ヒロインからの零と零からのヒロイン
これはヒロインたちが、とある転生者のことを愚痴ったときと、その転生者の記録である。
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「私、あの銀髪はストーカーなんじゃないかと思うんや。」
唐突にはやてが語りだした。
「魔法の練習している時もそうなんやけど、いっつも暗がりから出てくるし、静かに考え事したい時に限ってちょっかい掛けてくるし。
悪い奴じゃないのはわかるんや。
いや、むしろ私を助けるために頑張ってくれたんやいいやつや。
だけど、あのストーカーみたいに、神出鬼没で、いっつも暗がりから現れるのは気持ち悪くてたまらないんよ!」
「はやてちゃんもそうだったの!?
私なんてそれが魔導師始めたころからずっとなんだよ!
昔、夜にあれをやられた時は、本当に怖くてディバインバスター撃ちそうに何度もなったの。
確かにいままで、何度も助けてくれたり、気にかけてくれてるのはわかるから感謝はしてるの。
だけど、あれだけは・・・・・。
そう気持ち悪いの。」
「わたしもなのはに同意かな。
なんて言うんだろう。
あの視線は、ストーカーとしか思えないんだ。
こう、ねっとりした視線がしたときは背筋が凍りそうになるよ。
けど、感謝はしてるよ。
母さんの時もなんだかんだ言って真摯になって助けようとしているのは伝わってきたし・・・。
けど、あのストーカーみたいのだけはちょっと無理。」
そうしてこの日ヒロインの中で御神零の共通見解は定まった。
『御神零はいい人である。
だけれども、それを踏まえても有り余るほどのストーカー性があり、いい人だけど気持ち悪い。
容姿は整っていて、ほかの女性局員には人気だが、とても残念で、気持ち悪いがいい人だ。』
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ところ変わって御神零
俺は今までのヒロインたちへの接し方を思い出していた。
やはり主人公は常にかっこよくあるべきだ。
それを体現するために俺は頑張ってきた。
はやてが何か悩んでいればすぐに駆けつけ相談に乗った。
なのはが訓練するときはそれに付き合いともに競い合った。
フェイトが母親のことで悩んでいるときは励まし、ともに話し合った。
そして、常にヒロインたちを危険から守るため、陰ながら見守ってきた。
フェイトの時は下手にフェイト側につくと、俺は目的不明な犯罪者になってしまうので、管理局側で頑張った。
別にクロノをないがしろにしたりはしない。
なぜかって?
そんな自分の評判を下げるかもしれないことを堂々とするのは馬鹿のすることだ。
クロノもうまく使えば俺の評判はウナギ登りなんだからな。
はやての時はどうしようか本当に悩んだ。
ヴォルケンリッターに協力して最速ではやてを救うか、それともなのは達に確実性をあげるか。
そして俺はなのは側について確実に救うことを選んだ。
それに、もしあそこではやて側に付いたら最悪信用がた落ちだ。
それだけは避けたかったというのが本音ではあるが。
はやてを救った後も、ちゃんと陰ながら守ることを続けている。
そして、常にあちらから告白しやすいように、周りの女子からの告白は断り続けている。
そう俺は原作ヒロインのハーレムを作るのだ。
強制?
そんなことする必要はない。
なぜなら俺は
原作ヒロインに一途な主人公なんだから!
俺の有り余る主人公力の前には誰一人敵ではない。
それに下積みが違う。
ほかのモブ転生者になんか誰一人として渡さないのだ。
絶対に!