こんにちはこんばんは、今年最後の更新となります。ソレではどうぞ。
第11話:【鳥野郎が面倒な案件を持って来やがった件について】
・・・Side:C・E.
次の日、明らかに寝てないような顔で登校して来た兵藤君。
「何をどうしたらそんな顔になるの?
「・・・お、おはようクロナ。何でも「・・・そんな事せずに無理矢理にでも寝れば良かったのに」今、頭の中、読んだのか!? 」
「出来るからやったのよ。それにしたってねぇ・・・」
・・・彼の記憶から読み取ったのは、昨日リアス先輩が部屋にいきなり来て、既成事実を作ろうとしてたら、彼女の家のメイドのグレイフィアとかいう銀髪の女性がやって来て、結局お流れになったという話。で、リアス先輩がグレイフィアさんと帰ってから朝までずーっと兵藤君はマス掻いてた・・・、という話。
「クロナ、頼むからアーシアには」
「言うワケないでしょ」
・・・というか、バラしても何も得が無い。因みに、ここまで全部小声。すると、前から全力ダッシュしてくる元浜君。からの・・・
「「イ゛ッセェェェェェェェェ!!!! 」」
「い、イッセーさん!? 」
「うわー、危なかったわね私」
・・・ヒョイっと咄嗟にしゃがんで避けると、兵藤君の前と後ろから松田君&元浜君のWラリアット・・・クロスボンバーだったかしら。2人曰わく、ゴスロリ着た世紀末覇者とかいうとんでもない
「そういうワケで、クロナ、頼む、この通り!! あんなザ・雄じゃないマトモな女の子を紹介してくれ!! 」
・・・などと脈絡無くのたまう松田君。
「ちょ!? なんだって私なのよ!? 」
「お願いだクロナ。あんな恐怖体験、もうこりごりなんだよ!」
「・・・そこまで言われちゃしょうがないわね。ちょっと待ってなさい」
・・・そうして私は、携帯の電話帳から見繕う。とは言ったものの・・・、クラスメート以外の番号なんてあんまり持ってないというか・・・、
「・・・(仕方ないか) 」
そうして私は、眷属となってから増えた番号に掛けてみる。結果は・・・、
「おい、どうだった? 」
「ええ、一応、大丈夫だったみたいだけど」
「・・・それで、一体どういう相手なんだ? 」
「んー、それは会ってからのお楽しみ・・・、じゃ不満そうね2人とも」
当たり前だと言わんばかりの2人。
「「察してくれ」」
「なら、仕方ないわね。 知り合ったのは、割と最近なんだけど、正直やりずらい相手だったわ」
「珍しいな、お前がやりずらい相手だったなんて」
「正直あれは、誰でもやりずらいと思うわよ。なんていうか、いくら斬り刻んでも殴っても吹っ飛ばしても焼いても凍らせても、勝手に再生しながらどんどんどんどん大きくなる壁を相手にさせられてるような、まさしくそんな感じ。別に例えるなら、ドSを抜いて底なしの母性、ただし男を堕落させるをぶち込んだ姫島先輩」
「なんだそりゃ!? ドンだけ包容力あんだよ」
「アレか、全部してあげますからアナタは何もしなくても良いんですからね的なアレか!? 」
「私と波長が合わないのわかるでしょ、ホント。・・・そういえば、私の制服見て懐かしいとか言ってたわね」
「懐かしい? 」
「えぇ。
「ち、ちょっと待って、二大お姉様をちゃん呼びですって!? 」
そこを聞いた途端、今まで話に入ってなかったのに入って来た片瀬さん。
「いきなりなによ」
「ご、ごめんなさい」
つい、じろりと睨んでしまった。
「なんでも、今の三年生が一年生の時の三年生、だそうよ」
「それは、期待していいんですなクロナ女史? 」
「何で女史よ。まあ・・・期待して良いんじゃないかしら」
「・・・いいのか? 」
「仕方ないでしょ」
そうして、授業開始となった。
・・・Side,Out.
「・・・ンな事があったのか」
「ええ」
・・・時間は放課後。結局、兵藤にあった事をクロナは俺に言ってしまったんだが、別に問題ないのかそれは?
