連合が一時滅びます。
御意見や御感想を多数いただきました。有難うございます。
絶対防御の補足説明。
防御できるものの中には、防御時に発生する衝撃も含みますが、榛名自身も何も感じないというわけではなく、少しビリビリ感じます。それでも、ダメージが入るわけではありません。
あと、この作品のアンチ傾向について。
ハクの性格上、どうしてもアンチが入ってしまいます。
連合アンチや紅き翼アンチ、薬味アンチなどが入るかもしれませんが、そこまで酷くはしないつもりですので、大目に見てやってください。
第陸話 カレとカノジョの国家崩壊プロジェクト
えー、皆様、気分は
僕は今、魔法世界に来ております。
あれから矢の様な催促が連合から届きまくって、いい加減ウザかったので魔法世界と旧世界を繋ぐゲートをハクに頼んで全部壊してもらった。
徹底的にやったため少なくとも一年、長ければ五年は使い物にならないらしい。
ウザい連合からの催促は消えるし、旧世界も巻き込まれないで済むしで一石二鳥だ。
ちなみにハク曰く、「私ならゲートなど不要で魔法世界まで転移出来る」とのこと。
まぁそれは兎も角、最初はゲートを破壊したんだから無理に魔法世界に行って、参戦する必要は無いんだよなぁ、と思っていたんだよね。
生憎僕は、戦争やる程暇じゃあないんだ。最近あまりに従者が万能過ぎて、趣味に目覚めざるを得なかった。
どういうことかって? 趣味につぎ込むくらいしなきゃ、せっかくハクがくれた時間を無駄にするからだよ。
ハクが僕に負担をかけないように一生懸命働いてくれてるんだから、僕もだらだら過ごすというわけにもいかないよね。
時間は有限。不老不死だろうが何だろうがそれは変わらない。“
ちなみに趣味と言うのは例えば絵を描いたり、彫刻を彫ったりとか色々だ。慣れてくると、創作活動も悪くないかな、なんて思えてくる。
不思議なもので、以前の僕なら「創作物が人間に感動を与えるなんて幻想だ」と思っていただろうね。
学び盛りの大学生から不老不死にジョブチェンジしたんだ。
考え方の一つや二つ、変わって当然かもしれない。
「うん、“国破れて山河あり”——か。
「マスター、連合は
「鼠を見つけたコンドルのような目で国を睨みつけているハクが言っても、説得力は皆無だと思うよ。
ていうか君を相手にした時点で、無事な国なんて無いって」
「当然です。蠅共……マスターを賞金首にするとは、本気で死にたいようですね」
そうなんだ。
僕、そしてハクが賞金首になりました。
理由? 連合からの参戦要請を断りまくった挙句、ハクが使者を返り討ちにしたから。
具体的に言うと、
「お願いします、どうか!」
と土下座した使者(何で連合からの使者が土下座知っているんだ?)に向かってハクが
「頭を下げてくれるとは、なかなかの気遣いね……助かるわ、殺しやすくて」
と言いながら使者の頭を踏み潰した(らしい)。
基本的にハクは僕を気遣ってくれていて、僕がいる前では絶対に人を殺さない。
最悪で百分の九九殺し……だってハク本人が言っていたけど、それってほとんど死んでいるよね?
不味いのが、連合(麻帆良)との契約時に僕達は本名で契約してしまったことだ。
御蔭で手配書には僕らのフルネーム、そして絶対本名で覚えたほうが楽な二つ名が書かれてしまっている。
賞金首と言う事は当然賞金が懸けられていて、僕は80万ドル、そしてハクが1800万ドル。
二つ名は色々あるけど、代表的なのは僕が『
酷くない?
そりゃあ使者を殺したのは兎も角としてさぁ、参戦要請断ったら賞金首って何処の独裁者だよ。ロべスピエールが聖人に見えるよ。
特にハクは史上最高の賞金首になっているし、絶対ずっと前に首都を半壊させた事根に持っているよね?
ちなみに連合では、首都半壊事件は“研究中の術式の暴走による事故”と言うことになっているそうだ。そりゃあ、余所様の土地を借りようとしたら超反撃されましたなんて言えるわけ無いしね。言ったら元老院の権威がマッハで下がるのは目に見えている。
それは兎も角、このままじゃあ色々と拙いし、何より賞金首なんて僕が嫌だ。なぜか落ち込む。多分日本人としての健全な倫理観のせいだ。恨むぞ文科省よ。
だから、元老院とか連合上層部をぶっ飛ばして賞金をなかった事にしよう、と思ったわけ。
何、その発想はおかしいって?
