第2話 初めてのお出かけ
誕生日なのに憂鬱な朝を迎えた俺。
そしてあまり表情には出てこないが嬉しそうな父さん。
見るからに嬉しそうな母さん。
そんな3人は馬車に揺られながらヴァリエール領へと向かっていた。
「(まさか初めての遠出が自分の家の領土じゃなくて、ラ・ヴァリエール領になるなんて……どうしてこうなったし)」
微妙に沈んでる俺を見て、首をかしげる両親。
俺はその光景を見て、思い直した。
「(せっかく両親が俺のためを思って誕生会を開いてくれるんだから、喜ばないと!
それに俺が公爵家当主に目をつけられなければ何の問題もないはず……あと公爵夫人にも)」
よし、心構えはできた!
しかし大きなパーティなんて初めてだし、ゼロ魔では決闘とか偶にあったよな?
なら一応召喚の練習しておこうかな?
呼び方は頭の中で名前と見た目を思い描けば出せるって管理者が言っていた。
馬車の中に出したら両親がビックリするだろうし、かと言って馬車の横に明らかにペガサス亜種っぽいギャロップとか出すわけにもいかない。
「(そうだ!鳥ポケモンなら大丈夫のはず!
何がいいかなぁ……初めてこの世界にポケモンを召喚するんだからちょっと大きめの鳥がいいなぁ。
でも伝説系だと騒ぎになりそうだし、大きいといってもそこそこの大きさにしないと……)」
どうしようか悩んでいると、いつの間にか森の中に入っていた様だ。
仲良く談話している両親をしり目に、俺は何を出すかまだ迷っていた。
そうして森に入ってから10分くらい悩んで、やっと決めることができた。
「(愛着があって、それなりに強い、あまり大きくない鳥ポケモン……。
君に決めた……’ムクホーク’!)」
俺はプラチナでの手持ちポケモン’ムクホーク’を森の空に思い描いた。
猛禽ポケモンというだけあって鷹や鷲を大きくしたような見た目だが、自分が呼び出したということで喜びは一入だ。
「何だ!? レッドこっちに来なさい!」
「きゃ!」
しかし30メートル位離れた場所から聞いたことのない鳴き声と共に、鳥が羽ばたく羽音が聞こえてきたことで馬車の中が緊張に包まれる。
楽しく談笑していた父さんは急いで俺を引き寄せ、警戒するように辺りを見回していて、母さんは突然の鳴き声にビックリしているようだった。
辺りを警戒して、離れていくムクホークの姿を視認した父さんは
「あんなに大きな鷹は見たことが無いな」
と呟くように言って警戒を解いた。
ごめん父さん母さん……驚かせるつもりはなかったんだよ。
でもこれで召喚が出来ることは確認できた。
装備は人目があるから試すことができないけど、いざとなったら少し離れたところに強面のポケモンを出して驚かせて逃げよう。
強面のポケモンならどんなポケモンがいいかなぁとか考えつつ、俺はヴァリエール領につくまで眠ることにした。
「起きなさいレッド」
母さんの声で眠りから覚めた俺は「おはよう」と一言言い、辺りを見渡した。
そして茫然とした。
「広いでしょう? ここがヴァリエール領よ。」
俺は生前海外旅行なんて数える位しかしていなかった。
でもこの光景はそのどんな場所よりも広く綺麗だった。
夕焼けに染まる空と、風に揺れる大草原。
今まで見た何よりも壮大で、圧倒された。
「そろそろ門が見えてくるぞ」
父さんの声で我に返った俺は、前を向いた。
デカい!
その一言だった。
俺の家もそれなりに大きかったが、桁が違う。
こんなところで俺の誕生日を祝うのかと思うと恐縮するんだけど。
「食べられたりなんかしないわよ?」
と俺を小さく笑いながら茶化してくる母親にソッポを向け、俺はヴァリエール邸に入って行った。
誕生日なのに憂鬱な朝を迎えた俺。
そしてあまり表情には出てこないが嬉しそうな父さん。
見るからに嬉しそうな母さん。
そんな3人は馬車に揺られながらヴァリエール領へと向かっていた。
「(まさか初めての遠出が自分の家の領土じゃなくて、ラ・ヴァリエール領になるなんて……どうしてこうなったし)」
微妙に沈んでる俺を見て、首をかしげる両親。
俺はその光景を見て、思い直した。
「(せっかく両親が俺のためを思って誕生会を開いてくれるんだから、喜ばないと!
それに俺が公爵家当主に目をつけられなければ何の問題もないはず……あと公爵夫人にも)」
よし、心構えはできた!
しかし大きなパーティなんて初めてだし、ゼロ魔では決闘とか偶にあったよな?
なら一応召喚の練習しておこうかな?
呼び方は頭の中で名前と見た目を思い描けば出せるって管理者が言っていた。
馬車の中に出したら両親がビックリするだろうし、かと言って馬車の横に明らかにペガサス亜種っぽいギャロップとか出すわけにもいかない。
「(そうだ!鳥ポケモンなら大丈夫のはず!
何がいいかなぁ……初めてこの世界にポケモンを召喚するんだからちょっと大きめの鳥がいいなぁ。
でも伝説系だと騒ぎになりそうだし、大きいといってもそこそこの大きさにしないと……)」
どうしようか悩んでいると、いつの間にか森の中に入っていた様だ。
仲良く談話している両親をしり目に、俺は何を出すかまだ迷っていた。
そうして森に入ってから10分くらい悩んで、やっと決めることができた。
「(愛着があって、それなりに強い、あまり大きくない鳥ポケモン……。
君に決めた……’ムクホーク’!)」
俺はプラチナでの手持ちポケモン’ムクホーク’を森の空に思い描いた。
猛禽ポケモンというだけあって鷹や鷲を大きくしたような見た目だが、自分が呼び出したということで喜びは一入だ。
「何だ!? レッドこっちに来なさい!」
「きゃ!」
しかし30メートル位離れた場所から聞いたことのない鳴き声と共に、鳥が羽ばたく羽音が聞こえてきたことで馬車の中が緊張に包まれる。
楽しく談笑していた父さんは急いで俺を引き寄せ、警戒するように辺りを見回していて、母さんは突然の鳴き声にビックリしているようだった。
辺りを警戒して、離れていくムクホークの姿を視認した父さんは
「あんなに大きな鷹は見たことが無いな」
と呟くように言って警戒を解いた。
ごめん父さん母さん……驚かせるつもりはなかったんだよ。
でもこれで召喚が出来ることは確認できた。
装備は人目があるから試すことができないけど、いざとなったら少し離れたところに強面のポケモンを出して驚かせて逃げよう。
強面のポケモンならどんなポケモンがいいかなぁとか考えつつ、俺はヴァリエール領につくまで眠ることにした。
「起きなさいレッド」
母さんの声で眠りから覚めた俺は「おはよう」と一言言い、辺りを見渡した。
そして茫然とした。
「広いでしょう? ここがヴァリエール領よ。」
俺は生前海外旅行なんて数える位しかしていなかった。
でもこの光景はそのどんな場所よりも広く綺麗だった。
夕焼けに染まる空と、風に揺れる大草原。
今まで見た何よりも壮大で、圧倒された。
「そろそろ門が見えてくるぞ」
父さんの声で我に返った俺は、前を向いた。
デカい!
その一言だった。
俺の家もそれなりに大きかったが、桁が違う。
こんなところで俺の誕生日を祝うのかと思うと恐縮するんだけど。
「食べられたりなんかしないわよ?」
と俺を小さく笑いながら茶化してくる母親にソッポを向け、俺はヴァリエール邸に入って行った。