小説好き様、オルスレイン様、TOMOKICHI様、ペットネーム使わせていただきました!ありがとうございます!
PVも八万を超えました。ありがたい限りです。
八話
あの模擬戦から数ヶ月。
俺が乗った機体YF-0『
ちなみにシミュレーターの中には俺がおふざけ半分で
例えば、狂ったAIに乗っ取られた無人戦闘機が暴走した、とか
例えば、巨人が宇宙からやってきた、とか
例えば、虫に似た地球外生命体と宇宙で交戦することになった、とか
例えば、バージェスモンスターが復活して人を食おうと襲いかかってきた、とか
例えば、1万年と2千年前に封印した人類の天敵がよみがえった、とか。
なんというか、どっかで聞いたことがある話ばっかりだと思う。ただ、それを入れた俺も俺だが、まじめにやってる隊員もどうなんだろう?
試しに訊いてみると、
「や、そのうち宇宙に出る可能性もあるんでしょう?広い宇宙だし、何があるかわからないかなーって」
「アニメの主人公になったみたいで面白いですし」
「っていうかそう思うんなら『一機でクリア』とかの記録残すのやめてくださいよ!プレッシャーになるじゃないですか!」
ごもっとも。
無論、皆が第一世代を習熟しようと奮闘してる間、俺たちも何もやってなかったわけじゃない。
まず、合衆国政府の許可を得たので倉持技研に共同開発を打診してみた。『リベリオン』の設計図と、戦闘データを入れて。
そしたら即でOKが来て、さらにそのすぐ後ECM特化型のVF『アラハバキ』を考案してきた。かなり完成度が高かったので、こっちでもその装備を取り入れた。
こうして、倉持技研との第二世代の共同開発が始まった。『共同』なので無論開発費、試作製造費は割勘である。
取り敢えず、第二世代にはいろいろ突っ込んだ。
エンジンを改良したことでエネルギーに余裕が出たので、推力を使わない間防御力が上がるエネルギー変換装甲を装備し、アクティブステルスと光学迷彩をつけたことで、『白騎士』に匹敵する完全なステルス能力を得た。さらに、武装を量子化しておくことにより、更なる速度の上昇、状況対応能力の向上を目指した。
武装の方はミサイルをハイマニューバ式に変え、両翼の付け根にレーザー機銃をつけ、火力にますます磨きをかけた。また『アラハバキ』からの影響でチャフ・ディスチャージャーを防御用に用意した。
また、操作しやすくするために、サポートAIも載せてみた。
こうしてますます
ちょうど、そう、第二回『
結局今回の国家代表をイーリもナタルさんも逃してしまった。二人とも応援に行くと言っていたが、あまりそっちの方に興味は無かった。
なのに何かが引っかかる。なんだ?何を忘れている?
モンド・グロッソの中継をやっているテレビを見ながら、俺は必死に考えていた。
思い出せ、思い出せ、思い出せ……!
