第44話
学院に入学してまだ2ヶ月余りだが久々の里帰りに心が弾みます。
何といってもロングビルさん抜きでテファニアに会う事が出来る!
しかも立場的には僕の婚約者だ……
つまり夫婦になるんですよねー!
さて僕は今レンタルグリフォンに乗っています。
勿論颯爽と操るのは……
シェフィールドさんです。
僕は彼女の腰にしがみ付いて目を瞑って妄想してる最中です。
いや30m以上の高度だと駄目なんですトラウマ的な何かで。
たまに恐怖で彼女のE89の巨乳を握ってしまうのですがシェフィールドさんは大人の女の余裕か笑って許してくれました……
でもヤンデレを甘く見ていない僕は本気で謝りましたよ。
幸いにして僕は彼女の中では仲間度の優先順位がかなり高いらしく原作のような怖い事はされていません。
そして盗聴の心配の無い空中という事で例のジョゼフ王のトラウマの秘密を聞きましたが……
長年のコンプレックスの相手であったシャルル殿下がまさか女装趣味でバイセクシャルの近親相姦希望者だと聞かされ呆然としてしまった……
うぁ……これは酷い。
原作では王位を巡って裏で色々と動いていた人物だった。
だがこの世界では僕とは方向の違う突き抜けた変態だったとは。
これは難しい。
近親相姦・両刀使い・女装……
このキーワードでEDになった相手をハッスルさせる方法か……
本当は直接会って色々と相談した方が効率的なのだがジョゼフ王は試練を越えないと会わないって事なんだな。
それと視界の隅にドンヨリとして落ち込むワルド殿が見える。
折角ミス・タバサと2人きりにしたのだが、何が有ったか興奮しすぎて相手にドン引きされてしまったらしい。
彼女はどうも成人男性の奇態にトラウマが有りそうな感じだ……
まさか父親の奇態を薄々感じていた?
と思ったが怯えながら竜騎士団がブツブツと言っていた?
彼女もトラウマ持ちなのか……
※原因は貴方と男の浪漫本です。
前方に我がハーナウ領が見えてきた。
僅か2ヶ月だが懐かしい気持ちで一杯になってきた……
ホームシック?
まさかこの年で?
「シェフィールドさん、あれが我が屋敷です。
中庭に着陸して下さい」
「ワルド殿ー着きましたよー着陸しますよー」
フラフラとしながらも着陸態勢にはいるワルド殿……
貴方は僕の護衛ですよね?
中庭には父上と母上がそれと少し後ろにティファニアが出迎えてくれました。
相変わらず見事な胸が母上の教育でより磨きが掛かって偉い事になっています。
「ただ今戻りました。
父上、母上。
そしてティファニア久し振りだね」
「ツアイツ、元気そうだな。
ワルド殿経由で色々と聞いているがまた大変な事に巻き込まれたものだ」
「ツアイツ、テファさんを放ったらかしでしょうがない子ね。
ちゃんと構ってあげるのよ……
それと後ろの方は?」
「紹介します。
彼女はシェフィールドさんでガリアのジョゼフ王の寵妃です」
「まぁ!」
「お前そんな人に手綱を取らせてたのか?」
「お気になさらず、我が主からもツアイツ様に仕えよと言われてますので」
「「……?」」
「まぁ立ち話もなんですから中に入って下さい。
あら?
ワルド様の様子が……」
「ちょっと意中の姫に距離を置かれまして……
父上お願いします。
再度教義を叩き込んで下さい」
「ほぅ?
そのような相手が居たとは聞いてないぞ。
よし分かった!
暫らく待っておれ」
父上はワルド殿の首根っこを掴みズルズルと「サムエル愛の資料館」に連行していった。
もう大丈夫だろう。
「ティファニアも元気だったかい?」
「はい。旦那様……
それと私の事はテファって呼んで下さい。
その……貴方のお嫁さんになるんですし、キャ!」
破壊力の有る台詞を最終兵器並みの胸の揺れと共に言ってくれました!
「ありがとう、テファ!
では、母上中に入りましょう」
「ツアイツ……
お父様とワルド様は良いのですか?」
「平気!
2時間も有れば再教育出来るし……
シェフィールドさんもどうぞ此方へ」
珍しくビックリしているシェフィールドさんを眺めつつ応接間に案内する。
「ツアイツ様は何時もあの様な感じでご家族と接していられるのですか?」
「ジョゼフ王も調べたって言ってたけど親子で貧と巨で争っているけど。
元をただせば同じ乳の派生教義だから仲は良いですよ」
「住み分け……
でしたっけ?
それでも何と言うか……その」
「さぁさぁ入って入って……
母上、オヤツ有りますかね?
お腹空きました」
「まぁこの子は食いしん坊ね。
テファさんが焼いたケーキが有りますよ」
息子と女性陣は和気あいあいとお茶をしに応接室に向かった。
応接室にて
テファ謹製のケーキは母上の指導か元々の才能か中々美味しかった。
「美味しかったよ。
テファは料理が上手なんだね」
「「大分練習しました(させました)から……」」
「そうですか。
今度また何か食べさせて下さい」
「テファさん、また特訓よ!」
「はい。お母様」
2人から変なオーラを感じます。
しかし幼い感じで華奢な母上とおっぱいドーンなテファが並ぶと対極姉妹みたいだ。
「話は変わりますが母上。
どうやらテファを諦め切れないアルビオン貴族が居るのです。
防諜と警備を強化したいのですが父上に助言して欲しいのです」
「まぁそんな方が居るのですか。
分かりました。
それと心配なら早くテファさんをお嫁に貰ってあげなさい」
はっ!
