第20話−シャボンディ諸島
ルフィには既に家族がいない。
そうと知って、グランドラインへと帰還の際、連れて帰ってきた。
マリンフォードには海兵向けの居住地がある。当然ながら、ガープ中将も俺も滅多に使わないが、家がある。というか、家族がいない孫だってなら家に連れてきてあげろよ、ガープ中将!
なお、俺の家は俺の趣味で、完全に日本風の家屋だ。
さて、帰還後は、出撃と帰還の繰り返しだった。
さすがに、この階級ともなれば、即座に昇進という訳にはいかない。まあ、余程の大物を逮捕すれば、そりゃあ昇進するが……。
とにかく、大佐という階級は案外と忙しい。
この階級となると、元の世界は知らないが、億越えの賞金首に対応する事になる。ルフィも億を越えると、対応したのは黒檻のヒナ大佐だった。
彼女の場合は、その戦法もあって小型艦艇を用いているが、自分の場合は大型戦艦を用いている。
理由は単純で、俺の場合は自分の船に医療部隊やレスキュー部隊を載せているからだ。
小型の船は確かに機動性も速度もいいが、反面搭載量が限られる。武器弾薬、食料、飲料水を載せ、戦闘要員に航海要員を乗せれば、もう一杯一杯になってしまう。とても、医療部隊やレスキュー部隊に、彼らが使用する大量の医薬品やレスキュー用具を載せる余裕なぞありはしない。
実際、俺の戦艦でも一部大砲とその弾薬を降ろして改装、ようやっと載せる場所を確保したというのが実情だ。
まあ、そうはいっても、実際に海賊の被害に遭った場所や、或いは災害の起きた場所など海軍が駆けつける場所では非常に重宝しているせいで、2年余りが過ぎた最近では余所からの応援要請がある程だ。
こうして実績を上げてきた為、一部では最初から載せる場所と出動を容易にした艦を設計しようという話が出ている。いや、出ていたというのが正確だな。
海列車が完成間近であれば、海賊王の船を作り上げたトムさんを提案したかったが、まだ時間がかかるというか、今が追い込み時期らしく、さすがに無理があった。
……そうそう、つい最近、とある島で500人の兵士が人質になり、それを13歳の少年が事件を起こした海賊を殲滅して解決する、という惨事が起きた。……事件ではなく、惨事といったのは、兵士もまた犠牲となったからだ。そう、分かる人はもう分かっただろう、後のCP9最強の使い手、動物系悪魔の実ネコネコの実モデル豹の能力者、ロブ・ルッチだ。
……いや、だからどうだって訳ではないんだが、矢張り原作の登場キャラクターの名前を聞くと、感慨深いものがある。
まあ、ルフィや海軍のお偉方とこれだけ接しておいて今更って気もするがね……。
さて、前述した新型戦艦だが、出ていたと過去形で語ったのは、実は既に建造が始まっており、初代艦長が自分に決まっているからだ。
この2年の功績で准将に昇進し、新造艦を任される事になった訳だが、しかし艤装員長として活動するには艦の進水まで、もう少し時間がかかる。かといって、これまで使ってきた戦艦は長らくの航海で大分あちこちが痛んでおり、乾ドックに上げてオーバーホール中。何しろ木製の艦体なので定期的なメンテナンスが必須なのだ。
という訳で、その間マリンフォードから程近いシャボンディ諸島駐留部隊への出向という形になった。
……シャボンディ諸島か。
あのクソったれな奴らもやって来る場所だな……。
実は、この配属が決まったのは、センゴク大将らの間でアスラ大佐に、海軍が沈黙せねばならない裏を見せるべきという意見が上層部の間で出てきた為だった。
アスラが既に次期幹部として上に上がるのはほぼ確定だ。
コング元帥の引退も、もう間近で既に一部の業務に関してはセンゴク大将への引継ぎが始まっている。
実を言うと、現在の海軍上層部は高齢化が進んでいた。
コング元帥もそうだが、3名の大将の内センゴク以外の2名、16名の中将の内半数以上が遅くともあと10年以内に次々と引退する事になると看做されていた。
