外伝 レッドの評価
とある日の自由時間。
生徒たちは次の授業までの時間を、雑談することで過ごしていた。
「タバサ、最近貴方レッド先生といること多くない?」
「……気のせい。」
「いや、一緒にいるじゃ「気のせい」……そうね」
二人が話していると、手洗いに行っていたルイズが教室に戻ってきた。
「レッド先生と言えば、あの人ギトー先生に勝ったのよね……。
あれでもスクウェアクラスなのに。
ってことはクラスが絶対ってわけじゃないってことよね?
じゃあ学院の中で一番強いのって結局誰なのかしら?」
「多分学院長」「レッド兄様じゃない?」
サラッと入ってきたルイズ。
なんか二人の視線が微妙に冷めている。
「なによ?」
「あんた本当にレッド先生好きね……何でレッド先生が最強だと思うの?」
「だって二つの属性のトライアングルクラスの上に、実戦経験もあって、近接戦闘も出来るのよ?
オールラウンダーじゃない」
「まぁ確かにそれを聞くと凄く強そうだけど、タバサは何で学院長?」
「経験の多さと確か学院長はスクウェアクラスだったはず」
「へぇ! あの覗きが趣味のお爺さんがスクウェアクラスだったなんて知らなかったわ。
でもそれぐらいじゃないと学院長には成れないでしょ」
「さっきから聞き役になってるけど、そう言うツェルプストーは誰だと思うのよ?」
「私? 私はコルベール先生かしらね?
やっぱり戦闘向きなのは火だと思うわ。
それに炎蛇と言うぐらいだからきっと攻撃特化のメイジなはずなのよ。
まぁ今はなんか変なもの作っている唯のツルベールだけど……」
キュルケの予想は確かに正しい。
しかし最強はやはりレッドだろう。
まぁ手段を選ばなければという条件がつくが……。
魔法だけならオスマンだと思うが、謎が多すぎて実力の程が分からない。
ギトーだってスクウェア、慢心がなければ決して弱い男ではない。
しかしギトーはコルベールに勝てないだろう。
コルベールは戦闘経験が多すぎる。
魔法だけならレッドもコルベールには勝てないだろう。
シュヴルーズ? そんな先生もいたなぁ。
「コルベール先生はないわね」「保留」
「そうかしら……。 タバサは保留なのね」
「まだ実力の片鱗が見えないから保留」
「それじゃあ一番授業が面白い先生は誰かしら?」
「レッド兄様」「レッド先生」
「やっぱりこれは一致するのね……」
「寧ろ他の授業が為にならない」
確かにこの世界において、コルベールは時代を先取りしすぎている。
故に普通の人には理解されないだろう。
恐らくレッドとサイトがいなければこの学院に理解者は出てこないほどに……。
シュヴルーズの授業は良くも悪くも教科書通り。
偶に言う「私は所詮トライアングルですから」っていうセリフにイラっとしている生徒も何人かいる。
ギトー?……そんな先生はおりません。
っていうか何であの人教師に成れたんだろう?
生徒に向けて魔法放つとか……抗議が来てもおかしくないんだけど。
「あぁ、それは確かにあるかも」
「特にギトー先生の授業は酷い」
「あれは確かに酷いわね。
それにレッド先生の二つ名ってギトー先生が負けた腹いせに広めたっていう噂よ」
「あの泥水って言う二つ名あの先生発信だったんだ……兄様結構気にしてるみたいよ?
っていうか前いつか仕返ししてやるって言ってたんだけど」
「それはしょうがない。 二つ名はそうそう変わらない」
「裏でこそこそ嫌がらせする人なんて、私嫌いだわ」
いやいやそれを好きって言う人は、そうそういないと思いますよキュルケさん。
「じゃあアンタ、どんな人が好きなのよ」
「私の好み? そ・れ・は、私のハートに火を灯してくれる人!
そう言う貴方はどうなのよ?」
「私は……肝心な時に守ってくれる人かな?」
「そんな物語の主人公の様な人なんていないわよ」
「(私にはいたのよ)私のことは良いじゃない!
まだ聞いてない子がいるでしょう!」
「……それもそうね。 タバサ、次は貴方の番よ?」
「……考えたことない」
「へ?」「え?」
「特に考えたことない」
「ウソでしょ?! 生まれてから今まで全く考えたことがないっていうの?」
「………(コクリ)」
まぁしょうがないよね。
タバサはそれどころじゃないだろうし……。
「驚いたわね……まぁでもあり得ない話でもないし、無理に好きな人を作るのもおかしいから、貴方はゆっくり見つけていくのがいいのかもしれないわね」
「でも兄様は駄目よ?!
あんたたちにあげないからね!!」
「あらぁ? 何でそんなに必死なのかしら?」
「ひ、必死になんかなっていないわ。
ただちぃ姉様が……」
「でもレッド先生は独身よねぇ、なら別に私がアプローチ掛けてもいいんじゃなくって?」
「百歩譲ってタバサがアプローチ掛けるのは……嫌だけどいいわよ(あり得ないでしょうし)。
でもツェルプストー!! アンタは絶対駄目!!」
ここからまたしばらくヴァリエール家とツェルプストー家の因縁関係の話が延々と話されるわけだが、授業の間の休み時間というものは定められているので……。
「皆さん席についてください。
これから火の授業を始めますよ。
ミス・ツェルプストーとミス・ヴァリエールも席についてください。」
この声を合図に二人はほぼ同時にそっぽを向いて席へと座った。
これは、よくある日常の出来事である。
ノリは大事だと思う。
……正直結構外伝のネタは考えているんだけど、なんかハッチャケちゃいそうなんだよね。
ギトーとの決闘のIFとかね……最初ポケモン装備全開でいこうとしてたからw