なんか当初の思想とまったく違う展開になってしまった
ものすごく叩かれる気がします
ではお楽しみください
楽しんでいただけたらいいのですが
舞台は一人で動きだす
side ヘルマン
やれやれ、アスモデウス様に言われたとおりに少女達をさらってきたのはいいが
先程からオッドアイの少女がうるさくてしょうがない
「ちょっと!!聞いてんの!?私達を解放しなさいよ!!」
「余り騒がないでくれるかな?余りうるさくしてると殺してしまうかもしれないよ?」
まぁそんなことはしないのだが
アスモデウス様曰く、この一番うるさい少女が今回の舞台における姫の役らしいからな
「なぁなぁオジさん。なんでウチらをさらったん?」
別ののほほんとした黒髪の少女が尋ねてくる
この質問には答えてもいいのだろうか
私が少し逡巡していると
『目的くらいなら教えても構わんぞ』
アスモデウス様から許可が下りた
「ふむ、目的は君達ではないよ。私の(本当は私達だが)目的はネギ・スプリングフィールドだよ」
私が目的を告げると
捕らえていた他の少女達も騒ぎだす
…………愛されているようだねぇ、ネギ少年
さて、そろそろ舞台の仕上げをするか
私は神楽坂 明日菜だけを檻からだし一人磔にする
「な、なにすんのよ!?」
声を無視しながら私は神楽坂の首にこの時のために作った魔道具をかける
「なによ、これ?」
「なに、舞台を彩る演出だと思ってくれればそれでいいさ」
これで準備は終わった
後は少年が来るのを待つだけなのだが
「皆さん、無事ですか!!!!」
来たか
さぁ開幕だ!!!
side ネギ
僕が犯人に追い付いた時に見たのは磔にされている明日菜さんと檻に入れられた木乃香さん達だった
そして
「ようやく来たか、ネギ・スプリングフィールド。遅かったじゃないか」
彼女等をさらった犯人と思われる初老の男性
「あなたが皆さんを。皆さんを解放してください!!」
「そんな要求飲むわけがないだろう?要求を通したくば力で通したまえ、ネギ・スプリングフィールド」
男の人はそう言ってこちらに近づいてくる
「くっ、魔法の射手風の15矢!!」
神多羅木先生との修行で無詠唱を鍛えたから魔法の発動スピードは前までとは全然違う
それに男の人は無造作にこちらに近づいてくるから、これなら当たるはず!!
しかし、魔法は急に方向を変えた
その矛先は何故か明日菜さんだった
「え!?ちょっと、何でコッチに飛んでくるの!?」
「明日菜!?」
魔法の射手は明日菜さんに当たる
明日菜さんに当ててしまった
しかし
「こらーー!!ネギ!!なんで私に当てるのよ!!」
無事だった
そうだった、明日菜さんは魔法無効化の体質だった
よかった、当たらなくて本当によかった
でも
「な、なんで魔法が…………」
「さてねぇ、自分で考えたらどうだい?」
「え?」
瞬間、僕は吹き飛ばされていた
殴られたと分かったのは頬に痛みがあるからだ
「やれやれ、敵が目の前にいるのに意識を逸らすのは感心しないな」
「くっ!!」
僕は古さんからならった拳法を放つがいとも簡単に避けられてしまう
そしてカウンターでまた殴られて吹き飛ばされた
「……つまらないな。もういい、これで終いとしようか」
「うぅ、なんでこんな事を」
「なんで?なんでと言ったかね?…………ふむ、そうだね教えてあげよう。
依頼だよ、ネギ・スプリングフィールドを殺してくれ。というね」
依頼?僕を殺す?なんで?どうして?誰が?
「その顔、理由が分からないようだね。そうだろうね、君は自分には一切の非が無いと思ってるからね。
まぁ、確かに君に罪はないよ。だが君の父にあるんだよ」
とうさんに?
どうして?父さんは『英雄』なのに
みんなのヒーローなのに
「どう……して」
「君は英雄が全ての人にとって英雄だとでも思ってるのかい?それは間違いだ、英雄程人から怨まれる存在はないよ」
父さんが怨まれてる?