センゴクが元帥に昇進して、コングの後を継ぐとなると、大将に至っては3名全ての席が空く事になる。
この内、大将は現在の中将から選ばざるをえないから、実は然程選択肢はない。だが、最終的に殆どの席が空く事になる本部中将に関しては、これからの海軍を支える人材から選出せねばならない。
それだけに、若い世代に期待が向いていた訳で、その有力な1人であるアスラには、背負う正義に反しながら、しかし、それを守らねばならない闇を今の内に、シャボンディ諸島駐留部隊の責任者は少将であるから、まだ上がいる内に経験させておくべき、という判断が下ったのだった。
無論、アスラとていきなり配属された訳ではない。
この諸島での注意事項、特に厄介なのはなにを置いても天竜人、そしてそれに比べれば遥かに劣るがヒューマンショップだ。
正義感で、その双方に無闇につっかかったらえらい事になる。
という訳で、まずはマリンフォードでシャボンディ諸島で気をつけるべき点に関して教育を受けた。
……正直、聞いてるだけで吐き気がしそうになった。
これまでの海軍の正義っていうのは自分の元の世界……日本での一般的な正義と同じだった。だが、このシャボンディ諸島は違う。いや……正確には天竜人が行く所全てがそうなるのだが、滅多にマリージョアから出てこない天竜人が割りとよく降りてくるのが、このシャボンディ諸島なのだった。
連中が黒と言えば、白でも黒。殺せと言われたら、子供でも殺せ。逆らったら、例えそれが天竜人がその相手の旦那や妻を奪ったりとかとにかく天竜人が全面的に悪かろうが、殺せ……おい、正義の二文字はどこにいった。
サカズキ中将には聞きづらかったので、クザン中将に相談した所『……悪法でも法は法なのよ』との言葉が返ってきた。
『悪法でも、法は法』か……古代ギリシアの哲学者ソクラテスの最後の言葉だな。
そして、ヒューマンショップに関してだが、要はここは奴隷売買所だ。
もちろん、この世界でも本来奴隷売買は世界的に禁止。それだけに、何でそんな処を守らねばならんのだ、というのが本音だが、ここに集うのは世界各国の王侯貴族。場合によっては天竜人まで加わるので治外法権として扱わざるをえないらしい。
……正直、精神的な疲労が激しそうな場所だ。心を殺さねばやっていけそうにない。
とはいえ、辞令は辞令。嫌だからやりたくありません、なんて言える訳がなく、シャボンディ諸島に赴任した。
ちなみに、アリスはマリンフォードに置いて来た。
寂しがってはいたが……何かの間違いで天竜人に出会って、『あの猫ちゃん欲しいアマス!』なんて事になったら堪ったものじゃない。俺の意思もアリスの意思も無視して、連れて行かれるに決まってる。そんな危険な可能性がある以上は、置いていかざるをえなかった。
しょうがないので、海軍の制服で危険地域を最近はうろついている。
最初は私服で行こうかと思ったのだが、責任者の少将から常に制服を着込んでおくよう通達された……というか、忠告を受けた。
つまりは、海軍の高官と分かる軍服を着ていれば、天竜人も自分の護衛を命じる事はあっても、その命令を聞いている限りはどうこうされる危険は少ない。
だが、もし私服の所で見つかって、気に入られでもしたら……過去には、実際にそうして、私服で出かけた所を天竜人と出くわして、第〜夫人だとか第〜夫という形で連れて行かれた海兵とか、場合によっては気晴らしに撃ち殺された海兵がいたらしい。
それ以来、シャボンディ諸島では海軍所属の人間は制服着用必須となり、そうなると一般の海兵では危険地帯に入リ込むのは極めて危険な為に安全な極一部の地域のみが警邏地域となる。
かくして、諸島の大部分は海軍がノータッチな地域と化す。……成る程、海賊王の副船長、『冥王』シルバーズ・レイリーなんて超大物が安心して潜伏出来る訳だ。
まあ、俺には関係ない。
普通に制服のまま危険地域に入り込んでは、戻ってくる生活を送っている。
