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第二話俺、ピンチ!
さて、絶賛危険値上昇中な俺とイタチなわけだが…
とりあえず、イタチの入ってるゲージは開けとこう。いざと言う時は、こいつを囮にしよう。
「ほれとりあえずでておけっ!!」
急に耳鳴りがする。
幻聴が聞こえ、今は耳鳴りがしたし…実は俺の身体って何か病気にでもかかってるのか?
「何か外が変なんだが…」
外がなんとなく変な感じになった気がする。気のせいかもしれないが。
って急にあの怪物が襲ってきたーー!
「逃げるぞ!イタチ!」
窓から飛び出す俺とイタチ。
何となく気になって後ろを振り返ると、其処には見るも無残な姿になったゲージの姿が!
…あと少し反応が遅れていたら俺らもああなったのか…
とそんなことを考えている内に、外に出れたがあの怪物はまだ俺らを追って来ている。
「きゃ!」
女の子の悲鳴が聞こえた。
あれは、昼間の子か…そんな事を考えてる暇はないだろ俺!
イタチは木の方に逃げたから俺は反対の方、つまりあの女の子の方に走る。
「君は…」
「また会ったな、えっと……少女!」
名前が思い出せないというか、聞いた気がしない。
俺がそんな事をしてたら、後ろで凄い物音がした。
咄嗟に振り返ると、見事に叩き折られている木と、それを折った犯人らしいあの怪物が其処に居た。
あと、上手く逃げれたらしいイタチも。
そのイタチは何を思ったか知らないが、少女目掛けて弾丸の様に飛び込んだ。
…あのイタチもしかしてヘンタイなのか? 女の子に飛び込むなんて。
「何々! いったい何!」
「良く分からないが、俺たちの命が危険で危ないっぽいよ。」
今俺が把握している事をとりあえず女の子言ってみる。
たぶん、何の役にも立たないと思うが。
「来て…くれたの?」
「「喋った!!?」」
喋るイタチ。
イタチが喋った。
余りの事に驚く女の子と俺。
…でも良く考えて見ると、俺の方がもっとトンデモ生物だよな。
獣人だし、喋るし、イヌ科だし。
とそんなことを考えている内に怪物が此方を巨大な目で見る。
「とりあえず…逃げるぞー!!」
「あ…うん!」
そして走り出す俺と女の子とついでにイタチ。
「行くぞーーー!」
超スピードで走る。
己の出せる最高の速度で走る。
「ちょっと、待って!」
何か声が聞こえるが気にして居る暇は無い。
あの怪物に追いつかれない様、走る。
風を超える勢いで走る。
そして、今の俺ならこの台詞を言える!
「全てを…振り切るぜ」
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うん、振り切りすぎたは、これは。
だって、もう此処…何処よ。
まったく知らない場所に出ちゃったよ俺。
どんだけ走ったんだよ。元の動物病院が何処だが分からないぐらいだ。
匂いで探せられないかやって見たけど、サッパリ分からない。
それに…
「グルルルルル……」
さっきのとは違う怪物とエンカウントしている。
なんのだよこれ。
アレですか、あの女の子とイタチを見捨てた罰だと言うのか?
まあ確かに、あれは俺が悪かった。
でもさあ…それでこれは酷くないか?
「グルルルルル……!」
だが俺がそんな事を考えている内にも、無慈悲に怪物は近づいてくる。
くそっ何か対処出来る方法は無いのか!
その時である!
颯爽と金髪ツインテールの女の子と…獣耳が生えたオレンジっぽい色の髪の女の子が
現れて怪物をブッ飛ばした。
「大丈夫?」
「あ…うん、まあ一応?」
金髪の女の子に訪ねられ、戸惑いながらも答える。
怪物を女の子がブッ飛ばしたと言うのが驚きだが。
「なんとか大丈夫だったみたいだねフェイト。」
「そうみたいだね。」
俺の知らない所で話が進んでるらしい。
なんかデジャブを感じる。
だが怪物はそんな事お構い無しに二人の女の子に襲ってくる。
「危ない!」
叫ぶ俺。
「フェイト!」
「うん!」
そこからはとてもではないが言葉で表現出来ない物だった。
あの怪物と二人の女の子による攻防戦だった。
否、攻防戦ではなく限りなく一方的な蹂躙に近い何かだった。
そして今息絶え絶えの怪物は俺にまた襲いかかって来た。
って何で! 何で俺の方に来てるの!
「フェイトあいつが!」
獣耳の生えた方が叫ぶ。
「お、俺の側に近寄るなーーーー!」
目を瞑りどごぞのボスの如く叫びながら、俺は渾身の力込めて右の拳を振るう。
何か当たった感じがするので、恐る恐る目を開けて確かめる。
割と遠い所まで吹っ飛んだ怪物の姿があった。
…何が起きた? 何か適当に拳を振ったら、怪物が吹き飛んでいた。
何これ? もしかして俺がこれやったの?
俺が戸惑っている内に金髪の女の子は何かしたらしく、怪物は何時の間にか消えていた。
「アンタ、今何やったんだい?魔法を使った用には見えないけど。」
「全力で打ん殴った?」
「何で疑問系?」
「嫌、俺自身も良く分からないし。てか魔法って何ぞ?」
正直に答える。
あと俺はまだ三十歳じゃないから魔法使いじゃないぞ。
…多分。
「嘘はついてないみたいだけど、どうしようアルフ?」
「とりあえず、話を聞いたほうが良いじゃない?」
何やら話が纏まったらしい。
「一緒にちょっと来てもらえる?」
「大丈夫だ問題ない。」
ドヤ顔で決める俺。
…そういや何処に行くんだろ?
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