第27話 まだまだ未熟
突然だが空手が上達している実感がない。
父さんのゴーレムとの戦闘訓練ではあまり使う機会がないから、組み手相手が欲しいところだ。
でもこの世界で肉弾戦をするメイジなんかそういないだろうし、居ても知り合う方法がない。
父さんなら知っているかもしれないけど、父さんはあまり空手を使うのを良く思っていないからなぁ。
確かに蹴りや拳を交わされた時に、隙が大きいから剣で切られる可能性があるのは分かる。
でもそのために拳速や引きの速さも鍛えているわけで……。
それに実戦なら俺はガントレット着ける気満々だから結構有効だと思うんだけどなぁ。
組み手相手が欲しかった俺は、格闘ポケモンなら何とかいけるんじゃないかと思って呼びだしてみることにした。
格闘技が使えそうなポケモンは、コジョフー、コジョンド、エビワラー、サワムラー、ナゲキ、ダゲキ、カポエラー位か?
この中からレベルが高い格闘ポケモンを召喚して、組み手相手になってもらおう。
でも空手ならダゲキがいいのかな?
レベルあんまり高くないんだけど……いや今回はコジョンドを呼ぼう!!
「来てくれモモヨ!!」
光の中から人位の大きさの二足歩行するイタチポケモンのコジョンドが現れた。
コジョンドが使える格闘技的な技は、発勁、膝蹴り、飛び膝蹴り、ローキック、当て身投げ。
あれ?組み手厳しくね?
とりあえずコジョンドの攻撃力を考えると俺普通に死ぬな。
「(なら装備しかないか……ツボツボはレベルがあまり高くなかったはずだから、ハガネールとパルシェンを装備しよう)
モモヨ、俺と組み手してほしいんだけど……」
モモヨは目を瞑って一礼した。
了承ってとってもいいんだろうか?
俺はハガネールとパルシェンを装備して、念には念を入れて硬くなるを3回重ね掛けした。
「ルールは禁的、目つぶし、噛みつきは禁止で、頭部へ打撃が入った場合技ありとして、倒れて3秒以内に立ち上がれなかった場合は一本。
時間は……無制限で行います」
「ジョ!」
「それじゃあ今からこの小石を上に投げるから、それが下に落ちたら試合開始ってことで……それ!」
モモヨと俺は向かい合って、構えた。
そして俺とモモヨの間に小石が落ちてきた。
次の瞬間俺の目の前にモモヨの膝が広がった。
俺は急いで横に転がった。
「飛び膝蹴り!? いきなりヤバい技してくるな……」
飛び膝蹴りってこんなに早い技だったのか……でも外したモモヨが自爆していた。
あぁHPの半分減るんだっけ?
このままでは組み手にならなくなるかもしれないので、ルールを追加した。
「飛び膝はもう禁止ね? 次外したら瀕死になるし……」
「……ジョ」
モモヨは少し恥しそうにうなずいた。
「じゃあ再開と行きますか!」
俺はその言葉と同時に右の正拳突きを放った。
しかしモモヨは危うげなく避け、カウンターでローキックを放ってきた。
それは俺の左内腿に直撃し、激痛で俺はその場に膝を着いてしまった。
それに合わせるように俺の顎目掛けて、掌底気味にはたくを決めてきた。
脳を揺らされた俺は、そのまま意識を失った。
目が覚めると俺は木の根を枕にして、横たわっていた。
どうやらモモヨが運んでくれたらしい。
肝心のモモヨは大きめの石の上に座り、瞑想していた。
瞑想で上がるのは、特攻と特防だから問題ない。
俺は再戦を頼むためモモヨに近づいて行った。
すると俺が起きたことに気付いて、自分から近づいてきてくれた。
「いやぁ瞬殺だったな……面目ない」
モモヨは首を横に振ってくれたが、瞬殺だったのは事実だ。
硬くなるを積んだところで、人体構造上脳は鍛えられないからなぁ……首の骨が太かったら揺れにくいんだろうけど。
それに一応鍛えてきたはずなんだけど、やっぱり内腿は痛みがデカイな。
まぁモモヨの蹴り方が上手かったのも一つの理由かな?
