第33話 入学
ワイバーン討伐依頼からしばらく経ってついに、学院入学の日へと相成った。
原作開始の地、トリステイン魔法学院。
まだここに原作におけるメインキャラはいないが、序盤の舞台となるこの学院に俺が来ることになるとは、微妙に感慨深いな。
嬉しいかと言えば……微妙?
周りを見れば貴族の子息たちが沢山いる。
堂々としている子もいれば、そわそわしている子もいる。
そういった部分はどこの学校も変わらないと感じさせてくれる。
おっと、オスマン学院長が前に出てきた。
「諸君はこれから、この学院で今隣にいる者たちと共に学び、友好を育み、魔法についての知識や経験を積んでいくことだろう。
ここは君たち貴族の卵が、立派な貴族となるために互いに切磋琢磨し、時に泣き時に笑う生活する場となる。
悩め若人よ! そして困った時は我々教師に相談するがいい!
私たちは君たちよりも長く生きて、経験もある。
君たちの成長のために、どんな相談にも乗ろう!…………儂カッコよくね?」
おい! 周りの生徒がポカンとしてるぞ?!
流石オスマン、期待を裏切らないな。
まぁ覗きとセクハラはどうかと思うけどな。
あぁロングビルはまだいないか……ま、俺が直接関わりを持つことは無いだろう。
確かオスマンの秘書になるはずだしな。
その後教師の簡単な紹介(とりあえずコルベール先生は凄い眩しかった)があり、在校生の歓迎の言葉を受け、寮へ荷物を運ぶことになった。
俺の荷物はあまり多くない。
必要最低限の服と家具、生活用品と戦闘用の装備だけ持ってきた。
まぁこの学院で使うのは杖だけなんだろうけど、一応指輪型も着けておく予定だ。
剣は目立つから、インテリアとして部屋に置こう。
鞘に入れた状態ならギリギリインテリアとして見れるだろう。
メイドさんに手伝ってもらって、部屋の整理を終えた。
今日は授業もなく、この後の予定もないから適当に室内でもできる空手の型でも練習するか……。
俺がそんな予定を立てていると、部屋のドアがノックされた。
「誰ですか?」
「お隣さんだよ!」
俺はドアを開け、お隣さんとやらの顔を拝見した。
……やっぱり知らない顔だな。
「で、何か用かい?」
「いやぁ、まだ知り合いもいないことだし、どうせならお隣さんと仲良くなろうと思ってな」
まぁ別に問題ないだろ。
「僕の名前は、レッド・ド・ドリュウズ。」
「俺の名前は、テリー・ド・ボガード!
弟も来年入学するんで、そっちもよろしくな!」
ちょっと待て……どっかで聞いたことある名前に似てるんだが?!
確かに金髪ポニテで手袋してるから見えなくはないけど……。
「じゃあテリー君」
「君はいらねぇ、テリーでいい。代わりに俺もレッドって呼ぶけどいいか?」
「あぁうん」
「OK、じゃあこれからよろしくな!
今から学園内探索するんだけど、レッドも一緒に行かないか?」
まぁ別に暇してたし、いっか。
「じゃあいっしょに行こうかな?」
「よし、じゃあ行こうぜ!」
テリーは俺の腕を掴んで、走り出した。
元気だなぁと思いながら、転ばないように俺も足を動かした。
あの後テリーに連れられて、いろんなところを回った。
その間に色々と分かったことがある。
先ずテリーのこと。
弟の名前はアンディ(骨法でも使うのか?)。
両親は共に火のメイジ。
テリー自身も火のドットメイジらしい。
そして身体を動かすのが好きで、父親と一緒に軍の訓練とかをやっていたらしい(微妙に俺に似てるな)。
そして学院の内部構造。
一回勢いで学院長室に入ろうとしたテリーを止めるのは大変だった。
コイツやんちゃすぎる!!
歳は俺と同い年らしいが、落ち着きが足りない。
目を離すと何処かに行ってしまいそうだ。
会話の中でテリーが軍の訓練を受けているという話を聞き、俺も格闘技の話をした。
彼はとても興味深そうに、目を輝かせて聞いていた。
「俺にもそれ使えるか?」
「まぁ練習すれば出来ると思うけど……」
「よっしゃ!! じゃあ明日の朝中庭で教えてくれ!」
「朝かぁ……まぁ大丈夫かな?
