すいません、今回はかなり短いです。
これで魔法世界に入るための閑話は終わりです。
では、どうぞ
私の想い
side ムラサメ
灯りを点けることもなく、一人目を閉じながらやるべき事を考える
最優先目標はメガロメセンブリアにある『除草剤』の破壊
次いで、それの開発者及び資料の破壊
やるべきことは明確だな
なら、行くか
俺は椅子から立ち上がり、魔法世界に行く準備を整える
すると、部屋の扉が開き、エヴァがやってきた
「ムラサメ、魔法世界に行くのか?」
「あぁ、ちょっとな」
「なら、私達も行くぞ」
「あぁ?」
エヴァがそう言うと、夕映や茶々丸、チャチャゼロ、ストルズが入ってきた
「ムラサメさん、私たちも一緒に行かせて貰います」
「私は貴方に付いて行くと決めてますから」
「ケケ、オ前トイケバ人ヲ斬レソウダカラナ」
「ワフッ」
全員が俺に付いてくると言う
「観光じゃねぇんだがな」
「知ってるさ、それでも私たちはお前と共に行こう。それにな、ムラサメ、私はもうサネカズラはいらない」
そう言ってエヴァは俺に一つの花を差し出した
それは、フウセンカズラ
花言葉は『あなたと共に』
そしてエヴァに続くかのように他の奴らもフウセンカズラを差し出す
「はぁ……。揃いも揃ってモノ好きな奴等め」
まったく、本当にモノ好きな奴らだ
俺は悪態をつきながらも笑みをこぼしていた
「なら、いくか」
side エヴァンジェリン
全員がムラサメに付いて行く事を決めた
ムラサメもそれを了承した
今は各々が魔法世界に行く為の準備を進めている
茶々丸は鈴が未来に帰る前に残していった装備を受け取りに
綾瀬は自分が使える魔法の確認を
チャチャゼロは包丁を研いでいるし
ストルズは、寝てる
私は全員がこちらを見ていないのを確認すると、一人部屋から出て、ムラサメの下に向かう
手に一輪の花を持ちながら
「ムラサメ、入っても良いか?」
『いいぞ』
私は一度深呼吸をし、気持ちを落ち着かせる
だが、それでも、落ち着く事はない
えぇい、もういくしかないんだ!
私は意を決し、ムラサメの部屋に入る
「エヴァ、どうした」
「え、えぇと、その、だな」
「なんだよ」
「ム、ムラサメ!!」
「おぅ」
「なにも言わずにこれを受け取れ!!」
私は手に持っていた花をムラサメに押し付けた
「あ、あぁ。って、おいこの花って」
「それは私の偽りない気持ちだ。だから何も言わずに受け取れ。言葉は返さなくてもいいからな」
花を渡した恥ずかしさを隠すかのように、私は早口でまくしたてる
本当は返事が欲しい
でも、ムラサメにはやるべき事がある
返事を聞くのはそれからでも遅くは無い
時間はいくらでもあるのだから
私はそっとムラサメの背に抱きつく
ムラサメは何も言わない
「なぁ、ムラサメ、私達が共にいるようになってから何年経ったかな」
「……600年程だろう」
「そう、600年だ。その間に世界は変わり、人も変わった。魔女狩りで追われていた時が嘘のようだ」
「なんだ? また追われたいのか?」
「そんなわけないだろう。……だが、感謝はしているかもしれない。あの時、追われて、森に入っていなければ私はお前に出会っていなかっただろうから」
「……」
「ムラサメ、これからも私はお前と共にいていいか?」
「……お前と初めて会った時に言ったはずだ。何も聞かないし何も言わない、お前が何者であろうと構わない、お前は好きなだけここにいればいいし好きな時に出ていけばいいってな」
「そう、か。そうだったな。ふふ………」
「そう言う事だ」
私は抱きつくのをやめ、ムラサメと背中合わせとなる
そのまま静かな時間が流れる
そんな中、私は思う
願わくば……
人の摂理から外れた私たちだが……
願わくば、全てが終わったのならば、再び、この様な時間を過ごせますように……
最初に言わせて下さい。今回、書いてて結構恥ずかしかったです。
何度、頭の中でグルグルのあの精霊が叫んでいたことか・・・・・・
それでも、やはり書いておこうかな、と思い書きました。
この作品はエヴァがヒロインですからね。
さて、次回から魔法世界です。すなわち終わりが近いです。
それでは、これからも拙作を楽しんでいただけることを願って。また次回
おまけ 「もしも夕映が早まって、ネギに刺客を送ってたら」
今日も授業がなんとか終わった
ふと、外を見ると、すでに日は沈んでおり、あたりは暗い
「はやく帰らないと、夏休みには魔法世界に行くんだし、準備とかしないとね」
僕はそう呟き、一人校舎を後にする
しばらく歩き、女子寮の近くにある雑木林についたときでした
背筋が急に寒くなり、体が震えます
「え、な、なに」
僕は携帯用の杖を構えました
すると、目の前に火が灯りました
それはユラユラと揺れながら、こちらに近づいてきます
「だ、誰ですか!?」
僕は声をかけるが反応はない
その時、僕の脳裏にある話が思い出されました
それは明日菜さんが話してくれた日本の妖怪『火の玉』
火の玉はゆっくりと近づき、遂にその姿を現しました
それはフードを被った何かでした。
背丈は1メートル位、両生類のような尻尾とフードの中で爛爛と輝く瞳
そして、その手に持つのは包丁とランタン
どうやら僕が見た火の玉はこのランタンだったようだ
すると、ランタンに変化が現れた、火の中に数字が現れたのだ
それは彼?がこちらに近づくたびに減っていき、それが3となった時気付きました。
あれは僕との距離だと
そして、3が2に、2が1に・・・・・・そして0に
「え?」
気付くと僕のおなかに包丁が刺さっていました
「なん、で・・・・・・」
しかし彼は何も語らずにポケットから何かを取り出しました
しかし、僕の意識はそれを確かめる事は出来ずに意識を失いました
翌日、雑木林にて一人の少年が重体で見つかった。彼はなんとか一命を取り留めたが今も入院している
ちなみに少年が見つかった時、少年の近くには一枚の紙が落ちていた
其処にはミミズがのたうちまわったような字でこう書かれていた
『てんちゅー』
なに書いてんだろ、自分