第19話 修行の成果
「セイッ!」
「甘い!もっと的確に急所を狙え!!」
「くそっ!」
「感情に振り回されるな!!」
絶賛父さんとの訓練中なわけですが、かれこれ父さんとの訓練も3年目に突入していた。
最初は恐怖や殺気に耐えること、次は気配を探る訓練、そして今は1対1の戦闘訓練になりました。
父さんは一体のゴーレムを出して、そのゴーレムの操作に全力を注いでいる。
この訓練の目的は、急所や鎧の隙間を狙うという正確な剣さばきを身につけるということ。
この世界において外科医療が発展していないため、人体の急所に関してはあまり普及してない。
しかし偵察や密偵が主な仕事だった父さんはそういった知識に詳しく、いろいろ知っていた。
……微妙にグロイ話を聞く羽目になったけど。
「他のことを考える暇があったら攻めろ!
相手を観察しろ! 弱点を探れ!」
「ハイ!」
思い出す余裕がなくなってきたので今は、訓練に集中しよう。
ゴーレムは約1メートル80センチ。
鎧は着ているけれど、フルプレートではない。
故に狙うなら横わき腹、関節各部、そして首から上。
俺の剣は細身故に刺突向きだ。
まぁマインゴーシュ用の剣も持っているが……ゴーレムの攻撃をそらすのは結構キツイ。
ということは最低限な動きで剣を避け、避けきれない部分だけを剃らす。
そして攻撃後の隙を剣で突くことができれば訓練終了となる。
今までの戦績は30戦5勝とあまり良くないが、出来ないわけではない。
「(振りかぶったということは大上段か! ならここが勝負どころだ!)しゃ!」
俺は上から振り下ろされる剣をマインゴーシュで逸らして、俺の中で最速の突きで喉を突いた。
剣先が当たった瞬間ゴーレムは崩れ、それは訓練の終了を告げていた。
「それでいい。受け止めずに逸らし、その隙に攻撃するのが今のお前に向いている戦法だ。
まだ子供のお前には力だ押し切る剣は向かない。
狙いすませろ! 相手の急所を狙え!
今回の訓練はこれで終わる。
復習しておきなさい」
「はい! ありがとうございました!」
装備すれば力ずくも出来るんだけど、手加減ができなくなるから対人戦にはあまり使いたくない。
なら俺自身の力を磨くしかない。
いつか牙突使えるようになりたいなぁ……あれは突きの奥義だと思う。
斎藤さんマジリスペクトです!
魔法訓練についてはあまり進展していない、だけど母さんに教わることは少なくなってきて、自主訓練が増えた。
前から欲しかった指輪型魔法発動体も去年の誕生日に母さんから貰い、父さんからはマインゴーシュを杖に改造してもらった。
杖が杖っぽくないのは貴族的に変わり者らしいのだが、実用性を考えていないのだろうか?
マインゴーシュが杖になるなら、剣で切りかかられた時に逸らしてそのままゼロ距離で魔法を撃てる。
こんな効率的なことはないのに……指輪だってそうだ。
俺の場合剣が使えないなら、拳を使う気満々だからインパクト時に魔法を使うことで威力が跳ね上がる。
まぁ、ネギまで主人公が使ってたものほど使い勝手は良くないけどね?
タイミングがシビアだし……。
後水もラインになりました!
土は変わってませんが……トライアングルの壁は厚い。
しかしこの二つの属性は大分応用が効く。
水は攻撃力に欠けるとか言われてるみたいだが、普通にヤバい。
実際かなりえげつないことができる。
土は錬金も使い勝手がいいし、密度の高い鉱石を使った攻撃なら鎧なんて紙みたいなものだ。
因みに最近水水土土のスクエアスペルが使えないならコンボすればいいということで、色々実験中。
魔法に関して俺は自重しない!
森での鍛錬も徐々にレベルアップ。
空手は拳速が上がってきて、拳も硬くなってきた。
抜き手は難航しているが、突き指する確率はかなり減ってきている。
大きな変化があったのは装備に関してだ。
Lv70以下なら制御できるようになってきたことはかなり大きい。
前に湖真っ二つにしたマナフィ装備も、今となっては自分の意思で制御できる。
ただしLv100は無理!
幻系のポケモンなら出来なくもないけど、伝説系は無理!