棒などで叩くような蹴りじゃなく、鞭の様にしなる蹴りだったからすげぇ痛かった。
めっちゃ青痣になってるんだが……とりあえずフーディンを装備して自己再生を使って戻す。
「良ければもう一戦頼めないか?」
モモヨは少し悩んでいたが、一応了承してくれた。
ルールはさっきと一緒。
ただし飛び膝は禁止。
俺は再び小石を上に投げ、構えた。
落ちてきた瞬間、今回は俺から速攻を掛けた。
顔面に向けた中高一本拳……をフェイクに意趣返しとしての下段回し蹴り。
俺の意図に気付き、素早く俺の拳を外側に払いローキックを避けようとバックステップする。
しかしギリギリではあるが足の甲の半分くらいは当てることが出来た。
だが流石はLv100コジョンド。
防御が低いとはいえ、俺の蹴りくらいじゃ顔に変化はないか……。
「流石に全力で蹴ったのに飄々とされると堪えるぜ」
そういうとモモヨは一瞬苦笑したが、すぐに戦闘用の顔に戻り、今度はこちらからだとばかりに突撃してきた。
やはり速い……目で追えないスピードではないが、フェイントを掛けられるとかなりキツイ。
なんとか足払いの要領でモモヨの進行方向に下段回し蹴り。
しかしそれを見事に跳んで避け、その勢いのまま鳩尾に飛び膝決めてきた。
「ガハッ!!! い……やだから……跳び膝……禁止って……いったじゃん。」
俺は本日二度目の気絶をした。
薄れゆく意識の中で、モモヨがとても申し訳なさそうにしていた気がした。
二度目の目覚めも木の根の枕だった。
しかし少し違うのは俺の服が少し破れていて、額が少し冷たいこと。
辺りを見回してみると少し日が落ち始めていて、もうすぐ帰らなければ不味い時間になるところだ。
俺はモモヨを探そうと辺りを見回してみると、ちょうど戻ってくるところだったようだ。
モモヨは手に水に濡れた俺の服の一部を持っていた。
どうやら俺が気絶している間湖まで行って、布を濡らし額に当てるという看病を繰り返してくれていたらしい。
「迷惑かけたな?」
俺がそういうとモモヨは首を激しく横に振り、深く頭を下げた。
どうやらルールを破って、飛び膝を使ったことを悔いているらしい。
「いや、お前は悪くない。
確かにお前はルールを守れなかったけど、身についた技なんだから反射的に使ってしまっても可笑しくは無い。
それに四天王に挑む時あればっかり使ってたからな……俺の落ち度もあるかもだし。
だから気にするな!
それに看病もしてくれてたみたいだしな!」
俺がそういうとモモヨは顔を少し赤らめ、俯いてしまった。
もう少し話していたかったが、流石に帰らないと不味い時間になってきたので、装備を解除してモモヨに帰ることを告げる。
「今日はありがとうな!
また組み手頼むかもしれないから、その時はまたよろしくな!」
「ジョ!」
モモヨは元気よく返事をしてくれた。
その返事を聞いてから俺は、モモヨを還した。
「俺もまだまだ駄目だな」
今日の組み手で思い知った。
痛みに敏感すぎる事は、実戦において致命的に成りかねない。
痛みに耐える訓練も必要なのだろうか……切り傷は父さんとの訓練でよくできるから我慢できるんだが、打撃の痛みは性質が結構違うからなぁ。
なんか考えないと駄目そうだ。
俺はそんなことを考えながら家に急いだ。
家には鬼が待っていた。
遅く帰ってきた+服ボロボロその後服を脱がされ、胸に青痣。
母さんは俺を風呂に叩きこみ、青痣に薬を塗り、その後正座で説教された。
説教は夜まで続き、青痣の理由を転んだ先に岩があったという何とも嘘臭い理由をつけてごまかした。
俺母さん恐怖症になりそうだよ……はぁ。
心配掛けたのは分かってるから、反論もできない。
故に精神的疲労が半端じゃない。
俺は肉体的、精神的共に限界を迎え、ベットに入った瞬間気を失うように眠りについた。
やっぱ戦闘って難しいな。
そしてコジョンドはもちろん手加減しています。
幾ら硬くなろうが、レベル40代のパルシェン、ハガネールとLv100のコジョンド。
どっちが強いかは明確ですよねw
しかしあくまで空手の試合形式のようなものなので、勝つ可能性はではない……はず!
