第146話 タバサの疑問
突然告げられた言葉に俺は一瞬硬直した。
それを見てタバサは目を僅かに細める。
「やっぱり……」
「やっぱり?」
何故やっぱり?
……まさかカマかけたのか!?
ミスったな、もっと気をつけるべきだった。
その後悔を読み取られたのか、タバサが少しだけ申し訳なさそうにこちらを見ている。
タバサも自身に秘密が多いために、そう言ったところには凄く敏感なっていて、聞いてはいけないことを聞いてしまったかと不安になったんだろう。
「ごめんなさい……でも気になったから」
「いや、読み取られた俺が未熟だったんだ。
だからあまり気にしなくてもいいぞ?」
「ありがとう」
どうやら想像以上に俺は顔に出ていたようだ。
思っていた以上に不安が大きかったらしく、タバサは安堵の表情を浮かべている。
その後彼女は俯きがちになり黙っているが、よく見ると少しそわそわしているようだ。
あぁ、そう言えばタルブに入ったことについて聞きたかったんだっけ?
どうする……シェフィールドの件もあるから流石に全部を話すわけにはいかないが、このままでは空気が悪い。
それなりに仲のいい相手とこんな空気のままになるのもイヤだし、情報を小出しするか。
「タバサ」
「……なに?」
「タルブでのことを聞きに来たんだろ?」
「話して……くれるの?」
タバサは勢いよく顔を上げた。
俺の言葉で少し驚いているようだ。
まぁそれもそうか、さっきまでタルブに行ったことを隠したがっていたからなぁ。
だがその前に俺も聞きたいことがある。
「タルブでのことを話すのはいいんだけど、その前に俺もタバサに聞きたいことがある」
「なに?」
「何故俺がタルブに行ったと思ったんだ?」
正直何が理由で俺がタルブに行ったと思ったのか、結構気になるんだよね。
もしテレポートするところを見られてたら、かなりヤバいことになるし……。
タバサは少し考えてから話し始めた。
「まず剣の訓練で聞きたいことがあって、レッドの部屋に行った」
「剣? どうかしたのか?」
「剣が少し欠けてしまったから、研ぎ方を教えて欲しくて」
「教えてなかったか? じゃあ後で教えるよ」
「ありがとう……続き話していい?」
「あぁスマンスマン、続きを頼む」
話を聞いていると、どうやら俺の居場所を探す際にコルベール先生に聞きに行くと、その際に「私は知らないが、もしかしたら……」とタルブに行ったルイズの話を俺にしたことを話したらしい。
その話を聞いて、一応つい先日行ったタルブが戦場になっているのは知っていたし、ルイズやサイトも行っているとも少し前に聞いた
ならばもし俺がタルブに行ったのなら状況を聞きたいと思ったようだ。
その結果、先ほどのカマかけに至ったらしい。
「そう言うことだったのか……でも俺の部屋にいた理由は?」
「いつ帰ってくるかわからなかったから」
「いや、どうやって入ったんだ?」
俺がそう聞くと、タバサは無言で何故か誇らしげに杖を振る。
……要するにアンロック使って入ったと?
今度から入られたくないときは、扉を練金で溶接することを心に決めた。
「じゃあ次は俺が話す番かな?」
「お願い」
俺はタルブへの移動方法とルイズたちへの援護方法、シェフィールドとの戦闘を隠して説明した。
だがそこを隠すと微妙におかしい部分が出てくる、それは……。
「……レッドは何をしに行ったの?」
まぁ、そうなるよな。
援護方法を喋れないから、唯見ていただけみたいな説明になってるし。
でも援護したことを言うと、今度は竜騎士たちをどう相手したか疑問が沸いてくるだろう。
これは万が一に備えたと説明するしかないな。
「ルイズたちが万が一命の危機に陥った場合だけ手助けしようと思ってね。
結果としてルイズたちを見守っていただけなってしまったんだ。
本当なら戦争に自分から関わる気は微塵もないんだが、戦いには万が一があるからな。
二人が死ぬようなことが無い様にしたかったんだよ」
「そうなの?」
「まぁ援護をするとしても相手は空中戦に一日の長がある竜騎士だから、気を引くくらいしか出来なかったかもしれないけどな?」
タバサは俺の話を聞いて少し考えたようだが、何とか納得してもらえたようだ。
騙しているようで少しだけ心苦しいが、タバサの立場が微妙すぎて余り情報を渡すことが出来ないんだ……すまない!
俺は少し気まずい気分だったがために、話題を変えようと考えた。
「他に何か聞きたいことはあるかい?」
「他に……じゃあ話の最後に出てきた光について詳しく」
また答えにくい質問がきたな!
正直虚無について俺が知っていることは多くない。
爆発、忘却、解除、加速という4種類の魔法があることと、使い魔の能力くらいのもんだ。
でもそれを話すわけにもいかないから、結局見た感じのイメージを伝えることくらいしか出来ない。
何処かの誰かが使用した見たことのない魔法。
強い光と凄まじい音、その結果として消えた巨大戦艦。
そして逃げ帰っていく敵軍。
これだけ聞くとまるで英雄譚だな。
裏では俺がシェフィールドと泥臭い戦いをしていたわけだが……アレは厳しい戦いだったなぁ。
なんであの相手に縛り有りで戦わなきゃならないんだよ!
持っている魔道具次第では縛りなしでも戦いたくねぇっていうのにさ。
「どうしたの?」
「ん、いや、なんでもないなんでもない!」
「?」
また顔に出ていたようだ。
はぁ……もっとポーカーフェイスの練習した方がいいのかな?
現在ディスガイア4のセリフを書き出している最中なのですが、結構多くて困る
まだ半分も終わってないんです!!
しかも書き出した後にオリキャラを入れて、書き換えなきゃいけないから結構掛かりそうだ
でもこのやり方だと一気に最終話まで書くことが出来るので、また毎日更新が出来るかも……いつになるかわかんないけどね!!