第一話
はい、という訳で自分の能力…神器 が『魔剣創造 』だと判明した立花剣太 十歳です。ここで能力等について説明しておきますねー。
…なんで俺丁寧語になってたんだろう。口調を元に戻そう。
頭の中で原作知識を反芻する。
まず、神器って言うのは神が作ったもので、様々な能力を所有者に与えてくれる。所有者はだいたい人間で、中には人間の血を引く者が所有している場合もある。その中にはドラゴンなどの強力な魔物を封じることでうまれた神器もある。また、神器は所有者の成長とともに成長し、所有者の願いに沿う形で進化する。が、その一方で、一つの神器の最終的に行き着く形が所有者によって変わる事はほとんどない。
神器の中でも、神を殺せるほどの強さを持つものをキリストを貫いた槍から『神滅具 』と呼ぶ。今のところその数は十三個らしい。
また、神器は所有者の想いを糧に強くなっていくが、所有者の想い、願いがこの世界に漂う「流れ」に逆らうほどの劇的な転じ方をした時、別の領域へと至るそうだ。その領域に至った神器を『禁手 』と呼ぶ。
で、このシステムにはいろいろとバグがあるらしく、通常通りの進化以外の進化、イレギュラーな禁手化も起きているんだとか。さっき「ほとんどない」って言ったのは「ない訳じゃない」からなんだよな。
で、俺の神器『魔剣創造』っていうのはあらゆる属性の魔剣を作る能力を所有者に与えてくれる。ただし、その強度は聖剣には及ばない。わかりやすく言うとエミヤさんの固有結界の超劣化版。魔剣しか生み出せないし、宝具級の武器と比べると能力は数段落ちる。
実はこの能力、原作……「ハイスクールD×D」の方にも出ていた。エロくて熱血な主人公の横で、ある程度常識を持っていたイケメンフェイスの男子……木場祐斗 が使っていた。
ついでに言うと禁手も出ていたのだが……それは木場しか持ち得ないイレギュラーなものだった。つまり俺にとって何の参考にもならない。
というか、こんな言い方はひどいかもしれないが、この能力、原作だとあまり強くない。いや、強いには強いのだが、禁手化した後も苦戦しまくりで、強敵が現れると基本的に不利になる。活躍よりもピンチが多い。主人公がもつ神器が神滅具で、あまりにも凄すぎるから霞んで見えるだけかもしれないけど。
さて、この能力、どうするか。
神器を持つ者を狙っている勢力は大勢いる。堕天使、悪魔、天使の聖書上の三大勢力が一番大きいが、破壊とか混乱とかを起こそうとしているテロリスト集団『禍の団 』も洗脳までして陣営に引きずり込もうとするそうだ。
……こう考えていると自衛能力をつけるのが第一なように思えてきた。
小四の秋、俺は取り敢えず訓練を始めた。
毎朝長距離をランニングし、それが終わったら瞑想。最後に魔剣を作り出し、素振りを少しして、学校へ行くというのが日課になった。
剣の稽古を始めなかったのは、変な癖がつくとまずいと思ったからだ。様々な形の魔剣を作り使うつもりだったのでそういうのは避けたかった。
ある日、いつもと同じく誰もいないのを確認してから魔剣を作り出し、素振りをしていると
「へぇ、君、面白い能力を持っているね」
後ろから声をかけられた。
思わず後ろへと下がり魔剣を相手に向ける。
声をかけた人は桃色に近い赤の長髪をもつ美女だった。手には何かが入った細長い袋を持っている。恐らく刀だろう。
「…何のようですか」
警戒を解かずに問う。
「別に?ただ面白い能力を持っているなーって。もっとも君、剣の修行が全然出来てないみたいだから宝の持ち腐れみたいだけど」
「……わかってますよそんなこと」
そう、教えを請う相手がいないだけだ。そしてそれを見越したかのように美女は提案する。
「良かったら教えてあげようか?剣技」
「……強いんですか?」
「少なくともこの国の中では、剣で相当な上位に位置していると自負しているよ。一番、とまでは言わないけどね」
「でも、お金ありませんよ?」
「いいよ別に。趣味で教えるだけだし」
「……なら、お願いします」
僕の返答に満足したのか、うんうん、と美女が頷いた。
「じゃあまずは名乗ろうか。ボクの名前は絶端桜 。名字が珍しくて、絶対の『絶』に先端の『端』で『たちばな』と読む。『師匠 』と呼んでくれると嬉しいな」
「立花剣太。名字は読みは同じですが普通で、立派の『立』にくさかんむりに化学の化の方の『花』で『たちばな』です。剣太っていうのは『剣』に『太い』です。よろしくお願いします、師匠 」
「……ふーん」
「どうしました?」
「いや、ボクの師匠に名前が似ているな、ってね」
「どんな名前なんですか?」
「名字は僕と同じで、名前は『剣』に『人』」
「『けんと』さんですか、いい名前ですね」
そう言うと師匠は苦笑しながら首を横に振った。
「ううん。それで「そうど」って読むんだ」
「…それは」
「うん、言っちゃっていいよ、『変な名前だ』って。ボクもそう思うもん」
そんなこんなで修行が始まった。
正直、師匠の言葉を最初はかなり疑っていた。
が、指導も的確で厳しさも半端なく、俺は師匠が強いのは本当だと理解する事になった。
その上、どういう訳か俺の親から許可を取り、俺の家に住む事になった。つまりさぼれなくなった。