「多分大丈夫でしょ」
「なら良いんだが。それにしても、ずいぶん切羽詰まってやらかしたみたいだな部長は」
「みたいね。・・・眷属の先輩として何か知らないかしら木場くん? 」
そのタイミングで木場・兵藤・アーシアの3人と合流した。
「・・・部長のお悩みなら、グレモリー家に関わる事じゃないかな」
「あ、高島先輩、それにクロナ。それで、朱乃さんなら知っているよな木場? 」
「確かに、朱乃さんは部長の懐刀だから、もちろん知っているだろうね」
すると、部室の扉の前で何かに気づいた風な木場。
「ん? どうした木場」
「・・・僕がここまで来て初めて気配に気づくなんて・・・、まいったね」
「・・・お? 」
部室の中にはいつもの面子の他にもう一人、初対面な銀髪銀眼なメイドがいた。・・・外見的には、人妻属性を足した某メイド長みたいな。
「・・・全員揃ったわね。部活の前に少し話があるの」
「なんだ部長、藪から棒に」
「お嬢様、私からお話しましょうか? 」
「結構よグレイフィア。・・・実はね、」
「おーい木場ー、借りてたモン返しに・・・、んあ? 」
部長が何やら話を始めようとしたその時、部室の外からは聞いたことあるような声と、いきなり炎と共に出現したどっかの紋章(木場曰く、フェニックス、らしい)そして、その紋章の中から現れたのは雑に言ってホスト屋の三番目に人気がある奴・・・、方向性的にはいわゆるちょい悪系みたいな外見の金髪男。ソイツがあまつさえ、『久しぶりだな、愛しのリアス』などと宣いやがったのである。・・・微妙に不憫なのは、扉一枚向こうで蚊帳の外にさせられた“アイツ”だろうと思う。で、いきなり来やがったコイツ(グレイフィア女史曰わく、名前はライザー・フェニックスで、フェニックス家三男で、部長の許嫁らしい)が何をしに来たかと言えば・・・挙式を何故だか前倒しにしようとして来たらしい。それ(来てからの態度)には、さしもの姫島でさえ、社交辞令の薄皮一枚捲ったら怒りが渦巻いてるのが見て取れる。・・・で。一触即発の部長とライザー野郎を止めたのはグレイフィア女史の威圧だったりした。ライザー野郎曰く、彼女は最強の
「・・・それで、どうすんだグレイフィアさんとやら? 交渉決裂となった訳なんだが」
「・・・貴方は? 」
「・・・高島奏司。リアス・グレモリー部長の
「クロナ・エヴァンジール。 赤龍帝こと兵藤一誠くんと同じくリアス・グレモリー“様”の
「・・・おいおいリアス・・・。コレ、どうなんだ? 」
「知らないわよそんなの。私の下僕になる前から付き合ってたんだから」
「そうか。だったら、しゃーないな」
「そうね仕方ないわね。で、グレイフィアさん? どうなるんですかね、オチは」
「・・・仕方ありません。一応、こうなる事も予想しておりました。お嬢様、どうしてもご自身の意志を貫き通したいのでしたら、【レーティング・ゲーム】で決着をつけてはいかがでしょうか? 」
・・・そんな提案(明らかに既に下拵え済み)をしたグレイフィア女史。
「レーティング・ゲーム? なんだそりゃ姫島」
「下僕同士を競わせるチェスのようなモノですわ」
「主人が下僕同士競わせるチェスのようなモノ・・・? 何やら某手ごわいシミュレーションのようなノリを感じるな」
「近からず遠からずといった感じですね」
「本来なら成人した悪魔同士のみ参加出来るものですが・・・」
この絵面になってで初めて喋った塔城。
「そうでなくても非公式に執り行われる場合もある。例えば・・・」
そこで説明に割り込んだライザー野郎。
「・・・身内同士でのゴタゴタ、もしくはいわゆる御家同士での騒動の解決手段ってヤツよ。つまり、お父様方は私が拒否する事も考慮の上ゲームの準備をしていたみたいね・・・。全く、どこまで私の生き方を弄れば気が済むのかしら・・・! 」
「では、お嬢様はゲームも拒否すると? 」
「まさか、こんな好機はないわ。・・・いいわ、ゲームで決着をつけましょうライザー!」
