第8話 能力の確認
あの特訓を始めて早二年。
最早躊躇というものをどこかに忘れてきたのではないか、という母さんの猛攻を受けながらの訓練に少しは慣れてきました。
まぁそれでも全弾回避は出来ないんですが……。
それに半年くらい前から母さんが足元じゃなく胴体を狙ってくるようになりました。
「そろそろ大丈夫かな?」
という俺にとっての絶望の一言と共に。
まぁそんなこともあって、反応速度と足が速くなりました。
やったね!! まぁ某GSの欲望魔人ほどではないですが、結構速くなったと思います。
次に魔法の方ですが、なんとか土はドットスペルまで発動するようになりました。
水は要練習ですが……母さんが結構気にしているので、なんとか5歳までにドットまで出来るといいなぁ。
そしてこの4歳の夏!
ついに他のポケモンを試してみようと思い、近くの森まで遊びに来ているのです!!
ここの森にはオークやゴブリンといった魔物は居らず、動物の数も多くない。
ここなら人もあまり来ないだろうし、いい加減装備も試したいと思い両親に散歩の許可を得て来たわけです。
「う〜ん……誰がいいかなぁ? 流石にLv100の子達は不味いような気がするし、伝説もヤバいよなぁ」
あれこれ悩んだ結果やっとのことで決めたのは
「来い!ニューラ!」
レベルもあまり高くなくて、小さいから大丈夫かなと思ってこの子にしたわけですが……想像以上に可愛い!!
俺は犬も猫もどっちも好きなんだけど、猫派に移行しそうなくらいに可愛い!
とりあえず頭を撫でてみたら、目を細めて心地よさそうにしていたのでしばらく撫でまわした。
気づくと10分位撫でまわしていたようだ。
「っは!? 違う違う、俺はこんなことがしたくて呼び出したわけじゃ……いやお前が嫌いってわけじゃなくてな?」
なんか微妙に悲しそうな顔しているニューラにフォローを入れつつ、今回の目的を再確認した。
俺はポケモンの技の威力と装備についての確認をしに来たんだ!
ってなわけでニューラに指示を出してみることに
「ニューラ! みだれひっかきだ!!」
「ニャ!」
俺の目の前にある太さ60センチの気に向かって、勢いよく飛びかかるニューラ。
どれくらいの傷がつくかなぁと見ていると、一回目で斧で切りかかったような痕がついた。
「え?」
そのまま二回目、三回目、四回目でその木は倒れてしまった。
木を倒したニューラは、まるで僕頑張ったでしょ!みたいな輝いた目でこちらを見ている。
とりあえず可愛かったから頭を撫でることにした。
ニューラの頭を撫でながら、俺はさっきニューラの攻撃を思い出してみる。
ゲームの中でのみだれひっかきの扱いは、威力18で2〜5回の連続攻撃。
あまり強い部類の技ではなかったはず……しかもニューラは悪、氷だからタイプ一致っていうわけでもない。
レベルも確かこの子は40位だったはずだから、あまりステータスも高くない。
18の4回目で倒れたということは、タイプ一致のれいとうパンチだとどうなる?
あれはタイプ一致だと威力112だったはずだ。
試してみるか?
「ニューラ今度はあの木にれいとうパンチしてきてくれるか?」
「ニャ〜」
ずっと撫でていたためか少し眠そうに目標の木に向かった。
テクテクと歩いていく姿は非常に可愛らしいと思うが、そんなことよりも技の威力を調べなければ!
先ほどのように飛びかかっているわけではないから、木に到着するまで少し時間がかかったが、やっと目の前に到着した。
ニューラは先ほどまで眠そうにしていた顔から、戦闘時の凛とした顔になり、目の前の木にこぶしを振りかぶって振り下ろした!
パリン!というガラスが割れるような音と主に、ニューラが殴った部分木が凍って砕けた。
そして少し遅れて響く木の倒れる音。
あぁこれはヤバい……人を余裕で殺せる威力だ。
Lv40台のニューラでこれなら、俺のホワイトで使っていたキュレムなら?
600族のバンギラスLv100ならどうだ?
