前略こんにちは861です。
それではどうぞ。
第十話【悪魔と一般人(?)の二重生活】
・・・そんなこんなで堕天使一行の案件は解決したわけで、多少なりとも平和が戻って来た。だからと言って、特に変化があった訳でも・・・、
「・・・いや、あったか」
時刻は放課後、因みに本日弓道部は朝練だったんだが他のとある部員曰わく、
『いやいや、明らかにおかしいから。そもそもなんでそんなにグサグサド真ん中中るんだ!? 』
・・・だそうな、こっちとしては何でかは知らんが。それでもって、もう一つ。今回の案件の
「・・・それにしても、“アーシア”ねぇ」
こっちを見て、意味ありげな顔をするクロナ。因みに、そのアーシアは兵藤と一緒にチャリに2人乗りでチラシ配りである。
「お前もアイツを思い出すか、俺もだがな」
「アイツ? ・・・そういえばソウジ先輩、クロナ先輩が言ってましたね、教会に殴り込みしにいったのを知ったら卒倒してしまう人がいるとか何とか」
二人の話に割り込んだのは塔城。
「そうそう、それそれ」
すると、噂をすればなんとやらか、二人が戻ってきた。
「今戻りましたー」
「噂をすればね」
「「噂? 」」
「噂って程でもないんだがなアーシア、お前と色々被ってるヤツが
「え、高島先輩二股かけてたんすか!? 」
真っ先に反応したのは兵藤。
「私と、被ってた、ですか? 」
若干遅れて困惑気味なアーシア。
「そうだ、・・・ちょっと待て、絵に描く」
鞄の中から目的全く自由のノートを取り出し、“ソイツ”の全身絵とバストアップを。流石に色は付けられないのでシャーペンのみで。
「・・・意外な特技ね」
「そりゃどうも。・・・よし、描けた」
「で、彼女のフルネームは“アリシア・デュルフェ”。ついでに言えば、アーシアが後衛ヒーラーなら、アリシアは前衛聖剣士。奏司の
「さて・・・、短編劇場、[報告]。・・・おー、アリシア、元気してたか」
実際に報告したらどうなるかを寸劇で再現する。アリシア役はクロナで。
『あ、お兄さんお久しぶりです、どうかされたんですか? 』
「・・・そうだな、太もも丸出しのタイトスカートはいた赤毛シスターに追いかけ回されてな」
『あー、なるほど。なんというか申し訳ないです。・・・それはそうと』
「なんだアリシア」
『えぇと、その、気のせいならそれでいいんですが、お兄さんから、こう悪魔的な気配がするような・・・』
流石はクロナ、ほぼ真逆と言っていいアリシアを器用に演じてみせた。
「そのことなんだが、色々あってな、ついこの間からとある上級悪魔の下僕悪魔やってるんだよ、これが」
『・・・・・・え、お兄さん、どうして、そんな』
「ざっくり言うと、俺の住んでる街にやって来た下っ端堕天使のバカ共のせいでとある後輩が3度死にかけた。その内の二回目に偶々出くわしてな、こっちも危うく死にかけたところで・・・、こんなのが俺の身体に眠っていたのが判明したわけ」
そう言って、ギアーズ・アクセラレーターを展開する。
『・・・あの、なんですか、それ? 』
『さあな。俺の“王”のヤツ曰く、“セイクリッド・ギア”とかいう代物なんだとさ。で、今さっき言っといた後輩にもセイクリッド・ギア、しかもとんでもない代物が宿っていてな・・・って、アリシア、おい大丈夫か?? 」
『・・・・・・はっ!? すすす、すいません、頭がパンクしかかってて、話についていけなくて意識トンでました! ・・・、あと、一ついいですか、お兄さん? 』
器用に気絶する演技までこなすクロナ。
「なんだアリシア? 」
『そもそも、どうやってお兄さんがその眷属悪魔? になったんですか? 』
「
『・・・便利なモノがあるんですね、便利かどうかは知りませんけど。ところでお兄さん、今お兄さんの
「旧七十二柱第56位グレモリー家次期当主、リアス・グレモリー、同じ三年生だ。外見的にはさっきの赤毛シスターの髪色を真っ赤っか、血の色並みに真紅にして、目は碧にしてーっ、てとこだな。・・・おいアリシア、なんだその冷め切った目は。何が言いたい」
