完結後リクエスト外伝・帝政ゲルマニア・秋葉原化への道(中編)
久し振りにゲルマニアの地を踏む……
プリンセス・イザベラ号を降り立って迎えてくれたのは、父親達だった。
「ツアイツ……
久し振りだな。
噂は聞いてるぞ!
お前がガリアとアルビオンで派手にやったから、こっちはとばっちりだな。
責任取れよ、この野郎!」
「サムエルも趣味に頑張り過ぎて、この様だ……
ツアイツ、ゲルマニアもバランス良く発展させて欲しい」
ゲルマニアは、ハーナウ領を擁するチッパイの聖地として有名だ……
だって母上がいて、ジョゼットにエルザも居る。
ハーナウ領はチッパイ好きの天国だろう。
彼女達が居る限り、貧乳派達が集まるのは仕方ない事だった。
「久し振りに会ったのに、いきなりソレですか?
そもそもワルド殿達とカステルモール殿が居るんですから……
父上を含めて上位三人が集まって何したんです?」
貧乳ラブな三人が……
ハルケギニアのトップ3が集うハーナウ領の発展は凄い!
貧乳ラブ的な意味で!
いや貧乳命と言って良い連中が、タガを外して頑張ったのだから。
「……いや、趣味友達が集まったら閣下がキレた。
そもそも棲み分けたじゃんか!
ガリアとゲルマニアで」
「だって僕がルイズ達を全員連れて行ったら……
残りのメンバーは殆どが父上の派閥じゃないですか!
しかも父上は、ワルド殿達とカステルモール殿を誘致したじゃん!
どんだけ貧乳派が集まったのさ?」
2人共黙り込む……
棲み分け!
主要メンバーがキッチリ別れたので、各々が独自の方向性で突き進むのは必然だった。
「ツアイツ、義父様……
今は言い争いをする時では有りません」
「そうだぞ!
こんな所で、貧巨乳派閥の教祖がいがみ合っても仕方あるまい。
先ずは、どうするかだ!」
ツェルプストー辺境伯がキュルケを伴い、先に歩き出した。
慌てて追い掛けるオッパイ親子。
歩きながらでも、互いの脇腹を突っつき合ったりと微笑ましい親子喧嘩をしていたが……
王宮内の、ツェルプストー辺境伯に割り当てられた部屋に入る。
中々に豪華な室内……
部屋付きメイドが、直ぐに皆の紅茶を淹れてくれる。
久し振りにゲルマニア産の茶葉の香りを楽しむ……
「父上。
アルブレヒト閣下は、僕に巨乳派連中を閣下の派閥に組み込む工作と……
ハーナウ・チッパイ一族に対抗してツェルプストー・オッパイ一族で巨乳神殿を作れって事ですよね?」
閣下の腹の中は多分そうだ……
配下の二大勢力が、協力関係を持ちつつ対抗意識を持たせる。
自身はアルビオン王国の取り込みに腐心する。
「そうだな……
序でに私達にも対抗意識を持たせるのだろう巨乳」
「全く油断無い方だ貧乳」
既に父上達の中でも、デッカいのとチッチャいので棲み分けが出来てるのか?
「父上……
僕は義父上と巨乳神殿を造り、巨乳派閥を盛り上げます。
キュルケも協力頼むね。
其方は、貧乳派閥の取り纏めを……
それと、1つ提案が有ります」
ニヤリと笑いかける……
「ツアイツ?
協力は構わないわ。
元々その為に来てるのだから……
その笑いは、悪巧みの時に浮かべるヤツよ。
ちょっと怖いわ……」
キュルケがドン引きだ!
「「何だ?また企みか?」」
全く失礼な三人だ!
僕は皆の事を考えているのに……
「臣下として閣下の考えに沿うのも良いのですが……
最悪、我らの仲違いや力関係のバランスを崩す事も考えているでしょう。
ガリア王国から僕がツェルプストー辺境伯の側に……
巨乳派閥の取り纏めをする。
なればイザベラをハーナウ伯爵の側に。
彼女と……
期待の大型新人のプロデュースと発表の場を与えて下さい」
「大型新人?
貧乳っ娘か!」
父上、喰い付く所が違います。
「此方は、キュルケを主祭巫女として祭り上げる。
サムエルの側にも、か……
しかし、既に三人も居るぞ。
アデーレ、ジョゼット・エルザと……
これ以上の強化は、閣下の不評を買わないか?」
確かに母上達は、強烈なカリスマだ!
しかし、皆さん人妻なんですよ……
「要はガリアが、アルブレヒト閣下側だけに尽力してない事を匂わすのです。
ガリアはゲルマニアとの友好に力を入れている。
でも次期トップは……
表の僕は、前に仕えていた閣下に。
裏のイザベラは、僕の実家のハーナウ家に。
それぞれ力添えをする。
どうですか?」
これなら両方に対して協力しているから、どちらの勢力にも話を通し易い。
「ガリア王国の表裏が、各々の側に力を貸すか。
それなら……
どちらかを一方的にどうこう出来ないな」
「しかし、ガリア王国の表裏はゲルマニアに力を貸している。
対外的には友好関係を結んでいる様に見えるな」
父上達は納得した様だ……
「ツアイツ?
でも、それって私がデビューする時に対抗馬を作るって事よね。
大型新人……
私、別にイザベラ様やテファみたいにアイドルになりたい訳じゃないけど、何か納得出来ないわ」
巨乳派の神殿にキュルケが祭られるのを分かっているのに、対抗馬を作るのに納得出来ない、かな?
「だってキュルケは僕の奥様だからね。
余り騒がれるのは嫌だ!
ジョゼット達だって旦那が居るし……
ここは独身女性に華を持たせようよ。
ツェルプストー一族の巨乳娘さんと、新人さんにさ……」
こうしてゲルマニアでの漢の浪漫本ファンクラブの活動は開始された……
◇◇◇◇◇◇
さて……
巨乳神殿自体の建設は問題無いだろう。
しかし、巨乳の民を呼び込む事が難しい。
主祭巫女キュルケ……
彼女の魅力は何だ?
紅い髪に褐色の肌。
そして、ナイスバデー!
ナイスバデー!
大切だから二回言ったよ。
確かにテファの胸は神がかっている。
信じられない程の巨乳だ!
しかしキュルケはサイズこそ一歩劣るが、バランスが凄い。
そして肌を余り晒さない衣装を好むけど、デザインはボディラインを強調し何とも言えない色気が有る……
フェロモンが凄いのだ!
そして、ツェルプストー一族もそれに準じている……
ムンムンな一族だ!
彼女達の魅力を生かすのは、ジェームズ・コレクションと同じ様にファッションショー形式が良いだろう……
ならば舞台の配置や演出効果に力を入れよう。
ハルケギニアの一般的な劇場は、舞台と客席が分かれている。
それを客席の真ん中にステージを伸ばし、そこをパリコレ宜しく歩かせる。
後は歩き方やポーズ等を考えていけば、ハルケギニア初のファッションショーになる筈だ!
「キュルケ!
皆を集めて特訓だ。
歩き方やポーズを色々考えよう」
「はいはい……
何か閃いたのね?
最後までお付き合いしますわ。
旦那様!」
キュルケが僕の腕に抱き付きながら答える。
さて、祖国と僕達の為に頑張りますか!