ヤバいってレベルじゃない……出すポケモンはよく考えないと駄目だな。
思考の海に使っていると不意に上着の袖を軽く引っ張られている感覚。
ふとそちらを見てみると、またも僕頑張ったでしょオーラを出すニューラ。
とりあえず撫でる、ひたすら撫でる。
管理者が言うには装備は、装備したポケモンの技とステータスをそのまま自分が使用できるという話。
しかも同時に6体まで装備できるという……流石にいきなり6体同時装備は厳しい気がするから、1体でいいよね。
ニューラは予想以上に強かったからもう少しLvの低いポケモンにしよう。
とりあえず装備を試すためにニューラを戻すことに……「また今度遊ぼうな」と言うと意味がなんとなく伝わったのか少し寂しそうな顔をしたが、また今度という言葉がなんとなく分かったのか笑顔で光の中に消えていった。
何だこの罪悪感は……胸が締め付けられるんだが。
気を取りなおして、装備するポケモンを決める。
Lv40以下でそこまで攻撃力が高くない子。
あぁ炎も駄目だ!森だし……。
あれ?ムクホークでよくね?
さっそくムクホークを呼び出すことに決めた俺は、ムクホークを召喚した。
……あぁそうだったね、君前回出したまま戻してなかったっけ。
とりあえずその……なにか分からない肉塊を啄ばむのをやめなさい。
肉塊を土に埋め、ムクホークに水を飲ませた(装備して味覚共有とかだったら死ねるから)。
そしてついに装備を試すことに!!
ムクホークを一旦戻し、自分の体の中に召喚するようなイメージ……そうすると身体から力が溢れるような感覚が襲ってきた。
流石に存在力とやらがムクホークではあまり大きくないらしく、俺の見た目に変化はなさそうだが、力が満ち溢れる。
少しビックリしつつムクホークの使える技を試してみることに……
えっと「でんこうせっか」でいいかな。
よし!行くぞ!!
「でんこうせっか!!」
その瞬間俺は風になった。
そして木に激突、そのまま気を失った。
赤い光が目を刺し、ゆっくりと目をあけると、もう夕方だった。
そろそろ帰らなければ両親が心配するだろう。
とりあえず人型に凹んだ木を見なかったことにしつつ俺は帰路に着いた。
色々練習しなきゃだめっぽいなぁ……そんなことを改めて感じた一日だった。
おまけ
帰った俺を出迎えてくれた母だったが、俺を見て笑顔だった表情が引き攣る。
俺は何か可笑しいところあったかなと思い、自分の服を見ると土に汚れ、所々敗れた無残な服がそこにはあった。
その後禍々しい笑みを引っ提げた母さんにこっ酷く叱られた俺は1週間外出禁止を命じられた。
……わざとじゃないのに。
やっと装備試せた!!
そして予想外のポケモンの強さ
みねうちでも人は死ぬような気がするよ……
あの特訓を始めて早二年。
最早躊躇というものをどこかに忘れてきたのではないか、という母さんの猛攻を受けながらの訓練に少しは慣れてきました。
まぁそれでも全弾回避は出来ないんですが……。
それに半年くらい前から母さんが足元じゃなく胴体を狙ってくるようになりました。
「そろそろ大丈夫かな?」
という俺にとっての絶望の一言と共に。
まぁそんなこともあって、反応速度と足が速くなりました。
やったね!! まぁ某GSの欲望魔人ほどではないですが、結構速くなったと思います。
次に魔法の方ですが、なんとか土はドットスペルまで発動するようになりました。
水は要練習ですが……母さんが結構気にしているので、なんとか5歳までにドットまで出来るといいなぁ。
そしてこの4歳の夏!
ついに他のポケモンを試してみようと思い、近くの森まで遊びに来ているのです!!
ここの森にはオークやゴブリンといった魔物は居らず、動物の数も多くない。
ここなら人もあまり来ないだろうし、いい加減装備も試したいと思い両親に散歩の許可を得て来たわけです。
「う〜ん……誰がいいかなぁ? 流石にLv100の子達は不味いような気がするし、伝説もヤバいよなぁ」
あれこれ悩んだ結果やっとのことで決めたのは
「来い!ニューラ!」
レベルもあまり高くなくて、小さいから大丈夫かなと思ってこの子にしたわけですが……想像以上に可愛い!!
俺は犬も猫もどっちも好きなんだけど、猫派に移行しそうなくらいに可愛い!
とりあえず頭を撫でてみたら、目を細めて心地よさそうにしていたのでしばらく撫でまわした。
気づくと10分位撫でまわしていたようだ。
「っは!? 違う違う、俺はこんなことがしたくて呼び出したわけじゃ……いやお前が嫌いってわけじゃなくてな?」
なんか微妙に悲しそうな顔しているニューラにフォローを入れつつ、今回の目的を再確認した。
俺はポケモンの技の威力と装備についての確認をしに来たんだ!