『・・・あまり言いたくないんですが、ご主人様が同学年ってどうなんです? さすがにそのリアスさん? と主従兼恋仲にはなってないとは思いますが』
「そこ重要か? あと、なりかかってんのは兵藤の方だ。どちらかと言うと、主に“王”と“女王”からは急に出来た弟を可愛がる姉的な絵面と、同年代の妹か何かみたいに甘えてくる“
「・・・そういう風に見られてたんすね」
『・・・あれですね、男性全然いませんね』
「俺と兵藤、でもって
『・・・それはそれとして、今は下僕悪魔されてますけど、いずれは自分の駒持てるまでに昇給するんですよね』
「そりゃあ、いずれな」
『・・・お兄さん、その時は私も、末席の兵士で構いませんから、お兄さんの眷属に入れてくださいね』
「そりゃあ、言われるまでもないが・・・、だいたい、お前が兵士とか役不足すぎるだろ、あと、それまでに俺に名前呼びできるようになってりゃいいな」
『・・・とりあえず、【ご主人さま】? 』
「・・・すまん、シスターにご主人様呼ばせとか、それは俺の良心に響く。あとな、俺の眷属なるのは良いとして、教会どうすんだ? 」
思わず顔を背け、己の顔を右手で覆うが別に、鼻血が出そうになった訳じゃない。
『・・・その時は、お兄さんの子を孕んで大きくなったお腹を見せに行くだけです♪』・・・あー、本っ当疲れたわ」
そうして寸劇終了。それはそうと、なにやら考え事中な部長。
そうこうしているうちに、本日の契約タイム。今日からアーシアも依頼をとる事になったそうで。一緒に塔城も行く事になった。で、その少し後にクロナへの依頼。自分で開いて
「・・・ありゃ、クロナどうした? 」
「・・・奏司、召喚者からの伝言。『転生悪魔なってたのは意外っちゃ意外だけど、久々に積もる話もあるし、奏司を喚んでくれないか? 』 ・・・ですって。彼、あなたの知り合い? 」
「あー、アイツかよし、クロナ跳ばしてくれ」
その言葉にピンときた俺は、直ぐに転移した・・・。
「・・・よし、ついた。さて、電話番号変わってなきゃいいが・・・、『・・・・・・、もしもーし、俺だ、奏司だ』
すると、
『・・・はい、もしもし、えっと、お義兄ちゃんの元ご友人、でしたよね』
『・・・誰だあんた。つーか、今どこにいる』
・・・応対したのは知らん少女、なんというか、しっかり者だけど甘えたがりとか、そんな感じの声。【お兄ちゃん】というからには、アレの妹なんだろうが。
『あ、私、
『・・・そういや、再婚したんだったなアイツんち、よりにもよって中学卒業間近とかそんな時期に』
・・・思い出すのは、中学生最後の数ヶ月にウチの中学に突如やってきた知らん親子と、義父と義妹が増えたのをクラスメートに突っつかれててなんとも複雑そうな顔の翔梧。それでもって、卒業式でガチ泣きしていたアイツの義妹。
『そうです、その
『・・・で、あんたのお義兄ちゃんはなにやってんだ』
すると、なにやららしどろもどろな義妹。
『え、え、えっとですね・・・、お義兄ちゃんはその・・・、「緋彩、交代。」今、替わりますね。』
・・・やあ、三年ぶり奏司、元気してたのは、クロナさんだっけ? 彼女から聞いてるよ』
スピーカーから聞こえてきたのは、懐かしい旧友の声。
『そっか。それでもって、今、義妹に携帯預けて何やってた? 』
『んー、クロナさんの話聞いたら筆がこう、赤信号から青信号に変わってガガッと加速したみたくなってね、緋彩に携帯預けて一気にバーっと』
『・・・相変わらずの、テンションhighのルー化だなあ全く。それでだ、翔梧。義妹に携帯預けて何やってたんだ? 物書き程度ならしどろもどろになる訳ぁ無いはず何だが・・・』
『あー、そういうこと。・・・ぶっちゃけ、僕の書いてるのって分類は一応ラノベだけど、所謂ジュブナイルポルノだから、うちの
あっけらかんと語る我が旧友。
『・・・おい待て、ジュブナイルポルノ?? 』