「う、嘘だ!!!!!父さんは、父さんは!!!!」
「やれやれ、発破をかけようとしたのだが裏目にでたか。もういい、殺そうか」
男の人の手が僕に伸びてくる
周りのみんなが何か言ってる
でも、聞こえない
だって父さんが、父さんが
「ネギ先生!!!」
「む!?」
side 夕映
まったくムラサメさんは
私が此処にたどり着いた時、突如転位させられたかと思えば目の前にはムラサメさん達がいました
『夕映、お前さんはまだ行くな。まずは坊主に戦わせる』
と言って私を行かせてくれませんでした
しかし、ネギ先生が敵の言葉で呆然とし戦意を喪失した辺りで
『…………この程度だったか、夕映行っていいぞ』
そう言って私を転位しました
転位させられると同時に冥府の石柱を放ちますが石柱は先程から見ていた通り神楽坂さんの方に向かって行きました
やはりそういうことですか
どうやら神楽坂さんには魔法を引きつける魔道具を付けられているようですね
あれを何とかしない限り魔法は通用しないですね
その時、
「ネギ君!!無事かい!?」
高畑先生がやってきました
これは都合が良いです
「高畑先生、頼みがあります」
「え!?綾瀬君?なんで君が?」
「それは後です。高畑先生、目の前の犯人は私が注意を引きますからその間に神楽坂さん達をお願いします」
私がそれだけ言うと高畑先生は何も言わずに神楽坂さん達の元に向かいます
やはり経験が違いますね
その場で自分がやる事をすぐに行えるとは
さて、次は
「次は君が相手をしてくれるのかい?お嬢さん」
「まぁそうなりますね」
「そうか、では楽しませてくれよ?」
男の人はこちらに駆け出してくる
しかし、今この時点で私がやるべきは戦うことではありません
高畑先生が神楽坂さん達を助けるまでの時間稼ぎ
「戦う前に一つ聞きたいことがあります」
「なんだね?」
男は対応しながらも歩みを止める事は無い
しかし
「あなたの他にもう一人いますね?」
この言葉で相手の足が止まった
「何故、そう思う?」
「あなたは時々ここではない別の場所に意識を向けていました。そこから判断しました」
「…………それだけでかね?」
「いえ、後はあなたの今の反応です。すいません、カマをかけさせてもらいました」
「ふっくっくっくっく。面白い、そこの戦意を喪失している少年より面白い。だがその質問の答えは
あげられないな。さて始めよう」
くっ、もうこれ以上話は出来そうにありませんね
しょうがない、戦いますか
「綾瀬君!!明日菜君達は助けた!!」
「なに!?まさか!!」
「そういうことです。すいませんが時間稼ぎに付き合っていただきました」
私がしてやったりという顔をすると
「ははははははははは!!!まさか、まさかこの私がこうも簡単に騙されるとは!!
いいだろう、君も魔法で戦えるようだから私も本気で戦おう」
男の人はそう言うと姿が変わりました
頭に二本の角が生えた悪魔へと
「悪魔だったんですね」
「そういうことだ、さぁ始めよう。悪魔パンチ!!」
「フォア・ゾ・クラティカ・ソクラティカ障壁突破、石の槍!!」
私と悪魔のパンチがぶつかり合う
結果は互角
まったくパンチ一発が魔法と同じだなんて流石悪魔というべきでしょうか
私が追加で詠唱をしようとした時
ネギ先生が動き出しました
「お前は、お前は!!」
「む?あぁ少年、我に返ったか。あぁ私の姿を見たからか、あの村で会って以来だねぇ」
ネギ先生はその言葉を聞くと悪魔に殴りかかる
くっ、ネギ先生が私と悪魔の丁度あいだにいるから魔法が撃てない
撃てばネギ先生を巻き込んでしまう
その時
「このボケネギ!!何我を失ってるんや!!!」
さらに乱入者が来ました
もう訳が分かりません
悪魔の方も突然の出来事で唖然としています
なんだか向こうの方で青春を行ってますが今は無視しましょう
「悪魔さん?向こうは無視してこちらも始めますか?」
「君中々にドライだね」
「いちいち気にしてたら命がいくつあっても足りない人達に鍛えられましたから」
「そうか、なら始めようか!!悪魔ラッシュ!!」
「フォア・ゾ・クラティカ・ソクラティカ、おお、地の底に眠る死者の宮殿よ我等の元に姿を現せ『冥府の石柱』!!」
「むぅ!!」
悪魔は拳を私ではなく頭上から降ってくる石柱に向けラッシュで石柱を崩していく