一回試しに、見た目が好きだったギラティナを装備したことがあった。
装備した瞬間俺の体に黄色の鎧みたいなものが出来て、黒い羽根が生えた。
がっつり厨二病だとか思っていたら、俺の影が徐々に広がっていくことに気がついた。
いやね、最初は影伝いに転移でもできるようになったのかなと思ったんだけど、その影が周囲の木に触れた瞬間、木が影に引きずり込まれた。
唖然としたが、俺は未だ広がる影に顔を青くして、急ぎ装備を解除した。
後に残ったのは不自然に周囲に何もない空間。
消滅なのか、吸収なのか、それともゲームのように別の次元に連れて行かれるのか分からないけれど、もうギラティナは俺がゲットしてしまっているため、あそこから抜け出す方法はない。
まぁ俺が召喚すれば行けなくもないんだろうけど、なんにせよ空間制御出来る子は出来るだけ装備しないことを心に誓った俺だった。
徐々に俺自身が強くなっていることは実感できるが、それでもワルドに勝てるかと言われたらNO。
偏在がチートすぎる。
虚無の使い魔達もキツイ。
ジョセフの加速とかヤバいし、爆発もかなり半端ない。
俺としてはこんなヤバいやつらとの戦闘予定など立てたくないけど、常に最悪は想定しておくに限る。
確かにポケモン自体は強い、でも俺は常に装備しているわけじゃないし、召喚にはワンテンポの遅れがある。
ならば用心に用心を重ねて自身の強化をしておくべきだろう。
最低でも逃げることくらいは出来るように……。
逃げることが出来れば、装備も召喚も出来る!
故に俺は土魔法でのトラップ作成も練習中だ。
はぁ……先行き不安だなぁ。
〜イルククゥ side〜
「レッドいないかなぁ〜?」
最近彼女は偶にレッドと出会った森の辺りを、風竜の姿で飛び回っていた。
その姿を見た村人が、そのことをドリュウズ家当主に報告し、レッドはしばらく森に行くことを禁じられているわけだが……そんなこと知る由もない。
「せっかくお肉持ってきたのに〜。
……じゅるり」
まぁ周辺に被害はないし、竜を相手にするのは大変なため討伐命令は出ていないのが幸いだ。
「レッドいないし私が食べちゃお、きゅいきゅい!」
そうして彼女は少しずつ森に居ついていった。
このことが主人公にどのような影響を与えるかは、まだ誰も知らない。、
「セイッ!」
「甘い!もっと的確に急所を狙え!!」
「くそっ!」
「感情に振り回されるな!!」
絶賛父さんとの訓練中なわけですが、かれこれ父さんとの訓練も3年目に突入していた。
最初は恐怖や殺気に耐えること、次は気配を探る訓練、そして今は1対1の戦闘訓練になりました。
父さんは一体のゴーレムを出して、そのゴーレムの操作に全力を注いでいる。
この訓練の目的は、急所や鎧の隙間を狙うという正確な剣さばきを身につけるということ。
この世界において外科医療が発展していないため、人体の急所に関してはあまり普及してない。
しかし偵察や密偵が主な仕事だった父さんはそういった知識に詳しく、いろいろ知っていた。
……微妙にグロイ話を聞く羽目になったけど。
「他のことを考える暇があったら攻めろ!
相手を観察しろ! 弱点を探れ!」
「ハイ!」
思い出す余裕がなくなってきたので今は、訓練に集中しよう。
ゴーレムは約1メートル80センチ。
鎧は着ているけれど、フルプレートではない。
故に狙うなら横わき腹、関節各部、そして首から上。
俺の剣は細身故に刺突向きだ。
まぁマインゴーシュ用の剣も持っているが……ゴーレムの攻撃をそらすのは結構キツイ。
ということは最低限な動きで剣を避け、避けきれない部分だけを剃らす。
そして攻撃後の隙を剣で突くことができれば訓練終了となる。
今までの戦績は30戦5勝とあまり良くないが、出来ないわけではない。
「(振りかぶったということは大上段か! ならここが勝負どころだ!)しゃ!」
俺は上から振り下ろされる剣をマインゴーシュで逸らして、俺の中で最速の突きで喉を突いた。
剣先が当たった瞬間ゴーレムは崩れ、それは訓練の終了を告げていた。
「それでいい。受け止めずに逸らし、その隙に攻撃するのが今のお前に向いている戦法だ。
まだ子供のお前には力だ押し切る剣は向かない。
狙いすませろ! 相手の急所を狙え!
