第7話 初めての魔法
朝起きて、ご飯を食べているときに、昨日考えていたことを母さんに聞いてみた。
「父さんと母さんって魔法のクラスはどのくらいなの?」
「父さんはトライアングルで、私はラインだけど……いきなりどうしたの?」
「えっとね……僕も魔法使いたいなぁと思って」
「そうなの……じゃあ少し予定より早いけど魔法の練習始めましょうか」
なんかえらくスンナリ決まったことに疑問を覚えたが、魔法を教えてもらえる嬉しさにその疑問は吹っ飛んで行った。
そして数日後
「もっとギリギリまで引きつけてから避けなさい!」
「はぃ」
息も絶え絶えでボロボロの俺がいた。
どうしてこうなった!!
〜回想〜
「じゃあまずコモンスペルの練習から始めましょう」
「え? いきなり実践ですか?」
「もちろんじゃない! ‘習うより慣れろ’よ!」
まぁ一応理に適ってるのか?
とりあえずやってみよう。
「まずこの杖を持って、目の前にある小さな石を浮かせなさい。 呪文はレビテーションよ」
「ハイ!………えっとそれだけですか?」
「もちろんじゃない! さぁ!!」
そんなんで出来るわけがないと思うんだが、やってみるだけやってみるか!
「レビテーション!……浮きません」
「今貴方は浮くわけないとか思っていたでしょう」
「はい」
「それじゃあ発動しないわ。
魔法はイメージが最も大切なの。
絶対成功すると思って明確にどうなるか思い描くことによって初めて魔法は発動するわ」
難しそうだけど、日本のオタク舐めんなよ!
想像力は人一倍だ!!!
次こそ成功させて見せる。
「(石が一メートルくらい上に浮かぶイメージ)レビテーション!」
「ちょっと動いたわね」
「(これじゃイメージが弱いのか……それじゃあ石にかかっている重力を弱めて持ちあげるようなイメージで)レビテーション!」
「そう、やればできるじゃない!」
目の前には予定より少し低いが、宙に浮かぶ小石の姿があった。
自分が使った初めての魔法の効果を見て俺はテンション駄々上がりだ。
「それじゃあ次はフライを試してみましょう。 今度は小石じゃなく自分が飛ぶイメージをしなさい」
「はい!」
これはさっきとは違い、浮かすだけではなく浮いて自分の意思で移動させるということか……それなら
「(重力を弱めるまでは同じ、次は掛かる力の向きを行きたい方向に変えていくイメージで)フライ!」
自分の体がフワッと浮く感覚があり、成功したと思った瞬間俺は引っ張られるかの如く前方に5メートルくらい吹っ飛んで転がった。
「どんなイメージをしたらこうなるのかしら?」
そんな少し呆れたような声を聞きながら俺の意識は遠のいていった。
「起きなさいレッド!」
母さんの声で意識を取り戻した俺は、とりあえずさっきの魔法の問題点を探した。
おそらく少し浮いたからと言って、重力を弱めるイメージが良かったわけではなかったのだろう。
あくまで弱めているだけだから、石なんかより重い俺は下に引っ張られる。
それを気にしないで前に進もうとしたら、そりゃあ足引っ掛かって転ぶわ。
でもこれだけで大分疲れた。
やっぱりRPGでいうところのMP的なものが少なくなってきているのかな?
「やっと起きたのね……とりあえずフライは後回しにして、先に属性を調べましょう」
「属性ですか。」
「火ならファイア、水ならウォータ、風ならウィンド、土ならアース。
これらは練習次第でみんな使えるようになるんだけど、一発で成功する魔法が自分の属性だと思った方がいいわね」
自分的には風とかがいいなぁ……見えない攻撃とかカッコよくない?
厨二病? 俺には邪気眼なんてないよ?
