最初に言っておきます。今回の話はかなり批判されると思います。ぶっちゃけると作者はこの話を投稿していいものか最後まで悩みました。こんなんネギまじゃないと書いている作者自身思っていますから。まぁどのような批判も受け入れるつもりで書きました。
皆さんに批判されることなく楽しんで読んでいただけることを願います。
魔法なんて!!
呆然とするネギ達を無視して超達は真っ直ぐに世界樹へと向かっていく
その超の後ろには機樹人壱号と葉加瀬がついて歩いている
「超さん!!この騒動の犯人は貴方なんですか!?」
「……葉加瀬、状況は?」
ネギの質問を無視し、超は葉加瀬に現在の状況を尋ねていた
「今のところはコチラの優勢ですね。ほとんどの魔法関係者は田中さんシリーズと茶々シスターズの
対処に追われています」
「茶々丸の方は?」
「そちらも問題はありません……が、どうも先程から何者かの迎撃を受けていますね。まぁ問題はなさそうですが」
「そうか」
超と葉加瀬は目の前には何もない誰もいない、といった様子で会話をつづけている
自分の質問は無視され、尚且つ自分達は無視されているという状況にネギは我慢出来なかったのだろうか遂に叫んだ
「超さん!!無視しないでください!!」
そんなネギの叫びに対する超の反応は
「……黙れよ、魔法使い」
その言葉には超の全てが込められていた気がした
長瀬や桜咲といったある程度裏に関わっている者は気がついた
今の言葉に込められている感情
すなわち憎悪と侮蔑
しかし魔法使いといえど未だ10歳の少年は気がつかない
故に
「超さん、なんでこんな事をするんですか!!答えて下さい!!」
未熟な魔法使いは己の素直な疑問をぶつけることができるのだ
超は後ろにいる葉加瀬になんらかの指示を出した後ネギを正面から見据える
「……私は黙れ、と言ったんだがね。まぁいいさ何故こんな事をするのかだったね。
いいだろう、教えてあげようじゃないか。私のいや、私達の目的は魔法の存在を公表することさ」
超の目的はネギ達に衝撃を与えた
その衝撃からいち早く回復した桜咲は超に問う
「何故、そんな事をするんですか!?そんな事をすれば世界が混乱に包まれます!!
そしてそれに伴い様々な問題が起きてしまいます!!」
「それがどうした?確かに最初の30年はそういった問題も起きるだろう。だが未来を
100年や200年先を考えるならばなんの問題もない」
超はさらに言葉を続ける
「君達に良い事を教えてあげよう。私の最終目標は『魔法をこの世から消す』事だよ」
「な、なんでそんな事を!!魔法は困っている人達を助けるのに必要な「一体、いつ誰が魔法で助けて欲しいと言った?」
そ、それは…………。でも!!『立派な魔法使い』の理念は必要なものです!!」
「……何故?」
「それは、魔法は良い事に使うためです!!」
ネギの魔法に対する想いは純粋で輝かしいものだろう
だが、それは魔法に対して絶望している者の心には届かない
「立派?良い事?戯言を…………!!魔法使いが全員その様な理念を持っているならば私は此処にいない!!」
超が叫ぶなか新たな人物が世界樹の前に現れる
「それはどういうことかの?超 鈴音君?」
それは麻帆良学園学園長にして麻帆良最強といわれる魔法使い近衞 近右衛門だった
「学園長!?まさかあの子達が負けたのか!?」
超はその顔に初めて驚愕を現す
「……いや、引き分けじゃよ。大した奴等じゃった、わしの魔力が切れるまで耐え抜きおった。
今のわしは何の戦力にもならん。だが、それでも聞かねばならないと思った故ここまで来た」
「そうか、あの子達は立派に戦いぬいたのか……」
そう呟いた超の顔は一瞬だが慈愛に満ちていた
しかし彼女はその表情をしまい、決意に満ちたそれへと戻る
「さて、超君?話して貰おうかの」