当たり前だが、そうした地域に入り込めば、さすがに人攫いは海軍軍人を狙って襲ってくる事はないが、海賊なんかと出くわす事もある。人攫いにしたって、奴らに狙われてた女性とかが俺に助けを求めてくる事もある。
ちなみにそういう場合は、問答無用でぶっ飛ばす事に決めている。
特に後者の場合、下手すると、どこぞのお偉いさんからの依頼で〜などと抜かす危険があるので、奴らが口を開く前にこちらから先手を打って、『人攫いか』と呼びかけ、頷いたが最後全員全殺しにしている。……ああ、死人に口無しだよ、本当に。
海賊はまあ普通に仕事だから賞金そのまま出る訳じゃないが、それなりの馬鹿にならない額の報奨金が出るので叩きのめして、そのまま連行している。
俺は別に片端から逮捕している訳じゃない。
むしろ見逃している奴も多い。
本来なら逮捕しないといけないような奴もいるんだが……ここじゃもっと悪どい犯罪を各国の王族がやらかしてるからな。正直、やってられるか、という気分だ。まあ、この諸島では静かに暮らしてる奴限定で、ここでも騒動起こすような奴は別だが。
お陰で、顔見知りの美味いメシ屋の親父とかが出来た。
この人も昔は何かあったらしいが……今は普通のメシ屋の親父だ。ちなみに初めて来た時は結構隔意あったんだが、ここで代金踏み倒そうと暴れた海賊のボス(懸賞金1億5千万だった)を粉砕して、普通にメシを頼んだら、凄く気に入ってくれて……これを機に、この辺りで受け入れてもらえた、という事情がある。
そして俺は探していた、ある場所へようやく辿り着いた。
……『シャッキーSぼったくりBAR』。
……名前は覚えてたんだが、どのグローブにあるか完全に忘れてたので、探すのに随分時間がかかった。
いるかどうかは分からない、原作でも結構留守にしている事が多いようだったし……だが、上手くいけば、ここに彼が、生ける伝説シルバーズ・レイリーがいる。
さて、それじゃお邪魔しますかね……。
ルフィには既に家族がいない。
そうと知って、グランドラインへと帰還の際、連れて帰ってきた。
マリンフォードには海兵向けの居住地がある。当然ながら、ガープ中将も俺も滅多に使わないが、家がある。というか、家族がいない孫だってなら家に連れてきてあげろよ、ガープ中将!
なお、俺の家は俺の趣味で、完全に日本風の家屋だ。
さて、帰還後は、出撃と帰還の繰り返しだった。
さすがに、この階級ともなれば、即座に昇進という訳にはいかない。まあ、余程の大物を逮捕すれば、そりゃあ昇進するが……。
とにかく、大佐という階級は案外と忙しい。
この階級となると、元の世界は知らないが、億越えの賞金首に対応する事になる。ルフィも億を越えると、対応したのは黒檻のヒナ大佐だった。
彼女の場合は、その戦法もあって小型艦艇を用いているが、自分の場合は大型戦艦を用いている。
理由は単純で、俺の場合は自分の船に医療部隊やレスキュー部隊を載せているからだ。
小型の船は確かに機動性も速度もいいが、反面搭載量が限られる。武器弾薬、食料、飲料水を載せ、戦闘要員に航海要員を乗せれば、もう一杯一杯になってしまう。とても、医療部隊やレスキュー部隊に、彼らが使用する大量の医薬品やレスキュー用具を載せる余裕なぞありはしない。
実際、俺の戦艦でも一部大砲とその弾薬を降ろして改装、ようやっと載せる場所を確保したというのが実情だ。
まあ、そうはいっても、実際に海賊の被害に遭った場所や、或いは災害の起きた場所など海軍が駆けつける場所では非常に重宝しているせいで、2年余りが過ぎた最近では余所からの応援要請がある程だ。
こうして実績を上げてきた為、一部では最初から載せる場所と出動を容易にした艦を設計しようという話が出ている。いや、出ていたというのが正確だな。
海列車が完成間近であれば、海賊王の船を作り上げたトムさんを提案したかったが、まだ時間がかかるというか、今が追い込み時期らしく、さすがに無理があった。