ってなわけでニューラに指示を出してみることに
「ニューラ! みだれひっかきだ!!」
「ニャ!」
俺の目の前にある太さ60センチの気に向かって、勢いよく飛びかかるニューラ。
どれくらいの傷がつくかなぁと見ていると、一回目で斧で切りかかったような痕がついた。
「え?」
そのまま二回目、三回目、四回目でその木は倒れてしまった。
木を倒したニューラは、まるで僕頑張ったでしょ!みたいな輝いた目でこちらを見ている。
とりあえず可愛かったから頭を撫でることにした。
ニューラの頭を撫でながら、俺はさっきニューラの攻撃を思い出してみる。
ゲームの中でのみだれひっかきの扱いは、威力18で2〜5回の連続攻撃。
あまり強い部類の技ではなかったはず……しかもニューラは悪、氷だからタイプ一致っていうわけでもない。
レベルも確かこの子は40位だったはずだから、あまりステータスも高くない。
18の4回目で倒れたということは、タイプ一致のれいとうパンチだとどうなる?
あれはタイプ一致だと威力112だったはずだ。
試してみるか?
「ニューラ今度はあの木にれいとうパンチしてきてくれるか?」
「ニャ〜」
ずっと撫でていたためか少し眠そうに目標の木に向かった。
テクテクと歩いていく姿は非常に可愛らしいと思うが、そんなことよりも技の威力を調べなければ!
先ほどのように飛びかかっているわけではないから、木に到着するまで少し時間がかかったが、やっと目の前に到着した。
ニューラは先ほどまで眠そうにしていた顔から、戦闘時の凛とした顔になり、目の前の木にこぶしを振りかぶって振り下ろした!
パリン!というガラスが割れるような音と主に、ニューラが殴った部分木が凍って砕けた。
そして少し遅れて響く木の倒れる音。
あぁこれはヤバい……人を余裕で殺せる威力だ。
Lv40台のニューラでこれなら、俺のホワイトで使っていたキュレムなら?
600族のバンギラスLv100ならどうだ?
ヤバいってレベルじゃない……出すポケモンはよく考えないと駄目だな。
思考の海に使っていると不意に上着の袖を軽く引っ張られている感覚。
ふとそちらを見てみると、またも僕頑張ったでしょオーラを出すニューラ。
とりあえず撫でる、ひたすら撫でる。
管理者が言うには装備は、装備したポケモンの技とステータスをそのまま自分が使用できるという話。
しかも同時に6体まで装備できるという……流石にいきなり6体同時装備は厳しい気がするから、1体でいいよね。
ニューラは予想以上に強かったからもう少しLvの低いポケモンにしよう。
とりあえず装備を試すためにニューラを戻すことに……「また今度遊ぼうな」と言うと意味がなんとなく伝わったのか少し寂しそうな顔をしたが、また今度という言葉がなんとなく分かったのか笑顔で光の中に消えていった。
何だこの罪悪感は……胸が締め付けられるんだが。
気を取りなおして、装備するポケモンを決める。
Lv40以下でそこまで攻撃力が高くない子。
あぁ炎も駄目だ!森だし……。
あれ?ムクホークでよくね?
さっそくムクホークを呼び出すことに決めた俺は、ムクホークを召喚した。
……あぁそうだったね、君前回出したまま戻してなかったっけ。
とりあえずその……なにか分からない肉塊を啄ばむのをやめなさい。
肉塊を土に埋め、ムクホークに水を飲ませた(装備して味覚共有とかだったら死ねるから)。
そしてついに装備を試すことに!!
ムクホークを一旦戻し、自分の体の中に召喚するようなイメージ……そうすると身体から力が溢れるような感覚が襲ってきた。
流石に存在力とやらがムクホークではあまり大きくないらしく、俺の見た目に変化はなさそうだが、力が満ち溢れる。
少しビックリしつつムクホークの使える技を試してみることに……
えっと「でんこうせっか」でいいかな。
よし!行くぞ!!
「でんこうせっか!!」
その瞬間俺は風になった。
そして木に激突、そのまま気を失った。
赤い光が目を刺し、ゆっくりと目をあけると、もう夕方だった。
そろそろ帰らなければ両親が心配するだろう。
とりあえず人型に凹んだ木を見なかったことにしつつ俺は帰路に着いた。
色々練習しなきゃだめっぽいなぁ……そんなことを改めて感じた一日だった。
おまけ
帰った俺を出迎えてくれた母だったが、俺を見て笑顔だった表情が引き攣る。
俺は何か可笑しいところあったかなと思い、自分の服を見ると土に汚れ、所々敗れた無残な服がそこにはあった。
その後禍々しい笑みを引っ提げた母さんにこっ酷く叱られた俺は1週間外出禁止を命じられた。
……わざとじゃないのに。
やっと装備試せた!!
そして予想外のポケモンの強さ
みねうちでも人は死ぬような気がするよ……