「じゃあ順番に試してみなさい。」
「はい!」
結果として火→煙すら出ない
水→一滴出てきた
風→むしろ風が凪いだ
土→目の前の土が30センチくらい隆起した
「貴方は土系統みたいね、努力次第で水もラインスペル位までは出来るかもしれないわ」
「(よし!風は使えないみたいだけど二つも使える可能性があるなら万々歳だ!)」
「じゃあこれからが本番」
「え?」
「私の魔法避けて、私にタッチしなさい」
「いや……それはいきなりすぎませんか?」
「大丈夫よ? 直接当てはしないから」
そう言って30㎝位の水の玉を自転車くらいの速さで飛ばしてきた。
そんないきなりの攻撃に俺は対応できるわけもなく、俺の足元に当たった水の衝撃で尻もちをついてしまった。
地面凹んでるんだけど?
そんな俺を母さんはクスクス笑いながら見ていた……ドSか?
「次はちゃんと避けなさいね?」
そう言って母さんは自分の後ろに8つの水球を浮かべていた。
俺……死ぬかもしれない。
〜回想終了〜
「ありがとう……ございました」
あの後少しずつ反応できるようになってきたんだけど、それに合わせて水球のスピードも上がってきて、最終的には時速80キロ位出ていたと思う。
幾ら直接当てないからと言って無数に飛んでくる弾を前に恐怖しないわけもなく、動きは鈍り何度も転がされた。
夕方になった頃俺が殆ど反応出来なくなってきたために、やっと母さんの口から訓練終了の合図が。
安堵の表情をしていた俺に母さんは優しく現実を突き付けた。
「それじゃあ明日も頑張りましょうね」
「えっと毎日やるんでしょうか?」
「もちろんじゃない! 何日も空けたら体が鈍っちゃうわよ?」
「そう……ですか」
この特訓は毎日続くらしい……大丈夫なのか俺?
父さんは土のトライアングル
母さんは水のラインです
母さんは水のラインですが、殆どトライアングルに近いので水の玉は最大1メートル最高時速は200キロまでイケる。
父さんの実力については後日……
それでは読んでくださった皆様に心からの感謝を
朝起きて、ご飯を食べているときに、昨日考えていたことを母さんに聞いてみた。
「父さんと母さんって魔法のクラスはどのくらいなの?」
「父さんはトライアングルで、私はラインだけど……いきなりどうしたの?」
「えっとね……僕も魔法使いたいなぁと思って」
「そうなの……じゃあ少し予定より早いけど魔法の練習始めましょうか」
なんかえらくスンナリ決まったことに疑問を覚えたが、魔法を教えてもらえる嬉しさにその疑問は吹っ飛んで行った。
そして数日後
「もっとギリギリまで引きつけてから避けなさい!」
「はぃ」
息も絶え絶えでボロボロの俺がいた。
どうしてこうなった!!
〜回想〜
「じゃあまずコモンスペルの練習から始めましょう」
「え? いきなり実践ですか?」
「もちろんじゃない! ‘習うより慣れろ’よ!」
まぁ一応理に適ってるのか?
とりあえずやってみよう。
「まずこの杖を持って、目の前にある小さな石を浮かせなさい。 呪文はレビテーションよ」
「ハイ!………えっとそれだけですか?」
「もちろんじゃない! さぁ!!」
そんなんで出来るわけがないと思うんだが、やってみるだけやってみるか!
「レビテーション!……浮きません」
「今貴方は浮くわけないとか思っていたでしょう」
「はい」
「それじゃあ発動しないわ。
魔法はイメージが最も大切なの。
絶対成功すると思って明確にどうなるか思い描くことによって初めて魔法は発動するわ」
難しそうだけど、日本のオタク舐めんなよ!
想像力は人一倍だ!!!
