今回は武闘祭の話です。ではお楽しみください
9月5日、合宿前にあげたいな、と思い焦ってしまったため酷い文章、酷い構成だったため少し修正しました
未来の俺の阿呆!!
side 超
学園祭二日目、私が裏で何か動いているのを感づいたのか魔法関係者が警戒態勢に入った
ふふ、対応が遅いよ『正義の味方』諸君
既に計画の準備は整っている
後は最終日を待つだけなのだから
ただ警戒すべきは学園長 近衞 近右衛門と広域指導員 高畑・T・タカミチの二人だ
この二人は師匠とある程度友好関係にあるため思考が柔らかい
ようするに突然の出来事への対応に慣れているのだ
そのためこの計画で一番大事なのはこの二人を捕獲、もしくは無力化すること
ただし間違っても殺してはいけない
なぜならこの二人も未来を変える、という点で重要な位置にいるのだから
それにしても暇だ
目くらましの意味を込めて開いた武闘祭だが、参加している選手の大体が一般の表側の人間
まぁ、何人かは裏に関係する者もいるようだがそれも少数
ちなみに裏で参加しているのはネギ・スプリングフィールド、犬上 小太郎
神楽坂 明日菜、桜咲 刹那
そして正体がいまいち掴めないクウネル・サンダース
高畑先生は警戒の為不参加
一応、私達の陣営からも田中さんの一体を参加させているが彼では優勝は無理だろう
しかし彼を見せておけばこちらの戦力を誤認させられるかもしれない
そうなれば儲けものだ
私は視線を試合の方に向ける
武闘祭の方は現在準決勝である
カードとしては桜咲 刹那VSクウネル・サンダースとネギ・スプリングフィールドVS犬上 小太郎である
現在は桜咲とクウネルの試合であるがどうも様子がおかしい
桜咲は先程から武器を振るっているのだがクウネルには一向に当たらない
いや、当たってはいる
ただ、すり抜けているのだ
まるでそこには『何もない』かのように
(あれは幻影?いや思念体と考えた方がいいか。あれほどの実力、計画の邪魔にならなければいいが。
一応、本体の場所を探してみるか?いや、ここは相手の出方で対応しよう。不用意に敵を増やすべきではない。
それにいざとなったらあの子達に動いて貰う)
その後、桜咲も相手が実体ではないと気付いたのか自ら棄権した
さて、次はネギ・スプリングフィールドの試合か
彼も一応要警戒人物の一人だ、仮にも英雄の息子
火事場の馬鹿力というものもある
存分に観察させてもらうよ?
side ネギ
「さぁて、準決勝第二回戦!!対戦カードは我らがチビッ子先生ネギ君と、
関西からやってきたチビッ子拳闘士、犬上 小太郎君!!」
「小太郎君、僕は負けないよ」
「はっ、それは俺も同じや。あの時の決着つけてやるわ」
僕と小太郎君はお互いに拳を構える
僕は負けられない
僕は決勝に行かなきゃならないんだ
決勝で父さんに会うために
僕はあの時、武闘祭が始まる直前に確かに聞いたんだ
さっき桜咲さんと戦った人がお父さんの声で
『決勝まで来たら俺と戦わせてやる』って
だから負けられない
僕は父さんに会うんだ!!
「さぁて、準備はいいかな?……では試合開始!!」
ゴングが響くと同時に小太郎君が殴りかかってくる
「行くで、ネギぃ!!」
瞬動を使った撹乱からの拳撃
避けるために咄嗟に左に動くが、小太郎君もそれに即座に反応し蹴りを放ってくる
「うぐっ」
いたた、やっぱり肉弾戦だと小太郎君に分があるか
なら僕は僕の戦いをするだけだ
古さんから習っている拳法を使いつつも魔法の詠唱に移る
余り大きな呪文は使えないけど目くらましとしての魔法なら大丈夫
「どうしたネギぃ、さっきから逃げてばっかりやないか!!」
「ここからだよ!!魔法の射手光の一矢!!」
僕は小太郎君の目の前で魔法を発動させる
これは神多羅木先生に教えて貰った戦法だ
魔法の射手を目くらましとして使用し、その間に相手に一撃を与えるというもの
僕は光属性にも適正があったため即席のスタングレネードとなる
「くぅ!!味な事するやないか」
僕は小太郎君がひるんだ隙に崩拳を放つ
拳は確実に小太郎君に当たり、彼を吹き飛ばす
彼は闘技場の端まで吹き飛んだが、直ぐに立ちあがった
やっぱりそう簡単にはいかないよね
でも目の方はそう簡単には回復しないはず
攻めるなら今しかない
僕は小太郎君に向かって走っていき、彼に再び拳を放つが
吹き飛ばされたのは僕の方だった
見ると、彼は蹴りを放っていた
「どうして……」
「おいおい、ネギ。俺が何のハーフか忘れたんか?」
その言葉で僕は気付いた
そうだ、彼は狗族だった
視覚を補う嗅覚があるんだった
「ネギ、全力でかかってきぃや。温存なんてしとる暇あると思ってんのか?」
小太郎君はそう言いながらこちらに突撃してくる
そこからは彼の独壇場だった
殴る、蹴る、打つ、僕の体に確実にダメージを与えてくる
そうだ、小太郎君は戦力の温存をしていて勝てる相手じゃない
僕の全力を持って相手にしなきゃならない相手なんだ
「小太郎君、ごめん。僕が間違っていた、ここからは出し惜しみはないよ!!魔法の射手光の五矢」
僕は魔法の射手を空に向けて放つ
会場が一瞬だけ光に包まれる
これで会場の人に魔法を見られる事はない
後は大きな魔法を打ちこむ!!