また、料理も上手で、いろいろ教えてもらった。
ここまでは問題なかった。というか非の打ち所がなかった。自分の実力が上がるのが実感できた。
ヤバくなったのは長期休暇に入ったときだ…………………。
はい、という訳で自分の能力…
…なんで俺丁寧語になってたんだろう。口調を元に戻そう。
頭の中で原作知識を反芻する。
まず、神器って言うのは神が作ったもので、様々な能力を所有者に与えてくれる。所有者はだいたい人間で、中には人間の血を引く者が所有している場合もある。その中にはドラゴンなどの強力な魔物を封じることでうまれた神器もある。また、神器は所有者の成長とともに成長し、所有者の願いに沿う形で進化する。が、その一方で、一つの神器の最終的に行き着く形が所有者によって変わる事はほとんどない。
神器の中でも、神を殺せるほどの強さを持つものをキリストを貫いた槍から『
また、神器は所有者の想いを糧に強くなっていくが、所有者の想い、願いがこの世界に漂う「流れ」に逆らうほどの劇的な転じ方をした時、別の領域へと至るそうだ。その領域に至った神器を『
で、このシステムにはいろいろとバグがあるらしく、通常通りの進化以外の進化、イレギュラーな禁手化も起きているんだとか。さっき「ほとんどない」って言ったのは「ない訳じゃない」からなんだよな。
で、俺の神器『魔剣創造』っていうのはあらゆる属性の魔剣を作る能力を所有者に与えてくれる。ただし、その強度は聖剣には及ばない。わかりやすく言うとエミヤさんの固有結界の超劣化版。魔剣しか生み出せないし、宝具級の武器と比べると能力は数段落ちる。
実はこの能力、原作……「ハイスクールD×D」の方にも出ていた。エロくて熱血な主人公の横で、ある程度常識を持っていたイケメンフェイスの男子……
ついでに言うと禁手も出ていたのだが……それは木場しか持ち得ないイレギュラーなものだった。つまり俺にとって何の参考にもならない。
というか、こんな言い方はひどいかもしれないが、この能力、原作だとあまり強くない。いや、強いには強いのだが、禁手化した後も苦戦しまくりで、強敵が現れると基本的に不利になる。活躍よりもピンチが多い。主人公がもつ神器が神滅具で、あまりにも凄すぎるから霞んで見えるだけかもしれないけど。
さて、この能力、どうするか。
神器を持つ者を狙っている勢力は大勢いる。堕天使、悪魔、天使の聖書上の三大勢力が一番大きいが、破壊とか混乱とかを起こそうとしているテロリスト集団『
……こう考えていると自衛能力をつけるのが第一なように思えてきた。
小四の秋、俺は取り敢えず訓練を始めた。
毎朝長距離をランニングし、それが終わったら瞑想。最後に魔剣を作り出し、素振りを少しして、学校へ行くというのが日課になった。
剣の稽古を始めなかったのは、変な癖がつくとまずいと思ったからだ。様々な形の魔剣を作り使うつもりだったのでそういうのは避けたかった。
ある日、いつもと同じく誰もいないのを確認してから魔剣を作り出し、素振りをしていると
「へぇ、君、面白い能力を持っているね」
後ろから声をかけられた。
思わず後ろへと下がり魔剣を相手に向ける。
声をかけた人は桃色に近い赤の長髪をもつ美女だった。手には何かが入った細長い袋を持っている。恐らく刀だろう。
「…何のようですか」
警戒を解かずに問う。
「別に?ただ面白い能力を持っているなーって。もっとも君、剣の修行が全然出来てないみたいだから宝の持ち腐れみたいだけど」
「……わかってますよそんなこと」
そう、教えを請う相手がいないだけだ。そしてそれを見越したかのように美女は提案する。
「良かったら教えてあげようか?剣技」
「……強いんですか?」
「少なくともこの国の中では、剣で相当な上位に位置していると自負しているよ。一番、とまでは言わないけどね」
「でも、お金ありませんよ?」
「いいよ別に。趣味で教えるだけだし」
「……なら、お願いします」
僕の返答に満足したのか、うんうん、と美女が頷いた。
「じゃあまずは名乗ろうか。ボクの名前は
「立花剣太。名字は読みは同じですが普通で、立派の『立』にくさかんむりに化学の化の方の『花』で『たちばな』です。剣太っていうのは『剣』に『太い』です。よろしくお願いします、
「……ふーん」
「どうしました?」
「いや、ボクの師匠に名前が似ているな、ってね」
「どんな名前なんですか?」
「名字は僕と同じで、名前は『剣』に『人』」
「『けんと』さんですか、いい名前ですね」
そう言うと師匠は苦笑しながら首を横に振った。
「ううん。それで「そうど」って読むんだ」
「…それは」
「うん、言っちゃっていいよ、『変な名前だ』って。ボクもそう思うもん」
そんなこんなで修行が始まった。
正直、師匠の言葉を最初はかなり疑っていた。
が、指導も的確で厳しさも半端なく、俺は師匠が強いのは本当だと理解する事になった。
その上、どういう訳か俺の親から許可を取り、俺の家に住む事になった。つまりさぼれなくなった。
また、料理も上手で、いろいろ教えてもらった。
ここまでは問題なかった。というか非の打ち所がなかった。自分の実力が上がるのが実感できた。
ヤバくなったのは長期休暇に入ったときだ…………………。