Fate/a legend of concerning sunny days
ヘブンズフィールルートから派生したオリジナルジャスティスルート後の衛宮士郎のおはなし---
なにより大切だった筈の女性ではなく理想を選んだ。
自分の一番大切な人すら犠牲にするその道を選んだことが失敗だったのか・・・
数多の戦場を渡り歩き、たくさんの人を救った。
それでも、満足することなど出来るはずがなかったのだ。
彼女を見捨て、手を伸ばすのをやめてまで理想を選んだのだ。
だから、衛宮士郎はどんな事をしても正義の味方にならなくてはならない。
すべてを救う事のできる正義の味方に・・・
そうして彼女を見捨てたことを後悔しながら理想を張り続けた。
だからだろうか、後悔をしながら理想を貫く。
そんな矛盾をしたからなのか、その想いが叶うことはなかった。
この死の間際でも考えるのはその事ばかりだ。
殺してしまった彼女への冒涜であろうことは分かっていた。
それでも、もう一度、あの選択をするなら俺は---
だが、過去は覆らない。
俺は、理想を貫き通せただろうか?
もういいよな・・・切嗣、桜
俺、頑張ったよな。
だから、もう休んでいいよな?
ああ、もう命が残り少ないことがわかるからこんな事を考えてしまったのか・・・
最後に、少しくらい俺の願いを言うくらい良いよな。
過去は変えられないけど、もしもう一度、大切なものを見つけたならもう二度と手を伸ばすことを止めたりしない。
どんな事をしても守り抜いてみせる。
『 その言葉を聞いて安心したわ---
あんたも、私たちと同じ人間だったのね。
あんたは、桜を見捨てた・・・
だけど後悔しながらもこれまで理想を貫いた。
それは認めてあげる。
だけど、あんたをここで楽にはしてあげないわ。
それが、あんたへの復讐よ。
衛宮くん、別の世界で苦しみながら生きなさい 』
『 と・・さか・・・、何を・・? 』
『さようなら、士郎。良い旅を---』