第百七十六話
パーソナルカラーとパーソナルマーク導入は思わぬ方向から後押しがあった。。
どこから聞いたのか連邦が導入に賛同してきたのだ。
別に意見されたところで採用が変わるわけではないぞ!と言いつつ意見を聞いてみるという誰得なツンデレをしてみた。
そして連邦の言い分を簡単にまとめると、なんかめっちゃ強い4機が見分けがつかなくてつらたんです、ということらしい。
はにゃーん様達ですね。わかります。
1機はマリオンズだけどな。
ついでにマリオンズも専用カラーを導入して欲しいそうだ。
ジオンからも同じ要望が来たから仕方なく採用……別にあんた達のためにするんじゃないんだから!……うん、キモイ。吊ってきます。吊って死ぬかは疑問だが。
「私達のカラーは蒼で決定ですね」
「既定路線です」
「宇宙の意志ですね」
「もし違っても私達が運命を曲げる!」
マリオンちゃんズに反対がないようなのでとりあえず俺色に染めてみる……なんだかとってもエロいです。
「遠目から見るとブルーニーさんと区別がつき難いですね。サイズは違いますけど同じガンダムタイプですし、可動砲を展開している状態ならわかりますけど」
「スカートでも着けましょうか、ドムみたいなミニじゃなくてロングの」
「ここはマントでしょう。以前にブルーニーさんが言っていたABCマントとか!」
「それ、技術的に無理って報告が来てますよ」
「じゃあ眼帯とか、中二病が疼きます!」
うーん、マリオンちゃんズのピッタリ張り付いたパイロットスーツ(マブラブオルタネイティヴ零式衛士強化装備仕様)で俺を誘惑する。
ついでに言うと他に男が居た場合のマリオンズはなぜか今の流行りはボトムスのパイロットスーツだったりする。
理由は俺にもわからん。
「エッチなのはダメだと思います」
「喧しい、毎日盛ってるアイナに言われたくないわ」
顔を赤らめて黙るぐらいなら言わなきゃいいのに。
と言うか毎日とは、お盛んですな。
リア充爆発しろ!……第3者から見れば俺もそうだろうけどな。
「か、彼女達は同一の存在なんですよね。なんで話し合ってるんですか?」
露骨に話を変えたな。
「マリオンちゃんズは同じだが脳は別々に動いているから忘れたことや覚えたことなどは全部バラバラに記憶されている。統合したとしてもマリオンズの情報は本体となるマリオンちゃんに影響を与えないから分身体との意見交換は結構重要だ」
わかりやすく言うと影分身じゃなくて、ただの分身の術ってとこだな。実体はあるけど。
つまり戦場の経験を無駄にしていたりするんだが仕方ない。
マリオンちゃんを手放すことから考えると些細なものだ……あまり強くなりすぎると俺の立場が危うくなる。……マリオンちゃんズは気にしないだろうが俺が気にするんだ!
「なるほど、そういうことですか」
「もっとも話し合わなくても意思疎通ができるんだけどな。俺達に聞かせるという意図もある」
(会話せずに意思疎通ができる?どうやってかしら……分身したりするんだから今更ね)
「パーソナルカラーはいいとして次はマークだが……」
「「「「もちろんブルーニーさんの横顔ですよ」」」」
半ば予感があったし、期待通りで嬉しい。もし違ったら号泣(オイル)するところだ。
しかしあまりにもワンパターン過ぎないか?
「きっとNEOのエンブレムみたいに効果が付くんです!」
「ALL限界突破とか」
「効果が大雑把過ぎるぞ。そもそもそんな効果があるわけ——」
いや、ちょっと待てよ?俺はこの世界がただの宇宙世紀だと思い込んでたけど、まさかGジェネの世界じゃないよな。
もしそうだとするとマリオンブートキャンプはGジェネで言う強化人間に改造してるのか?
ならGジェネオリジナルキャラもいるかも……是非コンプリートしたい!