「……そうだね、貴方が『理解者』が出てきたなら話は別だ。話しておいた方がいいのかも知れないね。
まず最初に私はこの時代の人間ではない、これより未来の世界の住人だ」
「ふむ、その未来人が何故魔法を消したがる?」
「私が未来人だと言う事に疑問はないのか?」
「君の技術力をみれば疑問はおきん」
「そうか、まぁいいさ。私が何故魔法を消したいか、か。当然だ、魔法という存在が憎いからだよ」
「魔法が憎い?」
「そう、私の世界つまりはここから未来では魔法が世界を支配し、魔法使いと非魔法使いとの間に格差が生まれていた。
それは略取する側とされる側、魔法こそが正義の世界」
超の言葉に一番に反応したのはやはりネギ・スプリングフィールドだった
「う、嘘だ!!魔法は、魔法使いは……!!」
超はそんなネギを一瞥するだけで済まし話を続ける
「世界がそのようになったのは私の時代の50年程前の事。突如地球にメガロメセンブリアの魔法使いと名乗る集団
がやってきた。彼等はなんの警告もなく広域殲滅魔法によって都市を焼き、占拠した。そして徐々に転位魔法を駆使し
世界を支配していった」
「ちょっと待った。話を聞いている限り魔法使いは急に侵略を始めたのじゃな?」
「その通りだ」
「ならば、ムラサメ殿は『代行者』とその家族は動かなかったのか?」
「いや?動こうとしたさ。だが魔法使いは保険をかけていた」
「保険?」
「広域殲滅魔法を利用した爆弾を全世界の森や山と言った自然に配備し、それを人質にとった。
自然を無くしたくなければ動くな、とね」
「魔法使いは其処まで腐ったのか……。だが止める者もいた筈じゃろう」
「いたさ、貴方だよ『理解者』近衞 近右衛門」
「わし、が?」
「そう貴方と高畑・T・タカミチ、そしてその仲間達がいた間は彼等も動けなかった。だが貴方達が亡くなり
貴方達の遺志を継いだ仲間も家族を人質に取られ動けなかった。
そうして世界を支配した魔法使い共は師匠とエヴァンジェリン達をある場所に転位させた」
「ある場所?」
「火星だよ」
超の発言に驚くのは何度目だろうか
しかし超の話す未来の話はそれほどのものだった
「師匠は火星に転位させられると同時に自分の周囲をテラフォーミングした。そうしなきゃ師匠はともかく
エヴァンジェリン達は生きられないからね」
「むぅ、ムラサメ殿はなんでもありじゃのう。ところでエヴァンジェリン達と言っていたが具体的には誰じゃ?」
「……茶々丸とチャチャゼロそして綾瀬 夕映」
何故そのような未来で真祖であるエヴァンジェリンはともかく人間である綾瀬 夕映が生きているのかは語られなかった
ちなみにこの時にストルズ達の名前が出てこないのはムラサメが別荘へと避難させたためである
話はその後も続く
ムラサメがテラフォーミングをしたことで火星は人が過ごせるようになった
それは魔法使い達は知ることのないことだった
しかし、ここで双方にとって予期せぬことが起きた
それは
非魔法使い達の火星への転位
近右衛門はそこで自身の中に嫌な仮説が立てられたのを感じた
「……まさか」
「そう、メガロメセンブリアは非魔法使い達の処刑に火星への転位を使用し始めた」
既にネギ達の顔は真っ青である
近右衛門は意を決しある質問を超に投げかける
「それで、君自身の話を聞かせてはくれないか?」
「……先程話した通り魔法使いとの間には格差が生まれた。それは医療においてもだよ」
そういって彼女は自分の衣服の腹部分を見せる
そこには手術痕が残っていた
「私はね、孤児だった。親もいない、名前もない、孤児院で静かに暮らしていた。ある日上級議員の魔法使いがやってきて
私を連れ出した。そして言ったのさ『お前の臓器が私の娘に適合した。だから寄こせ』ってね。私に拒否権は無かった。
そうして私は子宮をとられた。その後は孤児ということで私は満足なアフターケアを受けることもなく火星に転位させられた」