……そうそう、つい最近、とある島で500人の兵士が人質になり、それを13歳の少年が事件を起こした海賊を殲滅して解決する、という惨事が起きた。……事件ではなく、惨事といったのは、兵士もまた犠牲となったからだ。そう、分かる人はもう分かっただろう、後のCP9最強の使い手、動物系悪魔の実ネコネコの実モデル豹の能力者、ロブ・ルッチだ。
……いや、だからどうだって訳ではないんだが、矢張り原作の登場キャラクターの名前を聞くと、感慨深いものがある。
まあ、ルフィや海軍のお偉方とこれだけ接しておいて今更って気もするがね……。
さて、前述した新型戦艦だが、出ていたと過去形で語ったのは、実は既に建造が始まっており、初代艦長が自分に決まっているからだ。
この2年の功績で准将に昇進し、新造艦を任される事になった訳だが、しかし艤装員長として活動するには艦の進水まで、もう少し時間がかかる。かといって、これまで使ってきた戦艦は長らくの航海で大分あちこちが痛んでおり、乾ドックに上げてオーバーホール中。何しろ木製の艦体なので定期的なメンテナンスが必須なのだ。
という訳で、その間マリンフォードから程近いシャボンディ諸島駐留部隊への出向という形になった。
……シャボンディ諸島か。
あのクソったれな奴らもやって来る場所だな……。
実は、この配属が決まったのは、センゴク大将らの間でアスラ大佐に、海軍が沈黙せねばならない裏を見せるべきという意見が上層部の間で出てきた為だった。
アスラが既に次期幹部として上に上がるのはほぼ確定だ。
コング元帥の引退も、もう間近で既に一部の業務に関してはセンゴク大将への引継ぎが始まっている。
実を言うと、現在の海軍上層部は高齢化が進んでいた。
コング元帥もそうだが、3名の大将の内センゴク以外の2名、16名の中将の内半数以上が遅くともあと10年以内に次々と引退する事になると看做されていた。
センゴクが元帥に昇進して、コングの後を継ぐとなると、大将に至っては3名全ての席が空く事になる。
この内、大将は現在の中将から選ばざるをえないから、実は然程選択肢はない。だが、最終的に殆どの席が空く事になる本部中将に関しては、これからの海軍を支える人材から選出せねばならない。
それだけに、若い世代に期待が向いていた訳で、その有力な1人であるアスラには、背負う正義に反しながら、しかし、それを守らねばならない闇を今の内に、シャボンディ諸島駐留部隊の責任者は少将であるから、まだ上がいる内に経験させておくべき、という判断が下ったのだった。
無論、アスラとていきなり配属された訳ではない。
この諸島での注意事項、特に厄介なのはなにを置いても天竜人、そしてそれに比べれば遥かに劣るがヒューマンショップだ。
正義感で、その双方に無闇につっかかったらえらい事になる。
という訳で、まずはマリンフォードでシャボンディ諸島で気をつけるべき点に関して教育を受けた。
……正直、聞いてるだけで吐き気がしそうになった。
これまでの海軍の正義っていうのは自分の元の世界……日本での一般的な正義と同じだった。だが、このシャボンディ諸島は違う。いや……正確には天竜人が行く所全てがそうなるのだが、滅多にマリージョアから出てこない天竜人が割りとよく降りてくるのが、このシャボンディ諸島なのだった。
連中が黒と言えば、白でも黒。殺せと言われたら、子供でも殺せ。逆らったら、例えそれが天竜人がその相手の旦那や妻を奪ったりとかとにかく天竜人が全面的に悪かろうが、殺せ……おい、正義の二文字はどこにいった。
サカズキ中将には聞きづらかったので、クザン中将に相談した所『……悪法でも法は法なのよ』との言葉が返ってきた。
『悪法でも、法は法』か……古代ギリシアの哲学者ソクラテスの最後の言葉だな。
そして、ヒューマンショップに関してだが、要はここは奴隷売買所だ。
