今回は夕映がお話を聞く回です
またもや違和感があるような気もしますがきっと気のせいでしょう
ではお楽しみください
教えてください!!
side 夕映
ついに約束の日が来ました
私は逸る胸を抑えながら山を登っています
ムラサメさんに言われたとおりに山の途中にあるひらけた場所に着くと、そこには前に登った時にはなかった建物がありました
なるほど、これがびっくりすることですか
つくづく魔法とは凄いものなんですね
取り敢えずは中に入るとしましょう
私は意を決し中に入るとそこはレストランのようでした
「綾瀬、こっちだ」
声のする方を見ると奥のテーブルにエヴァンジェリンさんと茶々丸さんが座っていました
「エヴァンジェリンさん、茶々丸さんあなた達も魔法使いなんですか?」
「ん?まぁそうだな」
「いえ、私はマスターの従者です」
まさかこエヴァンジェリンさんまで魔法使いだったとは
茶々丸さんの言う従者が何かはわかりませんが、恐らくは魔法関係でしょう
一体、私のクラスはどうなってるんでしょうか
「…………ところでムラサメさんは?」
「アイツなら今は準備中だ」
準備?なんの準備でしょうか
その時、奥から噂の彼が出てきました
何故かその手には料理の載ったお皿を持っていましたが
「お?夕映来たか」
「ムラサメさん、何を持ってるんですか?」
「何って料理だな、言ったろ?美味いもん食わしてやるって」
あぁ、そういえばそんなことも言ってましたね
だから私はお昼を抜いてるんでした
「それはわかりましたから、お話を」
「まぁ待て、まずは食べてからだ。……ほれ、席につきな」
取り敢えず、席に着くとしましょう
「ムラサメ、今日はなんだ?」
「今日はこれだ」
ムラサメさんはそう言うと私達の前に蓋付きのスープ皿を置きました
「スープですか?」
「まぁ蓋を外してみな」
「わかりました」
ムラサメさんに促され私たちは蓋を開けます
その瞬間、スープからオーロラが出てきました
……………はい?
「ムラサメ、何故オーロラが出てくる。そして肝心のスープが無いではないか」
エヴァンジェリンさんの言うとおりです
何故スープからオーロラが出るのでしょうか?
まぁ綺麗ではありますが
しかし、このスープはエヴァンジェリンさんの言うとおり中身がありません
これの何処がスープなんでしょうか?
「ん?あぁ透明度が高すぎて見えないか」
はい?何を言ってるんですか?
見えない?
見えない以前にないのでは?
「まぁ香りを嗅いでみればわかる」
ムラサメさんがそう言ったので私は取りあえず顔をお皿に近づけます
すると、
「えっ!?なんですか、これは…………」
香りを嗅いだ瞬間、とても良い香りがしました
まさか中身があるのですか!?
私はスプーンをそっとお皿の中に入れると確かにスープがありました
それは確かに存在しました
まさか本当に透明度が高すぎて見えなかっただけだなんて…………
と、取りあえず飲んでみましょう
そっとスプーンを運び口に入れ、噛んでしまいました
え?何で私はスープを噛んでいるですか?
味が濃厚すぎて一瞬ハンバーグかなにかかと思ってしまったからでしょうか?
ありとあらゆる旨みが凝縮されていて、それがどんどん口の中で広がります
その内、余りの美味しさに笑みが浮かんでしまいます
「ふふふ」
「何を笑っている、綾瀬」
「そういうマスターも笑っていますよ?」
「む…………、そういう貴様もだな、茶々丸」
その後はしばらく笑いながらスープを飲み続けるという奇妙な光景が続いていました
「「「ごちそうさまでした」」」
…………とても美味しかったです
こんなに美味しい物があったんですね
「どうだ?満足出来たか?」
「はい、ところでムラサメさん、そろそろ話を聞かせて欲しいんですが。このスープについても」
「………わぁったよ。話すって約束だからな」
そういうとムラサメさんも席に座りました
「じゃあどこから話すかね」
「初めからお願いします。私は全てが知りたいのです」
私がそう言うとムラサメさんは心底面倒くさそうな顔をしましたが話し始めてくれました
魔法とは何か、魔法使いとは何か
そして、この麻帆良学園の土地はムラサメさんが貸しているに過ぎないことなど
驚く情報が満載でした
「つまり、この土地は魔法使い達を育成する場でもあるということですか?」
「まぁそうだな」
「では、私のクラスメイトもそうなのですか?」
「それは知らんがまぁ何人かは裏に関わっているな。というかその内ほぼ全員が関わる事になるんじゃねぇの?」
「どういうことですか?」
「いつだったか近坊、学園長に聞いたんだが、お前さんのクラスは特別な奴等を一つにまとめたクラスらしいからな」
そうだったですか、まぁ確かにうちのクラスは変なのが多いですからね
………あれ?それって私も入ってるですか?
「当然、お前さんもだろ」
「心を読まないでください!!」
まぁいいです
私は既に関わり始めているんですから
そろそろ一番聞きたい事を聞く事にしましょう
「あの、私にも魔法は使えるんですか?」
そう、これが一番気になっていた事なのです
魔法の存在を知ったときから一度でいいから使ってみたかったのです
「使えるだろ」
「………本当ですか?」
「嘘ついてどうすんだよ、なぁエヴァ」
「そうだな、魔力はそんなに多くは無いがそれでも一般の魔法使いよりはあるから使えるな」
まさか本当に使えるなんて………
「あの!!私に魔法を教えていただけませんか?」
やはり駄目だろうか
だけど、ムラサメさん達ぐらいしか魔法使いは知りませんし
一応ネギ先生も魔法使いらしいですがムラサメさん達の方が上な気がするです
「どうする?エヴァ」
「いいんじゃないか?少なくともあの坊やより数万倍いいな」
「だよな。おい夕映」
「はい!!」
「お前には俺達が魔法を教えてやる」
「本当ですか!!ありがとうございます!!」
やった!!魔法を教えてもらえる!!
しかし
「安心しろ、そんじょそこらの魔法使いなんて片手で倒せるぐらいまで育ててやる。くくく」
「まぁ当然だな。くくく、これからが楽しみだなぁ綾瀬?」
そんな二人の言葉
もしかしなくても私は早まってしまたのではないでしょうか?
のどか、私はあなたの元に帰ることが出来ないかもしれないです
次回から『大魔法使い 綾瀬 夕映』が始まります?
彼女の冒険はまだ始まったばかり!!