超の独白に話を聞いていた全員がその表情を怒りに染める
「酷過ぎる……」
「なんという…………」
「火星に送られた私は運が良かったんだろう。師匠のテリトリーに転位させられたのだから。
師匠は私を助けてくれた。そして名前のなかった私に名をくれた、私の名前は超 鈴音じゃない。
私は『鈴』ただの鈴、だけどこの名前はあの人がくれた名前」
超の脳裏にはあの時の事はいつでも思いだせる
『なんだ、お前さん名前ないのか。エヴァつけてやれよ』
『なんで私が?というかお前からそういう事をいうなんて珍しいな』
『俺にもこういう時ぐらいあるさ。まぁそれはどうでもいい、名前だよ、名前』
『…………ふむ、見たところ日系といった感じだな』
『なまえくれるの?』
『おぅ、というかお前さんの声は鈴みてぇだな。よし、今日からお前さんの名は『鈴』だ』
『そんな安直な。まぁ分かりやすくていいな。『鈴』か』
『りん、りん。わたしはりん』
思いだすだけで胸が温かくなる
この想い出が私の出発点
そして鈴は顔を上げると声高らかに言った
「だからこそ、私は決意した。大事なあの人達の為に過去を変えよう、と!!葉加瀬!!!」
「はい!!」
鈴に呼ばれた葉加瀬はいつのまにか世界樹の根元まで来ており世界樹の周りに化学式を描いた
鈴のいままでの話は全て葉加瀬が世界樹の根元にたどり着くまでの時間稼ぎ
「すまないね、時間を稼がせてもらった。だが私の話は真実だよ」
ネギ達は化学式を止めるために葉加瀬の元に走る
しかしそれを遮る者がいる
機樹人の最後の一人壱号とただの『鈴』
「さぁ、どうする魔法使い!!私は間違っているか!?魔法は正しいか!?正しいと思うのならば
魔法を持って、己が掲げる正義を持って私を止めて見せろ!!!」
今回の話について説明させていただきますと作者は常々ネギまを読みながら思っていたのです。
魔法という一般の人は持たない力を野心ある人間がもてばどうなるかを。勿論、良心ある人間は必ずいます。ですが魔法を統括する人間の殆どが野心と欲望に身を委ねたらどうなるか、を考えて今回の話を書きました。
作者はネギが嫌いなわけではありません。アンチやヘイトの様に写ってしまうかもしれませんが原作と違いエヴァを師匠としていないネギを精神的に成長させて魔法世界編に行きたいなと考えています。なのでここから先はネギも戦えるようになると思います。
一応これ以外にも案はありそちらはギャグ調でした。なのでもし皆さんがこれは酷過ぎると思いましたら言ってください。即座に学園祭編を書きなおすつもりです。
おまけ 『昔のエヴァちゃん』
ムラサメ「エヴァもなんというか逞しくなった」
エヴァ「おい、どういうことだそれは」
ムラサメ「だってよ昔俺の家に来たばかりのころなんて」
エヴァ「待て、それ以上いうな」
茶々丸「いえ、ぜひ聞きたいです」
エヴァ「茶々丸、きさま!!」
ムラサメ「エヴァがうちに来てすぐのことだったな、俺の家には不思議な植物が大量にいたんだ。そのうちのひとつで不法侵入者を追い出すために創ったのがいたんだが、まぁ名前を髑髏案山子って言うんだが森に入ってきた人間を脅かして追い払うんだがある日エヴァがなぜかそれに引っかかってな・・・・・・」
茶々丸「そ、それでどうなったんですか?」
エヴァ「待て、それ以上は!!」
茶々丸「姉さん」
チャチャゼロ「オウヨ、ニシテモオ前モ変ッタヨナ妹ヨ」
ムラサメ「『ひややぁぁぁぁぁぁ』ってよくわからない叫び声をあげて泣きながら俺の部屋まで駆け込んできてしばらく泣きやまなかったんだ」
茶々丸「マスター・・・・・・かわいすぎます。く、私に血があればおそらく鼻血が出ています。見たかったです」
ムラサメ「なら今度一緒になにか仕掛けるか?」
茶々丸「ぜひ!!」
エヴァ「やめてーーーーーーーーーーーーー!!!」