と、話が脱線したな。
「じゃあ俺の横顔と……せっかくだから背景にマリオンズの異名の死神の鎌でもつけるか」
「「「「異議なし」」」」
ちなみに今のところ決まっているのは以下のメンツだ。
・リリーナ:カラーはピンク、マークはなぜか眠たそうな羊。
・クリちゃん:カラーは銅色(あかがねいろ)、マークはヴァルキリー。
・シーマ様:カラーは枯色(強制)、マークはバイコーン。
・黒い三連星:光沢のある黒……だけじゃ分かり辛いから胴体に差し色的に紫、マークは☆彡(強制)
色々ツッコミどころが多いな。
まさかのピンクザクならぬピンクサイコガンダムとか、微妙過ぎる。しかも眠たそうな羊とかやる気があるのか。
クリちゃんの銅色は文字通り銅のような色な、開発畑出身で銅が好きだったことから来てるらしい。そっちはともかくヴァルキリーは調子に乗りすぎじゃね?と思ったらはにゃーん様に勧められてのことだとか。
シーマ様の枯色は……うん、まぁ、なんというか……イメージ?もちろん伝えたら拳が飛んできた。
バイコーンはシーマ様が選んだんだが、2本の角は何を表しているのか。(意味深)
ちょっと下世話だったかな。
黒い三連星のマークは会心の出来だと思っている。本人達は嘆いてたけどな。
はにゃーん様はカラーこそ白と決めているがマークが決まらず、悩んでいるようで保留。ミルキー○モは著作権上と本人が断固として拒否されたので断念……さすがにマハラジャのストライキで脅されるとは思わなかった。
余談だがカラーはエースにしか与えられず、マークは個人を表すもので一定の階級以上になると許可されるものである。
つまりカラー>マークだ。
「アイナも登録するか?マークはもちろんシローの横顔だな」
「……し、しませんよ」
「返事に間があったしどもってるし、わかりやすいなぁ」
「し・ま・せ・ん!大体私がパイロットとして戦うことなんてもうないでしょう?」
「だったらいいが、正直わからん。突然連邦と戦争になる可能性だってないわけじゃない。その場合は臨時で戦場に出てもらうかもしれん」
ジオンは地球領は抑えていて、本土は距離という壁があるから簡単には攻めてこないだろうが連邦は地球こそ本土だから突然の宣戦布告がないとは限らない。
総力戦となる場合は苦肉の策としてアイナにも出撃してもらうかも……そんな事態になったらすでに敗北が決定してそうだ……なんてのは普通の国の話で、俺達なら大体負けはしないだろうが被害を抑えるために出てもらうかもしれない。
「ま、考えといて」
「もうしばらくシミュレーションなんてしてないので大人しく他に任せたほうがいいと思いますけど……分かりました。少しトレーニングしてみます」
「私達のヒールで体型維持できるからって怠慢し過ぎると私達が疲れるので頑張ってください」
つまりダイエットぐらい自分でしろということだな。
アイナが再び顔を赤くして逃げ出していく……もしかしてヒールを頼って食べまくってた?
「はい。食事量が1.4倍、デザートにケーキ2個が標準、おやつは3時間毎に、ですね」
めっちゃ食ってるな。
そらマリオンちゃんが苦言を呈するわけだ。
「ちなみにシーマさんはお酒の量が3倍になりましたし、ギニアスさんは食事の回数1日に1回に減り、睡眠時間も2時間程度と問題があります」
「……ハァ、1回集めてボコ……説教せにゃならんかな」
「お願いします。まだまだ余裕があると言って私達の燃料も有限ですからね」
食事がしやすくなったとはいえ、外では他者の視線を気にしないといけないのは変わり無い。
1番食事が摂りやすい宇宙のデブリ以前とは違い、観測がされるようになってきたからレインボーゴーストになっても好き勝手できない感じになってきている。
また海賊ごっこでもすれば色々手に入るんだろうけど、他の海賊が少なくなっていてちょっとやる気がでないんだよなぁ。
それに1番欲しいのは新型核融合炉だし……どんな味になってどんな効能があるのか気になる。
「ロシアから廃材を大量に仕入れてきて食材には困らないけど、鮮度がなんてんだな」
「冷凍ものっぽい味付けになりますからね」
どういう条件でそうなるかわからないけど、冷凍されると瑞々しさがなくなってちょっと損した気分。
宇宙の廃材はほとんど味が変わらないだけに残念だ。