お気に入り登録数150越え、だと……。
まだ三日も経ってないってのに、何ですかね? コレ。
息抜き半分お遊び半分で書いて、ハクの設定にいたっては風呂に入りながら『パンダヒーロー』歌ってたら考えついたやつなのに……。
もう、これメインで書いてもいいでしょうか?
第参話 カレの対面
皆さん、不老不死って残酷だと思いますか?
結構イイよ? 不老不死。
従者だけとの悠々自適な生活。PCとか携帯とかがあったらずっと引き篭もっていられるような生活。もう割と月日が経ったけど、うん。
飽きる気がしない。
勿論前世(しつこいけど、これでいいのか?)の記憶とか思い出とかを思い出して、親より先に死んだ事を嘆いたこともあるけどね、嘆いたところで僕の生霊が両親と妹の元に現れて土下座するわけではもないし、泣いても得るものは何にもないしね。
それに、元々さほど都会でもない所で生涯を終えた僕としては、こういうスローライフでも特に不便は感じなかったんだよね。携帯初めて買ったのが高校生の時っていう田舎者だよ。
寧ろハクという虚しくなるほど万能な従者がいる分、以前の生活よりずっと不便が無い。
一日中自由時間だけど、だからと言って飽きるわけじゃあないんだなぁ。新発見。
初めて知ったんだけど、僕は変わり映えしない生活の方が好みらしい。アドベンチャー野郎には向かないみたいだ。薄々感付いてはいたけどさ。
まぁ、悪くないと思うんだ。
寂しくないし、そもそも僕兎じゃないから寂しくても死なないし。
常日頃から従者がべったりくっついているんだよ? ハクがいないのは風呂の時と寝る時、そしてハクが家事をしている時とかそのくらいだからね。おまけに風呂に入っている時ですら、扉一枚隔てたところで直立不動で立ってるんだよこの従者。
想像してみてよ、風呂上りに服を着ようと扉開けたら、メイドさんが直立不動でこっちをガン見している。
僕的には全然美味しくない。
ていうか見るならともかく、見られるなんて嬉しくない。
おまけにそのままとっ捕まって身体を拭かれるんだから寧ろ恥ずかしい。僕にだって羞恥心くらいはあるんだよ。
寝ているときだって、ドアの前でずっと立っているんだよ。せめて背中を向けていてほしい。
こんなだから、寂しくなりようが無い。鬱陶しいとも思わないけどさ。
最近になるまでもなくわかったことだけど、ハクは表情に乏しい。
あと、僕を見つめるのが大好きらしい。
暇さえあれば、僕の顔を覗き込んでくる。零距離で。
彼女身体のある部分がものすごく大きいから、零距離で見つめ合うことになるとどうしても当たる。ていうか当ててきている。絶対三桁はあるよ、
僕の背丈は170ちょいで、ハクは180くらいなんだけど、ハクがちょっと屈んでも普通に僕に当たるんだよ、
嬉しくないとは言わないけどさ、僕もドキドキしたりはするんだよね。顔には出さないけど。ポーカーフェイスは得意なんだ。
ところでそんなハクだけど、最近ちょくちょく出掛ける。食糧確保とは別に。
本人は「蠅掃除」とか何とか言っていたけど、絶対
たまーにだけど、爆音が家
それでよくよく聞いてみれば、最近“メセンブリーナ連合”を名乗る連中がたかって来ているそうだ。
どこだ、そこ?
これでも社会学科の大学生だったから、世界地理には少しは明るいつもりだ。
詳しく聞いてみると、“魔法世界”にある国らしい。
国というか、複数の国家の連合体。
うん、この世界がファンタジーな世界だってことをすっかり忘れてたよ。
だってここに来て、神様から貰った“絶対防御”の力、試したことが無いんだよ。
これはサボっていたとかじゃなくて、何でもかんでも防いじゃうから発動させても実感がわかないんだ。シールドも目に見えるわけじゃあないし。
一度ハクに攻撃してみてと頼んだら、「死んでもマスターを攻撃したりはしません」と怒られた。
あなた不老不死ですよね?
だから効果の確かめようがないんだよ。外敵はハクが倒しちゃうし、そもそも結界が張ってあるから盗賊どころか軍隊でも来れない。
この場合、“外敵”には野生の熊はおろか鼠すら含まれる。
だからハクによって、熊は殴り殺されるし鼠は踏み潰される。
こんな状態でどうしろと?
