛けながら歩いて行く。
数人の護衛しか伴わず、しかも徒歩で視察する僕達に最初は皆さん恐縮しまくりでしたが、最近は少し慣れてくれたみたいです。
此処で建設関係で働いている人達の多くは、ロマリアからの移民達……
酷い待遇だった彼らは、生活の安定を求めていました。
どんなに酷い扱いでも、ブリミルを信じている人達も多かった。
だから信仰の自由を認め、安定した仕事と生活を提供したんだ。
勿論ブリミル教が悪いのでは無く、現教皇と神官達が悪いと言って……
だから彼らは、まだ敬虔なブリミル教徒なのだ。
宗教とは根が深いね。
彼らに
「僕もブリミル教徒です。
しかしこのままではブリミル教は悪い方向に進んでしまう。
正しきブリミル教を後世に伝える為にも、腐敗した現教皇と神官を倒さねばならないのです!
僕は、教皇と真っ向から戦うつもりです」
リップサービスで言った、この一言がヤバかった……
どん底の生活から、住居と仕事を与え人並みの生活が出来る様にしただけだ。
労働力は幾らでも欲しかったから……
しかし彼らは、僕をブリミルの再来とか、ブリミルの導き手とか騒ぎ出した。
お陰でロマリアでも敬虔なブリミル教徒は、殆どが不正規だがガリア王国へ移民。
確かに悲惨な生活の中でも、ブリミル教を信仰していた彼等は教皇や神官達に不信感を持っていた。
腐敗した彼等が、ブリミル教の神官で有る事が我慢出来なかったのだろう。
しかし反発しても酷い目にあうだけ……
生活が苦しいのに、反抗する気力も無かった。
ただただブリミル様に祈るだけ……
そんな時に、僕が現れたのだ。
彼等からすれば救世主なんだろう。
これでロマリアの力を削いでいるが、同時に完全に敵対した!
十年計画だったが、短期決戦になりそうな予感。
しかし負ける事はないだろう。
妙に熱い視線を送り、跪いて拝み出す彼等に手を振りながら自分の屋敷へと歩いて行く。
イザベラが
「現人神だねツアイツ?
巨乳神を崇めるアンタがブリミル教徒に崇められる……
どうなっちゃうのかね?」
巨乳神>現人神>ブリミル教徒+大きなお友達?
何なんだ?
このカオス図式?
因みに何故か彼等ブリミル教徒にとって、貧巨乳信仰は受け入れられている。
ホモなんかより、健全な事だから……
多少苦笑い的に言われたが、彼らだって美女・美少女は大好きだ!
自分達の妻や娘や恋人が綺麗になる可能性が有るなら大歓迎だそうだ。
ロマリアに平民が居なくなるのも、そう遠い話では無いかもね。
神殿部分を通り過ぎて、プライベートスペースへ。
屋敷の正門に来た所で、着ぐるみの何かにぶつかった!
「ツアイツお兄ちゃん!
遊びに来たよ」
「ツアイツ様、お久し振りです」
ぶつかったのは、エルザとジョゼットだ。
日の光に弱いエルザの為の特注ウサギスーツをジョゼットも着ている……
「2人共、お久し振りだね。
君達が居るって事は旦那さん達も来てるのかい?」
ヨシヨシと頭を撫でながら聞いてみる。
「「ツアイツ殿!
お久し振りです」」
風のスクエア・ロリコンコンビが出迎えてくれた。
ダッシュとサードも一緒だ。
「カステルモール殿!
出向ご苦労様です。
アレ?
ワルド殿、髭が……」
トレードマークの髭が、綺麗に無くなっている。
ワルド殿はスッキリした顎を撫でながら
「いやジョゼットがダッシュ達と見分けがつかないと……
それに髭を剃った方が格好良いからと……」
ジョゼットと2人、真っ赤になりながら説明してくれた。
エルザは、カステルモール殿の背中に張り付き笑っている。
「はいはい。
御馳走様でした。
さぁ屋敷に入りましょう」
屋敷の扉を開けると、吹き抜けのロビーから見える螺旋階段からルイズ達が走ってくるのが見える。
「そう言えば明日は虚無の日で、今日は早めに帰るっていってたね」
イザベラが僕の腕を組ながら、彼女らに笑いかける。
学院から帰ったばかりなのか、真新しい制服を来た婚約者達を可愛いと思う。
嗚呼……
幸せだな僕は。
おっぱいと勢いだけで駆け抜けたこの10年……
気がつけば、最大国家の次期王様だ。
周りには信頼出来る趣味友達に囲まれている。
美しく有能な共犯者の妻と、ひたすら愛情を向けてくれる巨乳美女・美少女婚約者達。
僕の幸せは、此処に極わまった!
「ただいま、みんな!」
「現代人のお気楽極楽転生ライフ」
ここに完結とさせて頂きます。
最後まで、この変態おっぱい小説にお付き合い頂き本当に有難う御座います。
連載を始めて8ヶ月目にして漸く完結まで漕ぎ着けました。
この作品は……
何となくお分かりの方も居るかも知れませんが、原作の悪役や不遇な人々を如何に輝かせるか、活躍させるか。
それが裏のテーマでした。
原作者様は敵役や悪役を本当に憎らしく表現されてます。
そんな彼ら。
具体的には、召喚され強制的に使い魔にさせられ、献身的に尽くすも報われず心中するシェフィールドさん。
サイトの成長の踏み台としてしか、中ボスとしてしか扱われないワルド殿。
下手したら、ヒロインのルイズより人気が高いタバサの対比として扱われるイザベラ姫。
この三人の救済がしたかったんです。
ぶっちゃけると、主人公側の原作キャラは殆どの二次創作でも普通に幸せなラストを迎えられるじゃないですか!
この作品でもツアイツ君のハーレム要員として、一応のハッピーエンドですが……
余りこの三人が幸せな二次創作は少ないです。
それで、無いならば自分で書けば良いじゃん!
それが、この作品です。
プロットでは此処まで長編にする予定では無かったのですが、話に肉付けをしていくと続く続く……
中々最後のイザベラ姫まで辿り着きませんでした。
後半はイザベラ姫一色でしたが……
しかし本人はとても楽しく書いていました。
好きだから、楽しいから続けられる。
ならば完結まで書き切ろう。
毎日連載しよう。
小さな目標でしたが、本当に毎日連載し完結出来て良かったと思います。
久し振りに評価を見ました。
ユニーク2249万
PV261万
評価点15868
いや久し振りに確認しましたが、本当に感謝しています!
最後に完結までお付き合い頂き改めて感謝を。
そして出来れば、最後まで読んでくれた方々には感想や評価を頂きたいと思います。
それを次回作の励みとさせて頂きます。
尚、完結にしても投稿は出来るみたいなので、外伝やその後的な話も電波を受信したら書きたいと思います。