第42話 決闘
ヴェストリ広場には既にリークがいた。
ここに向かう途中で彼の情報は聞いたんだけど、風のラインということ。
普段からテリーに敵対心を抱いてはいるのだが、直接喧嘩を売る勇気はない。
だからテリーの悪い噂とかをでっち上げて流しているらしい。
小物臭がプンプンする奴のようだ。
「レッド…………お前まさか本気でやったりしないよな?」
「迷ってるかな?」
「兄さんなに言ってるの?」
「レッドの本気は不味いんだ」
「何が不味いの?」
「あいつが本気になると、多分リークは何も出来ずに終わる」
「え?でも彼はレッドと同じラインなんじゃ?」
「あいつの本気は………」
「そこまでだよ二人とも。
それと大丈夫だよテリー、もう落ち着いてるから」
俺はゆっくりとリークに近づいていき、5メートル位手前で止まった。
「よく逃げなかったな、テリーの腰巾着」
「はぁ、俺もラインなんだけど知ってた?」
「フン、どうせ見栄を張ってたんだろ?
目立たないお前が、ラインなんて信じられるか!」
「(目立たないっていう印象は若干嬉しいなぁ)まぁそれはそれでいいんだけど、君が勝ったらアイガを殺すって言うんだね?」
「そうだ! あの無礼な使い魔を許すことは出来ない!」
「じゃあ僕が勝ったらどうするの?」
「お前が俺に勝つ? ハッハッハ、面白い冗談だ。
もしお前が俺に勝てたらお前の言うこと何でも聞いてやるよ!」
「別に言うこと聞いてくれなくても良いから、二度と僕に関わらないでくれるかな?」
「な!?……いいだろう! お前が勝つことができたらな!」
「(よっしゃ! 言質取った!)」
「それじゃあこの石が下についたら開始だ」
リークはそういって、小石を上に投げた。
俺は取りあえず膝を軽く曲げ、いつでも動き出せるようにした。
そしてついに地面に小石が到着した次の瞬間。
「ラナ・デル・ウィンデ!」
エアハンマーか……。
取りあえず動きを止める!
「イル・アース・デル」
俺は錬金で目の前に土の壁を出し、エアハンマーを防いだ。
そしてリークに次の魔法を放たれる前に、俺は急ぎ魔法を唱える。
「アース・ハンド!」
リークの足を掴んだ土の腕は、彼をがっしりと地面に縫い付けた。
その事に動揺し、彼は唱えていた呪文を止めてしまい、俺に絶好のチャンスが舞い降りる。
俺はそのチャンスを逃さないために、素早くリークに接近して杖に狙いをつけた。
突然特攻を掛けてきた俺に何の対策も打てずに、彼は俺に呆気なく杖を奪われる。
「どうする? 続ける?」
「………参った」
「「「「「「「オォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」」」」」」
決闘は俺の勝ちで終わったけど、向こうからコルベール先生が近づいてくるのが見えた。
「君達! 何をやっていたんだ!」
「(これはしょうがないか……)」
この後俺とリークは学院長室に連れて行かれ、厳重注意を受けた。
まぁ決闘禁止されてるから当たり前なんだけど、1時間くらいの説教で開放された……リークはね?
俺はリークが帰された後も、残された。
どうやら言いたいことがあるらしい。
「決闘の理由については他の生徒から話を聞いておる。
大変じゃったのう」
「確かに大変でしたが、もう彼と争うことはないですから」
「あぁ勝ったら、自分に関わることを禁じると言っておったらしいの?」
「何回も八つ当たりされては困りますので……」
「テリー君に関わるのも禁止しなかったのは何故じゃ?」
「それはテリーが決めることです。
それにリーク君は、強いものに逆らうほどの勇気を持っていないみたいですから問題ありませんよ」
「辛辣じゃのぅ」
「流石に楯突いてきた人間に優しくするほど、人間が出来ていませんからね」
俺がそういうと学院長は苦笑いをして「その通りじゃな」と一言言った。
その後少しだけ教師の役割を語られた……なんでそんな話になったかは分からなかったが、教師は子供を導く光とならなければならないと言う言葉は心に残った。
ギトー先生は如何なんですか?と聞きたかったが、話が長くなりそうだから自重する。
学院長室を出ると、ドアの近くの壁に寄りかかってたテリーとアンディがいた。
もしかしてずっと待ってたのか?
「待ってなくてよかったのに」
「俺達が待ちたくて待ったんだ」
「そうそう!」
「ところで罰とかあったか?」
「大丈夫!何とか厳重注意だけで済んだよ。
今まで真面目に授業受けてきた甲斐があったよ」
「今回はレッドに非はないから、そこも考慮されたんじゃないか?」
「そうかもしれないね」
「何にせよ良かったな! 怪我もないし、罰もない」
「……でも目立ったよ」
「あ〜……それはあと一年で卒業だから、我慢しろ」
「そうだね」
俺達はそんな会話をしながら寮へと戻っていった。
だが俺は一度寮に戻ってから、アイガの元へと向かう。
今日の事で少し話すことがあったからだ。
アイガは宿舎の中で壁に寄りかかって、静かに座っていた。
俺はそんなアイガの元へ近づいていき、アイガの横に腰を下ろす。
「お前、俺の為に怒ってくれたんだろ?」
「………」
「それはとても嬉しいんだ。 でも手を出してはいけない」
「………」
「お前の力は人を簡単に殺してしまう。
もしあの時俺が止めなかったら、彼は肉塊になっていた。
ここは戦場じゃないんだから、そんな力を軽々しく振るっちゃ駄目なんだ」
「……ジ」
「俺も自分を抑え切れなかったから、人の事言えないんだけどな?」
俺はそう言って立ち上がり、アイガのことを正面から見た。
「俺はこれから確り自分の感情をコントロールできるように努力する。
下手をすると命取りに成りかねないからな。
だからお前も俺と一緒に成長していこうな……アイガ」
「ジ!」
俺は、その日そのままアイガの横で夜を過ごした。
戦闘難しいよぉ。
戦闘描写は本当に難しい。
とりあえず俺はこの小説を書いてて、レジロックが欲しくなってきました。
あぁそして合間合間にポケモンのレベル上げやってたら、レベル100のポケモンが増えてきました。
現在lv100が23匹
lv70以上が39匹……ビークインのレベル上げがキツイ。
殿堂入り回数が97回……四天王?良いレベル上げになります!!
後今作ポイントマックスが割と手に入るのでPP増加もできていい感じ。