まず謝ります
前回あんな終わり方をしたくせに今回は戦闘はありません
ほんとうにすいません!でもここでこの話をやらないといつまでも本編につなげることができないのです
考えなしに書いた作者をお許しください
交渉、そして決意
side エヴァ
突如、ムラサメが倒れてから三日が経った
三日の間、ムラサメは一度も目を覚まさずにただひたすらに眠っていた
それこそ死んでしまったかのように………
しかし、時折魘されているようで唸り声を上げる
それがムラサメがまだ生きているという証というのも嫌なものだ
「ムラサメ、早く目を覚まさないか、暇でしょうがないじゃないか」
それから二日、ムラサメが目を覚ました
「ムラサメ!?目を覚ましたか!」
「………あぁ、エヴァか、おはよう」
「なにがおはようだ!!私がどれだけ心配したと思ったんだ!?急に倒れたから本当に焦ったんだぞ!!」
「すまねぇ、ところで俺が倒れてからどのくらい経った?」
「………五日だ」
「なに!?そんなに経っちまったのか!?」
ムラサメはそれを聞くと何かを考え始めた
しかし、今は私の疑問に答えてもらわなくては!!
「ムラサメ………」
「ん?なんだ?エヴァ」
「お前、まだ何か私に隠してないか?」
「………どうしてそう思う?」
「今の一瞬の沈黙が答えだ」
私がそう言うとムラサメは長く息を吐くと
「エヴァ、俺は確かにお前に話していない事がある」
そう言った
私は悲しくなった
私はまだムラサメに完全に信用されていないのでは?といった思いが頭をよぎる
「ムラサメ、もう何も隠さないでくれ、全部話してくれないか?」
私の口からは自然と言葉が漏れていた
私は言うのをやめようとする
「私が信用できないのか?私は………」
しかし、止まらない
いつのまにか涙まで流れていた
「エヴァ………」
ムラサメが私の頭に手を置いてなでてくる
「そんな顔すんな、俺が話さなかったのはお前を信用しなかったからじゃあない、あまりにも荒唐無稽だから信じてもらえないのでは、
と思ったからだ、それでも聞くか?」
私は迷いなくうなずく
「そうか、なぁエヴァ、植物にいや、自然に意思はあると思うか?」
「………は?」
思わず聞き返していた
「だからな自然に意思はあるとおもうか?」
「あるんじゃないのか?だから精霊がいるんだろう?」
「そうじゃない、例えば外の森に広がる木々、こいつらには意思はあると思うか?」
「………ないのではないか?ないからこそ精霊のような存在がいるんだろう?」
「確かにそうかもしれない、だがこいつらには確かに意思がある、そうだな、エヴァなら知っているかな錬金術の言葉なんだが
『一は全、全は一』って奴なんだが」
「それは知っている、それがどうしたのか?」
「植物たちはこれを地でいってるんだ、全ての植物が人には感知できない部分で繋がっている、俺はそれを『ネットワーク』と呼んでいる
俺はそれと繋がっているんだ」
「どういうことだ!?何故お前が、植物と繋がっている!?いや、そうかその腕か………」
「ご名答」
「だが、それがお前が倒れたこととなんの関係がある?」
「俺が倒れた時、おそらくだがどこかで戦争もしくは闘争が起きたんだろう、その時巻き込まれて消滅した植物たちの悲鳴が一気に
俺の脳に入り込んできて脳が耐えきれなかったんだろう、だから倒れた」
「…………ではお前はどこかで植物が消える度に倒れるのか?」
「いや、今回みたいに一気に入り込んでこない限り大丈夫だ、それに次に同じようになっても一回経験したんだ、もう倒れねぇよ」
「そうか、ならいいんだが、本当にこういうことはこれっきりにしてくれよ?」
「あぁ、わかってるよ」
そういってムラサメは話を打ち切った
side ムラサメ
エヴァにネットワークのことを話してから二日が経った
今俺は世界樹と会話をしている
『世界樹、あの時の悲鳴の出場所はわかるか?俺はあの後、意識をなくしたからわからねぇんだ』
『出場所は魔法世界です、今回はどうやら魔法使い同士のぶつかり合いだったようです。お互いに上級魔法で闘いその結果近くにあった
森が消えました』
『そうか…………ところで、近頃魔法世界の植物たちが騒がしくなってきてるようだな』
『そのようです、どうやらそう遠くないうちに戦争が起きそうです』
『………戦争が起きたらまた森が大量に消えるな』
『はい、認めたくはありませんが………』
『あとどれぐらいで戦争は起きると思う?』
『遅くとも60年以内には確実に……………』