いつか勝てる日が来るといいなぁ、まぁ手加減した状態というのが大前提だけど。
突然だが空手が上達している実感がない。
父さんのゴーレムとの戦闘訓練ではあまり使う機会がないから、組み手相手が欲しいところだ。
でもこの世界で肉弾戦をするメイジなんかそういないだろうし、居ても知り合う方法がない。
父さんなら知っているかもしれないけど、父さんはあまり空手を使うのを良く思っていないからなぁ。
確かに蹴りや拳を交わされた時に、隙が大きいから剣で切られる可能性があるのは分かる。
でもそのために拳速や引きの速さも鍛えているわけで……。
それに実戦なら俺はガントレット着ける気満々だから結構有効だと思うんだけどなぁ。
組み手相手が欲しかった俺は、格闘ポケモンなら何とかいけるんじゃないかと思って呼びだしてみることにした。
格闘技が使えそうなポケモンは、コジョフー、コジョンド、エビワラー、サワムラー、ナゲキ、ダゲキ、カポエラー位か?
この中からレベルが高い格闘ポケモンを召喚して、組み手相手になってもらおう。
でも空手ならダゲキがいいのかな?
レベルあんまり高くないんだけど……いや今回はコジョンドを呼ぼう!!
「来てくれモモヨ!!」
光の中から人位の大きさの二足歩行するイタチポケモンのコジョンドが現れた。
コジョンドが使える格闘技的な技は、発勁、膝蹴り、飛び膝蹴り、ローキック、当て身投げ。
あれ?組み手厳しくね?
とりあえずコジョンドの攻撃力を考えると俺普通に死ぬな。
「(なら装備しかないか……ツボツボはレベルがあまり高くなかったはずだから、ハガネールとパルシェンを装備しよう)
モモヨ、俺と組み手してほしいんだけど……」
モモヨは目を瞑って一礼した。
了承ってとってもいいんだろうか?
俺はハガネールとパルシェンを装備して、念には念を入れて硬くなるを3回重ね掛けした。
「ルールは禁的、目つぶし、噛みつきは禁止で、頭部へ打撃が入った場合技ありとして、倒れて3秒以内に立ち上がれなかった場合は一本。
時間は……無制限で行います」
「ジョ!」
「それじゃあ今からこの小石を上に投げるから、それが下に落ちたら試合開始ってことで……それ!」
モモヨと俺は向かい合って、構えた。
そして俺とモモヨの間に小石が落ちてきた。
次の瞬間俺の目の前にモモヨの膝が広がった。
俺は急いで横に転がった。
「飛び膝蹴り!? いきなりヤバい技してくるな……」
飛び膝蹴りってこんなに早い技だったのか……でも外したモモヨが自爆していた。
あぁHPの半分減るんだっけ?
このままでは組み手にならなくなるかもしれないので、ルールを追加した。
「飛び膝はもう禁止ね? 次外したら瀕死になるし……」
「……ジョ」
モモヨは少し恥しそうにうなずいた。
「じゃあ再開と行きますか!」
俺はその言葉と同時に右の正拳突きを放った。
しかしモモヨは危うげなく避け、カウンターでローキックを放ってきた。
それは俺の左内腿に直撃し、激痛で俺はその場に膝を着いてしまった。
それに合わせるように俺の顎目掛けて、掌底気味にはたくを決めてきた。
脳を揺らされた俺は、そのまま意識を失った。
目が覚めると俺は木の根を枕にして、横たわっていた。
どうやらモモヨが運んでくれたらしい。
肝心のモモヨは大きめの石の上に座り、瞑想していた。
瞑想で上がるのは、特攻と特防だから問題ない。
俺は再戦を頼むためモモヨに近づいて行った。
すると俺が起きたことに気付いて、自分から近づいてきてくれた。
「いやぁ瞬殺だったな……面目ない」
モモヨは首を横に振ってくれたが、瞬殺だったのは事実だ。
硬くなるを積んだところで、人体構造上脳は鍛えられないからなぁ……首の骨が太かったら揺れにくいんだろうけど。
それに一応鍛えてきたはずなんだけど、やっぱり内腿は痛みがデカイな。
まぁモモヨの蹴り方が上手かったのも一つの理由かな?
