第24話 水魔法の新たな境地
とりあえずマルギッテさんに一目見た感想は、怖い。
なんて言えばいいかな……ブラックラグーンのバラライカさんの火傷が無くなって、髪の毛が赤くなった感じ?
とりあえず威圧感が半端じゃない。
その人が今から3時間俺をみっちり扱くというのだから、俺は絶望すら感じるよ。
「今から私は貴様を死が救いと思えるほど扱く!
私は中途半端なものが何よりも嫌いだ!!
故に貴様を子供と思わず新兵と同じように訓練を行う!」
「はい」
「声が小さい!!」
「はい!」
「それでいい……それではこれからお前を立派な軍人にするために鍛えてやる!」
「いや……俺は軍人になりたいわけじゃ「黙れ!」ハイ!」
「まず貴様の最も得意な水魔法を放ってこい!」
「え!? それは危ないんじゃ「いいから黙って撃ってこい!!」ハイ!」
俺の得意な水魔法って言うとアクアボールか?
でもあれは駄目だろ……俺が改悪したもんだし、練習向きじゃない。
なら!
「アイシクルニードル!!」
マルギッテさんに3本の氷の長針が高速で飛んでいく。
彼女は杖を右手に握り、水の壁を作りそれを防ごうとしているのが見える。
「(いやそんな水の壁じゃ防げないんじゃ?!)危ない!」
「私を甘く見るな!!」
俺の放った氷の針は、水の壁に触れた瞬間に壊れてしまった。
何が起こったか俺には理解できなかった。
「何が起こったか理解できていないようだな」
「はい……なんで氷が水に割られてしまったんでしょうか」
マルギッテさんは無言で水の壁を解除すると大量の水がそこから出現した。
「え!?」
「見た目通りの水の量だと思っていたのか?
それは甘いな。
水を圧縮することで氷よりも質量があったのだ!」
「水を圧縮……」
「そうだ! 水を圧縮することで優秀な盾にも剣にもなるのが水の特性だ!」
母さんは離れたところで俺を見て苦笑いしていた。
後から聞いてみたところ、母さんはあまり圧縮するのが得意ではなかったらしく、それ故に圧縮による硬度よりも弾速を鍛えたらしい。
高度何千メートルから海に落ちると、水はコンクリートと同じというのに似ているか?
俺がどちらのタイプかわからなかったため、圧縮の得意な彼女に教えてほしいと頼んでくれたようだ。
俺はその後延々と水魔法を撃ったり、撃たれたりすることで圧縮のメリットとデメリットを体に嫌ってほど教え込まれた。
既に服はボロボロ、青あざの数は数えたくない。
圧縮した水の玉は砲丸と大きく変わらない。
流石にスピードは緩めてくれているようだが、直撃すると2メートルくらい吹っ飛ぶ。
一応プレートメイルを着けさせてもらっているけど、もうベコベコだ。
これで鎧がなかったらと思うと寒気がする。
「今日はこれくらいにしておく。
滅多に来ることは、ないだろうがもし次来た時に鍛錬を怠っていることが分かったら、今の3倍の弾速で水球を撃ちこんでやるから覚悟しろ!」
「それ食らったら僕死にますよね!?」
「鍛錬を怠るくらいなら死ね!」
「理不尽だ!!」
数時間でこれくらいの会話くらいは出来るようになった。
確かに厳しいけど、ためになる話と経験ばかりだった。
「とりあえず今日の訓練は終わりだ。
紅茶でも飲んでいくがいい。」
「訓練ありがとうございました!!」
「フンッ!」
……ツンデレかな?
口に出したら殺されそうだから言わないけど。
マルギッテさんは一旦家の中へと戻っていった。
そして訓練の終わったのが分かったのか、母さんが俺の方へやってきた。
「随分扱かれたわね〜。」
「本当だよ……でも凄い人だね」
「それはそうよ! 私の親友なんだから!!」
母さんは本当に嬉しそうに笑っていた。
しばらくしてマルギッテさんは丸いテーブルを肩に乗せて、戻ってきた。
使用人の人が椅子を用意してくれたのだけど、何でマルギッテさんは自分でテーブルを持ってきたのだろう?
