第22.5話 花言葉の意味
〜ルイズ side〜
私が兄様に初めて会ったのは1歳の時だったらしい。
流石にその時の記憶は覚えていない。
私が兄様のことを認識したのは二歳の時だった。
ちぃ姉様が連れてきた見知らぬ男の子に、私は初め警戒して姉様の後ろに隠れてしまった。
しかし兄様はそんな私に眉ひとつ顰めることもなく、優しく手を差し伸べてくれた。
その時の笑顔と優しさに私の警戒心はアッサリと解けてしまった。
兄様がいたらこんな感じなんだろうな、と幼心に思った私は、彼を兄と思うにした。
兄様は、いつもちぃ姉様と一緒にいた。
いつもは私の頼みごとを断らないちぃ姉様も、兄様と一緒の時だけは違った。
最初私は兄様にちぃ姉様を取られた気がしたが、兄様とちぃ姉様が結ばれるなら兄様が本当の兄様になると喜んだ。
しかし3歳の誕生日のプレゼントで、私は兄様のことが良く分からなくなった。
兄様がくれたのは赤いバラの水晶像。
とても綺麗な赤で光が反射すると、もっと綺麗に見えた。
その時はそれだけだったが4歳の誕生日にも綺麗な水晶の花をもらった。
私はそれをお母様に自慢しに行った。
するとお母様は白いカーネーションをみて「レッド君は、知ってて贈ったのかしら……」と少し眉をひそめて呟いた。
私は何故眉をひそめたのかお母様に聞いてみたけど、見事にはぐらかされてしまった。
とりあえずお父様にも見せに行ってこようと思いついた私は、お母様から花を返してもらいお父様の書斎へと向かった。
お父様に水晶花を見せたら、それを自分へのプレゼントと勘違いしたらしくとても喜んでいた。
しかし父さんも眉をひそめた。
「ルイズ? こういったプレゼントを軽々しく異性に渡してはいけないよ?」
「なんで?」
「花には花言葉というものがあって、一種の手紙みたいな役割を果たしてしまう時がある。
例えばバラなんて愛や情熱、貴方のことを愛しますなんて意味もあるんだ。」
「え!?」
私は急ぎお父様から、プレゼントを奪い取り、部屋へと急いだ。
後ろでお父様がの土下座のようなポーズをとっていたが、気にしている余裕はなかった。
私は部屋に帰り、鏡を見てみると顔が真っ赤になっているのが分かった。
私兄様に告白されてた?
兄様はちぃ姉様が好きなんじゃ……私は思い悩んだ。
しかしふと思い出し、白いカーネーションの花言葉を調べてみた。
意味は「私の愛は生きている」「愛の拒絶」
兄様は迷っているの?
次の年のプレゼントは白いマーガレット。
花言葉は、真実の愛。
私は困ったと同時に疑問を覚えた。
確かに兄様からの告白は嬉しい。
でも何故兄様は真っ先にちぃ姉様の部屋に行くの?
私はここで一つの可能性に思い至った。
兄様は花言葉の意味を知らないのではないか?
私は気持ちが一気に沈んでいくのを感じた。
今までの一喜一憂が全て見当違いということになる。
そしてその場合やっぱり兄様の気持ちはちぃ姉様に向いていると思うと、胸が痛かった。
私は兄様を男性として見ているのをこの時初めて実感した。
私はこの疑問を解消すべく、今年の誕生日に直接聞いてみることにした。
今年の誕生日プレゼントはアイリス。
花言葉は貴方を大切にします。
これで意味を知らなかったら私は兄様をぶってもいいと思う。
「プレゼント開けさせてもらいました。
とても嬉しかったです!」
「そっか、喜んでもらえて何よりだよ。」
「ところで兄様、花言葉って知っていますか?」
「あぁ、花にそれぞれ付いている意味のことだろ?」
「し、知っているならいいんです」
「?」
やっぱり知っていて贈ってくれていたんだ!
私は一気に顔が真っ赤になった。
なんとか他の貴族に紛れることでごまかしたが、恥しくて嬉しくて倒れてしまいそうだった。
しかし私はちぃ姉様の気持ちも知っている。
兄様から貰った水晶像を暇があればいつも本当に嬉しそうに見ているのだから……ちぃ姉様も兄様のことが好きなのだろう。
兄様も姉様を少なからず好いているはずだ。
ならばいつ姉様に天秤が傾いても可笑しくない。
……もう少し私から積極的に動いてみよう!