でも中庭は目立つから森に近いところにしよう」
「OK!」
なんとなくテリー=格闘技のイメージがあったから、俺は彼にKOFでテリー・ボガードが使っていたような技を使えるようにすることを目標にテリーを鍛えることにした。
マーシャルアーツは日本で言うフルコン空手とされているが、アメリカ軍隊格闘術という意味もある。
フルコン空手なら多少は知っているけど、軍用格闘術なんてほとんど知らない。
故にとりあえず空手の基礎を教えてから、魔法と格闘技の併用、必殺技の再現をしていこう。
ここにいる間はなかなかポケモンとの触れ合いが出来ないから、ちょうどいい時間の使い方になりそうだ。
強くなれば組み手の相手にも困らないしね!
軍の訓練しているなら、最初から型の訓練からでいいか。
明日が楽しみだな!!
学院探検を粗方終えて、自分の部屋へと戻ってきた。
普通に俺の部屋に入ってきたテリーにため息をつきながら、俺の剣を見ているテリーに話しかけた。
「剣が気になるかい?」
「あぁ俺もちょっとは使えるけど、短剣は使ったことがなかったからな」
「そうなんだ」
「それにしても使いにくそうな剣だな……こんなに幅が狭いと切りにくくないか?」
「いいんだよそれで」
「切りにくくていい剣?」
「うん、それは受け流す剣だから」
「受け流す?」
その後マインゴーシュの役割を説明すると、またもや目を輝かせて近寄ってきた。
「面白いなこの剣!! それにしてもお前珍しいこといっぱい知ってるな!」
「そうでもないよ、でもあんまり僕に教えてもらったって言わないでね?」
「何でだ?」
「剣を使うだけでも野蛮扱いされそうなのに、拳を使うなんて余計騒がれそうだし……僕は学院であまり目立ちたくないんだ」
「目立ちたくない?」
「そう、面倒事に巻き込まれる可能性が増えるから……僕は面倒くさがりだからね」
「珍しいな……普通目立ちたがるもんなのに」
「(それは普通なんだろうか?)」
「なんにせよ分かった。
お前に色々教わったことは内緒にしておく」
「もしバラしたら、格闘技の訓練もなしだからね?」
「それは困る!! 絶対話さないぜ!!」
その後もテリーと夜まで話し続けた。
明日は忙しくなりそうだ。
ワイバーン討伐依頼からしばらく経ってついに、学院入学の日へと相成った。
原作開始の地、トリステイン魔法学院。
まだここに原作におけるメインキャラはいないが、序盤の舞台となるこの学院に俺が来ることになるとは、微妙に感慨深いな。
嬉しいかと言えば……微妙?
周りを見れば貴族の子息たちが沢山いる。
堂々としている子もいれば、そわそわしている子もいる。
そういった部分はどこの学校も変わらないと感じさせてくれる。
おっと、オスマン学院長が前に出てきた。
「諸君はこれから、この学院で今隣にいる者たちと共に学び、友好を育み、魔法についての知識や経験を積んでいくことだろう。
ここは君たち貴族の卵が、立派な貴族となるために互いに切磋琢磨し、時に泣き時に笑う生活する場となる。
悩め若人よ! そして困った時は我々教師に相談するがいい!
私たちは君たちよりも長く生きて、経験もある。
君たちの成長のために、どんな相談にも乗ろう!…………儂カッコよくね?」
おい! 周りの生徒がポカンとしてるぞ?!
流石オスマン、期待を裏切らないな。
まぁ覗きとセクハラはどうかと思うけどな。
あぁロングビルはまだいないか……ま、俺が直接関わりを持つことは無いだろう。
確かオスマンの秘書になるはずだしな。
その後教師の簡単な紹介(とりあえずコルベール先生は凄い眩しかった)があり、在校生の歓迎の言葉を受け、寮へ荷物を運ぶことになった。
俺の荷物はあまり多くない。
必要最低限の服と家具、生活用品と戦闘用の装備だけ持ってきた。
まぁこの学院で使うのは杖だけなんだろうけど、一応指輪型も着けておく予定だ。
剣は目立つから、インテリアとして部屋に置こう。
鞘に入れた状態ならギリギリインテリアとして見れるだろう。
メイドさんに手伝ってもらって、部屋の整理を終えた。
今日は授業もなく、この後の予定もないから適当に室内でもできる空手の型でも練習するか……。
俺がそんな予定を立てていると、部屋のドアがノックされた。
「誰ですか?」
「お隣さんだよ!」
俺はドアを開け、お隣さんとやらの顔を拝見した。
……やっぱり知らない顔だな。
「で、何か用かい?」
「いやぁ、まだ知り合いもいないことだし、どうせならお隣さんと仲良くなろうと思ってな」
まぁ別に問題ないだろ。
「僕の名前は、レッド・ド・ドリュウズ。」
「俺の名前は、テリー・ド・ボガード!
