IF外伝 レッドvs烈風
「それではお二人には、これからここで決闘してもらいます。
ここでの戦いは本編には関係ないので、本気で戦って結構です。
一応私作者ですので、作品内ならザオリクとか使えます」
「いや、無理だろ……勝てるわけないぞ?」
だってこの人一人で高さ二百メートルの竜巻作れるんだよ?
もう桁がおかしいもの。
「面白そうですね、一回レッド殿とは戦ってみたかったので……良い機会です!
貴方がカトレアに相応しいかどうか、ここではっきりさせましょう!」
「うわぁノリノリだぁ……」
「あぁ逃げるのは無理ですよ?
ここは閉鎖空間ですから。
情報思念体とかいないので、介入は誰にもできません」
「なんか聞いたことあるネタだな……」
「気のせいです。
それでは私はこの辺で……また会いましょう!」
「オイ、ちょっと……」
「レッド殿、合図はコインが地面に着いたときでいいですね?」
「本当にやるんだ……なら出来る限り頑張るとしますか!」
第1戦 泥水vs烈風 Ready Fight!
「行きますよレッド殿。
これぐらいは防いでくださいね?
エア・カッター!」
「まぁ、この位な……いやいやサイズがおかしいですよ!!!!」
俺に向かって飛んできてるのは直径6メートルの風の刃。
それが凄いスピードで飛んでくる。
「ロック・ウォール!」
目の前に分厚い石の壁を出したのだが、風の刃が触れた瞬間にドンドン削り取られていく。
3メートルの厚さがあった石の壁も十秒ちょっとしか持たなかった……化け物かあの人は?
俺は石の壁を両断した刃をしゃがんで避けたが、既にカリーヌさんは次の手をうち始めていた。
「守るだけじゃ私には勝てませんよ?
カッタートルネード!」
「今度はスクウェアスペルですか……。
俺を竜巻で囲むとか……俺にどうしろと?」
「努力なさい!」
うわぁ無茶ぶり〜!
しかもこの竜巻段々狭まってきてない?
確かこの魔法って、触れたものを切り刻むんじゃなかったっけ?
「殺す気ですか!?」
「死んでも生き返るのなら大丈夫でしょう。」
「マジかよ……流石にそれはやり過ぎでしょうが!
プリズンロック!」
ヤられる前にヤってやる!
俺はカリーヌさんを石の箱で包み込むとその内部に棘を生やして、ドンドン内側に進めて行く。
そして針が反対の壁に着いたのでそこで進行を止めた。
「ふぅ、俺の勝ちだ……あれ? なんで竜巻が残ってるんだ?」
「それは私が生きているからですね。」
「!?」
気付けば俺の背後にカリーヌさんが俺の首に剣を添えていた。
……遍在か。
これだから風のスクウェアは!!!
「貴方の負けですね?」
「……そうですね」
「はーい、お疲れ様です!
一回戦はこれで御終いに成ります。
続いて二回戦の準備をしてください。」
「は?二回戦?」
「今私が勝ったので御終いじゃないのですか?」
「はい、次はレッド君に全力を出してもらいます。」
まさかとは思うんだが、ポケモンのことか?
いやいや、だからあれバレたらヤバいって作者知ってるだろうに……。
「………それはどういうことかしら?
さっきの戦いでは手加減をしていたってこと?」
「簡単に言えばそうなりますね」
「おい作者! お前何考えてやがる!!」
「大丈夫ですよレッド君!
ここでのことは本編には関係ありませんから!」
「……レッド君?
説明お願いできるかしら?」
「いやぁ……それは……。」
「まぁ取りあえず切り札が解禁になったとでも思ってください。
それでは二回戦の準備を始めてください。
私はここら辺でドロンします。
頑張ってくださいね〜」
「またか!!」
第2戦 レッドvs烈風 Ready Fight!
「あのですね、カリーヌさん?
手加減とかそういう訳ではなくでですね……?」
「分かってますよ?
貴方にとって私が本気を出すに相応しくなかったということですね?
なら私も自重を捨てましょう。」
や……ヤバい。
殺気が、殺気が飛んでくる。
しかもしょっぱなから遍在四体出してるんだけど……。
本当に自重しないなこの人……じゃあ俺だって!!