「ちぃ姉様に負けないんだから!!」
〜side end〜
その頃のレッド君
「なんだ?今寒気が……。
それにしても今日のルイズ嬢の様子が少し変だったな。
一応年上なんだから花言葉くらい知ってるよ。
まぁ花がどんな意味を持つかは知らないけど……」
俺は夫人の眼におびえながら、パーティが終わるまでちょびちょび料理を摘まんでいた。
〜ルイズ side〜
私が兄様に初めて会ったのは1歳の時だったらしい。
流石にその時の記憶は覚えていない。
私が兄様のことを認識したのは二歳の時だった。
ちぃ姉様が連れてきた見知らぬ男の子に、私は初め警戒して姉様の後ろに隠れてしまった。
しかし兄様はそんな私に眉ひとつ顰めることもなく、優しく手を差し伸べてくれた。
その時の笑顔と優しさに私の警戒心はアッサリと解けてしまった。
兄様がいたらこんな感じなんだろうな、と幼心に思った私は、彼を兄と思うにした。
兄様は、いつもちぃ姉様と一緒にいた。
いつもは私の頼みごとを断らないちぃ姉様も、兄様と一緒の時だけは違った。
最初私は兄様にちぃ姉様を取られた気がしたが、兄様とちぃ姉様が結ばれるなら兄様が本当の兄様になると喜んだ。
しかし3歳の誕生日のプレゼントで、私は兄様のことが良く分からなくなった。
兄様がくれたのは赤いバラの水晶像。
とても綺麗な赤で光が反射すると、もっと綺麗に見えた。
その時はそれだけだったが4歳の誕生日にも綺麗な水晶の花をもらった。
私はそれをお母様に自慢しに行った。
するとお母様は白いカーネーションをみて「レッド君は、知ってて贈ったのかしら……」と少し眉をひそめて呟いた。
私は何故眉をひそめたのかお母様に聞いてみたけど、見事にはぐらかされてしまった。
とりあえずお父様にも見せに行ってこようと思いついた私は、お母様から花を返してもらいお父様の書斎へと向かった。
お父様に水晶花を見せたら、それを自分へのプレゼントと勘違いしたらしくとても喜んでいた。
しかし父さんも眉をひそめた。
「ルイズ? こういったプレゼントを軽々しく異性に渡してはいけないよ?」
「なんで?」
「花には花言葉というものがあって、一種の手紙みたいな役割を果たしてしまう時がある。
例えばバラなんて愛や情熱、貴方のことを愛しますなんて意味もあるんだ。」
「え!?」
私は急ぎお父様から、プレゼントを奪い取り、部屋へと急いだ。
後ろでお父様がの土下座のようなポーズをとっていたが、気にしている余裕はなかった。
私は部屋に帰り、鏡を見てみると顔が真っ赤になっているのが分かった。
私兄様に告白されてた?
兄様はちぃ姉様が好きなんじゃ……私は思い悩んだ。
しかしふと思い出し、白いカーネーションの花言葉を調べてみた。
意味は「私の愛は生きている」「愛の拒絶」
兄様は迷っているの?
次の年のプレゼントは白いマーガレット。
花言葉は、真実の愛。
私は困ったと同時に疑問を覚えた。
確かに兄様からの告白は嬉しい。
でも何故兄様は真っ先にちぃ姉様の部屋に行くの?
私はここで一つの可能性に思い至った。
兄様は花言葉の意味を知らないのではないか?
私は気持ちが一気に沈んでいくのを感じた。
今までの一喜一憂が全て見当違いということになる。
そしてその場合やっぱり兄様の気持ちはちぃ姉様に向いていると思うと、胸が痛かった。
私は兄様を男性として見ているのをこの時初めて実感した。
私はこの疑問を解消すべく、今年の誕生日に直接聞いてみることにした。
今年の誕生日プレゼントはアイリス。
花言葉は貴方を大切にします。
これで意味を知らなかったら私は兄様をぶってもいいと思う。
「プレゼント開けさせてもらいました。
とても嬉しかったです!」
「そっか、喜んでもらえて何よりだよ。」
「ところで兄様、花言葉って知っていますか?」
「あぁ、花にそれぞれ付いている意味のことだろ?」
「し、知っているならいいんです」
「?」
やっぱり知っていて贈ってくれていたんだ!
私は一気に顔が真っ赤になった。
なんとか他の貴族に紛れることでごまかしたが、恥しくて嬉しくて倒れてしまいそうだった。
しかし私はちぃ姉様の気持ちも知っている。
兄様から貰った水晶像を暇があればいつも本当に嬉しそうに見ているのだから……ちぃ姉様も兄様のことが好きなのだろう。
兄様も姉様を少なからず好いているはずだ。
ならばいつ姉様に天秤が傾いても可笑しくない。
……もう少し私から積極的に動いてみよう!
「ちぃ姉様に負けないんだから!!」
〜side end〜
その頃のレッド君
「なんだ?今寒気が……。
それにしても今日のルイズ嬢の様子が少し変だったな。
一応年上なんだから花言葉くらい知ってるよ。
まぁ花がどんな意味を持つかは知らないけど……」
俺は夫人の眼におびえながら、パーティが終わるまでちょびちょび料理を摘まんでいた。