お久しぶりでした861です。 今回は前半後半に分かれいるため、少々短めとなっております。
それでは、どうぞ。
第十話・前編:【クラス対抗戦~戻らぬ縒りと初顔合わせ】
Dr.JのIS学園来校から数日経ち、遂にクラス対抗戦当日となった。ついでに言えば、どこぞの2人の喧嘩については未だに解決せずである。ま、それはこっちの2人には関係ないのだが。言わずもがな、3組代表【ガルシア・バルバロッサ】と、4組代表【更識 簪】、の2人の事である。
「・・・・・・よう」
「・・・・・・ん 」
・・・閑話休題、朝一番に顔合わせるも、これといって会話をするわけでもなく、ちらりと視線を交わして一言二言だけ。人によっては視線の火花が見えたとかなんとか。
「おっはよー、・・・アレ? もしかして一触即発? 」
「みたいだね、おぉコワイコワイ。言うまでもないだろうけど二人とも、この場でヤりあわないでよね」
そこに割り込む金髪一部マゼンタメッシュ小豆色眼ショートと、薄紅髪薄桜色眼お下げ。
「誰がやるか」
「・・・・・・そこまで短気じゃ、ない」
「あ、そう。ならいいけど」
「うーす、おはよう。・・・この集団、何事?」
「・・・固まられると、微妙に邪魔なのだが」
そして来る噂の織斑少年&篠ノ之箒。
「おー、おはよう。・・・改めて見るとスゴい集団だねこりゃ」
今更気付いたかのような口ぶりな金髪。
「だね。ボク等以外が特に」
「織斑一夏に篠ノ之箒。|ガルシア・バルバロッサ《オレ》に|更識簪《アンタ》。コレにアイツも混ざれば完璧なんだがな」
名前を言いながら指折り指差し数えるガルシア。
「アイツって、鈴か? なんでまた」
「考えてみろ、少しは。
で、なんでまた絡んできたんだ」
「特に理由は無いよ。強いて言うなら興味本位の暇つぶしかな。それはそれとして、朝ゴハンっと♪」
「ああ、そうかい」
そんな感じで食堂へ。
「・・・・・・」
「な、なんだ?
」
足を止めてじーっと織斑少年をガン見する簪。
「・・・・・・私には、貴方を殴る権利があるけど、今は疲れるから、やらない。・・・・・・その代わりに」
「その代わりに?
」
そう問い返すと、去り際に、
「・・・・・・貴方は、私の踏み台になってもらう」
そう言って簪も食堂へ。
「な、なんだったんだ・・・? 」
そんなこんなで、試合開始時間となった。
第三アリーナ第一試合は、一年一組代表【織斑 一夏】対、一年二組代表【凰
鈴音】である。で、その次の対戦カードが、一年三組代表【ガルシア・バルバロッサ】対、一年四組代表【更識
簪】。
何の因果か一年一組から四組までのクラス代表全員が専用機持ちであり、そのうち3人が国家代表候補生(それぞれ、中国・スペイン・日本)という、イメージ的には実力差が伯仲し、自分組ののクラス代表を自然と応援するであろう同学年同クラス生はともかく、それ以外からすれば、誰に賭ければいいのかわからない面子なのである。・・・この場にて約一名除外した理由を身も蓋もない表現を使い、まだ出ていない人物の台詞回しで言うのならば、
『・・・だって彼、
特に実績がある訳でもないし、何か妙な流れに流されていつの間にか専用機持ちのクラス代表になる羽目になっただけで、そもそも二、三ヶ月前までは只の素人だったじゃないですか。そんなのに賭けるのは身内くらいなもんですよ。・・・苗字だけで過度な期待をしている人もいらっしゃるようですが』
・・・といった感じになる。
閑話休題、そんなこんなで第一試合開始。ピットにてISを展開し、待機しているガルシアの元へ・・・、
「・・・ふむ、あれが鈴音の専用機か、良い機体じゃないか」
「やっぱり、同じ戦闘タイプだと、経験の差がモロに出るねぇ」
来たのは赤毛お下げ。ガルシアからすれば、【紅ショウガ】頭扱いである。
「そう言うな、織斑の機体には、射撃武装が何も無いんだ。比べるのは流石に気の毒だろうに」
「・・・つまり、アレ、一本だけ?
」
「そう、雪片弐型とか言ってたか? アレ一本しかないらしい」
「・・・バカなの?
いくら白兵機体でも、最低限機銃ぐらいはあるでしょ。某機動兵器でオリンピックするヤツでも、バルカン砲ぐらいはあったよ? 」
珍しく顔が引きつる赤毛お下げ。
「それがないんだよ。それはそれとして、何の用だ、四組だろう、あんた」
「別に無いよ?
しいて言うなら彼女の対戦相手がどんなのかなって、ね。・・・へぇ、コレがキミの専用機? 」
「ああ。RVTーT03【トルメンタ・デ・ラ・ベルデ】。日本語にしたら翠嵐ってとこだな」
「・・・ぱっと見、重装射撃タイプって感じだね」
「まあそれは、見たままだな」
そのまま特に会話もなく、織斑少年と鈴音の試合を見物する二人。
「・・・ねぇ、今朝の話だけどさ」
「何だ急に」
試合観賞の最中、唐突に話を振ってきた赤毛おさげ。
「あのとき言った“アイツ”って、本当は誰なのかなーって、思ってさ」
「その話か。・・・ま、言っても問題ないか。平たく纏めるぞ、俺と織斑少年の他にもう一人、ISを稼働させることが出来たヤツが他にいる。そういう話だ」
「・・・文脈からして、“男”、だね? 」
興味を持ったのか、目を爛々としだした赤毛おさげ。
「言いふらすなよ」
「大丈夫だよ、ボクは口が堅いからね」
「どこの誰かまでは言えないが、な」
「そこまで教えて貰おうとは思ってないけど、ね」
「・・・そうか。それはそれとして、先月に一組のクラス代表決める試合あっただろ?
」
「ああ、アレね。ボク個人としては、がっかりというか、拍子抜けだったけどね、アレは」
「・・・それはアレを見た観客皆思っただろうな。片や専用機持ちの代表候補生、片や専用機貰ったばかりの素人」
「それだけの実力差があったにもかかわらず、いざ試合が始まってみれば・・・」
「褒めれば素人がよく保った、貶せば何を遊ぶか代表候補生と言うべき有り様」
「そして結果は」
「「あのざまである」」
最後に口が揃った二人。
「そのくせ、勝った方であるセシリア嬢が辞退し織斑少年が一組クラス代表となり」
「勝ったはずのセシリアが彼にデレた」
「なんなんだろうな」
「知らないよ。それはそうと、あっちの試合は山場かな」
「みたいだな。・・・む? 」
「どうかした? 」
「いや・・・、この試合、ご破算になるかもしれん気がしてきた」
「そりゃまたなん・・・!? あぁ、こりゃだめだね」
「だろうな、あぁ、腹立たしい」
脈絡もなくシールドの天井をぶち破り降ってきた一筋の光線、新たな波乱の幕開けとなるのであった・・・。
To be
continued・・・.
如何でしたか。私的にはスランプ状態でした。正直、書く事があまりないので、それでは失礼とさせていただきます。