『そうだよ? 暇を持て余してボケーッとしてた時があってさ、頭にこう、唐突に映像じみたアイデアが降りてきてさ、気がついたらあっという間に文庫本一冊。とりあえず、某小説投稿サイトにそれを投稿して、あちこち手直ししてたら、色々あって付き合い始めた子のアドバイスで新人賞に投稿したら』
『めでたく学生作家誕生か。まるでマンガだな』
大したことだと思うが、それとは別として。
『事実は小説よりも・・・ってね。因みに、小説の中身の前半は実話だったり』
それこそ小説よりも奇なりっていうヤツだ。そうこうしているうちにいつの間にか校内をぐるぐる周って図書室の前。で、いたのは焦げ茶色のウルフなんたらとかいう髪型の女子・・・、目が合って頭を下げた所から、交代するまで話していた菱村緋彩だとかいう
「・・・お久しぶりです。えっと、卒業式以来、でしたよね? 」
「確かにそんくらいだな」
「・・・ええっと奏司さん? さっきからどうして私の事・・・」
「あー、すまん。ずいぶんとまあ、大人っぽくなったなあと」
「あはは・・・、よく友達に言われます。着替えてる時とか特に」
「だろうな」
・・・髪を長くした某、主人公とヤったエネルギーで変身するくノ一(先輩の方)に似てるなと思ったのは内緒である。
「・・・やあ。随分とうちの義妹と仲良くして」
そうして、図書室の中から出てきた我が旧友。前に聞いたが曰く、青髪黄色眼は隔世遺伝らしい
。
「よう翔梧。相変わらず年下ハーレムか? 」
「いつの話さ奏司。そっちこそ、絶賛処女撃墜スコア更新中だってクロナさんから聞いたよ? 」
「・・・え?? しょ、処女げ撃墜スコア更新中!? 」
まさに吃驚仰天といった風の緋彩。
「なんだ、クロナからは聞いてなかったのか」
「あの、私はその時その場にいませんでしたから。・・・それにしても、その、撃墜スコア更新中って、一体何をどうしたら・・・」
聞いた途端、顔真っ赤にしてチラチラ俺の股間に視線を向けてくる緋彩。
「あー、俺の初契約をした相手が、どっかの高校のチアリーディング部の女子でな。いわゆるアレだ、リアル“処女ビッチ”ってやつでな」
「処女ビッチ? 」
「・・・外見は派手目でかなり遊んでそうなのに、躰はまだ男を知らない。確かそんな女子を表現するスラング、だったわよね、菱村君」
「・・・こりゃまた堅そうな」
「紹介するよ。彼女は
「・・・はい♪ 私は、翔梧さま専用の性奴会長です♪ ・・・なんですその目は!? 優等生でいるのは疲れるんですっ! 生徒会長はストレス溜まるんですっ! それを誰もいない生徒会室でバイブで自慰してストレス発散してたら彼に見つかって、そのまま口止め扱いで一時間半ぐらいぶっ通しで翔梧君と子宮がパンパンになるくらい初体験して、それが気持ちよすぎて頭がバカになっちゃって、
『私、アナタ専用の牝ペットになります。だから、もっとイジメて下さい』
とか言っちゃって、そのまま今まで関係続いていて何が悪いのよっ!? 」
「・・・いや、誰も聞いてないから。なあ、義妹」
「・・・そんな事言われましても」
・・・ピシッと真面目なのかと思いきや、我が旧友に対しては媚び媚びな語尾にハートマークがくっ付いてるような態度を見せ、こっちの何とも言えない視線を感じては、聞いてもいない己の馴れ初めをベラベラと語り始めだした自称生徒会長兼翔梧の彼女(彼氏彼女というよりは、翔梧が主で向こうが従、むしろ調教済み)の鈴原詩音。・・・外見的には眼鏡を掛けた某練餡氏のエロゲの異性の顔を覚えられない主人公の某許嫁(ただしポニーテールは解いている)に見えたり見えなかったり。ついでに言えば、真横で
「・・・あー、なんだ。前半分実話って、
「正解。流石に他の生徒会の面々には、手を出してないけど、さ。それで、そのチアリーディング部の子の話」
「まあ待て翔梧。とりあえずこん中で話そうか」
「・・・今更すぎません? 」
「だからこそだ。さっきの生徒会長の聞いてもいない告白はともかく。・・・さて、それはそれとして話の続きだが」
