紅き翼ファンから叩かれず、ホッとしている皐月二八です。
……おかしいな、当初は榛名がボケ役だったのに……。最近は尽く、ハクがボケてる(本人大真面目ですが)気がします。
ヒロインに関する御意見ですが、サブヒロイン無しが一番多いんですよ。次点で刹那、木乃香、エヴァ他、そしてオリキャラ。
オリキャラは増やすかどうか(出してもメインにするか)決めかねています。
刹那は、個人的には一番好きなキャラなんですよね。ヒロインにするかは置いといて、絡めたいところです。
あと木乃香の人気ぶりって凄いですね。
あと今回、榛名がちょっと熱くなります。
ウチの主人公は一応しっかりとした『芯』を持っています。それに反するのは許さない——とまではいかなくとも、イイ気分はしない、という感じ。
現代日本人にありがち(と自分では思っている)な、“一見流されるままでも、実はしっかりとした主義を持つ人”です。
熱い主人公、憧れますが、私ではちょっと書くのは無理そうです。
熱いセリフが思い付かない。ダウナーなセリフならポンポン浮かぶのに。
私、末期かもしれませんね。カラオケで勇〇王でも歌ってきたら浮かびますかね……。
第捌話 カレとカノジョとの愛と大莫迦組織
戦争をして得をする連中ってのは、相場は決まっている。
政治家と資本家、武器商人。
大抵こいつ等だ。
でも、戦争の目的が“世界の破滅”だったら、もっと限られる。ていうか思い付かない。
つまり、ズレにズレまくって次元まで超えたヒロイズムに染まりきったホンモノの阿呆か、壮大な自殺を遂げたがるアクティヴなのかネガティヴなのかイマイチわからないヤツ。
大体、この二つに大別できると思う。
それで(ハクが)調べた限り、『
そんな組織にいる全員が、世界崩壊を望んでいるとは考えにくい。
ホントにそう思っていたら、どれだけ希望の無い世界なんだよ。“魔法世界”の名が泣くよ。
多分、本当の事を知っているのは幹部以上、若しかしたら
酷い時代ってのは大抵よくわからん宗教とか、妙な秘密結社が幅を利かせるものだけど、それにしたって限度ってあるだろ。
取り敢えずそんな思想をもっている奴は、黙って桜でも見てろ。気分が落ち着くから。
そんな事を考えていると、ハクが教えてくれた。
何でも此の魔法世界、別次元の火星に創られた人工的な世界で、そこの住人(所謂“亜人”)もまた創られた存在らしい。
そんでもって近い将来、魔法世界を構成する魔力素が切れ
成程、それで「じゃあいっそドカンと燃え尽きようぜ!」と考える阿呆が出てくるわけか。
冗談抜きで頭悪いよね。
頑張って世界を開拓し、歴史を造ってきた先人達に土下座した方がいいと思う。先人達の努力を海にブチ込むような真似を企みやがって。
ていうか、駄目っぽいから滅ぼしちゃおうってどんだけ短慮なんだよ。魔法使いだろ、お前ら。
魔法なんてとんでもない
それともアレか。魔法を使えるから諦めるのかな?
ちょっと馬鹿すぎると思うんだよなぁ。
だったら科学とか化学とか、他に頼れるものくらいいくらでもあるだろうに。
日本人だって、取り込めるものは全て取り込んで維新やったてのけたんだし。良いか悪いかは歴史学者に丸投げするけどさ。
少しは努力したってバチは当たらないでしょうよ。
魔法世界という“箱庭”がパァになるのなら、別のとこにまた作るとか、旧世界の国連に救援要請するとかさ。
実現性は兎も角、藁にも縋るしかない状態なら試す価値くらいはあるんじゃあないか?
あれ? 何か物凄く腹立ってきたんだけど?
おかしいなぁ。
僕は平平凡凡ひ弱軟弱大学生だよ?
たまにテレビのニュースとか特番とかで見かける、ドヤ顔で阿呆な発言連発する政治家とか、テメェホントに大学でてんのかと言いたくなるような(自称)専門家に文句言ってるだけの男だよ?
キャンパスメイトと国の将来について語り合ったり、反日国家にだらだら愚痴言ったり、先生の態度が悪いだのとレポートムズいだのと文句言い合ったりしている男だよ?
ごくごく普通の、社会学科学生では珍しくも無いと思う、そんな人間だ。
“没個性”を地で行く男なんだけどなぁ……。
正義感なんて、あったっけ?
そんな感じで唸っていると、ハクがめちゃめちゃ怖い顔で俯きながら呟いてた。
「マスターを怒らせるとは」とか言っていたけど、うん、聞かなかった事にしよう。
ほら、チキンな人間なんだよ。
日本人に在りがちな、集団主義の人間、他人指向型人間なんだよ。
他の人の事情に、あまり首を突っ込むタイプじゃあないんだよ。
なのに、何故だろうね?