弟も来年入学するんで、そっちもよろしくな!」
ちょっと待て……どっかで聞いたことある名前に似てるんだが?!
確かに金髪ポニテで手袋してるから見えなくはないけど……。
「じゃあテリー君」
「君はいらねぇ、テリーでいい。代わりに俺もレッドって呼ぶけどいいか?」
「あぁうん」
「OK、じゃあこれからよろしくな!
今から学園内探索するんだけど、レッドも一緒に行かないか?」
まぁ別に暇してたし、いっか。
「じゃあいっしょに行こうかな?」
「よし、じゃあ行こうぜ!」
テリーは俺の腕を掴んで、走り出した。
元気だなぁと思いながら、転ばないように俺も足を動かした。
あの後テリーに連れられて、いろんなところを回った。
その間に色々と分かったことがある。
先ずテリーのこと。
弟の名前はアンディ(骨法でも使うのか?)。
両親は共に火のメイジ。
テリー自身も火のドットメイジらしい。
そして身体を動かすのが好きで、父親と一緒に軍の訓練とかをやっていたらしい(微妙に俺に似てるな)。
そして学院の内部構造。
一回勢いで学院長室に入ろうとしたテリーを止めるのは大変だった。
コイツやんちゃすぎる!!
歳は俺と同い年らしいが、落ち着きが足りない。
目を離すと何処かに行ってしまいそうだ。
会話の中でテリーが軍の訓練を受けているという話を聞き、俺も格闘技の話をした。
彼はとても興味深そうに、目を輝かせて聞いていた。
「俺にもそれ使えるか?」
「まぁ練習すれば出来ると思うけど……」
「よっしゃ!! じゃあ明日の朝中庭で教えてくれ!」
「朝かぁ……まぁ大丈夫かな?
でも中庭は目立つから森に近いところにしよう」
「OK!」
なんとなくテリー=格闘技のイメージがあったから、俺は彼にKOFでテリー・ボガードが使っていたような技を使えるようにすることを目標にテリーを鍛えることにした。
マーシャルアーツは日本で言うフルコン空手とされているが、アメリカ軍隊格闘術という意味もある。
フルコン空手なら多少は知っているけど、軍用格闘術なんてほとんど知らない。
故にとりあえず空手の基礎を教えてから、魔法と格闘技の併用、必殺技の再現をしていこう。
ここにいる間はなかなかポケモンとの触れ合いが出来ないから、ちょうどいい時間の使い方になりそうだ。
強くなれば組み手の相手にも困らないしね!
軍の訓練しているなら、最初から型の訓練からでいいか。
明日が楽しみだな!!
学院探検を粗方終えて、自分の部屋へと戻ってきた。
普通に俺の部屋に入ってきたテリーにため息をつきながら、俺の剣を見ているテリーに話しかけた。
「剣が気になるかい?」
「あぁ俺もちょっとは使えるけど、短剣は使ったことがなかったからな」
「そうなんだ」
「それにしても使いにくそうな剣だな……こんなに幅が狭いと切りにくくないか?」
「いいんだよそれで」
「切りにくくていい剣?」
「うん、それは受け流す剣だから」
「受け流す?」
その後マインゴーシュの役割を説明すると、またもや目を輝かせて近寄ってきた。
「面白いなこの剣!! それにしてもお前珍しいこといっぱい知ってるな!」
「そうでもないよ、でもあんまり僕に教えてもらったって言わないでね?」
「何でだ?」
「剣を使うだけでも野蛮扱いされそうなのに、拳を使うなんて余計騒がれそうだし……僕は学院であまり目立ちたくないんだ」
「目立ちたくない?」
「そう、面倒事に巻き込まれる可能性が増えるから……僕は面倒くさがりだからね」
「珍しいな……普通目立ちたがるもんなのに」
「(それは普通なんだろうか?)」
「なんにせよ分かった。
お前に色々教わったことは内緒にしておく」
「もしバラしたら、格闘技の訓練もなしだからね?」
「それは困る!! 絶対話さないぜ!!」
その後もテリーと夜まで話し続けた。
明日は忙しくなりそうだ。