二話
小学三年生になった。
あのあと、結局一夏と共に箒とは仲良くなりその縁で天才・篠ノ之束とも知り合った。
そのとき最初に言われた台詞がこれである。
「君、面白いこと考えてるねー。別の惑星に移民なんて」
「……なんで知っているんですか」
「この天才束さんにとっては造作もないことだよ。よろしくね、かっちゃん!」
要するにハッキングか。これからしばらくは紙に書いとこ。というか、
「そのネーミングは嫌だ!」死亡フラグ的な意味で。
「じゃあカズちゃん?」
「東京皇帝になるつもりはありませんよ!?」
「じゃあかーちゃん?」
「俺はあんたの母親になった覚えはない!」
「じゃあかーくん!」
「……もうそれでいいです」
一瞬頭に何でも吸い込むピンク色の生物やら、赤い宝石を額につけた黄色い生物が思い浮かんだが、もうあきらめた。
余談だがその時、一夏は「すげえ、カズが突っ込みに回り続けるの初めて見た…」と腹立つ台詞を吐いたので思い切り頭をはたいておいた。
とまあ、そんなことがあったあと、紙にフォールドの理論なりテラフォーミング技術なりを書いたり、箒や一夏と遊んだりしつつ、一年を過ごしていると『あの事件』が起きた。
すなわち、『ISの発表』と『白騎士事件』である。
この結果、箒は転校することになった。複雑な表情をした彼女に、俺と一夏は「また会おうな」「手紙書くからな」とありきたりな台詞しか吐けなかった。
それから一年、ISは束さんの当初の設計目的とは別に軍事兵器、競技用具として開発され、ISの強さを競う大会『モンド・グロッソ』の開催も発表された。
その間に移民船を作るためのだいたいの理論と設計図を完成させ、理論の一部に穴をあけた状態で戦闘機をアメリカで開発していたS&B社に送ってみた。
反応は凄まじく早かった。ISの開発もやっているのでそちらの方の技術を得ることも狙いだったのだが、それも何とかなりそうだった。いきなり家に黒服さんが現れ、社長手ずからの誘いの書面を渡してきた。
これを俺は快諾し、小四の終わり頃、誕生日の次の日に俺は日本を発つことになった。
その日、3月10日、空港で俺は非常に珍しいものを見ることになった。
泣きじゃくる一夏である。
「箒もいなくなって…、グスっ、カズもアメリカ行っちまって、俺一人かよ…!」
千冬さんもさすがにびっくりしていたが、俺の門出の場ということでしゃんとさせようとしたのだろう、何か言いかけた。しかし、それを俺は手で制して、一夏に言った。
「なら、これからまた友達をたくさん作ればいい。それにな一夏、俺の場合は場所を何度も移動したりすることはないから手紙とかはきっちり届く、休暇を取ればそっちに遊びに行ける。だからそんな顔すんな!」
笑いかけた。
「ズズっ、ああ!」
それに対して一夏も笑い返した。
が、今度は母が未練タラタラだった。
「これから美少年分をどう摂取すればいいのよー」
「一夏からもっと摂取して、それでも足りなかったら千冬さんの美少女分とおっぱい分で補えば?」
「なるほどー」
「「勝手に俺 達を売るな!」」織斑姉弟が同時に突っ込んだ。が、二人とも笑顔だった。
これで大丈夫だ、と安心して、
ふと、足を止めた。
「ああそうだ、一夏…」
「ん?なんだ?」
「俺がいなくなったこと、五年間は絶対に誰にも知られるなよ」
「無茶言うな!意味ないだろ!っていうかなんで武田信玄!?」一夏、怒濤の三連続突っ込み。
一夏の突っ込みのキレに満足した後、俺はアメリカへと発った。
小学三年生になった。
あのあと、結局一夏と共に箒とは仲良くなりその縁で天才・篠ノ之束とも知り合った。
そのとき最初に言われた台詞がこれである。
「君、面白いこと考えてるねー。別の惑星に移民なんて」
「……なんで知っているんですか」
「この天才束さんにとっては造作もないことだよ。よろしくね、かっちゃん!」
要するにハッキングか。これからしばらくは紙に書いとこ。というか、
「そのネーミングは嫌だ!」死亡フラグ的な意味で。
「じゃあカズちゃん?」
「東京皇帝になるつもりはありませんよ!?」
「じゃあかーちゃん?」
「俺はあんたの母親になった覚えはない!」
「じゃあかーくん!」
「……もうそれでいいです」
一瞬頭に何でも吸い込むピンク色の生物やら、赤い宝石を額につけた黄色い生物が思い浮かんだが、もうあきらめた。
余談だがその時、一夏は「すげえ、カズが突っ込みに回り続けるの初めて見た…」と腹立つ台詞を吐いたので思い切り頭をはたいておいた。
とまあ、そんなことがあったあと、紙にフォールドの理論なりテラフォーミング技術なりを書いたり、箒や一夏と遊んだりしつつ、一年を過ごしていると『あの事件』が起きた。
すなわち、『ISの発表』と『白騎士事件』である。
この結果、箒は転校することになった。複雑な表情をした彼女に、俺と一夏は「また会おうな」「手紙書くからな」とありきたりな台詞しか吐けなかった。
それから一年、ISは束さんの当初の設計目的とは別に軍事兵器、競技用具として開発され、ISの強さを競う大会『モンド・グロッソ』の開催も発表された。
その間に移民船を作るためのだいたいの理論と設計図を完成させ、理論の一部に穴をあけた状態で戦闘機をアメリカで開発していたS&B社に送ってみた。
反応は凄まじく早かった。ISの開発もやっているのでそちらの方の技術を得ることも狙いだったのだが、それも何とかなりそうだった。いきなり家に黒服さんが現れ、社長手ずからの誘いの書面を渡してきた。
これを俺は快諾し、小四の終わり頃、誕生日の次の日に俺は日本を発つことになった。
その日、3月10日、空港で俺は非常に珍しいものを見ることになった。
泣きじゃくる一夏である。
「箒もいなくなって…、グスっ、カズもアメリカ行っちまって、俺一人かよ…!」
千冬さんもさすがにびっくりしていたが、俺の門出の場ということでしゃんとさせようとしたのだろう、何か言いかけた。しかし、それを俺は手で制して、一夏に言った。
「なら、これからまた友達をたくさん作ればいい。それにな一夏、俺の場合は場所を何度も移動したりすることはないから手紙とかはきっちり届く、休暇を取ればそっちに遊びに行ける。だからそんな顔すんな!」
笑いかけた。
「ズズっ、ああ!」
それに対して一夏も笑い返した。
が、今度は母が未練タラタラだった。
「これから美少年分をどう摂取すればいいのよー」
「一夏からもっと摂取して、それでも足りなかったら千冬さんの美少女分とおっぱい分で補えば?」
「なるほどー」
「「勝手に
これで大丈夫だ、と安心して、
ふと、足を止めた。
「ああそうだ、一夏…」
「ん?なんだ?」
「俺がいなくなったこと、五年間は絶対に誰にも知られるなよ」
「無茶言うな!意味ないだろ!っていうかなんで武田信玄!?」一夏、怒濤の三連続突っ込み。
一夏の突っ込みのキレに満足した後、俺はアメリカへと発った。