・・・部長はレーティング・ゲームを受ける事になったんだが、どうやら向こうは経験やら勝ち星も多いらしい。それはそれとして、こっちの眷族はここにいる面子で全員か、なんて事を部長に聞いてくるライザー野郎。
「・・・だとしたら、どうなのかしら」
「(・・・正確には、後一人
「・・・いくらなんでも笑われる筋合い無いと思うのよ、私」
「奇遇だなクロナ。俺は国語の成績が良いんだ。だから展開が予想できた」
ライザー野郎の考えてる内容に腹が立ったのか氷結魔術で拵えた花弁状の矢を構えたクロナ。
「おっと、こんな短時間で大した腕だなお前。とはいえ・・・」
「とはいえ? 」
「せいぜい、俺のかわいい下僕の相手になりそうなのが一人から2、3人に増えた程度じゃないか。
・・・見せてやろう」
そう言うと、頼んでもないのに指を鳴らしたライザー野郎。すると、デカい魔法陣が現れそこから巻き上がる焔と共に、ゾロゾロいっぺんにチビ助から大人の女性まで格好の方向性がいろんな奴ら(全員美女・美少女)が出てきやがった。
「・・・15人、全駒一つずつのフルメンバーかい」
「・・・奏司、私達眷族入りして正解だったわね」
「・・・だな。今でさえ十五対七で約2対1なのに、3対1になっちまうからな。さすがに辛いぞそれは。・・・・・・何でお前は泣いてるんだ兵藤」
「・・・同感だ。お、おいリアス? この下僕くん、さっきから大号泣してるんだが」
「・・・その子の夢がハーレムなの。ライザーの下僕たちを見て感激したんだと思うわ」
「・・・自分らントコは良くて憧れるンは下品とかどんなダブスタだぁおい? 」
部長の解説を聞き最低だの下品だの小声で聞こえたので反射で疑問をぶつける。そん時の声音やら圧やらがアレだったのか、ビクッとなるライザー眷族複数人。
「おいおい・・・、俺の可愛い下僕達を怖がらせないでくれないか? 」
「そりゃすまなかったな。・・・・・・クロナ」
「何よいきなり・・・んゥっ!? 」
何を思ったか、【ミハエ】、だとかいう何でかこのご時世に十二単を着た女子を呼び(ライザーの眷族が出てきたのは部室の戸の真ん前。ソファーやらなんやら、ライザーの今立っている位置とは離れている。)、目の前でイチャつき始めるライザーの野郎。当たり前と言えば当たり前だが、ヤツの女の扱いも手慣れたモノで、やってる事はいわゆる長めのフレンチキス+αだけなのにされた側は段々蕩けた表情と声になっていきやがる。なので、アーシアの両目を刺激が強すぎるからと両手の平で隠していたクロナを呼び不意打ち気味にその場でライザーと同じ事をした。・・・理由? 見せつけてくるのがイラっと来たからだよ。
・・・しばらくしてライザーとソイツの行為が終わると、力が抜けたのかへなへなと倒れ込んだミハエ嬢。どうでも良いが、ミハエの字はアレか、南風と書いてハエか?
「・・・・・・ぷはっ。もう・・・、いきなり何よ」
「・・・ほう、リアスの眷属の中では一番真面目そうに見えたんだが、中々のテクニシャンだなお前」
「そりゃそうだ、散々経験値積んだんだからな。・・・コイツ以外にも」
「・・・そういえばそうだったわね。私、アリシア、他にどれだけいたかしら? 」
息が荒いまま指折り数えるクロナ。
「・・・アリシア? 高島先輩、それが例の? 」
「・・・ああ。フルネームはアレクシア・デュルフェ、彼女が前に言ったアーシア・・・、
「それで? そっちの
「差異は何点か。金髪じゃなくダークグレイ、レーティング・ゲーム前に性能バラすのはダメだよな部長? 」
「当たり前じゃない」
「いーや聞くまでもない。今までの消去法からいって、
「何でわかったんだ? 」
「なーに、簡単な話さ。リアスの
「それに? 」
「
その説明で合点がいったからか、手のひらを逆の握り拳でポンと叩く兵藤。
「なるほどわかった。あとな、兵藤が何か言いたいそうだぞ」
「・・・へ? わかります? 」
「握り拳作ってわなわな震えてりゃそりゃわかる」
