Q.更新ペースは10日前後じゃないんですかー?
A.…正月風邪ひくと何もやる気起きないね…
第4話 俺、島を出ました。
「いつもすまんな
「いや、このくらいなら大丈夫ですよ。」
さてここで問題です。
俺は今どこにいるでしょうか?
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正解は…クロウ島でした!!
第4話 俺、島を出ました。
白い光が閃く。金属がすれ合う甲高い音が周囲に鳴り響く。
二人の影が高速で近づき、お互いの得物をぶつけ合う。その影の片方、神裂譜洛は剣を振い、もう一方の影である騎士甲冑、ランスは槍を振るう。
譜洛が右手に持つその剣は、剣に詳しくない人でも見とれるであろうほどの名剣。この
それに対してランスが持つのは血の如き赤き槍。英雄クー・フーリンの宝具であり、因果の逆転によって心臓へと必中させる呪いを帯びた槍、
そして振るわれたデュランダルは
譜洛とランスによる二人の戦いはすでに——半年前の訓練を終えた時点で——実戦もかくやという殺し合いに至っている。もちろん二人ともそれ相応の縛りはあるが。
「(チィ!!剣を受け止める瞬間に高速で振動させて威力を流したか…)ハァァァアアアア!!」
「(くっ…!?剣の腕前はすでにわたしを超えているか、しかし体捌きはまだ甘い!)」
剣と槍。それが打ち合ったと同時に譜洛は一歩後ろに下がり、体勢を整える。それは隙などではなかった。達人なら隙になる、といったものでもない。
しかし——ランスは強引にその一瞬をついた。
「うぉっ!!」
だが、譜洛はなんとか防ぎきる。譜洛の戦略は
そして二人は密着状態で剣と槍をぶつける。
デュランダルの白き刃。
白と赤が入り乱れ、金属音が鳴り響く。譜洛の吐息が漏れ、ランスは無言でこたえる。
そしてその成果は、いま実を結んでいる。譜洛の斬撃は飛び、斬鉄するまでに至った。またランスには及ばないものの、武芸者として体の運用法は1流の領域に達している。
「あ、ァァァぁぁあああ!!」
「………っ!!」
譜洛の気迫が、叫びとなって現れる。
『柔なき剣に強さはなし』
のちに世界最強の剣豪も同様のことをいうが、ランスはこれを教えていた。よって譜洛が叫びながら放ったその一撃は『豪』でありながら、『柔』としてのものだった。決して力押しではランスを破れぬがゆえに、その一撃はランスに届く。
だがそもそも人形であるランスには、人間の致命傷も意味はない。上半身と下半身に分かたれても、あくまで行動に制約が出る程度。したがってこれまでの特訓では譜洛の体力切れ、もしくは時間切れがその終了の合図だった。
今回、
ゆえに——— 一進一退。
二人の武は完成された芸術のように見えるが、実際は互いの命を削る舞、すなわち死神たちの
———……ゆえに結果が、勝者が決まったのは戦闘開始からわずか3分後だったというのは、必然なのだろう…。
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…何もやる気が起きない。
俺がランスに勝った。148敗の後の1勝をもぎとれたというのはすごい嬉しかった。…けれどそれが今までの生活を終わらせることになった。
ランスは契約によって現界…つーかまあこの世界に存在し続ける…らしい。ランスが蔵に戻るときに聞いた。ランスは宝具の1つでもあるし、ゆえに魔術師は意思のある強力な宝具を野放しには出来なかったんだろう。…契約を重んじる魔術師らしいやり方だな。
最初ランスに話しかけたのは「俺を強くしてほしい」ってのだったから、それが契約になったんだろう。だから俺がランスに勝って、それで契約が達成されたってことか。
…それを最後まで俺に黙ってたんだから、あいつホントいい性格してるな…。
…久しぶりだな、こんな感じも…
———……寂しいなおい…
■□
1か月経ってなにもしないのはランスにも■にも笑われちまう。とりあえずこの島で出来そうなことは終えた。それに海賊のレベルがどの程度かは分からないけど、まあこれぐらい強くなればよほど運が悪くない限り大丈夫だろう。
…俺の幸運Eじゃないよな?
はてさて島を出ようと思うが…むむっ、いいところに船が。この世界の文明レベルがどうなってるのか分からない以上、宝具で空を飛んだりとかはしないほうがいいよな。郷に入っては郷に従え、ってことで船に同乗させてもらうか。
…火を焚いたら来るよな?…おし来た来た。……あれが海賊だったり…はないよな…ないはず…。まあそん時はそん時か。
おお!話が通じる人で助かったぜ。それにただの商船だったしな。…ふむふむ、なるほど。この船の目的地はクロウ島なのかーへー。
…どこだよそこ。
改めましてあけましておめでとうございます。
少し遅いですが…。(まあ私が悪いんですけどね!)
戦闘メインの第4話。
筆がのって楽しかったです(小並感)
そしてテストやらなにやらあるので再び投稿遅れます。
申し訳ないでござる。