次こそ成功させて見せる。
「(石が一メートルくらい上に浮かぶイメージ)レビテーション!」
「ちょっと動いたわね」
「(これじゃイメージが弱いのか……それじゃあ石にかかっている重力を弱めて持ちあげるようなイメージで)レビテーション!」
「そう、やればできるじゃない!」
目の前には予定より少し低いが、宙に浮かぶ小石の姿があった。
自分が使った初めての魔法の効果を見て俺はテンション駄々上がりだ。
「それじゃあ次はフライを試してみましょう。 今度は小石じゃなく自分が飛ぶイメージをしなさい」
「はい!」
これはさっきとは違い、浮かすだけではなく浮いて自分の意思で移動させるということか……それなら
「(重力を弱めるまでは同じ、次は掛かる力の向きを行きたい方向に変えていくイメージで)フライ!」
自分の体がフワッと浮く感覚があり、成功したと思った瞬間俺は引っ張られるかの如く前方に5メートルくらい吹っ飛んで転がった。
「どんなイメージをしたらこうなるのかしら?」
そんな少し呆れたような声を聞きながら俺の意識は遠のいていった。
「起きなさいレッド!」
母さんの声で意識を取り戻した俺は、とりあえずさっきの魔法の問題点を探した。
おそらく少し浮いたからと言って、重力を弱めるイメージが良かったわけではなかったのだろう。
あくまで弱めているだけだから、石なんかより重い俺は下に引っ張られる。
それを気にしないで前に進もうとしたら、そりゃあ足引っ掛かって転ぶわ。
でもこれだけで大分疲れた。
やっぱりRPGでいうところのMP的なものが少なくなってきているのかな?
「やっと起きたのね……とりあえずフライは後回しにして、先に属性を調べましょう」
「属性ですか。」
「火ならファイア、水ならウォータ、風ならウィンド、土ならアース。
これらは練習次第でみんな使えるようになるんだけど、一発で成功する魔法が自分の属性だと思った方がいいわね」
自分的には風とかがいいなぁ……見えない攻撃とかカッコよくない?
厨二病? 俺には邪気眼なんてないよ?
「じゃあ順番に試してみなさい。」
「はい!」
結果として火→煙すら出ない
水→一滴出てきた
風→むしろ風が凪いだ
土→目の前の土が30センチくらい隆起した
「貴方は土系統みたいね、努力次第で水もラインスペル位までは出来るかもしれないわ」
「(よし!風は使えないみたいだけど二つも使える可能性があるなら万々歳だ!)」
「じゃあこれからが本番」
「え?」
「私の魔法避けて、私にタッチしなさい」
「いや……それはいきなりすぎませんか?」
「大丈夫よ? 直接当てはしないから」
そう言って30㎝位の水の玉を自転車くらいの速さで飛ばしてきた。
そんないきなりの攻撃に俺は対応できるわけもなく、俺の足元に当たった水の衝撃で尻もちをついてしまった。
地面凹んでるんだけど?
そんな俺を母さんはクスクス笑いながら見ていた……ドSか?
「次はちゃんと避けなさいね?」
そう言って母さんは自分の後ろに8つの水球を浮かべていた。
俺……死ぬかもしれない。
〜回想終了〜
「ありがとう……ございました」
あの後少しずつ反応できるようになってきたんだけど、それに合わせて水球のスピードも上がってきて、最終的には時速80キロ位出ていたと思う。
幾ら直接当てないからと言って無数に飛んでくる弾を前に恐怖しないわけもなく、動きは鈍り何度も転がされた。
夕方になった頃俺が殆ど反応出来なくなってきたために、やっと母さんの口から訓練終了の合図が。
安堵の表情をしていた俺に母さんは優しく現実を突き付けた。
「それじゃあ明日も頑張りましょうね」
「えっと毎日やるんでしょうか?」
「もちろんじゃない! 何日も空けたら体が鈍っちゃうわよ?」
「そう……ですか」
この特訓は毎日続くらしい……大丈夫なのか俺?
父さんは土のトライアングル
母さんは水のラインです
母さんは水のラインですが、殆どトライアングルに近いので水の玉は最大1メートル最高時速は200キロまでイケる。
父さんの実力については後日……
それでは読んでくださった皆様に心からの感謝を