とそのとき、テレビから、興奮気味のこんな声が聞こえた。
「…対、第一回『ブリュンヒルデ』の称号を持つ日本代表、織斑千冬の
「……思い、出した………!」
そうだ、俺はいったい何を忘れていた?第二回モンド・グロッソ決勝は、織斑千冬の不戦敗。原因は
(…
一夏がラウラにぶん殴られる理由となった、あの事件だ。
確かあれは、決勝戦当日に起きたはず。
急いで一夏に電話をかけてみた。
「もしもし、一夏?」
『おう、カズ。珍しいな、お前が電話掛けてくるなんて』
「仕事が一段落したからな。そっちは変わりないか」
『おう、モンド・グロッソ見てるぞ、会場で』
「そっか。気をつけろよ、千冬さんに嫉妬したり逆恨みしている奴が腹いせにお前を襲ってくるかもしれない」
『そんなバカな…』
「箒と名前で呼び合うことになったあのケンカで、馬鹿な大人も結構いるって知ってるだろ?」
『……わかった、気をつける』
「ちなみに席はどのあたりだ?テレビで見てるんだ、見えるかもしれない」
『ああ、えっと……』
今日と決勝戦の席の番号とだいたいの場所を聞き、今度はナタルさんに電話した。
『わかったわ。彼を決勝戦当日にガードすればいいのね』
「ええ、あいつ基本的にそういうのに無自覚なところありますから。できればホテルに迎えにいってやってください。あ、それと、ガードすることをあいつには秘密にしておいて下さい。いやがりそうですから」
『友達思いなのね』
「親友ですから。今いる席も聞いときました。よろしくお願いします…
『…うん!イーリと一緒に行ってみるわ!』
…これで、できることはほぼ全部した。ホライズンをいつでも動かせるようにして、大統領への回線もいざというときのために準備した。
別に予防がうまく行かず物語通りになっても別にいい。それならそれでラウラに救いの手が差し伸べられるのだから。
俺がこの世界でしたことが一夏に悪影響を及ぼすとか、そういったことを俺は避けたいのだ。
「人事を尽くして天命を待つ、か…もどかしいな」
Side ナターシャ・ファイルス
…さて、と。『姉さん』なんて呼ばれたんだしきっちり頑張らなきゃね!…まあ最近は「ナタル」と呼んでほしい自分も心の中にいるのだけど。
ガッツポーズをしているとイーリが不思議そうに問うてきた。
「なんかテンション高いな。どうしたんだ、ナタル?」
「実はね…」
とカズからの頼みを話すと
「面白いな、『ブリュンヒルデ』の弟か!」
「まあ、くれぐれも秘密に…ね?」
「わかってるって」
ということで、カズに教えてもらった席に行くと、黒髪の東洋人の少年がいた。
優しい声で確認する。
「君が、織斑一夏?」
「……そうですけど?」
やや警戒心をにじませながら少年は答えた。
「ああ、やっぱり!私達、カズからね、『親友がここにいる』って聞いたから会いに来たの!」
「カズって、……桜井和人ですか!?」
一夏君が驚いた様子で聞いてきた。
「ええ、私達アメリカで知り合った、カズの友達なの」
「ほれ、写真あるぞ」
イーリが自分の携帯電話の画像データを一夏君に見せる。
そこには私とイーリとカズが笑顔で写っていた。それを見て一夏君が脱力する。
「そうですか…さっきカズに『気をつけろ』って言われたばかりだから、俺つい警戒しちゃって」
「気にしないで。そうだ!カズって日本にいた時どんな感じだったのか、教えてくれない?」
「いいですよ。その代わり…」
「わかってる、カズがアメリカにいた時のことを話すわ」
「まあ、機密に関わることもあるから話せねえこともあるけどな」
イーリがそう締めくくった後、私たちは主にカズの過去についてお互い聞いてから、決勝戦当日も会うこと、ホテルの前で待ち合わせすることを約束して、帰路についた。
決勝戦当日、私はイーリと一緒にホテルの前で一夏君を待っていた。が、待ち合わせ時間から30分たつのに出てこない
「来ないわね…」
「そうだな、迎えにいくか」
頷きあい、ホテルの中に入る。あらかじめ聞いていた番号の部屋に、「友人を迎えに行く」と言って案内してもらい、部屋のドアをノックした。
返事がない。ドアノブをひねってみると、ガチャリ、と音がして開いた。
見えた光景にイーリが呻く。
「くそ……やられた……!」
中は既に、もぬけの殻だった。
はい、事件です。これを書きたいがためにずいぶんと時系列について修正をしました。
一夏がモンド・グロッソのとき会場にいたっていうのは想像です。唯一の肉親だし不思議は無いかな、と。
あ、あとさりげなくコスト削減入れてみました。
感想誤字脱字等あればよろしくお願いします。
第二世代実戦機とか第三世代試作機等のペットネームまだまだ募集中です!よろしくお願いします!