こんな連中、見てて嫌だ。
「ハク……」
「はい、マスター」
「『
「畏まりました」
ハクは深々と一礼した。
凄く、頼もしい。
「マスターの嫌いなモノなど、此の世界に
速やかに駆除いたしましょう」
「………………………………………いや、駆除したら駄目だろ!? 僕は連中を殺したいわけじゃあないからね!?」
「成程、奴隷化したいのですね?」
「僕ぁ〜君が怖いよ……」
訂正、ものっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっすごく、怖い。
だって、光の無い目でうっすらと笑っているし。
握られた拳から血がしたっているし。
「そうですか、いいでしょう。蟲にはマスターに跪くことすら許されない、ということですか」
「何でそんなに物騒な事を言いながらしたり顔するのかなこの従者は……。兎に角、連中を目覚めさせてやりたいんだよ」
「と、おっしゃいますと?」
ハクが首を傾げる。
そして……いつも通り、零距離で覗き込んでくる。
これ、もう慣れたよ。
ハクの身体のめちゃくちゃ大きくて柔らかい部分が、当たってくる感触を除いては、だけれど。
最近、ハクがスキンシップをさらに過激になってきているんだよなぁ。
この前なんて敵から護るためって理由で抱きしめられたし。三時間くらい。呼吸困難になるかと思った。
それだけじゃあなく、最近は顔を触ってくるだけじゃあなくてキスとか抱きつきとかも普通にしてくる。キスはヤバい方の。
しかも、目を潤ませて、頬を少し赤らめた状態で。
おまけに最近は、「愛しています」とか「大好きです」とか普通に言ってくるようになった。
そして……何となく、
紅き翼を撃退した日の夜、「汚らわしい腐蟲に纏わりつかれたので、マスターが私を消毒してください」と言ってきて、がっちりホールドされて……はい、従者に喰われました。
僕だって男なんだよ。
あんな超美人にせがまれて、断れるわけがないじゃん。
羽交い絞めされて、柔らかいところ押し付けられて、キスされまくって、理性もつわけ無いじゃん。
おまけにハク、出会ってから初めて涙目+上目遣いになったんだよ。逃げるなんて不可能だって。
……うん、話が逸れ過ぎた。
大分変わってきたハクだけれども、表情はまだまだ固い。
基本無表情か、小さく微笑むか、頬を染めるか、異常に怖くなるかのどれかだ。
個人的には四番目はいらない。
それでも最近は、ハクの考えている事がわかるようになってきた。
ていうか、ハクが積極的に言ってくれるようになってきた。
それだけじゃあなく、自分の望みとかも普通に言ってきてくれるようになった。
前のハクは受け答えばかりで、自分から話しかけてくる時は非常事態を除いて無かった。自分から意見を言う事も、希望を言う事もなかった。
そして僕との会話も、必要最低限の事しか話さず、長広舌など無縁だった。
それと比べれば、かなりお喋りになってきたんだよね。やっぱり口で言ってくれた方が意思疎通が楽だし、何より楽しい。唯一の家族と会話しなくて満足できる程、僕は淡白な人間ではないつもりだ。
だから、僕としても嬉しい限りだ。
……たま〇っちを育てている様な感覚だとは、口が裂けても言えないけど。
え? エロゲ? チキンな僕はとても手を伸ばせませんでした。妹が平然と私物チェックとかしてきてたし。
「そうじゃあなくてさ、世界の素晴らしさを教えてやろうと」
「成程、マスターに跪かせるのですか」
「何故そうなるのか理解できないんだけど」
「世界の素晴らしさ=マスターに平伏することだからです」
「……あ、そう」
でも、何でもかんでも答えてくれるのは、それはそれで問題かもしれない。
うん、ハクの感性について質問するのは控えよう。
「……取り敢えず、殴っとく?」
「畏まりました」
でも、結論はあんまり変わらなかったりするんだよね。
まぁ、僕自身、(見かけは)それ程年食ってもいないし、悟ってもいないけどさ。
説教くらいは、してみようと思う。
はい、主人公喰われました。
こんなの書いた経緯
榛名とハクの肉体関係について描写するかどうかマジ悩む
↓
図書館に行きレポート用の資料をコピー
↓
移動中にも考え込み、少しくらいはそういう描写を入れようかなと思う
↓
帰ってみるとちょうどとある御方より榛名とハクの関係について御指摘が
↓
即決。八割方できていた第捌話を大幅修正・追加
ということです。
どうでしょうか? 不快でしたら修正しますし、OKならこれからもこんな描写をちょくちょく入れようかなと思います。
榛名は社会学科学生であり、現実主義でもあれば理想主義でもある人間です。
ですが、世界が見捨てられるということなど許しません。世界に多くの歴史が内在し、大勢の人々の人生によって成り立ち、そして決して捨てたものではない事を知っているからです。
世界は最高にはなりませんが最悪にはなる。しかし同時に、最善にも成り得ます。それは、あくまで誰か一人にとっての“最善”だとしても。
自棄になるより前に頑張ってみろ。意外と熱血思考な人間でもあるのです。
お気に入り登録数1,000突破……? うわ、涙でそうです。
とてつもなく嬉しい。感激です。
御意見御感想宜しくお願いします。
*榛名の考えについて不満や批判を幾つか頂きました。
ですが、榛名のこの考えは、不快という感情に任せた反抗心だけの“即興”反論と言っても良いものです。榛名は歴史や世界の崩壊に、不快感を覚えています。
そして榛名自身、まだ考えナシなところも、よくわかっていない所もあります。
ですのでこの先、『完全なる世界』と関わって主張や考えを変える可能性は十分あります。
色々と御不満な点もあるでしょうが、そう御理解ください。
……なんて言い訳ですけどね……。
まぁ、いきなりそんな万人が納得できる結論など出せるわけがあるか、ということで。
主義主張はぶつかり合っていくらでも変わるものですし。
考えナシなのは私ですね(汗)。こんな感じですが宜しくお願いします。