「装備ガイガン(アーマルド)、みずち(ダイケンキ)!」
「装備?……なに、それ?」
今俺の見た目は両手が鎌の様になり、額には角の様な巻き貝が生えて、髪の毛の色は青く染まる。
俺の突然の変身に驚いてカリーヌさんは一瞬動きが止まったが、そのまま突撃かましてきた。
そして四方を取り囲まれた俺だが……何もできないわけじゃない。
「‘なみのり’」
「な?! これだけの水の召喚はスクウェアでも……」
俺は波の上に胡坐をかきながら、カリーヌさんの偏在を波に飲み込ませる。
流石にt単位の水は耐えられなかったか……。
「なるほど……確かにさっきは手加減していたと言われても納得ですね。
ですが、私も負けるのは好きではないので、勝ちに行きますよ?」
「いえいえ、そんな本気にならないでください。
俺困りますから……」
「謙遜も過ぎればよくありませんよ?
(あれだけの水を召喚しても精神力が切れない。
と言うことは持久戦はレッド君に分がある。
なら一気に決める!)」
何か考えてる……今がチャンスか?
なら今度は俺から攻めよう。
「ハイドロポンプ」
「!? ストーム!!」
カリーヌさんは横っ跳びして転がった。
ハイドロポンプ直撃はヤバいと感じたんだろう……実際当たったら骨折は確実だからな。
ハイドロポンプを避けながらも、カリーヌさんは魔法を放ってきた。
それも規格外の魔法を……。
「竜巻四本に囲まれた気分はどう?」
「ははは……凄い圧迫感と風を感じますね」
「その4本は徐々に中心に向かって進んでいるの。
もしすべてが中心に集まってぶつかりあった時、その中にあるものは切り刻まれて粉になるわ」
……やっぱり殺す気じゃねぇか!!
っていうか粉になるってなんだよ!
肉片すら残らないとか……オーバーキルだぞ?
「ならこっちも自重を止めます。
殺す気でいきます。
‘つるぎのまい’‘つるぎのまい’。
そして‘ストーンエッジ’!」
「何をする……え?」
超高速で地面から飛び出た石の刃が、カリーヌさんの肉体を容赦なく壊していく。
初弾で右腕を掠った……結果右腕がはじけ飛んだ。
次弾で左足から左肩まで一気に切断。
後はただただ目の前でミンチが作られていく。
「作者!! 早く!!
早くカリーヌさんを治してくれ!!」
「は〜い。
うわ……グロッ!!」
「良いから早く治せ!!」
「ザオリク」
目の前に眩い光が現れ、カリーヌさんが光に包まれた。
すると怪我ひとつないカリーヌさんが現れた。
「すみません……やりすぎました」
「? なんのこと?」
「え、ついさっき俺がカリーヌさんを……」
「あぁ、あの時の記憶は消してあります。
とんでもない痛みの記憶が残ってしまいますからね」
そっか、良かった。
自分でやっといてなんだけど、なんであんなことを……。
「あぁそれは私が、二人が本気で戦えるように罪悪感を薄めたからです。
相手を殺すような攻撃をしても、心が痛まないように。
出ないとレッド君は本気を中々出せないでしょう?」
「……お前、ろくなことしないな」
「だって、二人の戦いを見たかった人がいたんだもの……」
「………」
「おっと、そろそろタイムアップですね。
では今回のことは完全に記憶から消しておきますので、あの世界での生活頑張ってくださいね?」
「おい!」
作者がその場から消えると、世界が白に塗りつぶされていく。
カリーヌさんはもう既にここに居ない。
残っているのは俺だけだ。
「世界の終わりを体験するなんて……要らない経験だな」
俺はそう呟いて、世界と共にその場から消えた。
あれ?俺最低なキャラになってね?
……いやこれは作者と言う新キャラクターだ!
俺じゃない、俺じゃないんだ!!
………もう作者を作品内に出さないからな!!
本当は外伝四話書く予定だったんですが、構成が思いつかなかったので、今回は二話にしておきました。
今後IF外伝についてはノリでアップするか、感想で求められた場合に書きます。
IF外伝は結構書くの大変だった……終わらせるのが難しいですね。