そうして4人で図書室の中へ。各々適当に座る。
「・・・ちょっと待って。とりあえず、貴方ががどうしてここにいるのかは教えてくれないの? 」
「どうしてここにとか言われてもな・・・、喚び出されたからとしか、な」
「呼び出された?? 」
「そう。彼よりも先にクロナさんが僕に召喚されて、話題が出たから彼を再召喚した訳さ」
「本当に、世界は広いが世間は狭いというアレだよ全く。で、本題に戻るとだ。・・・ほら、真ん中で俺と一緒に写ってるコイツ。なんでも、実際は処女なくせに経験豊富なふりしてたらしくてな。昔風に言えば耳年増とかいう奴だ」
そっちの方が理解が早いかと、最後に全員で撮った写真を見せ、人差し指で召喚者を指差す。
「・・・あ、だから、奏司さんを喚んだワケですね。・、、もしも他の部員の皆に見られても、同じ学校の生徒ならすぐ裏が取れますけど、学校が別なら、それだけ広い範囲でセフレ? がいるって事でごまかせますし。色々考えたんですねぇ、その人」
「・・・バレるなら本当にしてしまえとか、なんというか、アレね、上級生の見栄? 」
若干呆れた顔の生徒会長。段々、イライラ度が増しているようにもみえる。
「で、コイツ宍戸茜っていうんだが、コイツの相手している途中から、部室の外もとい閉めていたはずの部室の戸の隙間からヒソヒソ聞こえて来やがってな、終わって宍戸がぐったりしてるとこに指摘したら両方びっくり仰天だ」
「・・・何でそれが聞こえてたのよ」
「眷属悪魔になった事で身体能力が思いっきり強化されたんだよ。・・・ってあんたがコレ知る訳なかったか」
今更のように悪魔の羽をバサリ。それに対しおもいっきり驚く生徒会長。
「・・・・・・え?! 」
「・・・いつから? 」
「4月の前半、ついこの間からだ。説明するとかなーり長くなるんで纏めると、こうだ。一つ、後輩が夜の公園で堕天使のおっさんに光の槍で刺された場に遭遇した。二つ、そのおっさんと戦闘開始するも俺も片脚ぶっ刺されてピンチな所で、一か八か悪魔喚ぶチラシ使ったら悪魔の代わりにコレがでて、その直後に本当に悪魔、しかも同学年二人と二個下の女子合わせて3人が召喚されやがった。三つめ。次の日、その堕天使に刺された後輩と今言った同学年の片方が一緒に登校して来た場面に遭遇、・・・こっちがそのおっさん堕天使に刺される前に、別の女堕天使にセイクリッドギア、しかもロンギヌス級なのを宿してた為に、放課後に告白からの週末デート後に殺されて
つで転生した。説明終わり、細かい部分は直接聞け」
ざっくり纏めて、それぞれの写真を見せながら説明する。それでもって悪魔喚ぶチラシ三枚を置く。それでもってポカーンな生徒会長。
「・・・ええっと、どこから突っ込んだらいいのかしら」
「知るか。さて続きだが、こっちの指摘に部室の外にいた連中がぞろぞろ中に入って来て宍戸をおちょくる奴現る、と。さっきまで処女だったくせにどうしてあんなに知ったかしてたんですか的な」
「・・・それは、お気の毒様」
「で、契約云々まで聞こえてたらしく、別の奴がいくら処女捨てたかったとはいえ、流石に援交はマズいですよねー、ヤバいですよねー、ってんで、何故か口止めとして俺がそいつ等の誰か一人とヤる羽目になった。で、流れで3人目終わったくらいで、他の連中全員発情していて順番待ち状態になってな、危険日の子は後ろの穴で・・・、とか言われたんだが、知るかとばかりに部室内の全員前の穴にぶち込んでやったんだが、恥じらいは無いのか全く。安心しろ義妹、避妊は万全だ。そういう魔術もある」
よっこらせと立ち上がり、帰ることにした。
To be continued・・・.
・・・如何でしたでしょうか? 今回は今までよりかなりどぎつい表現を使わせて頂きましたが、そもそもどの程度までセーフなのでしょうか。それはそれとして、今回は正直面倒な回でした。一度圧縮させて書いたものを、広げて細かく描写する必要があったのでしたから。