母さんはそんな彼女を見て苦笑い。
なんでも昔からお茶会の時は彼女がテーブルを用意して、母さんが椅子を用意していたらしい。
今回母さんは客人として来ているため、椅子は使用人の人たちが用意したということ。
本当に仲がいいんだな……。
「遅れてすまない」
「いえ、母さんと話していたのであまり気になさらないでください」
「そうよ〜水臭いわねぇ」
マルギッテさんも俺と母さんが気にしていないことが分かったらしく、少し苦笑していた。
俺はマルギッテさんの苦笑も気になったが、さっきからマルギッテさんの後ろに隠れている小さな女の子が気になった。
特に髪型が……何だあの巻きっぷりは?
俺が後ろにいる子を見ていることに気付いたマルギッテさんは、女の子の背中を軽く押し出した。
「ほら挨拶しなさい」
「……モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシです」
「すまない、この子は人見知りでな」
「いえいえ、じゃあ僕も自己紹介しましょう。
僕の名前はレッド、レッド・ド・ドリュウズです」
俺はとりあえず自己紹介をして、握手を求めることにした。
モンモンは俺の差し出した手と、俺の顔を交互に見て、おずおずと俺の手を握った。
その光景を見て、母さんは微笑ましいものを見たという様な顔をしていた。
マルギッテさんは表面上笑顔だが、目が笑っていない。
まるで娘に手を出したら切り落とすとでも言いたいかのように……。
俺はなんとか震えそうになるのを耐えながら、不自然にならないように握手を終えた。
モンモンから手を話した瞬間威圧感が消え、俺に向けられた殺気もなくなった。
「(この人ツンデレの上に親馬鹿か……)」
俺はこれから始まるお茶会に若干の不安を持ちながら、ゆっくりと椅子へ腰を下ろした。
最初考えていた設定では主人公はポケモンとか使えずに、水の圧縮魔法オンリーで無双する予定でした。
この水の圧縮による威力の向上はその名残かな?
これでアクアボールの新たな使い方が出来るようになりました。
とりあえずマルギッテさんに一目見た感想は、怖い。
なんて言えばいいかな……ブラックラグーンのバラライカさんの火傷が無くなって、髪の毛が赤くなった感じ?
とりあえず威圧感が半端じゃない。
その人が今から3時間俺をみっちり扱くというのだから、俺は絶望すら感じるよ。
「今から私は貴様を死が救いと思えるほど扱く!
私は中途半端なものが何よりも嫌いだ!!
故に貴様を子供と思わず新兵と同じように訓練を行う!」
「はい」
「声が小さい!!」
「はい!」
「それでいい……それではこれからお前を立派な軍人にするために鍛えてやる!」
「いや……俺は軍人になりたいわけじゃ「黙れ!」ハイ!」
「まず貴様の最も得意な水魔法を放ってこい!」
「え!? それは危ないんじゃ「いいから黙って撃ってこい!!」ハイ!」
俺の得意な水魔法って言うとアクアボールか?
でもあれは駄目だろ……俺が改悪したもんだし、練習向きじゃない。
なら!
「アイシクルニードル!!」
マルギッテさんに3本の氷の長針が高速で飛んでいく。
彼女は杖を右手に握り、水の壁を作りそれを防ごうとしているのが見える。
「(いやそんな水の壁じゃ防げないんじゃ?!)危ない!」
「私を甘く見るな!!」
俺の放った氷の針は、水の壁に触れた瞬間に壊れてしまった。
何が起こったか俺には理解できなかった。
「何が起こったか理解できていないようだな」
「はい……なんで氷が水に割られてしまったんでしょうか」
マルギッテさんは無言で水の壁を解除すると大量の水がそこから出現した。
「え!?」
「見た目通りの水の量だと思っていたのか?
それは甘いな。
水を圧縮することで氷よりも質量があったのだ!」
「水を圧縮……」
「そうだ! 水を圧縮することで優秀な盾にも剣にもなるのが水の特性だ!」
母さんは離れたところで俺を見て苦笑いしていた。
後から聞いてみたところ、母さんはあまり圧縮するのが得意ではなかったらしく、それ故に圧縮による硬度よりも弾速を鍛えたらしい。
高度何千メートルから海に落ちると、水はコンクリートと同じというのに似ているか?