今回の訓練はこれで終わる。
復習しておきなさい」
「はい! ありがとうございました!」
装備すれば力ずくも出来るんだけど、手加減ができなくなるから対人戦にはあまり使いたくない。
なら俺自身の力を磨くしかない。
いつか牙突使えるようになりたいなぁ……あれは突きの奥義だと思う。
斎藤さんマジリスペクトです!
魔法訓練についてはあまり進展していない、だけど母さんに教わることは少なくなってきて、自主訓練が増えた。
前から欲しかった指輪型魔法発動体も去年の誕生日に母さんから貰い、父さんからはマインゴーシュを杖に改造してもらった。
杖が杖っぽくないのは貴族的に変わり者らしいのだが、実用性を考えていないのだろうか?
マインゴーシュが杖になるなら、剣で切りかかられた時に逸らしてそのままゼロ距離で魔法を撃てる。
こんな効率的なことはないのに……指輪だってそうだ。
俺の場合剣が使えないなら、拳を使う気満々だからインパクト時に魔法を使うことで威力が跳ね上がる。
まぁ、ネギまで主人公が使ってたものほど使い勝手は良くないけどね?
タイミングがシビアだし……。
後水もラインになりました!
土は変わってませんが……トライアングルの壁は厚い。
しかしこの二つの属性は大分応用が効く。
水は攻撃力に欠けるとか言われてるみたいだが、普通にヤバい。
実際かなりえげつないことができる。
土は錬金も使い勝手がいいし、密度の高い鉱石を使った攻撃なら鎧なんて紙みたいなものだ。
因みに最近水水土土のスクエアスペルが使えないならコンボすればいいということで、色々実験中。
魔法に関して俺は自重しない!
森での鍛錬も徐々にレベルアップ。
空手は拳速が上がってきて、拳も硬くなってきた。
抜き手は難航しているが、突き指する確率はかなり減ってきている。
大きな変化があったのは装備に関してだ。
Lv70以下なら制御できるようになってきたことはかなり大きい。
前に湖真っ二つにしたマナフィ装備も、今となっては自分の意思で制御できる。
ただしLv100は無理!
幻系のポケモンなら出来なくもないけど、伝説系は無理!
一回試しに、見た目が好きだったギラティナを装備したことがあった。
装備した瞬間俺の体に黄色の鎧みたいなものが出来て、黒い羽根が生えた。
がっつり厨二病だとか思っていたら、俺の影が徐々に広がっていくことに気がついた。
いやね、最初は影伝いに転移でもできるようになったのかなと思ったんだけど、その影が周囲の木に触れた瞬間、木が影に引きずり込まれた。
唖然としたが、俺は未だ広がる影に顔を青くして、急ぎ装備を解除した。
後に残ったのは不自然に周囲に何もない空間。
消滅なのか、吸収なのか、それともゲームのように別の次元に連れて行かれるのか分からないけれど、もうギラティナは俺がゲットしてしまっているため、あそこから抜け出す方法はない。
まぁ俺が召喚すれば行けなくもないんだろうけど、なんにせよ空間制御出来る子は出来るだけ装備しないことを心に誓った俺だった。
徐々に俺自身が強くなっていることは実感できるが、それでもワルドに勝てるかと言われたらNO。
偏在がチートすぎる。
虚無の使い魔達もキツイ。
ジョセフの加速とかヤバいし、爆発もかなり半端ない。
俺としてはこんなヤバいやつらとの戦闘予定など立てたくないけど、常に最悪は想定しておくに限る。
確かにポケモン自体は強い、でも俺は常に装備しているわけじゃないし、召喚にはワンテンポの遅れがある。
ならば用心に用心を重ねて自身の強化をしておくべきだろう。
最低でも逃げることくらいは出来るように……。
逃げることが出来れば、装備も召喚も出来る!
故に俺は土魔法でのトラップ作成も練習中だ。
はぁ……先行き不安だなぁ。
〜イルククゥ side〜
「レッドいないかなぁ〜?」
最近彼女は偶にレッドと出会った森の辺りを、風竜の姿で飛び回っていた。
その姿を見た村人が、そのことをドリュウズ家当主に報告し、レッドはしばらく森に行くことを禁じられているわけだが……そんなこと知る由もない。
「せっかくお肉持ってきたのに〜。
……じゅるり」
まぁ周辺に被害はないし、竜を相手にするのは大変なため討伐命令は出ていないのが幸いだ。
「レッドいないし私が食べちゃお、きゅいきゅい!」
そうして彼女は少しずつ森に居ついていった。
このことが主人公にどのような影響を与えるかは、まだ誰も知らない。、