その間に
「フォア・ゾ・クラティカ・ソクラティカ、砕けて割れて引きずりこめです!!『砕土』!!」
悪魔の足元に地割れを起こし引きずりこむ
「ぬぅぅぅ。まだまだぁ!!」
悪魔は抜け出そうとするが
「もう一回です!!フォア・ゾ・クラティカ・ソクラティカ、
おお、地の底に眠る死者の宮殿よ我等の元に姿を現せ『冥府の石柱』!!」
冥府の石柱を再び頭上に落とす
「くっ、こざかしい!!悪魔ビーム!!」
ビームで石柱を完全に破壊し地割れからも抜け出す
「まだまだです!!二重詠唱!!フォア・ゾ・クラティカ・ソクラティカ、
おお、地の底に眠る死者の宮殿よ我等の元に姿を現せ『冥府の石柱連続投下』!!」
諦めずに石柱を連続で落としていく
「まさか、この様な年の少女がここまでやるとは!!流石はあの方の友の弟子か!!」
石柱は連続で悪魔に降り注ぐ
土煙が晴れた時、そこに悪魔の姿はなかった
いや、いた
しかし、場所が違った
悪魔はいつの間にか現れていた男によって別の場所に置かれていた
「いつの間に!!」
男の人は私の方を向くと拍手をしてくる
「いや、凄いな。まさかヘルマンをここまで消耗させるとは、いや恐れ入った」
「貴方は誰ですか?」
「なに、今回の舞台の脚本家の一人さ」
「脚本家?舞台?」
しかし、男の人は私の言葉を無視し一人で喋る
「まったく、これではゲームは俺の負けだな」
その時
「そこまでじゃ、侵入者」
上空に学園長が浮いていた
「む?なんだお前、その頭同族か?」
「……今はそのような戯言に付き合っている場合ではないのでな。悪いが拘束させてもらう」
学園長がそう言うと周りから大量の先生方が出てくる
しかし
「いやいや、素晴らしいね。だがお前らじゃ相手にならねぇよ。俺の相手になるとしたらお前ぐらいだ。
そうだろ?ムーちゃん」
「え?」
いつの間にか私の横にはムラサメさんとエヴァンジェリンさん、茶々丸さん、チャチャゼロさん
そして大きな狼がいました
「やっぱりこうするつもりだったんだなアーちゃん」
「ばれてたか。まぁ所詮はゲーム、契約にはとどかねぇ。悪いがそこの坊主殺させてもらうぜ?」
「ふん、約束を守らんとはな」
「エヴァちゃん、そう言わんでくれよ。約束と契約では重さが違うさ、それに俺は悪魔だぜ?
信じる方が悪いさ」
「それもそうだな。エヴァお前の負けだ」
「お前はどっちの味方なんだ!!」
なんだか先程までのピリピリした空気が霧散してしまいました
「オイ、マスター。周リノ視線ガイテェゾ」
「空気クラッシャーですね」
「うっさい!!」
「ムラサメ殿、そろそろいいですかな?わし達にも生徒を守ると言う義務があるのです」
学園長がムラサメさんにそう言うと
「お前らが?コイツを捕まえる?無理を言うな」
エヴァンジェリンさんがそれを否定しました
「エヴァンジェリン、それはどういうことかな?わしらでは力量が足りないと?」
「あぁ足りないな。ムラサメ、そいつの正体を言ってやれ」
「アーちゃん、いいか?」
「いいさ。どうせばれる」
「近坊、こいつはアスモデウスだ」
その瞬間、時が止まった気がしました
というかアスモデウスって
「七大魔王のアスモデウスですか!?」
「夕映正解、じゃあ後は俺がやるから」
ムラサメさんはそれだけ言うとアスモデウスの前に立つ
「…………ムーちゃん、邪魔する気か?」
「あぁ悪いがな。まぁ正直坊主はどうでもいいんだが、俺は、お前と殺りあってみてぇんだよ」
「あぁそうだな!!俺もそうしたかったんだ!!やっぱ他人とは思えねぇ!!!俺はお前に勝って契約を果たさせてもらうぜ!!」
「「く、くっくっく、はははははははははははは!!!!!!!!」」
二人は笑いあいながら歩を進めていく
そして魔法も技術も関係なしに殴り合いとなる
舞台は最終局面へ
これから始まるのは『王』と『代行者』
強者と強者のぶつかりあい
舞台は完全に脚本家の手から離れた
結末がどうなろうと後は転がっていくだけ
学園長をかっこよく書きたかったのに書けなかった
何回書きなおしても上手く介入させることができない!!
そして夕映に戦わせることによって起きるネギの扱いの難しさ
誰かネギの動かし方を教えて!!!!!・・・・・・頑張って書きます