「ラス・テル マ・スキル マギステル来れ雷精風の精、雷を纏いて吹きすさべ!!南洋の嵐、雷の暴風!!」
暴風と雷が小太郎君に襲いかかる
小太郎君はソレを防御するが彼は段々と闘技場の外へと押し出される
ついに踏ん張りがきかなくなったのか彼の体は完全に闘技場から叩きだされる
「うぉぉぉぉぉぉ!?」
彼が落ちると同時に闘技場を包んでいた光が消える
「おぉっと!?一瞬の閃光の間に何が起きたのか!!小太郎選手が闘技場から落とされているーーーー!!カウントを取らせて貰います!!」
審判のカウントが進む
小太郎君はまだ動けそうだったが僕の方を見ると笑いながらそのまま倒れた
「小太郎選手、倒れたーーー!!これで決勝戦に進出するのはネギ選手だ!!」
side 超
小太郎という少年はまだ戦えそうだったけど戦いをやめたか
ネギの方も小太郎に礼を言っていることから恐らくは決勝戦は彼にとって必要な事があるのだろう
「さぁて、いよいよ麻帆良武闘祭もクライマックスです!!それでは決勝戦を行いたいと思います!!素顔は謎、クウネル・サンダース選手VSネギ・スプリングフィールドの試合です!!両者、上がってください」
司会に促され、二人が闘技場に上がる
「よくここまで来ましたね。ネギ君」
「……貴方は?」
「ふふ、私はただのクウネル・サンダース。さて約束通り彼に会わせてあげましょう」
クウネルが何かをつぶやくと闘技場が竜巻に包まれる
(これでは中で何が起きているか分からない。ちっ、戦力を少しでも知っておきたかったのだが…………)
side ネギ
闘技場を竜巻が包む
「こんなに大々的に魔法を使用するなんて」
「すいませんね、私の情報は知られる訳にはいかないんですよ。というより君には言われたくないですよ。まぁどうでもいいですが。……さて約束通りナギに会わせてあげましょう」
クウネルさんはどこからか一冊の本を取り出した
そして彼の周りを多くのしおりらしきものが飛ぶ
彼はその内の一枚を掴み、何かをつぶやくと光が走り
次の瞬間には目の前には僕があこがれ続け、会いたかった人が立っていた
「……父………さん?」
「ん?お前が俺の息子か。アルの奴ちゃんと約束を守ったみたいだな」
「父さん!!!」
僕は父さんに向かって駆け出す
「父さん、父さん!!」
父さんは腕を広げ、僕は父さんの胸に飛び込もうとした
が
次の瞬間には殴り飛ばされていた
「へぷらぁっ!」
「父さん、父さんうっさいな!!お前はあれか、ファザコンか!!??くそぅどうしてこう育った?