とテファと目が合いお互い真っ赤になって俯いてしまった。
「あらあら……
ツアイツ様の本命は彼女なのですね?
確かに……ご立派ですね」
テファのとある部分を凝視し自身の胸に目を落とし溜息を付きながらそう話すシェフィールドさんは……
ヤバイ、ヤンデレの目だ!
「ツアイツ様、我が主ももっと大きい方が良いのでしょうか?
その手の育成資料も有るのですよね?
そうですよね?」
凄い勢いで掴みかかってきた……
「落ち着いてください。
ジョゼフ王が巨乳好きと決まった訳では有りませんから早まらないで下さい。
だから……」
掴み掛っている手を叩きながら……
「……その手を離して下さい」
「あら?すみません」
やはり彼女は恐ろしい。
首に両手の跡がクッキリと……
「旦那様、大丈夫ですか?
いま治療を……」
彼女が水のルビーを使い治療を始めようとしたので……
「大丈夫。
それは大切な物だから無闇に使っては駄目だよ」
と、彼女の手を握ってやんわりと拒否する。
「大丈夫、僕だって水のトライアングルなんだよ。
直ぐに治せるさ」
「メイドさんの持ってきた秘薬を使い首の痣を治す」
あの水の指輪……
カトレア様かオルレアン公夫人を治せないかな?
そうだ!
ワルド殿に遍在でコピーして貰いテファに治療して貰えば上手く行くかも……
興味深そうに見ていたシェフィールドさんが
「その指輪見せて貰えませんか?」
と聞いてきた。
そうだよ!
マジックアイテムの利用なら本家本元「神の頭脳・ミョズニトニルン」が居るじゃないか!
「テファ、彼女にその指輪を見せてあげてくれるかな?」
テファから指輪を受け取った彼女は目を瞑り指輪の機能をサーチしているみたいだ……
「どう?
その指輪の効力ならオルレアン公夫人の精神異常が直るかな?」
「可能ね……
私なら秘薬の誤作用を正し不要な部分の記憶を消せるわ」
「ヴァリエール公爵の次女の不治の病も治せるかな?」
「どんな病か知らないけど……
これなら先天的に欠陥が有っても再生して治療は可能だから殆どの難病でも完治可能ね。
でもどちらも強い力を必要とするから1回が限度よ」
「遍在でコピーしたらどうかな?」
「そうね。
それなら可能かもしれないわ」
「あの……
記憶を消す魔法なら私も使えますけど?」
テファが何故か申し訳無さそうに言ってきた。
そうか!
でも細かい記憶操作や修正は出来るのかな?
記憶操作?
アンドバリの指輪の力を合わせれば?
同時制御出来れば?
不要な記憶を消して新しい記憶に置き換えれば完全に直るn……
「シェフィールドさん!
これとアンドバリの指輪でジョゼフ王のトラウマを消せるかな?」
「我が主の?」
「そう。
トラウマの部分をシェフィールドさんの都合の良い記憶に置き換えるとか……
例えば早く王妃にすると約束したのに何だかんだとはぐらかす……
とか?」
「あら?
私は主に忠誠を誓っている使い魔なのですよ?」
「そしてジョゼフ王は僕にED治療を託した。
その僕がこの方法が一番良いと言ったら?」
「この指輪単体でなくアンドバリの指輪も使えば或いは……
いえ私が制御すれば成功率は高いわ」
「……もう待てません。
クロムウェルは私が直ぐに暗殺しますから主の記憶を正しに向かいましょう」
「待ってください。
ジョゼフ王の試練は正当にクリアしましょう。
それからでないと彼も僕に会ってくれないでしょうし」
「私はもう待てません!」
「我慢です。
そして最高の記憶操作のストーリーを練りましょう。
ヒーローはジョゼフ王でヒロインは貴女で……」
「ふふふ……
思った通り貴方は素晴らしいわ。
私の最高の協力者ね」
「その分先程の2人の治療を頼みます」
「ふっふっふ……
あーっはっはっは!
私に任せてぇー!」
実の母親と婚約者の目の前で最大勢力のガリア王をどうにかする相談をしている2人に対し、アデーレもテファも我関せずとツアイツとの結婚式の話を進めていた。
天然さんを二乗すると大抵の事は気にならないらしい。
……補足……
今回の治療法について。
結構前からこのアイデアは考えてました。
原作の登場人物とアイテムだけで可能かと?
ツアイツは医療などの専門知識も無いので独自な治療法は無理。
ならば他人任せにするしかない。
そこで指輪の持ち主2人を攻略した結果と思って下さい。
テファルートからこのアイデアは考えつき結ばれずに本編まで引っ張ったのもこの為です。
シェフィールドをヤンデレ化したのも目的達成の協力者として認めさせる為。
結構長い話数を使って持ってきたんですが、強引でしたかね……