もちろん、この世界でも本来奴隷売買は世界的に禁止。それだけに、何でそんな処を守らねばならんのだ、というのが本音だが、ここに集うのは世界各国の王侯貴族。場合によっては天竜人まで加わるので治外法権として扱わざるをえないらしい。
……正直、精神的な疲労が激しそうな場所だ。心を殺さねばやっていけそうにない。
とはいえ、辞令は辞令。嫌だからやりたくありません、なんて言える訳がなく、シャボンディ諸島に赴任した。
ちなみに、アリスはマリンフォードに置いて来た。
寂しがってはいたが……何かの間違いで天竜人に出会って、『あの猫ちゃん欲しいアマス!』なんて事になったら堪ったものじゃない。俺の意思もアリスの意思も無視して、連れて行かれるに決まってる。そんな危険な可能性がある以上は、置いていかざるをえなかった。
しょうがないので、海軍の制服で危険地域を最近はうろついている。
最初は私服で行こうかと思ったのだが、責任者の少将から常に制服を着込んでおくよう通達された……というか、忠告を受けた。
つまりは、海軍の高官と分かる軍服を着ていれば、天竜人も自分の護衛を命じる事はあっても、その命令を聞いている限りはどうこうされる危険は少ない。
だが、もし私服の所で見つかって、気に入られでもしたら……過去には、実際にそうして、私服で出かけた所を天竜人と出くわして、第〜夫人だとか第〜夫という形で連れて行かれた海兵とか、場合によっては気晴らしに撃ち殺された海兵がいたらしい。
それ以来、シャボンディ諸島では海軍所属の人間は制服着用必須となり、そうなると一般の海兵では危険地帯に入リ込むのは極めて危険な為に安全な極一部の地域のみが警邏地域となる。
かくして、諸島の大部分は海軍がノータッチな地域と化す。……成る程、海賊王の副船長、『冥王』シルバーズ・レイリーなんて超大物が安心して潜伏出来る訳だ。
まあ、俺には関係ない。
普通に制服のまま危険地域に入り込んでは、戻ってくる生活を送っている。
当たり前だが、そうした地域に入り込めば、さすがに人攫いは海軍軍人を狙って襲ってくる事はないが、海賊なんかと出くわす事もある。人攫いにしたって、奴らに狙われてた女性とかが俺に助けを求めてくる事もある。
ちなみにそういう場合は、問答無用でぶっ飛ばす事に決めている。
特に後者の場合、下手すると、どこぞのお偉いさんからの依頼で〜などと抜かす危険があるので、奴らが口を開く前にこちらから先手を打って、『人攫いか』と呼びかけ、頷いたが最後全員全殺しにしている。……ああ、死人に口無しだよ、本当に。
海賊はまあ普通に仕事だから賞金そのまま出る訳じゃないが、それなりの馬鹿にならない額の報奨金が出るので叩きのめして、そのまま連行している。
俺は別に片端から逮捕している訳じゃない。
むしろ見逃している奴も多い。
本来なら逮捕しないといけないような奴もいるんだが……ここじゃもっと悪どい犯罪を各国の王族がやらかしてるからな。正直、やってられるか、という気分だ。まあ、この諸島では静かに暮らしてる奴限定で、ここでも騒動起こすような奴は別だが。
お陰で、顔見知りの美味いメシ屋の親父とかが出来た。
この人も昔は何かあったらしいが……今は普通のメシ屋の親父だ。ちなみに初めて来た時は結構隔意あったんだが、ここで代金踏み倒そうと暴れた海賊のボス(懸賞金1億5千万だった)を粉砕して、普通にメシを頼んだら、凄く気に入ってくれて……これを機に、この辺りで受け入れてもらえた、という事情がある。
そして俺は探していた、ある場所へようやく辿り着いた。
……『シャッキーSぼったくりBAR』。
……名前は覚えてたんだが、どのグローブにあるか完全に忘れてたので、探すのに随分時間がかかった。
いるかどうかは分からない、原作でも結構留守にしている事が多いようだったし……だが、上手くいけば、ここに彼が、生ける伝説シルバーズ・レイリーがいる。
さて、それじゃお邪魔しますかね……。