第59話 教師生活の始まり
ついに来るな……原作キャラ達が。
ここからあの物語の前哨戦が始まるのか。
「入学おめでとう!
お主達は未だ貴族の卵だが、ここにいる3年間で同年代の貴族の有り様を知り、友好を築いていきなさい。
時には衝突することもあるだろう……しかしそこで終わってはいかん!
相手が何故そういう反応をしたのか?自分の発言を振りかえり自身に非がなかったか?
相手に全ての理由を押し付けている内は大物にはなれん!
お主たち一人一人が英雄になりうる資格を持っておると儂は信じておる。
以上で儂の挨拶は終わりとする………どうじゃ? 儂カッコよくね?」
「そうですね、30点ですね」
「厳しくね?!」
……相変わらず厳しいなロングビル。
まぁ日頃下着覗かれればそうなるか。
現代の日本なら……逮捕だな。
「次はお主たちに魔法を教える教師たちを紹介する。
先ずは火の授業を担当するコルベール先生」
「私と火の破壊以外の有用性について学んでいきましょう!」
コルベール先生ぇ……生徒がキョトンとしていますよ?
まぁ火のイメージは攻撃って感じだからな。
頑張れコルベール先生!貴方の教義は決して間違っていないですよ。
「次は土の授業を担当するシュヴルーズ先生」
「私もまだまだ未熟ですが、貴方達よりは人生経験が長いですから悩み等があれば聞きに来てくださいね」
保険の先生か貴方は……。
出来れば美人で白衣だったら満点だったんだけどなぁ。
っていうか決め台詞言わなかったな……私はただのトライアングルですから発言楽しみにしてたんだが。
「次は風の授業を担当するギトー先生」
「………フン。風のことなら私に聞きなさい。
風の真髄を教えてあげましょう」
相変わらず上から目線だな……っていうか壇上に上がる前に俺の方を見るなよ。
根に持ってるのか?
「次は今年から教師として働いている水の授業を担当してくれるレッド先生」
「本当だったんだ…」「え?」「レッドさん?!」
ついに俺の番か……。
っていうか聞き覚えがある声がしたぞ?
まぁ今は自己紹介しないとな。
「今ご紹介に預かったレッドです。
近い年齢の僕に教えてもらうのは違和感を感じるかも知れませんが、精一杯頑張っていきますのでよろしくお願いします」
なんか生徒たちの中に三人ほど目つきが違う子がいるな。
ワクワクしている目、疑問を感じている目、驚いている目。
まぁそれぞれルイズ嬢、モンモランシ嬢、ギーシュ君何だけど……。
これは後で部屋に来るかもなぁ。
「彼らは儂が認める優秀な教師たちじゃ!
きっとお主たちの道しるべになってくれるじゃろう。
進め若人達よ! そしてお主達が進む道を儂に見せてくれ!
……今度はどうじゃ?」
「35点」
「5点上がったのぅ!!」
喜ぶのか学院長……っていうか生徒達が冷めた目で見てますが、いいんですか?
生徒たちの眼を知ってか知らずか、学院長は入学式の終了を告げた。
まぁ俺はこのままだと目立ちそうだったから、急ぎ部屋に戻る。
〜ルイズ side〜
お母様の言っていたことは本当だったんだ……レッド兄様が教師になるなんて、てっきり冗談かなんかだと思っていたけれど。
でもこれでこれから三年楽しくなりそうね!
「なんかツェルプストーがいるのが気になるけど、兄様がいるなら……」
とりあえず後で兄様の部屋に行きましょう!
でも他に兄様の自己紹介の時に声を上げた人がいた気がするんだけど……誰かしら?
〜side out〜
〜モンモランシ side〜
あの人は……レッドさん?
なんでこんなところで教師なんてやってるのかしら?
「でもあの人は、人を導く仕事が似合いますね。
私も導かれた一人ですしね」
私は自分の悩みをぶちまけた時のことを思い出しながら、後で部屋にお邪魔しようと決めた。
〜side out〜
〜ギーシュ side〜
「レッドさんじゃないか!!
そんなことより、なんで水の授業なんだ!?」
彼は土メイジじゃなかったのか?
兄さんは彼が土のメイジだと言っていたから、もしかして水と土のメイジなのか?
でも確か二つ名は石繰……どういうことだ?
「あぁ分からない! こうなったら直接聞こう!」
〜side out〜