「じゃ、お言葉に甘えて・・・、やいライザー! さっきのあれはアレか!? お前には一生こんな事出来まいとか思ってやってたのかオイ!! 」
「思っていたが何か? 」
「・・・あークソ!!ソッコーで肯定しやがって余計腹立つ!! どうせ、部長と結婚した後も他の女の子らとイチャイチャすんだろーが!! ンな女ったらしなんかと部長は不釣り合いだ!! 」
マジ切れモードに入った兵藤。同感である。
「・・・・・・ハァ」
「な、なんだそのため息は!? 」
「あのなぁ・・・、英雄、色を好むって言うだろう? それにお前、ハーレムに憧れているとかいう癖に、“こう”、なるのは否定するとかどういう理屈だ? いや、これは大真面目に」
正論といえば正論、そんなことを言うライザー。そこで、話の部外者から意外な割り込み(部室の戸を開けて)。
「・・・異議あり!! ・・・・・・あ」
「・・・・・・えぇっと、リアス、彼女は誰だ?? 」
「うるせぇ! 不死鳥だか三男坊なんだか知らねーが、お前みてーなチャラ男とリアス先輩が釣り合わねえっていうのは全面的に同意だイッセー! 」
・・・割り込んで来たのは、金髪ショートをポニーテールにした快活そうな女生徒。右腕には風紀委員の腕章・・・、と名前に“木場悠斗”と書かれたノート数冊。
「・・・えぇと、クラリッサさん、後でも良かったんだけど」
「なーに言ってやがる木場! 借りたらその日の内に返さねえとだろ? 」
「確か、木場と同じクラスの・・・、」
「・・・駒王学園二年A組クラリッサ・アーヴィング。因みに愛称はクレアだったりする」
「・・・で、こりゃどういう状況なんですリアス先輩? 」
「・・・ところで、背中に吊るしてる“ソレ”は何なのかしら? 」
何やらクラリッサが背負ってるのに気が付いたグレモリー部長。
「あーはいこれですか、・・・別にいいんですが、何というか咄嗟に出しちゃったというか」
そう言って背中の背負い袋状の革製の鞘から抜き、更にもう一度鞘から抜いた。途端にその場にいたほぼ全員がたじろいだ。・・・木場は明らかに眼光に憎悪の感情が湧いてきた。
「・・・おいおい、マジか」
クラリッサが取り出したのは彼女の背丈以上の長さの長剣。・・・そこに“在る”だけで、ジリジリと灼くような熱を感じるのは気のせいではないはず。
「・・・聖剣、ですね」
「・・・あぁ、銘はガラティーン。騎士王アーサー・ペンドラゴンの甥、サー・ガウェイン卿の佩刀だ。でもってオレんちのご先祖様だ」
「・・・危ないから早く仕舞え、頼むから」
慌てた風なライザー。そりゃわかる。
「・・・色々グタグタとなったが、レーティング・ゲームなんぞ待ってらんねえ! 今ここでぶっ飛ばしてやらぁ!! 」
そう言ってブーステッド・ギアを出す兵藤。 ギョッとなったクラリッサ。
「はー、めんどくさ。・・・やれ、ミラ」
「・・・はい、ライザー様」
呼ばれて前に出てきたのは胴着に赤い上着な格好の、青髪を象形文字の【木】みたいな髪型にした背のちっこい女子。両端を布で覆った棒を持っている。
「・・・・・がっ!? 」
・・・勝負は一瞬、兵藤が反応する暇もなく肉迫し、一撃で天井に跳ね上げられカタがついた。
「あーららー」
「・・・一応言っておくが、ソイツはミラ。俺の眷属の中では一番弱い、駒で言うなら兵士の駒一つだ」
がっかりしたような感じのライザー。
「・・・ち、ちくしょう。部長、すんません」
「・・・全く。いくら伝説の神滅具、
・・・そんなこんなでライザーと眷属一同は帰っていった。
・・・To be Continued.
如何でしたでしょうか? 個人的話ですが、今年は本当に疲れました。
あと、ライザーのいきなりイチャつきを美南風嬢にした理由ですが、原作ではイル&ネル、アニメじゃユーベルーナとなってるのはハイスクールD×D読者なら既知でしょうが、美南風嬢は双方マトモに見せ場なし。でもってWIKIではモブ扱い。なんだなーと思いまして、はい。
それでは良いお年を。