『取りあえず次は間に合うように移動手段を創らねば、な』
『それがいいかと、…………っ!!主、侵入者です』
『なに!?人数は?』
『二人です』
『わかった、対応はおれがする』
『お気をつけて』
俺は世界樹との接続を切ると、エヴァに声をかけ侵入者の元へ向かう
すぐに侵入者たちは見つかった
世界樹に聞いた通り二人組で一人は60代後半の外国人と10歳になろうかというぐらい日本人と思しき少年だった
彼らもこちらに気づいたようでこちらに向かってくる
俺は
「そこの二人!!ここは私有地だ!!何用でここに来た?用がないなら即刻立ち去れい!!」
そういってまずは様子を窺う
すると、外国人のほうが
「我々に敵意はない、用はある、貴方がたに交渉したき事がありこの場を訪れたのだ!!どうか話を聞いていただきたい!!」
と流暢な日本語で言ってきた
「エヴァ、どう思う?」
「話を聞く分には構わないと思う、ただ外国人の方はかなりの腕だ、ガキの方も中々のようだから警戒は解かなければ話を聞いてもいいと思う」
「ふむ、…………そこの二人!!話を聞こう、ここを上に行った所に我々の家がある、そこで話を聞こう」
俺たちは二人を家に案内した
「で?交渉したいこととは?」
「その前に自己紹介を私は魔法協会の理事であるクラウス・ガードナーと言います、そしてこっちが一応私の弟子である近衞近右衛門
といいます。」
外国人がそういうと少年の方もこちらに頭を下げる
「俺はムラサメだ」
「私はエヴァンジェリンだ」
「で?魔法協会の理事様がなんの用だ?」
「そう警戒しないでください、この度はお願いがありまして」
「なんだ?」
「この土地を我々に貸していただきたい」
「なに?どういうことだ?」
「話せば長くなるのですが…………」
そういって話始めたクラウスが言ったことを纏めると
魔法協会としてはそろそろ日本にも支部が欲しいとのこと、また日本にいる才能ある若者たちを育てたいが良い場所がなく
どうするか悩んでいた時この場所を見つけたがここはすでに俺たちの土地だった
ならば、ここを貸してもらおうということらしい
「勿論、タダではありません、そちらの条件は呑みましょう、いかがですか?」
…………どうするか
俺はエヴァの方を見てみるがエヴァは俺に任せると言ってきた
ならば
「いいだろう、条件付きで貸してやる
一つ、中央にある樹『世界樹』というんだがあれには手出し無用
一つ、学校を建てるのは構わんが自然との共存を考えたものにすること
一つ、周りの山や森には手出し無用
そして最後、これが一番重要だ
俺たちに干渉するな、もし、した場合いかなる対応を取ろうと俺たちは一切の責を負わない
以上を守るなら貸してやってもいい、金はいらない」
「…………わかりました、その条件呑みましょう」
「なら、今いった内容をこの紙に書くからその横に俺とお前の名前を書き、これを証明とする」
そういって俺たちは名前を確かに書いた
「エヴァと少年もみたな、お前たちは証人だ」
「わかった」
「では、これで交渉は終わりですな、どうです?これから飲みませんか?」
そういうとクラウスは鞄から酒を取り出した
「いいな、そういうことなら俺も酒を出そう」
俺は倉庫から自分が作ったなかでも最高級のリキュールを持ってきた
その後は大宴会だった
〜〜〜翌日〜〜〜
「では、我々はこれで、工事は明日から始まりますので多少はうるさいでしょうがお願いします」
「わかった、クラウス約束は守れよ?」
「ふふ、紳士は必ず約束を守るんですよ?ムラサメ」
そういうとクラウス達は帰って行った
「よかったのか?ムラサメ、連中に土地を貸しても?」
「なにを今さら、まぁクラウスなら信用出来るからな、目が違った」
「だが、」
「それに、裏切ったなら相応の報いを与えればいいだけだ」
「くっははははははは!!そうだな、その通りだ!!」
俺たちは笑いながら家に戻っていく
帰りながら俺はあることを考えていた
(さて、戦争が始まって人間たちが自然を蹂躙するなら、俺が教えてやろう、蹂躙されることの恐ろしさを、な
そのためにはもっと樹獣を増やしたり移動手段を創らなくてはな)
代行者が動く日は近い
いかかでしたか?かなり無理やりでしたが
今回でてきたクラウスはオリジナルキャラです
まぁこれ以降出てくるかと言われれば微妙ですが
しかしこれで学園都市の建設はできました
次回からはようやく蹂躙タイムです
紅き翼?なにそれ、おいしいの?を目標に書こうと思います
感想、ご指摘お待ちしてます