しかも何時の間にやら、ここ麻帆良がまるまる全部僕の土地になってたんだよ。ちゃんと政府が発行した証拠もあれば、なぜか僕の血判まであった。
ハクが上手いこと偽造してくれたらしい。ほんと無駄すぎるほど手際が良いんだよなぁ。
話を戻すけど、どうやら連合の連中はこの土地一帯を狙っているらしい。ここはドが付くレヴェルの霊地で、しかもあの目立つ巨木(僕は“世界樹”と呼んでいる)には、知っている者が聞いたら飛び上るほどの魔力が内蔵されているそうだ。
要するに、連中にとっては此処は御馳走の山、というわけ。
で、最初それを“排除”したら今度は軍隊がやって来て、それを“排除”したらもっと大軍がきて——という感じでどんどん増えたそうだ。
うん、いつの間にか従者が国に戦争を仕掛けていたようです。
気付けよ、僕。
まぁそれはともかく、連合さんはとにかくしつこくて、もうずっと襲撃してきているらしい。
それで業を煮やした我が従者は、メセンブリーナ連合の首都、メガロメセンブリアに強力な一撃を叩き込んだらしい。
しかも
どんな射程距離だよ。
んで、連合の首都は半壊。
ハク曰く、『
多分、核弾道ミサイルをブチ込まれたような気分だったろうねぇ。
どんな気分かしらないけどさ。日本人舐めるな。
「マスターを煩わせたくありませんでした」と言ってたけど、せめて事前通告くらいはしてほしかった。
そしたら将軍だか大佐だか知らないけど、とにかくエライ人が白旗振ってきた。
そして、何とか交渉させてほしいと言ってきたそうなんだ。
それをハクからの思念通話(テレパシーみたいなもの)で聞いて、まぁいいかと思って了承した。ハクも不承不承だったけど頷いてくれた。
家から離れた所に会議用の大きい御殿っぽいのを(ハクが)建てて、そこでお偉いさんと対面することになった。
相手はアナトーレ=カミュと名乗った。勲章をジャラジャラ付けていて尚且つ何食ったらこんななるんだと小一時間問い
何故かって? 僕の後ろで凄みを利かせているハクがよっぽど怖いらしく、電気椅子に乗せられた囚人も顔色を失くすくらい震えているから。
いや、リアル電気椅子に乗せられた人なんて見たことないんだけども。
おまけに顔が、雪化粧した人並みに白い。
凍死した人でも、もうちょっと顔色いいと思う。
そんでもって向こう側の要求、いや願いなんだけど、極東のこの地に魔法使い(ていうか連合の)拠点が必要らしく、その候補が此処しかないそうだ。
だから是非ともこの地を拝借、できれば譲ってほしいと何度も頭を下げられた。
ていうかそれ以前に、後ろにいるハクの軍人さんを見つめる視線が怖すぎる。
具体的に言うと、「テメエとっとと出ていくか豆腐の角に頭ぶつけて死んじまえ」と目が言っている(みたい)。
オーラみたいなのが出ているし、おまけにこれだけ怖いのに目が冷たい。何の感情も感じない。
眼球を氷床の奥底に千年突っ込んでたんじゃあないかと言いたくなるくらい冷たい。
最高級の水晶玉が裸足で逃げ出すくらい、何も感じない無機質な目だ。
向けられる相手が僕だったら、間違いなく失禁している。若しくは心臓麻痺を起している。
とにかく怖い。ていうか、逃げたい。逃げて布団の中で丸まって震えてたい。
何、雷に怯える子供みたいだって?
雷がカメラのフラッシュに見えるくらい怖いんだよ、割とマジな話。
もういいや、さっさと終わらそう。
多分ハクに丸投げしたら、この軍人さん一秒で二階級特進することになると思う。
流石につい先程名前を紹介し合った直後に、相手がスプラッタなことになるのは勘弁してほしい。
平凡ひ弱な大学生には、荷が重すぎる光景だ。
取り敢えず向こうは学園都市を造る計画だった。
もぅいいよ、貸すから好きにやっちゃって。
そんな感じでOKした後、ハクによって色々と向こうに条件が与えられた。
結構な数になるんだけど、ぶっちゃけて言うと、「こっちに手を出すな」と「使っていい土地は(世界樹を含む)三分の一だけ。残りは入ることも禁止する」ということ。
そして最後に「散々こっちに迷惑かけたんだから金払え。あと、年に一回租借料を払え」。
ちなみに今回此方に支払われる金は、小国なら破綻するほどの金額。国家予算なんて比じゃないくらいの大金。
そんでもって年一で払われる租借料は、小国の国家予算の半分以上。
軍人さんは涙目で条約書にサインした後、すごすごと帰っていった。
「資金はあって困る事はありません」
ハクはそう言っていたけど、向こうの首都を半壊させてさらに法外な賠償金支払わせて、おまけにこれから先ずっと年に一回大金支払わせる僕達って相当悪なんじゃあないか?
ひょっとしなくても、これって棚ボタ?
ちなみに本作の基本コンセプトは、「防御だけ最強、他最弱の主人公と最強万能従者の暴走コメディ」です。
ギャグ系を書ける人にすごく憧れておりまして……。面白い小説が書きたいです。
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