未来の俺よ、少し怨むぞ」
「父さん、なんで!?」
「あ〜、先に言っておく。今ここにいる俺は虚像、仲間の一人の力で造り出された存在だ。
まぁ一応は本人なんだが、それはどうでもいい。重要なのは今、此処にいる俺は過去の俺、すなわちお前さんという存在を知らない時の俺だ」
父さんの言葉に僕は呆然とする
「だが、それでもお前は俺の息子なんだろうな。だから一つだけ親っぽい事をしてやる!!」
さぁ始めるぞ、『親子喧嘩』を!!」
「え、えぇ〜〜〜〜〜!?」
「驚いてる暇は無いぞ、息子よぉ!!」
父さんの拳が飛んでくる
速い!!小太郎君よりも速い
恐らくは魔力で自らを強化しているのだろう
「ほらほら、親子喧嘩なんだ。お前もかかって来い!!」
父さんは笑顔でそう言った
「……うん!!」
そこからは魔法の魔の字もなかった
ただお互いに拳を繰り出す
「ははは、どうした?痛くも痒くもないぞ!!」
「父さんが強すぎるだけです!!」
「当り前だ、俺はナギ・スプリングフィールドだぞ!!」
そんな会話と拳の応酬が10分程続いた時
「……そろそろ時間か。あ、名前聞くの忘れてたな」
「ネギです」
「変な名前。くそぅ、未来の俺よ何を考えていた。まぁいい、ネギ」
「なに?」
「そろそろ俺は消える。だから最後に良いものを見せてやる」
「いいもの?」
「そうだ、俺が一番得意としている魔法だ。覚えられるかはお前次第だ。あぁ安心しろ、この魔法当たったら今のお前の体なんて蒸発しちまうからな、ちゃんと外してやる」
「うん!!」
「百重千重と重なりて走れよ稲妻!!千の雷!!」
たくさんの雷が僕の遥か頭上を飛んでいく
これが、これが父さんの魔法
雷は会場を包んでいた竜巻をいとも破壊し、会場の外へ、空へと消えていった
「凄い、やっぱり父さんは凄いや」
「当り前だ。ネギ、お前はこれから色々な事を体験する。それを全部自分の糧にしな、そうすりゃ
直ぐに俺に追い付けるさ、なんせお前は俺の息子なんだからな」
「うん!!」
「……あ、そうだ。もしもだ、もしも代行者の奴に会う事があれば伝言を頼む。
『いつかぶっ飛ばす』ってな」
「うん!!って、えぇ!!父さんあの人と知り合いなの!?」
「ん、あぁ。というかもう会ってんのか。お前よく生きてんなぁ。まぁ伝言は頼むな。
じゃあな、ネギ、俺の息子」
「うん、うん。またね父さん」
「あぁ」
そう言って父さんは消えた
後に立っていたのはクウネルさん
「さて、私の役目も終わりました。それではネギ君、お元気で」
クウネルさんはそう言うと闘技場を下りて行った
「え、え〜と。よくわからないがクウネル選手が棄権?しました!!よって優勝はネギ選手です!!」
会場が拍手に包まれる
……いいのかな、これで
でも今は父さんに会えたからそれでいいや
side クウネル
ふぅ、やはりナギになるのは消耗が激しい
それにしてもネギ君があそこまでファザコンになっていたとは
面白すぎます
「さて、後ろにいる人?何か用ですか?」
「何、少し話を聞きたくてネ。クウネル、いや『紅き翼』アルビレオ・イマ?」
「ふむ、貴方は?」
「名無しのファンだよ」
喋るつもりはないようですね
さて、どうするか
「あぁ、身構えないで欲しイ。一つ聞きたいだけ」
「いいでしょう」
「貴方はこれからどうするつもりカナ?」
「どう、と言われましても。そうですね、これで私の存在がばれてしまいましたから此処の地主に挨拶に行きますよ。私がここでゆっくり過ごす許可をね」
地主という言葉に少女が反応する
「……先に言っておく。師匠に手出しは許さない」
「怖いですね。殺気をしまってください。勿論手は出しませんよ、そんな事をしたら私は肉片にされますから。というか彼に、『代行者』に勝てる存在などいないでしょう」
「それもそうネ。失礼シタヨ」
少女はそう言うと去ろうとしたので
「あぁ、一つだけ」
「なにかナ?」
「口調、いや訛りですか。統一した方がいいですよ?気付く人は気付きますよ?」
「!?ご忠告感謝ネ」
「いえいえ、ではこれで」
少女は表情を一瞬だけ動かしたが直ぐに元の表情に戻した
なかなかに出来ますね
ふふ、本当にこの学園は飽きない
さて、代行者に挨拶に行きたいんですがやはり土産くらいはいりますかね
はい、なんかナギが阿呆ですね。まぁいいか
段々とシリアスに入ります。入れたらいいなぁ
今回も適当にネタコーナーです。お題は『かみさまからのプレゼント』
焔「調、あなたにお届け物だよ」
調「私に?というか一応ここって極秘では?」
栞「それが例の『代行者』からで」
調「かみさまから!?それを早く言ってください!!」
焔「相変わらず調は代行者にべだ惚れだねぇ」
栞「そうだね、でもちょっとうらやましいかな」
焔「・・・・・・・そうだね。調、中身はなんだった?」
調「種、ですね。かみさまからの手紙によると新種の種だそうです。育てると面白い事になる、と書いてありました」
焔「面白い事?」
栞「嫌な予感しかしませんね」
調「何を言うのです!!さぁて植木鉢は、と」
〜〜2ヶ月後
焔「・・・・・調、なにコレ?」
調「さぁ?でも可愛くないですか?この何を考えているのか分からない瞳とかポカンと空いた口とか」
焔「うーん、そうかな」
調「ならもっと近くで見るのです!!」
焔「痛い、痛いよ。針が刺さってる刺さってるって!!」
調「しかもこの子すごいんですよ」
栞「どう?」
調「ふふふ、見せてあげなさいサボ!!」
サボ「・・・・・・・・・・・・・」
焔、栞「サボテンが立ったーーー!!そして歩いてこっちに来る!!しかも速い!!きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
かみさま、有難うございます!!ブリジットは今日も元気です!!
焔、栞「調ーーーー!!たすけてーーーー!!」