棒などで叩くような蹴りじゃなく、鞭の様にしなる蹴りだったからすげぇ痛かった。
めっちゃ青痣になってるんだが……とりあえずフーディンを装備して自己再生を使って戻す。
「良ければもう一戦頼めないか?」
モモヨは少し悩んでいたが、一応了承してくれた。
ルールはさっきと一緒。
ただし飛び膝は禁止。
俺は再び小石を上に投げ、構えた。
落ちてきた瞬間、今回は俺から速攻を掛けた。
顔面に向けた中高一本拳……をフェイクに意趣返しとしての下段回し蹴り。
俺の意図に気付き、素早く俺の拳を外側に払いローキックを避けようとバックステップする。
しかしギリギリではあるが足の甲の半分くらいは当てることが出来た。
だが流石はLv100コジョンド。
防御が低いとはいえ、俺の蹴りくらいじゃ顔に変化はないか……。
「流石に全力で蹴ったのに飄々とされると堪えるぜ」
そういうとモモヨは一瞬苦笑したが、すぐに戦闘用の顔に戻り、今度はこちらからだとばかりに突撃してきた。
やはり速い……目で追えないスピードではないが、フェイントを掛けられるとかなりキツイ。
なんとか足払いの要領でモモヨの進行方向に下段回し蹴り。
しかしそれを見事に跳んで避け、その勢いのまま鳩尾に飛び膝決めてきた。
「ガハッ!!! い……やだから……跳び膝……禁止って……いったじゃん。」
俺は本日二度目の気絶をした。
薄れゆく意識の中で、モモヨがとても申し訳なさそうにしていた気がした。
二度目の目覚めも木の根の枕だった。
しかし少し違うのは俺の服が少し破れていて、額が少し冷たいこと。
辺りを見回してみると少し日が落ち始めていて、もうすぐ帰らなければ不味い時間になるところだ。
俺はモモヨを探そうと辺りを見回してみると、ちょうど戻ってくるところだったようだ。
モモヨは手に水に濡れた俺の服の一部を持っていた。
どうやら俺が気絶している間湖まで行って、布を濡らし額に当てるという看病を繰り返してくれていたらしい。
「迷惑かけたな?」
俺がそういうとモモヨは首を激しく横に振り、深く頭を下げた。
どうやらルールを破って、飛び膝を使ったことを悔いているらしい。
「いや、お前は悪くない。
確かにお前はルールを守れなかったけど、身についた技なんだから反射的に使ってしまっても可笑しくは無い。
それに四天王に挑む時あればっかり使ってたからな……俺の落ち度もあるかもだし。
だから気にするな!
それに看病もしてくれてたみたいだしな!」
俺がそういうとモモヨは顔を少し赤らめ、俯いてしまった。
もう少し話していたかったが、流石に帰らないと不味い時間になってきたので、装備を解除してモモヨに帰ることを告げる。
「今日はありがとうな!
また組み手頼むかもしれないから、その時はまたよろしくな!」
「ジョ!」
モモヨは元気よく返事をしてくれた。
その返事を聞いてから俺は、モモヨを還した。
「俺もまだまだ駄目だな」
今日の組み手で思い知った。
痛みに敏感すぎる事は、実戦において致命的に成りかねない。
痛みに耐える訓練も必要なのだろうか……切り傷は父さんとの訓練でよくできるから我慢できるんだが、打撃の痛みは性質が結構違うからなぁ。
なんか考えないと駄目そうだ。
俺はそんなことを考えながら家に急いだ。
家には鬼が待っていた。
遅く帰ってきた+服ボロボロその後服を脱がされ、胸に青痣。
母さんは俺を風呂に叩きこみ、青痣に薬を塗り、その後正座で説教された。
説教は夜まで続き、青痣の理由を転んだ先に岩があったという何とも嘘臭い理由をつけてごまかした。
俺母さん恐怖症になりそうだよ……はぁ。
心配掛けたのは分かってるから、反論もできない。
故に精神的疲労が半端じゃない。
俺は肉体的、精神的共に限界を迎え、ベットに入った瞬間気を失うように眠りについた。
やっぱ戦闘って難しいな。
そしてコジョンドはもちろん手加減しています。
幾ら硬くなろうが、レベル40代のパルシェン、ハガネールとLv100のコジョンド。
どっちが強いかは明確ですよねw
しかしあくまで空手の試合形式のようなものなので、勝つ可能性はではない……はず!
いつか勝てる日が来るといいなぁ、まぁ手加減した状態というのが大前提だけど。