一言だけ言おう、僕だって怒ることくらいあります。
ハクの力があれば洗脳とかも可能だから、適当に代役を見つけて命令すれば良いそうだ。
それに何より、ハクがものっっっっっっっっっすごくキレてた。
手配書を見て僕の似顔絵だけ切り取った後、手配書を燃やして似顔絵を懐に仕舞い込むくらいキレてた。
んで、その直後に小声でとっても物騒なセリフを小一時間程呟き続けるくらい。
ハク、貴女史上最高の賞金首になってますよ?
何て事を聞いたら、「私はマスターの従者です。賞金首に何の意味があるのです?」と首を傾げられた。
自分の事についてはどうでもいいみたいなんだよね、この従者。
そうそう、最近になってわかった事がある。
僕の能力“絶対防御”なんだけど、発生源は首からぶら下げているイルカのペンダントらしい。妹から貰った大事なもので、神様に頼んで持ってこれるようにしたヤツだ。
まずペンダントを中心にシールドが展開されて、それで僕の自由に動かせるようになるみたいだ(まだ制御できてないけど)。確証は無く、勘だけど。
このペンダントが
それは置いといて。
メセンブリーナ連合とヘラス帝国の戦争がとうとう始まった。
で、ハクが調べた結果、此の両陣営に『
連中の目的は、世界を崩壊させる事。
はぁー嫌だ嫌だ。
テロリストには破滅願望があるうえに、それに他者を巻き込もうとするから
そんなのに市民が巻き込まれるのは忍びないし、滅んだら滅んだで旧世界の安寧もぶっ飛びそうだ。
第一連合が滅んだら、お金が搾れなくなる、ってハクが言ってた。錬金だってある程度手間がかかるそうだからね。
財布の守護に復讐や報復も兼ねて、世界を救うとしますかね。
ハクが。
まずは……うん、元老院を総入れ替えだ。阿呆だろうがマトモだろうが無関係。こういうのは、一新してこそ意味がある。
マトモな奴は、同僚が阿呆だったことを恨むしかないね。いるかどうか知らないけどさ。
それに戦時中に国家の最高権力者が暗殺されるなんて、割とよくある話だ。
ヒットラーとか、何回も暗殺されかけたそうだし。あの人は政務は兎も角軍務には向いていないよね。
元老院はヒットラー並のカリスマも無い。あるのはスターリンも真っ青の外道な考えを叩きだす頭だけだ。それと独裁者にはデフォルトでついている保身能力。
それも個人ではなく、元老院はあくまで“集団”。連合を運営するための政務機関にしかすぎないわけだ。
つまり一枚岩じゃあない。
内輪もめと言うことで処理しておこうかな、とハクに言うと、ハクはあっさり了承してくれた。「卓見です」と言われたけど、そうでもないと思う。
僕は修羅場をくぐりぬけた政治家じゃあなくて、唯の大学生だしね。
つまり——元老院内の
元老院の面子や高官が集まり会議をしていた立派な建物が、瓦礫の山となりました。
警護兵を除いて生存者はゼロ。
流石に軍人さんはよっぽど政治家より鍛えていたんだろう。瓦礫の中から自力で這い出していた。腐っても、国のトップの警護を任されるエリートだったんだろうな。
これで戦争も終わる。
——そう思っていた時期が僕にもありました。
最近、私と同じようにネギまの小説を書いていらっしゃる方々から、多数の御意見や御指摘をいただくようになりました。
凄く励みになりますし、先輩の方々に指摘を受けるって感動します。
勿論、読みに徹している方々からの御意見や御指摘も、自分としては青天の霹靂の様な事を書いて下さっていて、本当に感謝感激しております。
私はあまりマンガを読まないので、他の作品との類似点などをを挙げられると「え? マジで?」と吃驚します。
榛名がマンガに登場する能力を貰わなかったのは、私があまり読まないからなんですよね。
さて、次回は紅き翼とハクを戦わせたいと思います。
…………念のために言っておきますけど、紅き翼の面々は殺しませんよ? 百分の九九殺しにはなるかもしれませんが。
御意見御感想宜しくお願いします。