第150話 昼食
街は休日ともあって表通りは人で溢れていた。
とりあえずタバサの空腹をどうにかしないと集中して剣を選べないだろう。
「そういえばハシバミ草がある店ってどんな店なんだ?
俺はあんまり外食したことがないから分からないんだが」
「それなら良く行くところがあるから……付いてきて」
そう言ってタバサは俺の前を歩き始める。
その足に迷いがないことから普段から行き慣れてることがわかった。
そのまましばらく歩くと、こじんまりとしたレストランの前でタバサが立ち止まる。
入り口らしきところには「レストラン〜精霊の祝福〜」という看板がひっそりと掲げられていた。
「ここ」
「……なかなか渋い店だな」
タバサは空腹に負けたようにゆっくりとドアを開けた。
ドアを開けると小さくドアベルの音が鳴り、カウンターにいる店長と思わしき中年男性がこちらを向く。
彼はグラスを拭きながらタバサと俺に目を向けると、小さく「いらっしゃい」と呟いた。
店内に客の姿は無かったが店の内装はシックな雰囲気で纏められており、レストランと言うよりもバーに近い印象がある。
ふとさっきからタバサが声を出していない事に気付き、辺りを見回してみると既にイスに座ってメニューをガン見してる姿が目に入る。
いつの間に席に着いていたんだよ……とりあえず俺も座るか。
俺はメニューを手に取り何を頼もうか悩んでいると、ふと正面から視線を感じた。
「……どうかしたのか?」
「決まった?」
「あ〜、うん。
このランチセットにするわ」
「そう」
タバサは俺が注文を決めたことが分かると直ぐに店員……というか店長を呼んだ。
店長は拭いていたグラスを置き、カウンターから出てくるとテーブルの横まで歩いてきた。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
「ランチセットを一つ、タバサは?」
「ハシバミ草のサラダ二人前、地鶏のハシバミ草焼き二人前、エビのハシバミ草蒸し三人前、本日のデザート」
「あ、相変わらずだな。
っていうかそんなにハシバミ草使う料理あったのか!?」
「もちろん、そして今日は控えめ」
「これでか……」
「……ランチセット一人前、ハシバミ草のサラダ二人前、地鶏のハシバミ草焼き二人前、エビのハシバミ草蒸し三人前、本日のデザート一人前でよろしいですか?」
「あ、はい」
「ではこちら下げさせて戴きます」
メニューを小脇に抱えカウンターへと戻っていく店長。
俺はさっき店長が持ってきてくれた水を一口飲み、今後の予定をタバサに伝えることにした。
「昼食取った後のことだけど、約束通り剣を見に行こう。
命を預かるものだからな、確りと選んだ方がいい」
「……」(コクリ)
「その後は少し俺の用事に付き合ってくれ」
「何?」
「いや、そこまで重要なことじゃ無いんだけど新しいローブを買おうかと思ってな」
「? あのドラゴンのローブは?」
「いや、流石にアレを普段着るのはちょっとな」
「そう」
今後の予定の確認を終え、学園でのこと等を話しながら料理が来るのを待っていると一品目のハシバミ草のサラダが来た。
一人前の量はそれほど多くないが、二人前となると少し量が多い。
上には白いドレッシングのようなものが掛かっているようだ。
ふとサラダから目を上げると、タバサが俺をジッと見ていた。
「どうした?」
「……食べていい?」
「ん、あぁ別にいいぞ」
「ありがとう」
タバサは一度俺に微笑むと、まるで今から戦いに挑むような真剣な表情を浮かべ、ハシバミ草を口へと運ぶ。
ゴーヤほど苦くはないが、それでも苦いことにはかわらないハシバミ草を口に含みゆっくりと何度も咀嚼する。
「美味しいか?」
「美味しい、ドレッシングがとても良く合う」
「そうなのか……」
「一口食べる?」
「いいのか?」
「かまわない、んっ」
「へっ?」
俺が自分のフォークを手に持とうとしたとき、目の前にハシバミ草が差し出された……タバサのフォークに刺さった状態で。
一瞬状況がつかめなかった。
しかし顔を少し赤らめてフォークを突き出すタバサを見て我に返る。
「いやいやいや、自分で食えるぞ!?」
「ん」
「いや、だからな?」
「……ん」
「……」
「………ん」
「あ、あー」
味は良く分からなかったが、少しだけ甘酸っぱかった気がする。
その後少ししたら俺のランチとタバサの他の料理が来た。
すると出来た料理を前に先ほどまで感じていた恥ずかしさよりも空腹感が勝ち、二人とも食事に集中していく。
そして気付けば残るのはランチに付いていたデザートとタバサが頼んだ本日のデザートだけ。
ちなみに俺のデザートはフルーツの盛り合わせ、タバサのデザートはクックベリーパイだ。
互いにデザートを食べ終わり食後の紅茶を楽しんでいると、何やら店の外が騒がしい。
「何かあったのか?」
「わからない」
「まぁ、俺達に関わることじゃないから問題ないな」
「……」(コク)
「コレ飲んだら行くか?」
「そうする」
〜シルフィードside〜
「なんなのね!? 私が何したって言うのね!!」
「いや、だから金を払えって言ってるんだよ!!」
「だからなんでなのね! 私は食べていいって言われたから食べただけなのね!」
「食っていいのは試食品だけだ! 出来上がったの片っ端から食っていいとは言ってねぇんだよ!!」
「む〜……どうしても払わなきゃ駄目?」
「だ・め・だ!」
「はぁ、わかったのね」
「っと確かに、まいどありぃ」
私のおこづかいぃ……。
これは今度レッドにお肉おごってもらうしかないのね、きゅいきゅい!!
っと、二人が出てきたのね!
おねえさまはしっかりできたかな?
せっかくのチャンスなんだから頑張って欲しいのね。
それにしても服は窮屈なのね!
でも着ないとおねえさまに怒られるし……はぁ、早く元の姿に戻りたいのね。
なんとなく今更だがニーアレプリカントを購入
一週目が終わったワケだが、予想よりも面白くてビックリした
カイネの声が攻殻機動隊の少佐の声優さんで俺の心を鷲掴み!!
エミールも可愛い……男の子だけど
しかも本編で女の子かも知れないと思わせるセリフがあったりしたが、調べてみると公式で若干BL臭漂う子らしい
なんにしても主要キャラ全てが幸せになるというエンドがないのは悲しいが、尚かつDエンドを見るとニーアのセーブデータが消えるという悲しい仕様があるが、それを差し置いてもいい話だ
ちなみにDエンドでデータが消えるのはバグとかじゃなく、ストーリーにリアリティを持たせるというか……もし気になったなら買うか、動画とかを探してみるといいかも
俺としては買ってプレイする方をオススメします
やっぱりその方が感動も大きいと思いますしね