俺がどちらのタイプかわからなかったため、圧縮の得意な彼女に教えてほしいと頼んでくれたようだ。
俺はその後延々と水魔法を撃ったり、撃たれたりすることで圧縮のメリットとデメリットを体に嫌ってほど教え込まれた。
既に服はボロボロ、青あざの数は数えたくない。
圧縮した水の玉は砲丸と大きく変わらない。
流石にスピードは緩めてくれているようだが、直撃すると2メートルくらい吹っ飛ぶ。
一応プレートメイルを着けさせてもらっているけど、もうベコベコだ。
これで鎧がなかったらと思うと寒気がする。
「今日はこれくらいにしておく。
滅多に来ることは、ないだろうがもし次来た時に鍛錬を怠っていることが分かったら、今の3倍の弾速で水球を撃ちこんでやるから覚悟しろ!」
「それ食らったら僕死にますよね!?」
「鍛錬を怠るくらいなら死ね!」
「理不尽だ!!」
数時間でこれくらいの会話くらいは出来るようになった。
確かに厳しいけど、ためになる話と経験ばかりだった。
「とりあえず今日の訓練は終わりだ。
紅茶でも飲んでいくがいい。」
「訓練ありがとうございました!!」
「フンッ!」
……ツンデレかな?
口に出したら殺されそうだから言わないけど。
マルギッテさんは一旦家の中へと戻っていった。
そして訓練の終わったのが分かったのか、母さんが俺の方へやってきた。
「随分扱かれたわね〜。」
「本当だよ……でも凄い人だね」
「それはそうよ! 私の親友なんだから!!」
母さんは本当に嬉しそうに笑っていた。
しばらくしてマルギッテさんは丸いテーブルを肩に乗せて、戻ってきた。
使用人の人が椅子を用意してくれたのだけど、何でマルギッテさんは自分でテーブルを持ってきたのだろう?
母さんはそんな彼女を見て苦笑い。
なんでも昔からお茶会の時は彼女がテーブルを用意して、母さんが椅子を用意していたらしい。
今回母さんは客人として来ているため、椅子は使用人の人たちが用意したということ。
本当に仲がいいんだな……。
「遅れてすまない」
「いえ、母さんと話していたのであまり気になさらないでください」
「そうよ〜水臭いわねぇ」
マルギッテさんも俺と母さんが気にしていないことが分かったらしく、少し苦笑していた。
俺はマルギッテさんの苦笑も気になったが、さっきからマルギッテさんの後ろに隠れている小さな女の子が気になった。
特に髪型が……何だあの巻きっぷりは?
俺が後ろにいる子を見ていることに気付いたマルギッテさんは、女の子の背中を軽く押し出した。
「ほら挨拶しなさい」
「……モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシです」
「すまない、この子は人見知りでな」
「いえいえ、じゃあ僕も自己紹介しましょう。
僕の名前はレッド、レッド・ド・ドリュウズです」
俺はとりあえず自己紹介をして、握手を求めることにした。
モンモンは俺の差し出した手と、俺の顔を交互に見て、おずおずと俺の手を握った。
その光景を見て、母さんは微笑ましいものを見たという様な顔をしていた。
マルギッテさんは表面上笑顔だが、目が笑っていない。
まるで娘に手を出したら切り落とすとでも言いたいかのように……。
俺はなんとか震えそうになるのを耐えながら、不自然にならないように握手を終えた。
モンモンから手を話した瞬間威圧感が消え、俺に向けられた殺気もなくなった。
「(この人ツンデレの上に親馬鹿か……)」
俺はこれから始まるお茶会に若干の不安を持ちながら、ゆっくりと椅子へ腰を下ろした。
最初考えていた設定では主人公はポケモンとか使えずに、水の圧縮魔法オンリーで無双する予定でした。
この水の圧縮による威力の向上はその名残かな?
これでアクアボールの新たな使い方が出来るようになりました。